Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

良い天気は人それぞれ

2011/04/22 22:05:20
最終更新
サイズ
2.08KB
ページ数
1

分類タグ

春も終わりに近づき花粉も飛ばず太陽も届かない厚い雲が張る麗らかな午後。
語弊があるが麗らかと言うのは屋内にいる少女、レミリア・スカーレットにとってである。

「…良い天気ねぇ」

「どんよりしてますねぇ」

レミリアの呟きに正反対の答えを返したのはソファに寝転がる紅魔館門番長、紅美鈴。
彼女の周りには雑誌や兵書、様々な種類の書籍と保護期限切れの門番隊戦闘詳報が散乱していた。

「ねぇ美鈴、何読んでるの?」

「閉所戦闘教本、屋内戦闘の教科書みたいなものです」

「ちょっと貸して」

「難しいですよ?お嬢様」

「大丈夫よ、私は何年生きていると思っているの」

レミリアは美鈴から教本を引っ手繰り数秒眺め、放り投げた。
難しすぎたのか頭を抱え地面に転がるレミリアを一瞥し美鈴は地面に転がった本を取り上げ頁を開く。

「あぁもう、何処読んでたか分からんくなったじゃないですか」

「そんなことより苦しんでいる主を救おうとは思わないのかしら」

「そんなぁ、今は主従じゃ無く友人じゃないですかぁ」

ソファに座りながら本を読む美鈴の言葉に一瞬驚き、そしてレミリアは笑みを零し隣に座り直す。

「悪いわね、私が忘れていたわ」

レミリアは皿に盛ってあるクッキーに手を伸ばし口に放り込む。
流石は咲夜の作ったクッキー、申し分ない味だ、と呟きながら。
三十分ほど前に部屋に来た咲夜が持ってきた紅茶とクッキーは早くも無くなろうとしていた。

「…お嬢様、お菓子ばかり食べて太りません?」

「美鈴みたいに胸だけふくよかになる方法は無いだろうか」

「背も伸ばさないとバランス悪いですよ」

「言ったわね?」

「言いましたぁ」

レミリアのグルグルパンチを片手で押えこみながら美鈴は本を読み続ける。
そうこうしている内に段々と外は暗くなってゆき、訓練の帰りか門番隊たちの隊歌が聞えて来た。
先程までの威勢は何処へやら、レミリアは目を細かく瞬きさせながら舟を漕ぎ始める。

「お嬢様、眠いんですか」

「んぅ」

頷いた頭の戻りが緩慢な所を見ると、どうやら相当来ているようだ。
美鈴はレミリアを自分の膝に寝かせ呟く。

「これやってみたかったんですよ、膝枕」

頭に美鈴の手が置かれると、抑えていた眠気を抑える事が出来なくなったレミリアは静かにその瞼を閉じる。
静かな寝息を立てるレミリアの髪を撫でる美鈴も次第に瞼が重くなっていき。

「…おやすみなふぁい」

その言葉と大きな欠伸と共に美鈴もソファの背もたれに体を預け夢の世界へ旅立った。
紅茶一杯、二百円。
クッキー一皿、三百円。

友との一時、プライスレス。
投げ槍
コメント



1.奇声を発する程度の能力削除
ほっこり
2.名前が無い程度の能力削除
ほんわか
3.名前が無い程度の能力削除
実に良い
4.虎姫削除
なんともいえない、幸せな時問です。
5.名前が無い程度の能力削除
咲夜さんお嬢様からお金採るのか…
6.名前が無い程度の能力削除
美鈴は俺に寄りかかるといいよ
7.名前が無い程度の能力削除
レミリアに俺は寄り掛かろう
8.名前が無い程度の能力削除
ならば俺はソファの背もたれに擬態しよう
9.過剰削除
2828が止まらない
10.名前が無い程度の能力削除
俺はクッキーになって二人に舐られるとしよう
11.名前が無い程度の能力削除
紅魔館にいる主な人達は勤務時間外だとレミリアの友人という説
うん、ニヤニヤしたとも