Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

がぶ☆ぺろ☆ちゅっちゅ!

2011/07/15 03:39:48
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風呂上り。長い髪を手前に持っていき、タオルで乾かしたり、櫛を入れたりと丹念に手入れをしている彼女がいた。
普段見えないうなじが無防備にお目見えしていて、どきりとする。背中は前屈みの猫背で歪んでつぶれていて、実際の座高よりも低く見える。
身長だってほんとは私より大きいのに猫背のせいでトントンか小さく見えるし。もったいない。
星のようにすらりと高身長ではないけれど、ハグしてふぎゅっと抱きしめられると頭まで包まれて安心する。
ちゅーするのにも、たまに背伸びするくらいには彼女は大きい。態度が子どもっぽいからあんまり分かんないけども。

「ぬえ」

大好きなひとの名を読んでみる。気付いてくれるかな?とか、どんな顔して振り向くんだろう?とか。あったか恥ずかしい気持ちでぽわんぽわんってなる。
産毛もほとんど生えていない真っ白な首すじから石けんのにおいがして、夏の暑さで滲み出た汗と混じって世界にいっこだけの香水みたいに香っていた。

……振り向いてくれない。気が付かないのかな。たしかに小さな声で呼んだんだけど。抜き足、差し足で忍び寄って、一見頼りなさそうな肩に手をかけた。

「うひゃう?!」
「これぐらい気付きなさいよ。敵だったらやられてるわよ?」
「いや、ここは安全だって思い込んでるから…」

まるで猫が全身の毛を逆立ててびっくりしたような反応だった。それは、つい、意地悪をしたくなるくらいには可愛い反応。

「さっき呼んだんだけど。ぬえってば酷い!」
「い、いやね、水蜜ってば空気みたいなモンだし」
「なぁに、いてもいなくても変わらないって言いたいの?」
「ち、違うわよ逆! いるのが当たり前で、でもっていないと困るの!!」
「へぇー?」
「あっ……」

言ったあとに言葉を反芻して、顔が赤くなっている。無意識にこういうことを、さらりと言ってくれるのは、正直……嬉しい。
なんにも考えない状態で、彼女の中に私がいるんだなって分かるから。だけど、どう見てもさっきより髪を乾かす手が早くなっている。
こうやって恥ずかしがってるのを見ると、余計に愛しく思えてくる。
別に男の人みたいに強く、逞しく、カッコよくっていうのを求めているわけじゃない。
だから彼女のめいっぱいで私を愛してくれてるのを感じられれば、それだけで十分に幸せ。

ぐにゃりと歪んでいて、湾曲している首の骨が目について、釘づけになる。
煮込んだらいいダシが出そうとか、丸焼きにしたら上等な一品になりそうだとか、ただ単純に、かじったら美味しそう…だとか。

頼りなさそうな両肩に手を置いて、背後にどっかり陣取って背中にもたれかかった。けして広くはないけれど、私はこの背中を信頼している。
小さく見える背中は実はしなやかな筋肉で覆われていて、頸椎から尾骨まで続いている。
幻想郷ルールだけで飛んでいる私と違って自力で飛ぶことができるから、私にはないがっしりとした筋肉が無駄なくついていて、美しかった。
普段は柔らかく、しなやかに。瞬発力を必要とするときだけ盛り上がってばびゅん!と飛ぶ。脂身が少なくてたんぱく質が多そう。まるでササミね。

「羽が刺さるわ」
「だって仕舞ったら背中ツーッてやるんでしょう」
「何か文句あるの?」
「だって、あれ、痒い、」
「無いわよね?」
「……ない、です」
「分かればよろしい」

赤青3対、6枚の羽があっという間にどこかへ消える。この薄っぺらい胴(言ったら怒られそう)のどこへ仕舞っているのか、常に不思議でならない。
肩甲骨が薄いパジャマの布地から盛り上がっている。遊ぶように指を這わせた。ふにゅぅぅと腑抜けた声を出してくすぐったそうに身を捩るけど無視してくすぐる。
背骨に沿って首からおしりまでなぞる。ついでにおしりをもっちゃり、むっちり撫でまわす。お次は下から上の方まで逆撫でしてみた。

「髪いじってていいわよ」
「む、りぃ」
「ふふ、可愛い」

左手はお腹の方に回して抱き寄せる。頭をぐりぐりして、耳をくっつけた。鼓動とぬくもりを直に感じて幸せ。
口元がちょうど彼女の首すじにきたから擦り寄って、ふぅ……っと息を吹きかけた。
そしたら面白いくらいに体が跳ねて、気分がよくなる。いつも悪戯されてばかりじゃ割に合わないから、仕返しよ?
れろりと首すじを舐める。私は彼女と違ってやっぱり人間だから、舌のざらざらがあんまりなくて、摩擦が少なくてつまらない。
風呂上りのにおいが時間と共に変化していって今は体臭の方がやや勝っていた。私にだけの媚薬みたいで頭がくらくらする。

「はぁ、はぁ……ぬえぇ」
「あっ、んぅ…!」
「くすぐったい?」
「みなみ、つぅ…こしょぐったいよぉ」
「知ってる? くすぐったい所ってね、性感帯になる素質があるんだって」
「そんな、……豆知識いらないってば」
「こしょこしょ」
「ふぁう、背中やめてって」
「うりうり、うりゃー」

ああ、もう、ぬえってば可愛いなぁ…。

「いい加減に怒るわよ?」
「えっ?」
「人間は妖怪に食べられるものなんだから!」

油断をしていた…あらあら、押し倒されてしまいました。もう、遅いんだから。このヘタレ!

「痛かったら言ってね」
「歯医者みたいね」
「鵺です……あむっ!」

羽を広げた彼女に上に乗られて、喉元に噛み付かれた。凹んだ部分が多い喉だけれど、彼女の牙にかかれば何の問題もなく皮膚に届く。
本気で噛み砕くような強さはないけれど、甘噛みというには些か凶暴なじゃれだった。
鼻息荒く、夢中になってくれるのはいいとして、やられる身としてはちょっと痛い。鎖骨に噛み付かれてちくりとした痛みが走った。
がむしゃらに、がじがじと食いついてくる彼女の頭を撫でる。まだ風呂上りの湿り気を帯びていた。

「水蜜ぅ……あとつけていい?」
「だぁめ」
「何で?」
「だって前の消えてないもの」
「消える前につけたいの」
「このケダモノ。私にマーキングなんてしなくても誰も取りゃしないわよ」
「やだやだ、つけたいの、ちゅー!!」
「待て!」
「うっ……!!」

ぴしっと硬直して彼女が動きを止める。中途半端に出た舌が間抜けで可愛い。私の出す号令を律義に聞いて守ってくれる。
顎下をくすぐるように撫でて、耳の後ろを掻くように、髪に指を通してやると「もっとやって!」と言わんばかりに伸びをした。
でもここでやってあげたら面白くない。

「お・あ・ず・け♪」
「ぐるるる……」
「それに私、つけられるより、つけるほうが好きなの」
「うがぅ! けちんぼ!」
「髪乾かしてあげるから大人しくしてなさい」


* * *


彼女の髪は真っ直ぐさらさらで。私のうねった髪とはまた違ったさわり心地がある。うっとり目をつむった彼女の髪を乾かすのは、お母さんになったみたいな気分がした。
ねぇ、あなたはよく乾かしてとねだってくるけれど、私の方がいじりたいということを知っているかしら?
おんなじシャンプーを使ってるのに、同じにおいにならないことを知ってるかしら?

「何だか眠くなってきた……」
「いっつもそれね」
「だって水蜜の手が気持ちいんだもん」
「ほれほれ。褒めても何も出ないわよ」
「んぅぅ……、はぅ…」
「ちゅーしようよ、ぬえ」

「ん」

振り向いた彼女に肩を掴まれ、頭を固定された。唇が触れて、私は反射的に目を閉じる。
ちょいちょいと背中をつつく合図を出すと無言で抱きすくめられた。これが一番安心する。彼女の腕の中は私の特等席!

ちゅっちゅと小鳥のように可愛らしく啄むキスや、んべぇと伸ばした舌だけを口外で絡ませあうキスも好き。
だけど、息もできないくらいに唇をぴったり重ね合わせてゆっくりと愛を確かめあうキスが一番好きだったりする。
体中をすりすり擦られて腰が抜けたみたいに脱力してしまう。舌を伸ばすと絡めとられて、とんがった牙で甘噛みされた。

「ん、ふっ……くぅ」

鼻から息が抜けて甘い声が漏れ出てしまう。無意識で肩に爪を立てていた。

「んーー、ちゅう、ぱっ」
「はぁ、はぁ、あ……」
「水蜜の顔、やーらしー」

名残惜しそうに口周りを舐める彼女の方がやらしいと思う私はぬえ馬鹿もいいとこなのかもしれない。
でも……好きだし。ねぇ?

「顔真っ赤。りんごみたい」
「あら、空気じゃなかったの?」
「もぅ、終わったことほじくり返さないでよ!」
「私に勝とうだなんて100年早いわよ」

彼女にとっての私が空気なのならば。私なしでは呼吸もできないくらいの関係になりたい。
でもって、酸素に触れてもっと激しく燃え上がるような恋にしたい。

「じゃあ100年後も一緒にいようね」
「まぁた、そういう嬉しいことさらりと言う……」
「ぬゅふふ。ちょっと恥ずかしいけどね!」

あぁ、もうぬえの馬鹿! 大好き!!
前半はムラぬえっぽいですが、作者のジャスティスはぬえむらです。

この子たちが延々とお互いをかじりあって、ぺろぺろしあって、ちゅっちゅしあう話はどこに行けば読めますか。

【7/18 追記】
みなさま、コメントありがとうございます!
辛抱たまらんくなったらこういった趣旨でまた書くかもしれません。ですができれば人様の作品を拝んでみたいものです。
ちなみにムラサはぬえに愛されるためなら何でもする、くらいにぬえが好きなんじゃないかなぁと思っています。
誘い受けムラサ可愛いですよね。
アサトモ
コメント



1.名前が無い程度の能力削除
うぉぉぉ甘ーい!!
2.奇声を発する程度の能力削除
甘くてニヤけるww
3.名前が無い程度の能力削除
げほおおおお口ん中が蜂蜜でジャリジャリするう ぬえムラ最高!
4.名前が無い程度の能力削除
>この子たちが延々と
書いてもいいのよ?(期待のまなざし)
5.名前が無い程度の能力削除
ぬえむらちゅっちゅと聞いて飛んできました!
素晴らしいぬえむら(ムラぬえ)をありがとうございます!
6.oblivion削除
みっちゃんったら誘い受け