「ヤッホー!!」
守矢神社の朝は早い。
「なんだいなんだい早苗、突然大きな声出して」
まだ日が昇ってから間もない時間である。
いつもならまだ布団の中にいるはずの早苗が、今朝はなにやら外に出て行ったことに八坂神奈子は気がついた。
そしてこっそり様子をうかがっていると、いきなりこの大声である。
「あ、おはようございます神奈子様。起こしちゃいましたか?」
「いんや、私はいつもこのくらいには起きてるけどね」
「すいません。なんだか今日は早く眼が覚めちゃって……」
「別に謝ること無いさ。早起きはいい事だ」
――ヤ、ヤッホー!!
「あれ? なんか今の山彦……物凄く遅れて聞こえましたけど……」
「うん、変だな。しかも『ヤ』が多かった」
「もう一回やってみましょう……ヤッホー!!」
――ヤッホー!!
「あれ? 今度はすぐ来ましたね」
「なんか他の言葉を言ってみたらどうだい」
「はい。……東京特許許可局~~!!」
――ト、トウキョウトッキョキョキョキャキョキュー!!
「……言えてませんね」
「だなあ……おかしなこともあるもんだ」
「神奈子様も何か言ってみてはどうですか?」
「ふむ……」
しばらく考え込む神奈子。
やがて、悪戯を思い付いた子供のような表情で大きく息を吸い込んだ。
「寿限無寿限無五劫の擦り切れ海砂利水魚の水行末雲来末風来末
食う寝る処に住む処やぶら小路の藪柑子パイポパイポパイポのシューリンガン
シューリンガンのグーリンダイグーリンダイのポンポコピーのポンポコナーの長久命の長助~!!」
――じゅ!? じゅげむじゅげむごぼうのすり身がええと……ええっとぉ~!!
「勝った!!」
拳を握りしめガッツポーズを神奈子がきめる。
「さすが神奈子さま。そこにしびれるあこがれる」
「ざっとこんなもんよ。さて、妖怪からかうのはこの辺にしてそろそろ朝ごはんの用意しておくれ」
「はーい。神奈子様、目玉焼きとスクランブルエッグどっちがいいですか?」
――え? わかっててやってたの? なにそれひど~い。 もうあんたのとこなんて信仰しないんだから~!!
守矢神社の朝は早い。
「なんだいなんだい早苗、突然大きな声出して」
まだ日が昇ってから間もない時間である。
いつもならまだ布団の中にいるはずの早苗が、今朝はなにやら外に出て行ったことに八坂神奈子は気がついた。
そしてこっそり様子をうかがっていると、いきなりこの大声である。
「あ、おはようございます神奈子様。起こしちゃいましたか?」
「いんや、私はいつもこのくらいには起きてるけどね」
「すいません。なんだか今日は早く眼が覚めちゃって……」
「別に謝ること無いさ。早起きはいい事だ」
――ヤ、ヤッホー!!
「あれ? なんか今の山彦……物凄く遅れて聞こえましたけど……」
「うん、変だな。しかも『ヤ』が多かった」
「もう一回やってみましょう……ヤッホー!!」
――ヤッホー!!
「あれ? 今度はすぐ来ましたね」
「なんか他の言葉を言ってみたらどうだい」
「はい。……東京特許許可局~~!!」
――ト、トウキョウトッキョキョキョキャキョキュー!!
「……言えてませんね」
「だなあ……おかしなこともあるもんだ」
「神奈子様も何か言ってみてはどうですか?」
「ふむ……」
しばらく考え込む神奈子。
やがて、悪戯を思い付いた子供のような表情で大きく息を吸い込んだ。
「寿限無寿限無五劫の擦り切れ海砂利水魚の水行末雲来末風来末
食う寝る処に住む処やぶら小路の藪柑子パイポパイポパイポのシューリンガン
シューリンガンのグーリンダイグーリンダイのポンポコピーのポンポコナーの長久命の長助~!!」
――じゅ!? じゅげむじゅげむごぼうのすり身がええと……ええっとぉ~!!
「勝った!!」
拳を握りしめガッツポーズを神奈子がきめる。
「さすが神奈子さま。そこにしびれるあこがれる」
「ざっとこんなもんよ。さて、妖怪からかうのはこの辺にしてそろそろ朝ごはんの用意しておくれ」
「はーい。神奈子様、目玉焼きとスクランブルエッグどっちがいいですか?」
――え? わかっててやってたの? なにそれひど~い。 もうあんたのとこなんて信仰しないんだから~!!
期待の新人ですよね響子ちゃん