めんどうくさい。賢者が聞いて呆れる。
せめて機嫌くらい直して欲しいんだけどな。
――ゆーかーりっ
「博麗の巫女は忙しいのよね」
――ゆかりはおねーさんなんだから
「お姉さんじゃないわ」
――じゃあおかあさん?
「れっ、れいむっ」
――きゃっ
もう、冗談も通じないんだから。
いつも余裕がある風に振る舞っていながら、私が少しでも離れるとこれだ。
私は紫のものなんだから、もっと優しく私をなで回し、愛でることに力を注げばいいのに。
――今日レミリアに会ってお茶を頂いてきたわ
「知ってる」
縁側で今日の出来事を何気なく話すと、途端に口数が少なくなる。まただ。
八雲 紫は誰に対しても饒舌で、口八丁。嘘か本当か分からない、嘘か本当かも彼女次第。天狗に似ていると今思った。
ある意味本来の能力よりも恐ろしいものだが、最近はそんな紫を見ない。
だけど私は続ける。そろそろ限界だった。
――そこでレミリアに紫と付き合ってるのって言ったらかなり驚いてた、じゃあなんで紫はいないのかって
「霊夢、あなた何でそんなことを」
――知らなかったんだ。紫ってさ、昔はずっと私のこと覗いていたよね
ばつの悪そうな顔をされる。シュンとしながら謝ってきた。違うのに。
「悪かったわ、あの時は霊夢のことを手っ取り早く知りたくて、土足で入り込んでしまった」
――そっか、今は覗かないの
「覗くわけないじゃない、霊夢のことを縛りたくなんか…」
――でも紫は私のことが気になってる。そして私がどこか行くたび癇癪を起こすんだから
覗いていた方がいいんじゃないかしら、精神衛生上。それに紅魔館に行ってる私を覗いたってさっき言ったじゃない。
「れ、霊夢が心配なだけだったのよ。会話まで聞くほど」
――ねえ、紫。明日には魔理沙に会うし、近い日にまた香霖堂に行く。いつか山の神社に喧嘩売ったり、その途中知り合いをからかうのも悪くないと思ってるの。中途半端に縛っても私はどこかに行っちゃうだけよ
「霊夢、本当に良いの?」
――紫に覗かれるのは嫌いじゃないってさっきから言ってるような…。ああ、もう! 私はふわぁっとどこかへまた逃げるわ。だから紫、全力でそれを止めてみなさい
自分のことを本気で縛って欲しいなんて言わせる紫は改めてひどいやつだ。
「霊夢!」
急に抱きつかれて押し倒されて、体重と背中の痛みが襲ってきた。
実行犯はうわ言のようにれいむ、れいむとかはなさない、はなさないんだからと
せめて機嫌くらい直して欲しいんだけどな。
――ゆーかーりっ
「博麗の巫女は忙しいのよね」
――ゆかりはおねーさんなんだから
「お姉さんじゃないわ」
――じゃあおかあさん?
「れっ、れいむっ」
――きゃっ
もう、冗談も通じないんだから。
いつも余裕がある風に振る舞っていながら、私が少しでも離れるとこれだ。
私は紫のものなんだから、もっと優しく私をなで回し、愛でることに力を注げばいいのに。
――今日レミリアに会ってお茶を頂いてきたわ
「知ってる」
縁側で今日の出来事を何気なく話すと、途端に口数が少なくなる。まただ。
八雲 紫は誰に対しても饒舌で、口八丁。嘘か本当か分からない、嘘か本当かも彼女次第。天狗に似ていると今思った。
ある意味本来の能力よりも恐ろしいものだが、最近はそんな紫を見ない。
だけど私は続ける。そろそろ限界だった。
――そこでレミリアに紫と付き合ってるのって言ったらかなり驚いてた、じゃあなんで紫はいないのかって
「霊夢、あなた何でそんなことを」
――知らなかったんだ。紫ってさ、昔はずっと私のこと覗いていたよね
ばつの悪そうな顔をされる。シュンとしながら謝ってきた。違うのに。
「悪かったわ、あの時は霊夢のことを手っ取り早く知りたくて、土足で入り込んでしまった」
――そっか、今は覗かないの
「覗くわけないじゃない、霊夢のことを縛りたくなんか…」
――でも紫は私のことが気になってる。そして私がどこか行くたび癇癪を起こすんだから
覗いていた方がいいんじゃないかしら、精神衛生上。それに紅魔館に行ってる私を覗いたってさっき言ったじゃない。
「れ、霊夢が心配なだけだったのよ。会話まで聞くほど」
――ねえ、紫。明日には魔理沙に会うし、近い日にまた香霖堂に行く。いつか山の神社に喧嘩売ったり、その途中知り合いをからかうのも悪くないと思ってるの。中途半端に縛っても私はどこかに行っちゃうだけよ
「霊夢、本当に良いの?」
――紫に覗かれるのは嫌いじゃないってさっきから言ってるような…。ああ、もう! 私はふわぁっとどこかへまた逃げるわ。だから紫、全力でそれを止めてみなさい
自分のことを本気で縛って欲しいなんて言わせる紫は改めてひどいやつだ。
「霊夢!」
急に抱きつかれて押し倒されて、体重と背中の痛みが襲ってきた。
実行犯はうわ言のようにれいむ、れいむとかはなさない、はなさないんだからと