「YEAIIIIII!!!!!! BEIBIIiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii!!!!! 」
ジャラララキュラララキュラキュラキュラアアアアア!!!!(エレキギターの音)
輝夜のテクがエレキギターの上で炸裂する。
パシイ!!と勢い良く襖を開けて、えーりんが部屋に踏み込んで来る。
「ちょっと輝夜!! 深夜なんだから静かにしなさい!! 」
彼女は絶叫しながら歯ギターをする輝夜に向けて怒鳴った。えーりんの目の下には隈があって顔は魔女みたいにしわしわ。
一方、輝夜のメイクはまさに世紀末(聖飢魔Ⅱ)。そして生き生きしと部屋中にスパークをばらまいていた。
「い”え”あ”あ”あ”あ”あ”!!!!!俺はメザスゼー!! キングオブスターをよお!! 」
そんな彼女は、まさに『ベイビー輝夜』であった。
永琳は溜息を吐いた。け○おん! を見初めて感化され、こうなってしまったのだ。お陰で毎晩うるさくて寝つけず、因幡達はバタバタと倒れ、てゐは健康を害して今は慢性鼻炎症で入院中だ。優曇華は意外にも耐性があったらしい。元気だった。
永琳は腕を組む。
一体どこで軽音楽がスーパーメタルに据え変わるのか、永琳には不思議でならなかった。
「IEAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!! 」
叫べばメタルだと思ってる中二病輝夜。
そんな彼女には小暮閣下の偉大さは一生理解出来ないかも知れない。
「ただのカカシですな。全く笑える」
いつの間にか優曇華が隣に立ってほくそ笑んでいた。それを見て永琳の背筋が凍った。
「もういい加減止めて輝夜!! 貴女の姫様としての威厳に関わるわ!! その証拠に生き残った鈴仙のキャラが変化してきてるのぉ!!! 主従逆転は嫌ぁ!! 」
えーりんは涙ながら叫ぶ。
しかし、キングオブメタル(気分)と化した輝夜の耳には、聞こえないのだった。主に雑音のせいであったが。
えーりんの脳内に、輝夜との思い出が走馬灯のように走る。
赤ちゃんだった頃の輝夜が。
「おっぱいおっぱい」
そう言いながら四つん這いになって、えーりんの方によちよちをやって来る赤ちゃんの輝夜。
そんな純真な輝夜が、まさかメタルに目覚めてしまうなんて……。
「もう無理ですよ。あの小娘は」
ベネットのようにほくそ笑む優曇華。
――――こうなったら
永琳は決心した。
「なるほど……」
突如身を翻す永琳。優曇華は呆けた顔で永琳を見る。
「私の力でももう無理なら、私はその幻想を――――――――――」
――――――――――――ぶち壊す!!!!!!
”ピッ”
チュドーーーーーーーーーーーン!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ないだろうな。