「で、どうしたのかしら?いきなり相談事だなんて」
「うむ、私たちの嫁についてだ」
「嫁?」
「分からないか?私にとっては妹紅だ」
「あぁ、なるほど。つまり私にとっては姫様とうどんげとてゐ」
「ハーレムか」
「ハーレムよ」
「いや、今回は輝夜だけに絞ってくれないか?」
「えぇ、いいわよ?」
「あの2人。最近ではあまり激化しなくなったとはいえ・・・。やはり殺し合いは拙くないか?」
「今更ねぇ」
「あぁ、確かに今更だ。私も今更ケンカするなとは、もう言わない。だが、やっぱし嫁が毎回バラバラの肉片に変わるのは良い気分ではない」
「もう少し抑えろと?確かにそれは私も同感ね。また永遠亭が火の海になりかけるのは御免だわ」
「・・・周りに甚大な被害が出るのも問題だよな。というわけで、今ここで私たちが少し知恵を絞ってだな」
「ちょっと待ちなさい」
「なんだ?」
「なんで『嫁』なの?」
「・・・は?」
「『は?』じゃなくてね。なんで貴方にとって妹紅が『嫁』になるのか」
「当たり前だ!それは私たちが愛し合っているからだ!」
「・・・貴方、この作者の中ではソッチ関係ではもうちょっと控えめな感じだったはずなんだけどね。どちらかというと、妹紅の方が押し気味な感じ・・・。いや、それはどうでもいいわ。私が言いたいのはそういうことじゃないわ」
「では何と!?」
「落ち着きなさい。分かるの?妹紅は『女』なのよ」
「そんなことは分かっている」
「貴方も『女』よね?」
「何か問題でも?」
「妹紅が『嫁』なら、貴方は何?」
「な、何って・・・」
「『夫』?」
「何を言っている!私は『女』だぞ!」
「じゃあ、『嫁』?」
「・・・」
「『嫁』が2人?おかしくない?」
「・・・」
「今更なんだけど。姫様(と、うどんげ、てゐ)や妹紅が『嫁』なら、私たちってなんなの?」
「え、えーと・・・?」
「私たちも『嫁』?姫様たちも『嫁』?そうなると、私と姫様の間柄は何になるの?」
「え、と。・・・『夫婦』?」
「『夫』がいないのに?」
「・・・『嫁嫁』」
「『婦』がなくなったわ」
「!?」
「私、前々から思っていたのだけど。確かに姫様(と、うどんげ、てゐ)は私の『嫁』よ。でも、私は『男』じゃない。てことは『夫』ではないわね。じゃあ、私は何?ついでに貴方も」
「そ、それは」
「そもそも、結婚したら苗字はどうなるわけ?例えば貴方たち。『藤原慧音』?『上白沢妹紅』?」
「ちょ、ちょっと待て!ちょっと待ってくれ!?」
「ね、困るでしょ?」
「ま、まず。『嫁』とは女しか名乗ってはいけないのか?」
「姫様が持っていたケータイを拝借してきたわ。ウィキで調べたら。ほら」
「『嫁(よめ)は、息子の妻や新婚の女性、配偶者の女性を指す語。』」
「『嫁』は『女』ね」
「『夫』は?」
「『女性に対する男性の配偶者のこと。』」
「じゃ、じゃあ!私たちは一体何者なんだ!?」
「ね、分からないでしょ?」
「くっ!まさかこんな落とし穴があったとは」
「盲点ね」
「・・・いや、待てよ?」
「便宜上だけ、どちらかが『男』ということにしておく?」
「な、何故分かった!?」
「私もそれしか妥協点が無いと考えたからよ」
「な、なら何故私にこんな問いかけを?」
「どっちが男になるかしら?正確に言うと、どちらが『男っぽい』か」
「『男っぽい』、か」
「だってそうでしょ?便宜上だけでも男になるのよ。なるなら、より男っぽい方がなるでしょ?」
「ふむ、確かに」
「さて、ここで質問。貴方と妹紅、どちらが『男っぽい』?」
「どちらかというと、妹紅かな?いや、妹紅とて女だから失礼な話かもしれないが」
「なんでそう思ったの?」
「・・・。え、え、え~っと?」
「妹紅の何処が『男っぽい』?逆に貴方は何処が『女っぽい』?」
「妹紅の方が背が高くて、キリッとしていて、力強そうで、それでいて私のことを何時も守ってくれて・・・。あ、あと」
「はいはい。惚気はその辺にして。でも、私から言えば貴方だって今の特徴は当てはまるわ。背も割と高い。寺子屋の先生ともあってキリッとしている。頭突きしているから力強そう。精神面だけで言えば貴方の方が妹紅の力になっている感じ」
「そ、そういえば」
「思えば、この幻想郷では幾つかのカップリングは沢山あるわ。組み合わせについては今回除外しましょう。で、ここでまた質問。この幻想郷で『男っぽい』女性って誰がいるかしら?」
「ふ、ふむ」
「例えば、紅魔館の2人の従者。美鈴と咲夜。どちらが男っぽいと思う?」
「・・・私は、美鈴だと思う。やっぱし背が高いのと、力強さ」
「私から言えば、咲夜も背は割と高そうよ。凛としているし。男装とかさせたら中々じゃない?」
「確かに似合いそうだな」
「それと貴方。さっきから『背が高い=男っぽい』という先入観がありそうね。聞くけど、命蓮寺の主従の2人。星とナズーリン、どちらが男っぽい?」
「ナズーリンかな。口調も男っぽいし。クールな男性という雰囲気も。・・・あれ?」
「星は背が高いわね。毘沙門天代理ともあって、説法の時はしっかりしているらしいじゃない。髪型も何か『男っぽさ』が出てない?」
「そう考えると、閻魔様と小町も分からなくなるな」
「そうなのよねぇ。今までの話からいくと、どちらにも『男っぽさ』が出ているのよねぇ」
「逆を言うと、古道具屋の店主は『女っぽさ』が欠片もないような気がするんだが」
「褌眼鏡のイメージが強いからじゃない?女装させたらどうなるか分からないわよ?」
「・・・この世界はどういう風になっているんだ?」
「難しいでしょ?世界って複雑に出来ているのよ」
とりあえずけねもこは神の国。
それで十分。
そういう考え方はいかがでしょう?
輝夜の黒髪ロングにタキシードとか超ときめくんですが、
>2氏
同士よ!
ところで他作品のコメを見ていると百合が苦手という人もいるようなので
タグを付けておいた方がいいかも知れません
「男らしさ」とか求めているわけではないわけで。
何が言いたいかってーともこけねは神の国。
貴方なりの結論がちょっとほしかった。
いや、結論が出ない、出すべきではない話であるのは重々わかってますが、仮の結論でもあると、そこから新たな考察が産ま ナズ寅マジ最高。
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