Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

レミリア・スカーレットに学ぶお休みの挨拶

2011/05/06 19:06:24
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 レミリア・スカーレットにとって、その行為は余りにも日常的なものだった。



 所は吸血鬼の館、紅魔館。
 主の気紛れで、何時も通りの晩餐会が開かれた。
 何時もとはつまり、数多の人妖が招かれて飲めや騒げやと興が乗り、気付けば一夜が過ぎている、そんな状態。

「ふぁぅ……」

 我が物顔で太陽が空に浮かぶ頃、主催者のレミリア自身が欠伸を一つ噛み殺した。
 昨日の起床は夕方前なので徹夜をしたと言う訳ではないのだが、平素ならベッドに横たわる時間につき、致し方なし。
 だけれど興が乗っているのも事実であり、今、床に付くのは惜しいと感じていた。

「ふぁぅ……」

 柔らかく耳に響いた二度目の欠伸は、レミリアが先ほど零したものよりも眠気が含まれている。
 つまるところ、彼女が発したものではなかった。
 フランドールが船を漕いでいる。

 愛らしいサインに微笑を浮かべ、レミリアはフランドールへと近づいた。

「フランドール、フラン、子供はもう寝る時間よ」
「みんなー、レミリアがもうお眠だってー」
「いや、私じゃ……『レミリア』!?」

 そっぽを向くフランドールに、レミリアは悲しみの嘆きをあげた。割とガチ。

「え、なに、フランドールってあんなに可愛かったの?」
「んふふ、ぬえも漸く気付いたか」
「そこのフタリ、煩い」

 呆れたような封獣ぬえの呟きに、自慢げに頷く古明地こいし。
 少し離れた二名に、フランドールが口を尖らせる。
 可愛い。

 当主姉妹のやり取りを見聞きしていたのは二名の少女たちだけではなく、場には、姉妹を慈しむ空気が漂うのだった。

「そもそも、私とレミリアの年齢差なんてあってなきが如し、私が子供と言うのなら、ぁふ……」
「あー……可愛いフラン、もう寝る時間よ」
「仕方ないわね」

 言葉の訂正が功を奏し、フランドールは素直に頷く。

 彼女の瞼が重くなっているのは事実だった。
 肘かけに両手を置き、ちょこんと立ち上がる。
 にやけた表情のぬえとこいしに半眼を送るのも忘れない。

 そんな様子に微苦笑しつつ、レミリアはフランドールに顔を近づけた。

「愛しいフラン、お休みなさい」
「んぅ、お休みなさい、お姉様」
「ええ、良い夢を……――!?」

 姉妹が交わした就寝の挨拶、それは、彼女たちにとって当たり前のこと。
 夜になれば月が昇り、朝を迎えれば太陽が現れる。
 自然現象と同じく、秘密でも何でもない。

 だが、集った人妖にはそう映らなかった。

 姉妹を取り巻く空気が変わっている。
 レミリアの言葉を遮る程度の圧力。
 そう、‘紅い悪魔‘は、緊張を強いられていた。

「……なんだ?」

 フランドールの肩を掴み、有無を言わせず自身の後ろに下がらせ、レミリアは一同の視線を集める。

 近づいたのは、‘楽園の最高裁判長‘と‘怨霊も怖れ怯む少女‘。
 四季映姫・ヤマザナドゥと古明地さとり。
 レミリアが友と呼ぶ二名だ。

「レミリア」

 重なる声に、呼ばれた当人は緊張の色を濃くする。

「なんだ、と聞いている」

 自身の問いに、レミリアは顔を顰めさせた。
 強い口調と硬い言葉は、焦りの表れだ。
 友の前では、否、前だからこそ、弱さを見せたくない。

 そんなレミリアの葛藤は、しかし、映姫とさとりに届かなかった。
 意に介さないと言うよりは何処吹く風。
 正直、どうでもいい。

「映姫、さとり! って、んな、速っ!?」

 レミリアが、吸血鬼が動くよりも速く、映姫が右手を、さとりが左手を握る。

 そして、きらっきらした瞳で、言った。

「レミリア・スカーレット、そう、貴女は少し威厳に満ち過ぎているっ」
「いやあの映姫さん? あ、ありがとう……?」
「『私たちを見ろ』、と。レミィ、貴女は、この地に新たな規則を設けるつもりなのね」
「ごめんさとりん、あのね、レミィ、よくわからないの」

 手が腕を伝い、首に回る。
 友二名に抱きつかれるレミリア。
 落ち着くように背を擦りつつ、なにがなんだかわからないと唸る。

 彼女の唸りは、うねりを呼び起こした。

「この地に降り立って随分になる。
 学ぶことなど、もうないと思っていたわ。
 だけれど、考えを改める必要があるようね」

 ‘月の頭脳‘八意永琳が、額に手を添え、呟く。

「我らは信心を糧にする存在。
 その一点においては、神も悪魔も等しいと言える。
 心だけでなく体においても交流をもつとは、なるほど、お前が強くなる訳だ」

 ‘山坂と湖の権化‘八坂神奈子が、目を細め、笑む。

 レミリアは頭を悩ませる。
 彼女の手は二つしかなく、既に使用中だった。
 永琳にしろ神奈子にしろ自身が認める実力者たちで、その動揺を抑えるのに言葉では無理がある。

 翼で背をさするのは、流石に無礼と言うものだろう。

 どうしようかと考えていると、ぱちんと一つ、指が鳴らされた。

「――落ち着きなさい、永琳、神奈子。四季様とさとりもよ」

 静かな物言いに、四名だけではなく、レミリアも視線を向ける。
 瞳に込めた感情は、概ねマイナスと呼ばれる類のもの。
 下した自己分析を肯定するように、一度、頷いた。

 彼女を認めるのには、まだ少し、時間がかかる。

「八雲の紫……」

 紫の言葉に反応したのは、先に名を呼ばれた二名。
 永琳と神奈子が、即座に振り返る。
 各々が片手を挙げていた。

「‘結界の大妖‘」
「紫、お前の判断は?」

 問う二名。

「……聞くまでもないでしょうに」

 紫が、応えた。



「幻想郷は全てを受け入れるのよ。それはそれは残酷なお休みのちゅっちゅ」
「んもぅゆかりん、本音が駄々漏れているわ!?」
「よっしゃーっ!」

 拳をぶつけ合う、ゆかりんとえーりんとかなこたま。



 外れそうになった顎を戻しつつ、レミリアは思った――何時か認められるようになるのか、アレ。

「レミリアさんレミリアさん、部下には、勿論部下にもOKですよね!?」
「『お前たちの運命を操る』と。レミィ、ほんともぅありがとうっ」
「あー、うん、もうそれでいいや」

 映姫様とさとりんからめり込むほど熱烈な頬擦りをされつつ、全てを受け入れ、レミリアは頷くのだった。





(作者注:以上が本編です)





《白玉楼》

「ねぇね妖夢、戸締りと火の始末は宜しくて? じゃあ、お休みのキッスね」
「この場合ですと……項を舐めるか耳を甘く噛むべきなのでしょうか。鼻孔は、その、流石にまだ……」
「お願いしといてなんだけど、理解がある方だと思うのだけれど、幽々様、余りその手の本に影響を受けるのはどうかと思うの」

 なにが『まだ』なのか。
 頬に手を当て、幽々子は眉根を寄せた。
 彼女が妖夢の部屋を掃除する日は、そう遠くないのかもしれない。

 幽々様、それだけは勘弁してあげてください。





《マヨヒガ》

 橙が布団に入ろうとしたその時、空間に歪みが生じた。
 一つではなく、二つ。
 左右が開く。

「こんばんは、愛しい式の式」
「そしてお休み、可愛い橙」
「んぅ、はい、紫様、藍様っ」

 ――それぞれに挨拶を返す橙の笑顔を受け取って、紫と藍はスキマに戻る。

 既に用意されていた布団へと潜り込み、紫は藍の頬に触れた。

「それじゃあ、藍」

 温もりを求めるかのように、手が重ねられる。

「紫様。貴女は最強の妖怪です」
「あら……唐突に何を言い出すの?」
「貴女の式である私もまた、最強の妖獣と呼ばれる身」

 がし。
 指の形が変わる。
 有体に言うと、掴んでいた。

「ならば、気高き吸血鬼の術と言えど抗ってみせましょう」

 それはもう、目一杯。

「橙にはしてあげていたじゃない!?」
「ははは紫様、それはそれ、これはこれ」
「爽やかに笑っているんじゃないわよ! 貴女ね、照れ隠しも時と場合をあっがぁ!?」

 めきりと指が鳴る音は、指摘が正しいことを告げていた。





《夜雀屋台》

「ミィスチィっ、ちゅ」
「わ」
「リグルぅ、ちゅ」
「ん」
「えへへ、お休みなさい!」

 満面の笑みを浮かべ手を振るルーミアに、ミスティアとリグルも手を振り返した。
 飛び去る友達を見送った後、二名の間に奇妙な感覚が共有される。
 緊張感と呼ばれる類のものだった。

 暫し、両名とも無言。

 こくんと一つ唾を飲み込んで、リグルが、ミスティアの頬に目を向ける。
 とくんと一つ胸を鳴らして、ミスティアは、リグルの頬に目を向ける。
 自然、視線が交錯した。

「あ」
「え」

 咄嗟に飛びだした声を理解するよりも早く、二名は各々顔を逸らした。
 そして、再度訪れる微妙な静寂。
 何故だか口が渇く。

 耐えきられなくなったのは、ミスティアの方だった。

「り、リグル!」
「……なぁに?」
「え、と」

 言葉が詰まる。
 ミスティアには、振り向くリグルが何時もより綺麗に思えた。
 去った冬の残滓か来る夏の予兆か、その頬が微かに赤みを帯びている。

 高鳴る鼓動はどちらのものか――。

「あの……ルーミアってば嬉しいけどちょっと恥ずかしいよね!
 それ以上の感情湧かないのが自分でも奇跡的なんて思ったり。
 あぁいや、私ったら何を言っているんだろう!?」

 ほんと何を言っているんだろう。

 ぐるぐると指を回し、ばたばたと手を振り、ミスティアは歪な笑顔を浮かべる。
 返されたのは、可笑しそうな微笑み。
 ほんの少し、苦味が含まれていた。

「うん、少しだけ、恥ずかしいかも」
「だ、だよね? あはは……」
「じゃあ、今日は」
「あ……もう、帰る?」
「そうしようかな。――またね、ミスチー」

 ふわりと浮かび上がり、リグルが手を振る。
 ミスティアの位置から手を伸ばせば、届く距離。
 けれど、何らかの境界線があるのか、伸ばすことは躊躇われた。

 リグルが去った後、その残り香を掴むように、ミスティアは手を握る。

 ふぅ……と、一つ、溜息が零された。

「相変わらずねぇ、貴女たち」
「っるさい、あんたもさっさと帰りなよ!」
「……言葉が強いわよ、ミスティア・ローレライ」

 対面からの指摘に、ミスティアは息を整え、返す。

「幽香、あんたは顔が強い」
「『顔が強い』ってどんな表現よ!?」
「強張ってる」
「だって、気を抜くと緩みそうなんですもの」
「あんたは変わったねぇ……」

 優しい言葉とは裏腹に、ミスティアの言葉通り、幽香の表情はきついものだった。
 その理由は、勿論、‘宵闇少女‘の挨拶だ。
 ずっと溶けてた。

「それこそ、ダブルピースな表情に」
「あー……変わっちゃったねぇ」
「残念そうに言わないでよ」

 愚痴りつつ――幽香の手が、淡い桃色の髪を撫でる。

 続いて零された小さな溜息は、ミスティア自身のものだった。





《永遠亭》

 輝夜の白い頬に、永琳の長い指が触れる。
 程よい弾力を楽しむかのように、一度二度、撫でる。
 日頃の仕事を考えればかさつきがあって然るべき薬師の手は、しかし、潤いに満ちていた。

 その手を掴み、輝夜は問う。

「ねぇ永琳、貴女は、好きなものを最初に食べる方? それとも、最後?」
「答えかねますわ。もう少し具体的にお話し下さい」
「今ので十分よ。穿ち過ぎているだけ」

 永琳が息を吐く。
 輝夜の言う通り、彼女には解っていた。
 返答云々関係なく、お休みの挨拶は先になりそうだ。

 掴んだ手を、輝夜は入口の障子に向けた。

「姫様はどちらで?」
「私は、好きなものしか食べないわ」
「質問の仕方が悪かったですね。……全員に?」

 障子には、行燈に照らされた兎の耳の影が映っている。

「勿論」
「愚問でした」
「顔が厚くなるわね」

 握り拳さえ振りあげる輝夜に、永琳の吐いた溜息は殊更大きくなった。



 ――うさうさうさうさうさうさうさうさうさうさうさうさうさうさうさううさうさうさうさうさうさうさうさうさ、
 ――うさうさうさうさうさうさうさうさうさうさうさうさうさうさうさううさうさうさうさうさうさうさうさうさ、
 ――うさうさうさうさうさうさうさうさうさうさうさうさうさうさうさううさうさうさうさうさうさうさうさうさ。



「うさー……」
「呆けてないで、さっさと寝なよ」
「んもぅ姫様のほっぺ、すっごく気持ちよかった!」

 てゐと鈴仙は義務を果たし、各々の部屋の前に戻ってきた。
 正確に表現するならば、戻ってきたのはてゐだけだ。
 興奮冷めやらない鈴仙は、てゐにより引きずられていた。

「明日、畑の当番で早いんでしょ?」

 気つけに指で額を打ち、てゐは自室の障子を開ける。

「ちょっと、てゐ!」

 制止の声を、てゐは無視する。
 続く言葉が文句だと推測していた。
 であれば、聞くも聞かぬも就寝は遅くなる。

 ならば――思った矢先、意外と強く、肩が掴まれた。

「あー、明日聞くから――!」
「お休み。……何のこと?」
「いや、その……返した方がいい?」
「なんで聞くの?」
「もういい。――お休み、鈴仙」

 問い続ける鈴仙を残し、頬を耳で隠しながら、てゐは障子を閉める。

 翌朝、珍しくも目の下に隈を作ったてゐを、輝夜が撫で、永琳が労うのだった。





《三途の川》

 試されている――鎌を手に持ち直立する小町は、そう感じていた。

「有給を使って早二日。……寝ないのですか、小町」
「流石のあたいも上司の前ではさぼれません」
「そんな!?」

 映姫の有給が尽きるのが先か。
 小町の忠誠心が尽きるのが先か。
 その結末は、きっと誰にも解らない。





《盛矢神社》

「早苗とちゅっちゅ!」
「博麗んとこにお泊まりだって」
「ちっくしょう、んな気がしてたわよ!?」

 経験則。

 もろ手をあげて嘆く神奈子に、肩を竦める諏訪子。
 テンプレートな展開だと言う気がしなくもない。
 一応記しておくと、風祝の外泊は珍しい。

 ……ともかく、こういう場合にやることは一つであり、事前に言っておこう。

「じゃあ神奈子」
「ん……もう寝る?」
「いやいや、寝かせない」

 『昨夜はお楽しみでしたね』。





《地霊殿》

「いいですか、お燐、お空。
 こいしが帰ってくるまで、私は一睡もしません。
 パーティ後と言うこともあり多少眠気はありますが、この程度の障害打ち破って見せましょう!」

 数時間後。

「あぁこいし、舌は、舌はまだ早いぐぅ」

 睡魔には勝てなかったよ……。



 ――皆が眠りについた館で、ぺちゃぺちゃと湿った音が数度した。

「ベロならいいのね、お姉ちゃん」





《天界》

 竜宮の使いが言いました。

「地上でこう言う話が流行っているそうです」

 不良天人は頷きます。

「じゃあ今度試してみようかしら」

 返答に、竜宮の使いが叫びました。

「ばーみやぁぁぁんっ!!」
「ばー、え、なに?」
「取り乱しました」

 首を捻りながら、不良天人は尋ねます。

「お父様はともかく、お母様には笑われないかしら」
「そうでしょうともよ! 天子様の孝行娘っ!」
「ちょ、こら、何よ衣玖、くすぐったい!?」

 竜宮の使いの羽衣は、ひらりひらりと不良天人の頬を撫でたとさ。





《命蓮寺》

「ナズーリン、ナズー、鼠ー」
「ぬえ、君からの感情が好意か悪意か解らない」
「お休みのキッスをしようとしてるから、悪意じゃないと思うけど?」

 べろん。

「うぉぉぉ、お休みのキスはそっちじゃない!?」
「そっち……? や、お臍にね」
「あぁ、臍か」

 ちゅっ。

「いや、臍!?」
「ウラジミもがふが」
「それ以上いけない」





《博麗神社》

 此処博麗神社には今夜、前述の風祝だけでなく他三名も世話になっていた。
 白黒魔法使い、七色人形遣い、動かない大図書館。
 ようは、何時もの魔女々〃だ。

「パチェ」
「パチュリー」
「むちゅ~……」

 左右の頬に口付けを受け、パチュリーが頭を枕に沈ませる。

「じゃあ、魔理沙も」
「ん、お休みアリス」

 パチュリー越しに挨拶を済ませ、少女たちは傍の灯を落とした――。

 ……。
 ……。
 ……。

「流れるように終わらせやがったわね……」
「まるで普段からされているように」
「アリスはまぁ神綺がいるしね」

 三名のやり取りを向かって見る形だった霊夢が、半眼で呟く。
 促した早苗はと言うと、密かに微苦笑を浮かべていた。
 どうやら意見に相違があるようだ。

 暫くの間、互いに無言。

 先に動いたのは、早苗だった。
 自身の枕を霊夢の元に近付ける。
 長い髪を耳元で押さえ、愛しい少女の名を呼ぶ。

「霊夢さんは」

 霊夢は、ちらりと早苗を視界に収め、けれどすぐに瞳を閉じた。

「私は――。
 私は、博麗の巫女。
 遍く制約から解き放たれる存在」

 ‘くすり‘。
 揶揄のような響きが、霊夢の耳を打つ。
 しかし、決してそうでないことを彼女は知っていた。

 では何か――その正体が掴めないまま、霊夢は瞳を開け、笑む早苗に微苦笑を返す。

「……挨拶だってわかってるんだけど、ね。
 でもやっぱり、口をつけるのは……うん。
 ちょっと、……怖いかな」

 伝えた言葉は本心だった。

「子供かしら?」
「少女ですよ」
「そっかな」

 頷き、続ける――「ありがと」。

 代わりとばかりに額が寄せられる。
 おでこなら、と霊夢も突き出した。
 乾いた音が静かに鳴る。

 こつん。

「レミリアさんの『挨拶』は、何もキスだけではありません」
「え、今のじゃないの?」
「ええ」

 悪戯めいた声の響きに、霊夢も笑って促した。

「ハグと言うものもあります」
「『はぐ』……えーと?」
「抱擁ですね」

 なるほど、と頷いて――霊夢は、早苗に腕を広げる。
 そして、言った。



「早苗、じゃあ、抱いて」

 此時の霊夢の表情を皆さまにお届け出来ないのが残念でなりません。



「わかりました。準備‘サモンタケミナカタ‘」

 此時の早苗さんの表情を皆さまに以下略。



 ……。

「そ――むきゅ!?」
「パチェ、プロレスごっこ、プロレスごっこよ!?」
「速いなおい。いや、言うなら弾幕ごっこじゃないのか」
「え、私、何かおかしなこと言った?」
「霊夢さはぁーっん!」



 さて、こちらはこちらで何時も通りとなりました。



「もが!? 母なる大地に、有体に言うとおっぱいに潰される!?」



 わーわーきゃーきゃーもみもみくちゃくちゃ、でございます――。







                   <了>
・お嬢様の‘力‘ぱねぇ。お読み頂きありがとうございます。

・最近、洋画を見る機会が増えました。
・サスペンスでもホラーでもSFでも、ハグ&キスを見かけます。
・アクションでもコメディでもロマンスでも、ハグ&キスです。
・う、羨ましくなんてないんだからね!

いじょ

2011/05/06:追記
>>3様
期間中唯一見た戦争物が『スターリングラード』というもので。
ちゅっちゅどころか、もぅ……。

>>4様
仕様です(過去作にも何度か。お察し下さい)。

>>6様
永遠亭の兎はたくさんいますので……。
道標
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コメント



0.簡易評価なし
1.無評価名前が無い程度の能力 削除
山の神社がいつも通りで安心しました。
いいぞすわこたまもっとやれ
2.無評価名前が無い程度の能力 削除
ああ、幻想郷にちゅっちゅが満ちる…
3.無評価名前が無い程度の能力 削除
だったら戦争映画を嗜んでみては?
不要なちゅっちゅはありませんよ。
4.無評価名前が無い程度の能力 削除
一カ所盛矢になってました
ちゅっちゅたまらんたまらん
5.無評価名前が無い程度の能力 削除
だが必要なちゅっちゅは存在する
6.無評価名前が無い程度の能力 削除
ちゅっちゅちゅっちゅ

「顔が厚くなるわね」…厚く?
7.無評価名前が無い程度の能力 削除
強大な魑魅魍魎の蠢く幻想郷のトップ達の運命をここまで操るとは……
レミリア・スカーレット、恐るべき吸血鬼だ……
関係ないけど幽香さんのゆるんだ花顔ダブルピースは是非見てみたいね。