Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

霊夢と魔理沙のチキチキデスレース

2011/06/16 20:22:17
最終更新
サイズ
8.25KB
ページ数
1

分類タグ


博霊の巫女は限界であった
度重なる宴会、増えない賽銭、舞い込まない異変解決の依頼。度重なる苦行によって霊夢は畳の間で生ける屍と化していた。
このまま死ぬかもしれない、畜生、今異変が起こったら一時間とかけずに解決し、通常の二倍、いや三倍の褒章をふんだくってやる。と彼女は朦朧とした意識の中で決意していた。しかしそれは異変が起こればの話だ、まさに万事休すの状況、しかし救世主は訪れた、救世主は紫色の衣を身にまとい、霊夢にこう告げた

「大変よ霊夢!グレイズ点が米になってしまったわ!」
霊夢は神に感謝した、生まれて初めて神に向かって感謝をした、巫女なのに



「へっくしゅ、あたしゃここにいるよ、忘れないでおくれ」
歩いて神社にお帰り下さい





お告げを聞いてからの霊夢の行動は速かった、天狗もびっくりするくらいに速かった、彼女はまず手始めに近くをたむろしていた下級妖怪達に喧嘩を吹っ掛けた。
当然妖怪たちは応戦の弾幕を放つが見事な動きで全弾華麗にグレイズ、ほくほく顔で敵を蹴散らしグレイズ点、すなわち米を強奪していった。
続いて霊夢は山に喧嘩を売りに行った、何があったかは想像にかたくないが帰ってきた時には米俵を背負っていた。
米俵一俵60kgは軽くはあるが流石は博霊の巫女だ何ともないぜ。

そして現在霊夢は自ら勝ち取った勝利の味を噛みしめようとしていた。
いざ米を頬張らんとだらだら涎を垂らしながら米が炊き上がるのを待つその姿はまずどこからどう見ても巫女ではない、巫女であると言ったら世の中の全ての神職に就く人々を敵に回すだろう。
普段の彼女は巫女っぽくないが今の彼女は人間っぽくない、もしこれが何かと百人に聞けば百人中百人が「飢えた野獣」と答えるだろう。巫女は常に飢えているものというのは幻想郷ならではの常識である。

そうこうしているうちにいよいよ米が炊き上がった、後はこれを茶碗によそり、一心不乱に掻き込むだけだ、
おぉ見よ、この真珠のごとく輝く米を、これを今から口内に掻き込み、一心不乱に咀嚼するのだ。噛めば噛むほどにじみ出る旨み、うまい、それ以外の言葉であのうまさを形容できるだろうか、いやできない、そんなことを考えている時間があるのであれば、ただ目の前の宝石を一心不乱に掻き込み、咀嚼するのだ。ただ無心で掻きこみ、咀嚼し、飲み込む、それ以上の幸せを私は持ち合わせていない、さあ食うぞ、腹いっぱい食うぞ。

しかしそんな幸福な時間は一匹の鼠によってぶち壊された
「へへっ、この米は頂いていくぜ!」
そう、幻想郷中を股にかけて窃盗を働く霧雨窃盗団隊員にして隊長兼雑用、霧雨魔理沙である。
俊足を持つ彼女に米を頬張る事を想像するのに夢中な霊夢が気付いたのは米大盛りの茶碗と箸、それと米を炊いていた飯ごうををごっそり持っていかれた後であった。

霊夢はその後泣き寝入りをしたか?それとも新たに米を炊いたか?否である、彼女は怒りに震えていた。そう、食べ物の恨みは実に恐ろしいのだ。


「許すまじ」


そう呟いたかと思うと霊夢は飛んだ、とてつもない威圧感を身にまとって。博霊の巫女の名にかけて米泥棒を叩き潰すという確固たる意志をもって霊夢は飛んだ。

そのやる気の何割かを修業に出してくれとスキマから覗き見ていた紫は言いかけたがどうせ言っても聞かないだろうと思い飲み込んだ。



当の米泥棒本人、霧雨魔理沙は米を食いながら焦っていた。最近家が爆発して食うものにありつけない日が続き、腹が減っていたのだ。
そんなときに旨そうな米の匂いがしてふらふら出て来た先に旨そうな米大盛り茶碗があったら迷わず盗む、だれだってそうする、魔理沙はそうした。

まさか霊夢のものだとは思わなかった、確か食料が枯渇して干物になっていなかったっけ。
条件反射であんなことをしてしまったものの米泥棒になるつもりはなかったのだ。ついつい図書館と同じような感覚で借りて逃げてしまったのだ。そうだ謝ろう、きっと親友のよしみで許してくれるさ。
許してくれるはずはないのに混乱のあまりそう決定した魔理沙が振り向くとそこには悪鬼が居た。


それは巫女と呼ぶにはあまりにも邪悪すぎた。凶暴で、速く、強く、そして巫女と呼ぶのがためらわれるほどに強欲すぎた。それはまさに悪鬼であった


魔理沙は逃げた、さっきの二倍、三倍と速度を上げて飛んだ、風切り音を耳のそばで感じながら飛んだ。謝罪?降伏?何の事だ?鬼に言葉は通じないだろう、こうなったら逃げる他はない、わかる、捕まったら殺られる。私はまだやりたいことがあるのだ。

しかし彼女は焦燥に駆られて普段ならば容易に思いつく事を失念していた。霊夢は諦めない、特に食べ物絡みの事になると地獄の果てまで追って来る。彼女は妖怪より怖い人間なのだ。


「嘘だろ…」
魔理沙は普段の3倍のスピードで駆けた、(この時の魔理沙のスピードは幻想郷基準でいうと30あややに値する)。トップスピードの天狗とも張り合えるこのスピードであればもう追いつけないだろう、そう思って後ろを振り向くと禍々しい気配を背負った鬼が未だ追跡を続けていた、何故かその距離はさっきより近づいた様に感じる。
魔理沙は逃げた、半泣きになりながら逃げた。幻想郷最速を自称する彼女の孤独なレースが今始まった。

追跡劇はヒートアップ、絶対に許早苗状態の鬼巫女と幻想郷のスピードスターを称する魔理沙のレースの舞台は妖怪の山、竹林、人里、太陽の畑、ニューヨーク、また人里と移り変わった、そのとき放たれた突風によって水しぶきが舞い、草木が吹き飛び、大地が削れ、スカートがめくれ、覗こうとした野郎どもの顔面に鉄拳が振りかぶられ、血しぶきが舞った。

その時の突風によって里の先生、でっけーねこと上白沢慧音の下着は白の無地でも縞パンでも動物柄でもあえてのドロワーズでもなくなんと黒のガーターと判明、長年にわたる各派閥同士の確執を解決すると同時に里に衝撃が走ったがそんな瑣末な事はどうでも良かったのであった。

魔理沙と霊夢の追跡劇が始まって一時間、均衡を保ってきた両者に動きが見られる、魔理沙のスピードが落ち始めたのだ。捕まったら殺られるという恐怖によって発生した脳内物質の力で何とか逃げてこれたがそれも限界に達した様だ。
最終的に最高速度は通常の5倍と自己ベストを記録したが差は全く開かない、むしろ縮まっている。ここに魔理沙の敗北が確定した。彼女の敗因は食べ物の恨みを甘く見たことである事は想像にかたくないだろう。

これで追跡劇と魔理沙の生命はお終いかと様子をスキマから覗き見ていた紫とこの勝負の実況者を買って出ていた射命丸とここぞとばかりに下着写真を撮りまくり、ついでにレースの賭けの胴元をやっていたてゐと人里の連中と作者が息をのんだその時である

「畜生!これでも喰らえ!」
やけになった魔理沙が大量のばらまき弾を発射、彼女の姿を覆い隠した。いわゆる悪あがきである。
魔理沙は自身の最後を予感し目をきつく閉じた

魔理沙の最後の悪あがきは何の意味も無いように思われた、しかしこれが思わぬ功を奏す事となる。

「…ん?」
いつまでたっても攻撃が来ないことに疑問を抱いた魔理沙はきつく閉じていた眼をうっすらと開けた、するとそこには

「ヒャッハッハッ米だーっ!」
奇声を発しながら華麗な動きで弾をグレイズする巫女の姿が! 
どうやら弾を見た瞬間条件反射でグレイズしてしまうらしい、
霊夢の生存能力は凄まじい物だがそれが思わぬ仇となった。

ここに偶然ではあるが魔理沙の命の存続に一縷の望みがさした。
霊夢がグレイズに夢中になっている今こそ逆転の一手を打つべし
濁りかけていた魔理沙の瞳に光が戻る、ふところから水戸の引導ならぬミニ八卦路を取り出し前方に構える、左手は添えるだけ…狙うはモヒカン…ならぬ巫女である。
八卦炉から迸るは彼女を代表する必殺スペル。イメージは幽香から丸パクリしたものであるが。

「汚物は…消毒だあぁぁっ!!」

魔理沙よ、それはかっこいいが雑魚のセリフだ。

八卦炉から放たれた光の本流は瞬く間に巫女を飲み込んでいった
勝った、生き延びた、そう理解したとたんに魔理沙は意識が暗転していくのを感じる。
「へへっ…勝ったぜおふくろ…」
満身創痍で魔力もなくなり、墜落していく魔理沙を空中に空いたスキマが飲み込んでいった

「んっ…」
霊夢が布団から起き上がった時には斜陽の光が境内の中に入ってくる時間帯だった
どうやら誰かがぶっ飛んだ自分を寝かしといてくれたらしい、大方紫だろう。
米に夢中で魔理沙の事をすっかり失念していたのが敗因だった、思わず妙なセリフも口走ってしまったし、あー、あれもこれも全部魔理沙のせいだ、今度会ったらただじゃおかない、と痛む頭を抱えながら晩飯(稼いだ米のみだが)を作りに台所に向かった
「…ん?」
気付くといい匂いが辺りに漂っている。紫が作ってくれてるのかなぁ、でも今は寝てるだろうし除外、じゃあ藍?あいつはいつも仕事をしているから除外、仕事をしてない日なんてないんじゃない?それとも橙?あの子しっかり者だしな、橙だな、お礼言っておこう。

霊夢が台所に行くと、橙ではなく、なんとエプロンをつけた魔理沙が料理を作っていた
「……」
霊夢は無表情でデンプシーロールの体制に入った、さあ来い鼠め、必殺の一撃をお見舞いしてやる、と敵意満載の霊夢に魔理沙はまったをかけた
「ちょ、ちょっと待て!私はお前に謝りに来たんだぜ」
「謝りに?」
「あ、あぁ…あの後紫が気絶した私を起こしに来てな、『あんたが全面的に悪いんだから後処理ぐらいきちんとなさい』とか言って私たちをここまで運んでくれたんだ」
「…余計なことを…」
こういう所はちゃんと気配りできるんだからあのスキマは憎めない
「その…なんだ、ごめんな」
申し訳なさげに謝る魔理沙を見て霊夢はふっと笑った
「まぁ、あんたが全面的に悪いとはいえこっちもやりすぎたわ、ごめん」
「じゃあこれで仲直りだな!」
「あんたのつくる料理に免じて、ね。」
「…ふふっ」
「はははっ」
「「あはははははははは!」」


この日米によって引き裂かれた二人の絆は米によってより固い絆を結んだ、米の力は偉大である

劇終!
ちなみにこの後晩飯に出た魔理沙の料理を食った結果二人は腹をくだし数日にわたり揃って寝込むことになり、そこから更に命を張った攻防が繰り広げられることとなるのであった。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

ハッピーエンドなんてなかったんや!  by作者

涎だらだら霊夢、略してよだれいむを幻視してあまりにも可愛かったので書いていったら可愛さが吹き飛んだ、何故だ

作者は誤字脱字の報告並びに作品に対するつっこみ及び「まずは謝れ、話はそれからだ」等容赦のないコメントを受けると五体投地して喜びます。え、それは喜ぶ動作じゃないって?

コメ返しの時間ですぜ!
「謝れ」と言われたら謝るべきだねと思いコメ返し追加
>>1さん
すいやせん!
よだれいむは可愛いと思うんだ、なぜ書けない…
ハッピーエンドはどうやら爆発した模様です。
>>2さん
ごめんなさい!
作者は「露骨に和食をプッシュする委員会」に所属しています。
今回はテンポ良く進めたいと思っていたのでそう言ってもらえると嬉しいです。

>>3さん
I'm sorry.
けーねの下着はもっとこう…扇情的でいいんじゃないかと思ってるんだ…
すみませんごめんなさい
芒野探険隊
コメント



1.名前が無い程度の能力削除
まずは謝れ、話はそれからだ

なんで なんでよだれいむの可愛さが無くなった  なぜだ!!
ハッピーエンドまで無くなったのはどうかとも思うぞ~~
2.名前が無い程度の能力削除
まずは謝れ、話はそれからだ

スパゲティを食べてお腹いっぱいなのにお米が食べたくなったどうしてくれる

ともあれ、テンポも良く笑わせていただきましたw
3.名前が無い程度の能力削除
まず謝れ、話はそれからだ。
けーねの下着で俺の鼻血が30あややでやばい。