Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

こわいはなし

2011/08/22 00:23:52
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それはとても暑い日でした。

昼から続く暑さは夜になっても収まらず、戸を空けても風は余り通らず
このままでは寝苦しくとても眠れそうにありませんでした。
そのせいもあったのでしょう。
誰かが言いました。

『怖い話でもしない?』

怪談話は昔より伝わる涼を取る方法の一つです。
普段からどこか堅い所のある寺のため物珍しさもあり、たまにはと皆もその提案に賛成しました。

そして夜も深まった頃、雰囲気を出すために広い本堂の中心に蝋燭を灯し、ゆらゆらと風で炎が揺らめく中
命蓮寺での怪談話は幕を上げたのです。



――



「では、せんえつながら私から話ましょう」

炎が揺らめく蝋燭立てを持ち聖が話し始めました。
唯一の灯りを誰かが持っただけでそれなりに雰囲気はありました。

聖は人間の好奇心の深さから起こった出来事を語りました。
その人達は簡単な交霊の儀式を行なう事で目的とは違うモノを呼んでしまい
不幸な最後を迎えるという話でした。

「彼らは本来の目的と違う、呼び出してはいけないモノを呼び出して狂わされてしまったのです」

手に持った蝋燭立てをコトリと静かに自分の前に置き、聖の話は終りました。



――



「じゃあ、次は私が話すわ」

聖の隣にいた村紗が聖の前から蝋燭を取り話始めました。

村紗は舟幽霊らしく、海に纏わる話をしました。
雄大な美しい姿を見せる昼に対して、夜の海はまさに人を引きずり込む魔力を持っている。
暗い海は冷たく深い、昼とはまったく別の顔を持っている。
そうして何人も何人も海に呑まれて命を落とした。
つらつらと彼女は話続けました。

もしかしたら、この話は彼女自身が経験し、彼女自身が行なってしまった過去の過ちだったかも知れません。

「……私の話はコレでお終い」

心なしか少し寂しそうな顔で蝋燭立てを置き、村紗の話も終りました。



――



「次は私が話しますね」

次に蝋燭を持ったのは響子でした。

彼女が話したのは忘れられる恐怖、怪談話としては少々ずれている感じでしたが人々に忘れられ
自分の存在が曖昧になり消えそうになる恐怖は妖怪ばかりのこの面子に十二分に伝わりました。

ココに来る前に彼女は自分の存在を否定され、足元から消える様な思いを経験してきたのでしょう。
彼女の話はとても辛く胸がくるしくなる話でした。

自分の経験を思い出してか目に涙を溜める響子をなだめる様に優しく頭を撫でながら一輪が
『次は私がはなすわね』と彼女から蝋燭を受け取りました。

一輪が話したのは外の世界の巫女から聞いたと言う話でした。

雪山で遭難した四人の話で、吹雪の山小屋の中凍死しない様にとあるゲームを行い一夜を過すという話でした。

「ですが、彼らは気付いてしまったのです、そのゲームは決して四人では出来ないという事に」

こうして一輪が話を終えた時少し休憩する事になりました。



――



昼のうちにあまりの暑さから氷精にお願いした作った氷を削り、カキ氷を皆で味わいました。
怪談話でそれなりに涼は感じていたもののあくまでも気分的なもので実際に暑い事には変わりなかったため
用意したカキ氷は直ぐに無くなり、続きが始まりました。



――



「では私が話そう」

ナズーリンが蝋燭を持ち話し始めました。

彼女が話したのは人が人を食う話でした。
よく出来た妻が出していた料理が実は人の肉だったという内容でした。

「そしてある日夫は気が付いてしまったんだ、毎日自分が美味い美味いと食べていたモノが
自分と同じ人間の肉であった事を」

正直私はこの話を聞いてドキリとしてしまいました。
何故なら私が話そうとしていた話に酷似していたからです。

そんな私に気が付く事なくぬえがナズーリンから蝋燭を受け取りました。

ぬえは昔に流行ったと言う怪談話を今風にアレンジをして話をしました。
自分の考えも交えた彼女の話は古いはずなのに新しさに溢れる話でした。



――



そしてとうとう私の順番が周って来ました。

「最後はご主人か」

「星、締めをお願いしますね」

「期待してるわよ」

「蝋燭が無くなる前に終らせなさいよ」

「星さん頑張ってください」

「はい蝋燭」

ぬえの手からもうすっかり短くなった蝋燭が手渡されました。
この催しも終りを告げるという事で皆が思い思い私に言葉をかけてきました。
期待されている、皆のその思いを私はひしひしを感じていました。

だからこそ今からする話が皆に申し訳なくてなりませんでした。
しかし何時までも黙っているわけにはいかないので重い口を私は開きました。

「では最後は私の話ですね、私がする話はナズーリンがした話に似ていますが
恐らくここにいる皆が驚き、背筋が凍る事でしょう」

ほう、だとかへぇ、とか感心する様な期待するような声が聞こえて少し話す事を躊躇ってしまいました。
ですが何時までも黙っているわけにはいきませんしいずれ誰かが気付く事でもありました。
悪いは他でもない私、私が引き起こしたミスだったんです。
そしてその事が発覚する事を恐れ誰にも話さなかったのが最大の罪なのでしょう。

では短いですが、と前置きして懺悔をする気持ちで私は話しました。

「皆さんが食べたかき氷に纏わる話です」

私は先ほど用意されたカキ氷に一切手を付けていません。
何故なら

「実は先ほどのかき氷に使った氷は、私のミスで氷精に凍らされた雲山です、つまり先ほどのカキ氷の原材料は雲山です」

それだけ言うとまだ私の話の意味を理解していない皆を無視して、蝋燭の炎を消して逃げた。
家でカキ氷食ってたらふと『ここにカキ氷が7つあります。一つは雲山です。』
というフレーズを思いついて一人称視点の練習もかねて書いてみたかったんです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。
楽しめたのなら幸いです。


1様
むう、未調理、素材がよくても料理されてなければ勿体無い……
もっと構想に力を入れてみます!

2様
いや本当になんであんなの思いついたのか……

3様
無念、やはり構想不足か……
次回は面白かったとコメもらえるように頑張ります!

名無し様
ありがとうございます。

5様
その辺あっさりさせ過ぎましたね……
もっと話としてのバランスを見つめ直してみようと思います

6様
最終鬼畜全部雲山

7様
まぁそれは星ちゃんですからwww

コメント、アドバイスありがとうございました。
H2O
http://twitter.com/H2Oekijou
コメント



1.名前が無い程度の能力削除
発想は良かったんだけど…
全体的に薄味というか軽過ぎというか。
レストランでステーキを頼んだら調理前の生の英吉利牛を出されたような作品でした。
2.名前が無い程度の能力削除
逃げんなwww

その電波に乾杯
3.名前が無い程度の能力削除
うーむ…全体的に弱い
オチもつまらないし
4.名無し削除
落語っぽくて面白かったです!!
5.名前が無い程度の能力削除
面白かったです!

もうちょい星以外の話は長くていいと思います。
6.名前が無い程度の能力削除
ロシアン雲山なのか、全部が雲山なのか……。どっちにしても嫌だw

あと星ちゃん当たり前のように逃げんなw
7.名前が無い程度の能力削除
うっかりにもほどがあるww
8.プロピオン酸削除
これはじわじわくる