キャラ崩壊を起こしていますので、ご注意ください。
それでもOKな方は、お読み頂けると幸いです。
--------------------------------------------------------------
(今日は、呑みすぎた…)
ふらつく片方の足がもつれ、転けそうになること10回。
や、その内2回は転けていたと思う。
現にほら、巻き添えを食らって膝小僧から血が出てる。
そんな事は気にせず、進む。
進むったら、進む。
(それが逆に、良かったのかも知れないわね)
人っ子一人通らない物騒な真夜中の道を物ともせず、
私はもう一人の連れを支えながら、仲良く帰宅していた。
----------------------------------------------------------------
今日は霊夢の神社で開かれる、ドンチャン騒ぎの宴会に珍しく参加した。
今回参加の理由を敢えて言うとするならば、
『今回の宴会には出た方がいいよ、良いことあるから』
という向日葵3号のアドバイスを受けたからである。
結構あたるのよ、これが。(向日葵バカにすんなよ!)
私が神社に着いた頃にはすでに皆出来上がっていて、
久し振りね!と大声をかけてくる者も居れば、
ギャーギャーと転げまわっている者も居るし、
既に酔いつぶれてぐーぐーいびきを掻いて幸せそうに眠る者も居る。
転げ落ちている酒瓶やら皿やらを避け適度に周りと挨拶を交わしながら、
一直線に隅に腰掛ける見知った顔の横に座った。
『隣、いいかしら』
『ええ、どうぞ』
少し酔っているのだろう。
ほんのり顔を染めながらにこりと微笑むその姿に、
少し慌てて私はコップに口をつける。
アリス・マーガトロイド。
いつからだろうか、貴女の事が気になりだしたのは。
------------------------------------------------------------------
きっかけは、些細な事だった。
私が育てた小さな花達を見て、彼女は可愛いと言った。
優しく葉を撫でるその姿を見たとき、
私は彼女の隣に居たいと思った。
『・・・香、幽香?』
『?』
『どうしたの、ぼーっとして』
『え?ああ、ちょっと昔の事を思い出したの』
『昔の事?』
『そう、貴女が初めて私の花畑に来た頃のことよ』
『それはまた、随分と懐かしいわね』
段々と周りの騒ぎ声が耳に入らなくなってくる。
それだけ、私とアリスの空間は誰にも邪魔されなかった。
(単に、誰か来ても気づいてなかっただけかもしれない)
ぽつりぽつりと喋りながら、アリスの澄んだ声が返ってくるのを待つ。
『幽香って、お酒強いの?』
『あっちで呑み比べしてる連中と比べると分からないけど、
そこそこ強いとは思うわ』
『という事は、かなり強いって事よね』
『まあ、そういう事になるのかしらね』
『私はそんなに強くないから、何処まで幽香と呑めるかしら』
『無理しなくていいわよ』
『ふふ、ほどほどにしておくから大丈夫よ』
余裕な所を見せておきながら、内心ドキドキしていた。
柄にも無く緊張しているせいか、
呑むペースがいつもより早くなってしまったし。
ペース配分を間違うとは、私らしくないわね。
そうこうしているうちに、案の定、足取りが少しフラつく程度にまでなってしまった。
宴の方は気づけばお開き状態(もう、誰も動く気配が無いのよね)になっていて、
私はそろそろ帰ろうと彼女の方を見た。
すると、そこにはぐでんぐでんになったアリスがいたの。
お喋りに夢中で本人の様子に全く気づかなかった。
程々にするってアリス自身言ってたのに、無理させてしまったかしら。
『一人で帰れる?ってこんな状態じゃ無理よね』
『んーむりだとおもう』
手をとって送っていくわと伝えると、
おねがいねー、と反応が返ってきた。
何だか、気分がいい。
私は急に思い出した向日葵3号に感謝した。
飛んで帰れば早いのだけれど、今日は少しでも長く居られるように歩いて帰る事にした。
夜風に当たりながら、時間を気にすることなく、二人きりで。
アリスには悪いけど、
『たまにはいいじゃない、私の我侭に付き合って』
そう言いながら、歩いた。
お酒の力って凄いわね。
普段はこんな事言わない、なのに今は思ったことをそのままぽんぽん言えてしまうのだから。
地面に目を見やると月夜に照らされた二つの影が、支え合いながらたどたどしく着いてくる。
と、いきなり一つの影がペタンと地べたに座り込んだ。組んでいた腕がひっぱられ、
私も釣られて座る形になる。
「ちょっと、しっかりなさい」
「ん~…むい~」
無理?呂律回ってないわね。
あと、真夜中に大声出しちゃいけないって誰かが言ってたような気がするのだけれど、
この際気にしない。
周りには誰も居ないし。
「しかし珍しいわね。いつもならこんなになるまで呑まないでしょう、貴女」
「ほえ?」
完全に酔っ払ってるアリス・マーガトロイドは
訳が分からないと言った風な、間の抜けた何とも呆けた顔でじーっとこちらを見ている。
緊張するから視線外してたのに、思わず凝視してしまったじゃない。
とても綺麗なコバルトブルーの瞳・・・。
とても美味しそうな、熟れたりんご色をした顔。
そして、どうしてとても嬉しそうに笑うの。
思わず私はその頬を両手でバチンと包み込み、
気合よ!と訳の分からない事を口走ってみた。
OK、大分私も酔いが廻ってるわね。
「ゆうかあ・・・イタイ」
「泣いたって無駄よ」
何言ってるの、私。
だめ、気分がハイになってきた。
アリスって前から可愛いお人形のような顔をしていると思って
影からこそっとストーキングしたり(ストーキングしたり)
恥ずかしくていじめ倒したりしてたけど、改めて見るとやっぱり可愛いわね。
何よ、ちょっとうるうるしちゃって。
顔を真っ赤に染めてそんな顔でこうじーっと見つめられたら
私どうかしちゃうじゃない。え?どうかしちゃってもいいの?
本当に?知らないわよ、それこそアリスの服を引っぺがして
○○や××を△△して□□を◎◎してやるからそれn
「ゆうかあ」
「な、何かしら?」
「だっこ」
「・・・え?」
「だっこ、して?」
えええええええっ?!
いきなり何よ!確かにさっきは行き過ぎた考え事をしておりましたが。
だからってアリス、いきなりそれはないでしょう。
さっきからフラフラで寄り掛かってくるからそのまま支えて歩いてたけど、
それだけで心臓ばっくばくだったのよ!?
「早くしなさいよ」
「えっ?」
「・・・ゆうかあ」
「わ、わかったわ」
何か一瞬アリスが素に戻った気がするけど・・・まあいいわ。
同時に立ったところで私は意を決してアリスの背中に手を回す。
ぎゅっ
「こ、こう?」
「んーん」
ぎゅぎゅっ
「じゃあ、こうかしら」
「・・・んーん」
緊張で震え変な汗を掻く私に、
アリスの細い手が伸びてきて、私の頬に触れる。
そしてそのままアリスの両手は
私の後頭部に回されて顔が急接近してくる。
って、うそよ、おかしいわ、夢じゃないのこれ。
「ア、アリス」
「なーに?」
「顔、近いのだけれど」
「ふふ、近いわね」
息が、顔に当たって、どうなってるの、これ。
ねえ、ちょっとくすぐったい。
「あの、その、ねえ、」
「かーわい」
ちゅっ
「えっ?!ちゅっ?!」
唇が触れた、少し冷たい感触だった。
何これ。心臓がバクバクする。
どさくさに紛れて、貴女らしくない事しないでちょうだい。
おかしいんじゃないの。
貴女、いつもクールで、こんなことする訳ないじゃない。
何やってるのよ。普段のアリスはどこにi
「・・・嫌だった?」
「めっそうもございません」
お酒を呑むと、どうも正直になるようね。
ああ、ハズカシイ。
「ふふ、幽香。顔真っ赤よ」
「言わないで頂戴」
「可愛いわ」
「・・・か、かわいい??」
「ねえ、幽香」
「な、何かしら」
「お酒の力を借りてこんな事言うのもあれだけど」
「私、貴女の事が好きみたい」
「う、嘘・・・」
「本当よ」
「じゃあ、私のどんな所が好きなのかしら」
「色々あるのだけれど強いて言うなら、私の作った人形を心から可愛いと言ってくれた所」
「・・・」
そうね、そんな事があったわね。
貴女が丹精込めて創ったお人形だもの。
可愛いわ。私には分かる。
「・・・嫌かしら」
「そうね」
「・・・」
「後でお酒の力を借りずに、本当の貴女の言葉で聞かせて?」
「ええ、伝えるわ」
「と言いつつ、私もお酒の力を借りて今言うけど」
「うん」
「好きよ、アリス。私の花を愛してくれた、ずっと前から」
嬉しそうに笑う彼女の頬に触れながら、とうとう言った。
お酒が強いのは、貴女の方じゃない。
それでもOKな方は、お読み頂けると幸いです。
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(今日は、呑みすぎた…)
ふらつく片方の足がもつれ、転けそうになること10回。
や、その内2回は転けていたと思う。
現にほら、巻き添えを食らって膝小僧から血が出てる。
そんな事は気にせず、進む。
進むったら、進む。
(それが逆に、良かったのかも知れないわね)
人っ子一人通らない物騒な真夜中の道を物ともせず、
私はもう一人の連れを支えながら、仲良く帰宅していた。
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今日は霊夢の神社で開かれる、ドンチャン騒ぎの宴会に珍しく参加した。
今回参加の理由を敢えて言うとするならば、
『今回の宴会には出た方がいいよ、良いことあるから』
という向日葵3号のアドバイスを受けたからである。
結構あたるのよ、これが。(向日葵バカにすんなよ!)
私が神社に着いた頃にはすでに皆出来上がっていて、
久し振りね!と大声をかけてくる者も居れば、
ギャーギャーと転げまわっている者も居るし、
既に酔いつぶれてぐーぐーいびきを掻いて幸せそうに眠る者も居る。
転げ落ちている酒瓶やら皿やらを避け適度に周りと挨拶を交わしながら、
一直線に隅に腰掛ける見知った顔の横に座った。
『隣、いいかしら』
『ええ、どうぞ』
少し酔っているのだろう。
ほんのり顔を染めながらにこりと微笑むその姿に、
少し慌てて私はコップに口をつける。
アリス・マーガトロイド。
いつからだろうか、貴女の事が気になりだしたのは。
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きっかけは、些細な事だった。
私が育てた小さな花達を見て、彼女は可愛いと言った。
優しく葉を撫でるその姿を見たとき、
私は彼女の隣に居たいと思った。
『・・・香、幽香?』
『?』
『どうしたの、ぼーっとして』
『え?ああ、ちょっと昔の事を思い出したの』
『昔の事?』
『そう、貴女が初めて私の花畑に来た頃のことよ』
『それはまた、随分と懐かしいわね』
段々と周りの騒ぎ声が耳に入らなくなってくる。
それだけ、私とアリスの空間は誰にも邪魔されなかった。
(単に、誰か来ても気づいてなかっただけかもしれない)
ぽつりぽつりと喋りながら、アリスの澄んだ声が返ってくるのを待つ。
『幽香って、お酒強いの?』
『あっちで呑み比べしてる連中と比べると分からないけど、
そこそこ強いとは思うわ』
『という事は、かなり強いって事よね』
『まあ、そういう事になるのかしらね』
『私はそんなに強くないから、何処まで幽香と呑めるかしら』
『無理しなくていいわよ』
『ふふ、ほどほどにしておくから大丈夫よ』
余裕な所を見せておきながら、内心ドキドキしていた。
柄にも無く緊張しているせいか、
呑むペースがいつもより早くなってしまったし。
ペース配分を間違うとは、私らしくないわね。
そうこうしているうちに、案の定、足取りが少しフラつく程度にまでなってしまった。
宴の方は気づけばお開き状態(もう、誰も動く気配が無いのよね)になっていて、
私はそろそろ帰ろうと彼女の方を見た。
すると、そこにはぐでんぐでんになったアリスがいたの。
お喋りに夢中で本人の様子に全く気づかなかった。
程々にするってアリス自身言ってたのに、無理させてしまったかしら。
『一人で帰れる?ってこんな状態じゃ無理よね』
『んーむりだとおもう』
手をとって送っていくわと伝えると、
おねがいねー、と反応が返ってきた。
何だか、気分がいい。
私は急に思い出した向日葵3号に感謝した。
飛んで帰れば早いのだけれど、今日は少しでも長く居られるように歩いて帰る事にした。
夜風に当たりながら、時間を気にすることなく、二人きりで。
アリスには悪いけど、
『たまにはいいじゃない、私の我侭に付き合って』
そう言いながら、歩いた。
お酒の力って凄いわね。
普段はこんな事言わない、なのに今は思ったことをそのままぽんぽん言えてしまうのだから。
地面に目を見やると月夜に照らされた二つの影が、支え合いながらたどたどしく着いてくる。
と、いきなり一つの影がペタンと地べたに座り込んだ。組んでいた腕がひっぱられ、
私も釣られて座る形になる。
「ちょっと、しっかりなさい」
「ん~…むい~」
無理?呂律回ってないわね。
あと、真夜中に大声出しちゃいけないって誰かが言ってたような気がするのだけれど、
この際気にしない。
周りには誰も居ないし。
「しかし珍しいわね。いつもならこんなになるまで呑まないでしょう、貴女」
「ほえ?」
完全に酔っ払ってるアリス・マーガトロイドは
訳が分からないと言った風な、間の抜けた何とも呆けた顔でじーっとこちらを見ている。
緊張するから視線外してたのに、思わず凝視してしまったじゃない。
とても綺麗なコバルトブルーの瞳・・・。
とても美味しそうな、熟れたりんご色をした顔。
そして、どうしてとても嬉しそうに笑うの。
思わず私はその頬を両手でバチンと包み込み、
気合よ!と訳の分からない事を口走ってみた。
OK、大分私も酔いが廻ってるわね。
「ゆうかあ・・・イタイ」
「泣いたって無駄よ」
何言ってるの、私。
だめ、気分がハイになってきた。
アリスって前から可愛いお人形のような顔をしていると思って
影からこそっとストーキングしたり(ストーキングしたり)
恥ずかしくていじめ倒したりしてたけど、改めて見るとやっぱり可愛いわね。
何よ、ちょっとうるうるしちゃって。
顔を真っ赤に染めてそんな顔でこうじーっと見つめられたら
私どうかしちゃうじゃない。え?どうかしちゃってもいいの?
本当に?知らないわよ、それこそアリスの服を引っぺがして
○○や××を△△して□□を◎◎してやるからそれn
「ゆうかあ」
「な、何かしら?」
「だっこ」
「・・・え?」
「だっこ、して?」
えええええええっ?!
いきなり何よ!確かにさっきは行き過ぎた考え事をしておりましたが。
だからってアリス、いきなりそれはないでしょう。
さっきからフラフラで寄り掛かってくるからそのまま支えて歩いてたけど、
それだけで心臓ばっくばくだったのよ!?
「早くしなさいよ」
「えっ?」
「・・・ゆうかあ」
「わ、わかったわ」
何か一瞬アリスが素に戻った気がするけど・・・まあいいわ。
同時に立ったところで私は意を決してアリスの背中に手を回す。
ぎゅっ
「こ、こう?」
「んーん」
ぎゅぎゅっ
「じゃあ、こうかしら」
「・・・んーん」
緊張で震え変な汗を掻く私に、
アリスの細い手が伸びてきて、私の頬に触れる。
そしてそのままアリスの両手は
私の後頭部に回されて顔が急接近してくる。
って、うそよ、おかしいわ、夢じゃないのこれ。
「ア、アリス」
「なーに?」
「顔、近いのだけれど」
「ふふ、近いわね」
息が、顔に当たって、どうなってるの、これ。
ねえ、ちょっとくすぐったい。
「あの、その、ねえ、」
「かーわい」
ちゅっ
「えっ?!ちゅっ?!」
唇が触れた、少し冷たい感触だった。
何これ。心臓がバクバクする。
どさくさに紛れて、貴女らしくない事しないでちょうだい。
おかしいんじゃないの。
貴女、いつもクールで、こんなことする訳ないじゃない。
何やってるのよ。普段のアリスはどこにi
「・・・嫌だった?」
「めっそうもございません」
お酒を呑むと、どうも正直になるようね。
ああ、ハズカシイ。
「ふふ、幽香。顔真っ赤よ」
「言わないで頂戴」
「可愛いわ」
「・・・か、かわいい??」
「ねえ、幽香」
「な、何かしら」
「お酒の力を借りてこんな事言うのもあれだけど」
「私、貴女の事が好きみたい」
「う、嘘・・・」
「本当よ」
「じゃあ、私のどんな所が好きなのかしら」
「色々あるのだけれど強いて言うなら、私の作った人形を心から可愛いと言ってくれた所」
「・・・」
そうね、そんな事があったわね。
貴女が丹精込めて創ったお人形だもの。
可愛いわ。私には分かる。
「・・・嫌かしら」
「そうね」
「・・・」
「後でお酒の力を借りずに、本当の貴女の言葉で聞かせて?」
「ええ、伝えるわ」
「と言いつつ、私もお酒の力を借りて今言うけど」
「うん」
「好きよ、アリス。私の花を愛してくれた、ずっと前から」
嬉しそうに笑う彼女の頬に触れながら、とうとう言った。
お酒が強いのは、貴女の方じゃない。
ヨカッタですか!嬉しいです、こちらこそお読みいただき、どうも有難うございます^^
>いっちょうめさん
酔っ払うと皆可愛くなるようです。可愛いく表現できてましたかね;
ニヤニヤして頂けて幸いです、こちらこそ、どうも有難うございます!
>3さん
皆知らないけど実は1・2位を争う程酒に強いアリス(という個人的設定です)
弱いアリスを酔っ払わせて幽香が・・・というパターンが美味しいと思いますが、ちょっと違う形を書いてみました。
コメントどうも有難うございます!