Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

クールな霊夢とクールなアリス

2011/07/06 22:04:29
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初夏到来隠し芸大会と称された宴会の中、早苗はふと宴会の隅に霊夢とアリスの姿を見かけた。

アリスと霊夢は互いに背を合わせ、お猪口で酒を飲んでいた。
お猪口に酒を注いでは飲み、注いでは飲み。ただ黙してちびちびと飲んでいる光景は宴会ならよくある事だ。


宴会ならばよくある光景、だが早苗はその状況に不審な点を見つけた。

一つ目は宴会もいよいよ佳境に入った時間帯である事、この時間帯ならばちびちびと酒を飲まずに豪快に一気飲みをしていてもおかしくは無い、現にいつもの霊夢ならばところ構わず走り回り、酒を流し込んでいるはずだ。

二つ目はアリスと霊夢の周辺に何故か誰もいない事、二人の居る場所は宴会の中心と言わなくとも隅っこではないので酔っ払いの一人や二人が突っかかっていてもおかしくは無い状況、しかも何時もは博麗の巫女の周辺には常に幾人の大妖がいる。それが全くいない事。


二つの不審な点、これは一体どういう事か突き止めんと早苗は二人に接近してみる事にした。

「あ、霊夢さんにアリスさん何してるんですむぐうっ!?」

しかし二人に近寄ろうとしたその時突如後ろから手で口を塞がれてしまう。

酔っ払いか、それとも酔っ払いを装ったセクハラか。
早苗はすぐさま懐からスペルカードを抜き取った。
セクハラや人(妖怪)間違いなど宴会ではそんな事が日常茶飯事である為、早苗は迷わずスペルをぶっ放した方が良いと学習していた。
相手はどうせ酔っ払いかそれに見せかけた下心持ち、前者ならば派手なスペルをぶつけられても誰がやったかなんて覚えていない、後者だとしても騒ぎを大きくできる筈も無いのでそのまま退散する。どちらにせよ咎めも受けず、かつ事を荒立てずにやり過ごせる賢明な策だと早苗は学習していた。しかし

「おっと、動いたら打つぜ」

早苗を抑えたのは魔理沙だった

「むぐむぐ (魔理沙さん、どうしてここに?)」
「ひそひそ (良いから来るんだ、あの二人に気が付かれない様に)」


その後早苗は魔理沙に近くの草むらへと引きずられていった。
草むらでは八雲紫と八雲藍が草むらから二人を見ている所だった。

「スネーク、早くこのダンボールを被るんだ」

魔理沙がダンボールを早苗に手渡す。

「何故ダンボールを被るんでしょう。」
「潜入任務にダンボールは必需品だろ。それにお前はスネークだ、丁度良いじゃないか。」
どうやら魔理沙達が行っているのは潜伏捜査らしい。
決して大きなボスを倒しに行ったり軍事国家を壊滅させに行くのではない。




PLL PLL…
PLL PLL…

ガチャッ

スネーク:大佐…ではなく魔理沙さん。とりあえずダンボールに入りました。
魔理沙 :了解だぜ。
スネーク:しかし私達は今何をやっているんですか?
魔理沙 :何って…そりゃあの二人の監視だろ。
スネーク:へ?それはまた物騒な…、そんな事をする理由は何ですか?
魔理沙 :あー…そうか、お前はまだあの二人が宴会で一緒に居る所を見ていないんだっけな。
スネーク:まあ、そうですね。
魔理沙 :じゃあまずはそこから説明…。
紫   :それは私がやるわ。
魔理沙 :おわっ!なんだ紫、勝手に回線に入って来ると吃驚するぜ。
紫   :良いでしょ、この無線機は元々藍とメ○ルギアごっこをやる為に私が作ったんだから。
藍   :それって何百年前の話ですか?私初耳ですよ。
紫   :ん~、まだ武士が刀を振っていた時期ね。
スネーク:その頃ってまだ無線なんか出来てませんよ?しかもメ○ルギアって…。
紫   :時代を先取りするクールな女、八雲紫。
藍   :紫様、そろそろ先にお進みください。
紫   :あ、ごめんなさい。
スネーク:あのー、そろそろダンボールから出てもいいですか?


流石に蒸し暑いのか早苗はダンボールを外して立ち上がった。

「あの二人はね、宴会とか出会うと必ずあんな状態になるのよ。アリスは宴会にあまり来ないから何度か宴会に参加していないと見られないんだけど」
「確かに私はもう12回くらい宴会に参加していますがアリスさんが参加しているのは初めて見ました。」
「それで、なんであんな気まずい雰囲気になっちゃってるか分かる?」
「…お互いが苦手だからですか?」
「だったら見切りの良いあの二人の事よ、あんなに接近しないわ。よく見てご覧なさい」

早苗は紫に渡された望遠鏡からもう一度二人をよく見てみた、すると先ほどは分からなかった変化に気が付く。


…汗をかいている?

二人は汗を額に滲ませていた、熱いのだろうか?いや、二人が居るのは木陰でしかも飲んでい日本酒はアリスの魔法で作られた氷でよく冷やされた雪冷え、熱いとはまず考えられない。
すると残った可能性は一つ

「…緊張している?」
「そう、二人は今、猛烈に緊張しているのよ」

そう考えてまたよく見てみると二人の手元は若干震えている。酔いによって、ではなくぷるぷると震えているのが分かる。

「しかし二人は何であんなに緊張しているんでしょう?」
「…早苗、お前案外鈍いんだな」
「魔理沙は黙っていなさい、なんで緊張しているか分からない?」
「…はい」

「私から話すのもいいんだけど…これを付けた方が分かりやすいわ」

紫から早苗に渡されたのは妙なヘッドフォン付のサングラスだった。
早苗が興味深げに紫に質問する。

「これは?」
「これを着ければあなたが見ている人の心の声を読み取れる代物よ、名付けて『さとり☆ヴィジョン』」
「うわぁ…」
「そこ、露骨に『うわっ、こいつレミリア並みに名前のセンスねぇ』と思わない。」

早苗は紫から渡されたそのサングラスを被った。二人の姿が見えると共に心の声が聞こえるようになる。

『…かしら…』
『…ね』

「あ、声が聞こえますね。」
「凄い技術力だよな。」
「八雲の技術は世界一よ。」
「ドイツ軍人が怒りそうな台詞だな。」
「じゃあまずは霊夢さんを見てみるとしますか。」



霊夢はちびちびと酒を飲みながらぼそぼそと考えていた

『…この状況は辛いわね…何と言うか、喋り辛い。』

「どうやら霊夢さんはアリスさんと喋りたいようですね」

『…折角アリスが宴会に来たっていうのに…また何も話せないのかしら』

「ん?」

『ああもう…何回足止め食らってるのかしら。』

ここにきて早苗は気付く
喋りたい、でも恥ずかしくて喋れない
この状況はもしや…
早苗は目を光らせた

「これは…恋ですね!」
「気付くのが遅いぜ」

げっそりとした様子の魔理沙がぼそっと呟いた。
そう、霊夢はアリスを好きな人として意識しているのである。

「いやー霊夢さんに好きな人がいるとは思いませんでした、まさかアリスさんとは。」
「ところが、だ。事はそんなに単純じゃない。」
「へ?じゃあアリスさんは霊夢さんが苦手とか。」
「いや、そうじゃないんだ。ともかくアリスの方も見てくれないか。」

ふとアリスの方を向くとアリスは無表情で酒を飲みながら

『ああもう、どうして霊夢は何も喋らないのよ!?私は霊夢と話したいのに話しかけられないじゃないの!なんか深刻そうな顔で遠くを見ているし…どうしたのかしら?ああもう、自分から話しかけられない性格をここまで憎々しく思ったことは無いわ!ぐずぐずしていると宴会も終わっちゃうのに…。また霊夢と話せないまま宴会がお開きになっちゃうのかしら?』

こんな事を考えていた。

「………」

ふうーっと大きく息を吐き早苗は大きく空を仰いだ。

「いったいどういう事なの…」
「見たまんまの意味さ。アリスは性格上霊夢に話しかけられない、霊夢は恥ずかしくてアリスに話しかけられない」
「常に一歩引いている二人だからこそ起こる事なのよ。」
「似た者同士って事だぜ」
「似た者同士って凄く面倒くさいんですね。」

説明している二人の声の傍でアリスと霊夢の心の声が聞こえる

『大体アリスは卑怯なのよ。何よあの綺麗な青い目、それに綺麗な金髪。まるで人形じゃない。私なんか里にいる普通の人と変わりゃしないのに。アリスが里に居ると目立つのよね。』

『霊夢のあの綺麗な黒い髪、いつ見ても羨ましいわ。どうやって何時も手入れしているのかしら、霊夢の事だから何にも手入れしていなさそうだけど。ああ言うのを宝の持ち腐れって言うのよね。ああ、私が手入れしたいわ。』

『アリスって優しいのよね、人里で人形劇をよく開いているし。よく夜中に家に突撃してもご飯作ってくれるし。まさにお母さんよね。』

『霊夢ってクールよね、妖怪退治の時も弾幕ごっこの時も無表情で無感情そうで。でも時々酔っぱらって家に突入してくる時の霊夢は甘えん坊なのよね。そこがまた良いんだけど。』

『でもアリスって時々とっても凛々しい顔を見せるのよね、怒っているときとか思わず見惚れちゃうのよね。』

「ああもう、面倒くさいですね!」

一応言っておくが霊夢とアリスは会話をしているわけでは無い。
考えていることまで一致しているのだ。

『大体何で地底異変の時魔理沙とペア組んだのよアリスは!』

『霊夢は紫と何で組んだのよ!私がペアを組みにくくなったじゃない!』

『私が紫と組んだのは紫が勢いで押し込んできたからよ!』

『おかげで悩んでるうちに魔理沙とペア組むことになっちゃったじゃない!』

『畜生、次ペアを組む事になったら真っ先にアリスの家に飛び込んでやるわ!』

『もし霊夢がペアを組もうとしてきたら私が霊夢の先手を打って神社に突入してやるわ!』

『うぐぐぐぐ』

『むむむむむ』

とうとう喧嘩まで始まる始末
繰り返すが二人はお互いが何を考えているか分からない。
しかし表面上はクールに振る舞っていて心の中では喧嘩をするとはどんな器用さだ、そうか、これが夫婦か、夫婦漫才か!
早苗は悟りを開いたようだ。

二人の考え争いはますます激化していった…。






『大体アリスはねぇ!何なのよ、何であんなに可愛いのよ!性格良し、容姿良しなんて卑怯にもほどがあるでしょ!』

『何で霊夢はあんなに強くて格好良くて人気があるのよ!不公平だわ!実験を重ねた会心のスペルを何であんな超軌道でかわせるのよ!』

しばらくして紫と藍が「眠いから帰る」と帰宅してから二人の様子を見ていたが
二時間程たっても二人は心の中で喧嘩を繰り広げていた。
いくら相手の悪口を言っていても傍から見ればクールに酒を飲んでいるように見える。
だが考えていることを読める早苗はげっそりとしていた。



「これ…何時まで続くんですか?」
「前に私が見た時は宴会が終わるまでやってた。」
「うわぁ…」

早苗はいつ終わるか、いつ終わるのかと待っていたが終わる気配がない。

「何でこんなに仲がいいのにくっつかないんでしょうね。」
「似すぎているんだ、きっと。」
「似すぎているのも困りものって事初めて知りましたよ。」

いつしか早苗と魔理沙は同じようなげっそりとした顔になっていた。

「あ、そろそろ宴会が終わるわね。」
「そうね、また来なさいよアリス。あなた宴会に来なさすぎ、もっとパーッと騒がなきゃ。」
「ずっと黙っていたのが何を言うか。」
「今日は本調子じゃなかったのよ。」
「ふーん、じゃあ気が向いたら来るわ。じゃあね霊夢、今度は神社へ遊びに行くわ。」
「お菓子を期待して待ってるわ、またね。」


そうこうしているうちに宴会がお開きになり。
霊夢とアリスはクールに去って行った。






後には疲れ切った様子の魔理沙と早苗が倒れていただけであったとさ。
二人はこう…言い表せない距離感があると良いんだ、砂糖まみれになるほど甘いのもいいけど。

この作品の糖度は…5か、まだまだですな。

作者は誤字脱字及び「糖度もっと増やせよ」等要望、更に作品に対する意見を随時募集中です。

―――――――――――――――――――――――――――――

すみません、手違いで消してしまいました。
前回の>>1さん
御報告ありがとうございました。
誤字については完全に作者のミスです、すみません、訂正いたしました。

――――――――――――――――――――――
コメ返しです

>>1さん
次のレイアリはどぎまぎレイアリを書くか
でれでレイアリを書くか迷っています。
>>2さん
にやにやして頂けましたか
糖度10…?今までの二倍だと…?
>>3さん
誰が上手い事を言えと
冷凍アリス!そう言うのもあるのか!
>>4さん
次のレイアリもにやにやして頂けるものを書こうかと思っております。
>>5さん
三倍…三倍!?
うぎぎぎぎ
うぐぐぐぐ
>>6さん
そのまま一日をお過ごしください。
>>7さん
イエス イッツジャスティス!
>>8さん
ドイツの軍人が刺客として幻想卿に舞い降りた
果たして霊夢とアリスの運命はいかに!?
こうですか、わかりません!
>>奇声を発する(ry in レイアリLOVE!さん
ひゃっほおおい!!!
いやっほおおい!!!
>>10さん
発案:八雲紫
演算:八雲藍
技術:河城にとり
提供:香霖堂
命名:レミリア・スカーレット
のキャストでお送りします。
>>11並びに>>1さん
返信ありがとうございます
まずはまた作者へ注意をしてもらった事への感謝と謝罪への礼をこの場でさせていただきます。
すみません、誤字は作者の配慮不足、注意不足かつ用意不足でした。
今後はこのような誤字が無い事を注意していく次第です。
また勝手ながら多少の言い訳をさせていただきたいのですが
前回を消してしまったのは封殺との意図ではなくやはり作者による手違いによるものです。
この事に関してましてもやはり作者の未熟が祟った次第です。誠に申し訳ありません。
コメントを注意に使わせてしまい申し訳ございませんでした。
この返信をもちまして前回の注意へのお礼と今回のコメントへの返信とさせていただきます。

>>12さん
次はスリーストライクアウトだ…
芒野探険隊
コメント



1.名前が無い程度の能力削除
「糖度もっと増やせよ」、いやこれぐらいの距離感もなかなか
2.名前が無い程度の能力削除
「糖度もっと増やせよ」
似た者同士というか、もはや完全に一致状態でニヤニヤしっぱなしだったw
次は糖度10ぐらいですかね?期待期待ィ!
3.名前が無い程度の能力削除
冷凍(レイと)アイ(リ)スだから仕方ないわ。冷たく(クール)しなきゃ溶けちゃうもの。

とチェシャ猫ゆかりん。
4.名前が無い程度の能力削除
ニヤニヤせざるを得ないw
5.名前が無い程度の能力削除
「糖度もっと増やせよ」
3倍位でお願いします
6.名前が無い程度の能力削除
にやけた顔が戻りません
7.名前が無い程度の能力削除
レイアリは正義
8.名前が無い程度の能力削除
次はあれかジョ○ョっぽくレイアリか
9.奇声を発する(ry in レイアリLOVE!削除
やべえ王道キタコレ
ひゃほおおおい!!!
10.名前が無い程度の能力削除
さとり☆ヴィジョンw
霊夢もアリスも可愛くて良かった。
11.博霊神社の弾ポール削除
前回の>>1です。
まず最初にお詫びしなければなりません。
まさか、こちらのコメントが自分の分身ともいえる作品を「間違えた」などというあの投稿フォームの仕様上なかなかに苦しい言い訳を使わせてまで消させてしまうほどに心痛たらしめたこと、誠に申し訳ありませんでした。
前回のコメントについて重ねて申し上げるなら【博霊】は辞書登録していれば防げた問題ではあったでしょうし【弾ポール】はそれこそ自身の作品を投稿する前に一度でも読み返していれば気づけた部分ではないでしょうか?
そこに辞書登録を怠った怠惰と、読み返す手間を惜しんだ不誠実を垣間見た次第です。
確かに、こちらも言葉は厳しかったかもしれませんがそれは果たして、下手な嘘をついてまで作品ごと封殺されるようなコメントだったのでしょうか。
今回、他の方のコメントが付くまで書き込みを控えさせていただきました。どういう意味かは作者様が一番ご理解いただけていると思います。このサイトの規約でこれ以上のコメントは出来ませんし、こちらは返信を求めておりません。
最後に、もうあのような手法を採る他の書き手様が現れないことを切に願っております。
長文失礼致しました。
12.名前が無い程度の能力削除
俺の好みにどストライク
いいレイアリでした