「さ、早苗!待って!どうしたの、突然!?」
「霊夢さん・・・霊夢さんが悪いんですよ・・・貴女が私の気持ちに何時まで経っても気づかないから・・・!」
「さ、早苗の気持ちって・・・だ、だって私達は友達だっていつも・・・」
「・・・・・・やっぱり、気づいてくれていなかったんですね・・・私がどんな気持ちで貴女を見ていたか・・・貴女が魔理沙さん達と楽しそうに話しているのを・・・私がどんな風に見ていたのかなんて・・・!」
「な、何を言っているの・・・?わ、私、解からない・・・解からないよぉ・・・」
「いいんですよ、解からなくても・・・解からせてあげますから・・・。身体と心の両方に・・・ね・・・?」
「ひっ・・・・・・い・・・いや・・・やだよぅ・・・さなえ・・・」
「ダメです。これは罰です。私の気持ちに気づかない、とても、とぉっても罪深い、霊夢さんへの・・・ね」
「ご、ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・」
「謝ってもダメです。そもそも理解して無いでしょう?どうして罰を受けるのか・・・だから無駄ですよ。」
「あ・・・・・・あぅぅ・・・・・・うぅ・・・」
「さて、早速ここでやることにしましょうか?あ、でも縁側だから誰か来ちゃったら見られちゃうかも知れませんね?私はそれでもいいのですけど・・・」
「い・・・いや・・・さなえ・・・やめて・・・それは・・・それだけは・・・!」
「なら、神社の中に入りましょうか?」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「お返事が返ってきませんねぇ・・・だったらここでやりますよ?いいんですか?」
「や、やだ・・・わかったから・・・中に・・・」
「ふふっ・・・・・・そう、それでいいんですよ・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「いっぱい可愛がってあげますよ・・・・・・もう、私のことしか考えられないようになるまで・・・何度も何度も・・・さ、霊夢、こっちへ・・・・・・」
「・・・っていうシチュエーション考えたんだけどさ。どう思う?」
「ふざけんな。くたばれ。一体何考えてんだ、お前は」
と、まるで汚物を見るかのような目を博麗霊夢に向け、霧雨魔理沙は切り捨てるように答えた。
「何って・・・ナニ?」
「『上手いこと言った』みたいなドヤ顔すんな。全然上手くないからな。お前は今すぐ永琳のトコに行って来い。そして495年ほど入院して来い。」
「もう行ったわよ、永琳トコ」
「・・・ほぅ。それで永琳は何て言ってた?」
「『下半身がキュンキュンするんです!』って言ったら、『それは恋ね』ってさ」
「お前は何を言っているんだ」
「ちなみにさっきのシチュエーションも永琳のアドバイスよ。『いつも攻める側だから、たまには受けに回りたいわね~』って」
「どういうことだ・・・!?永琳・・・お前どうしちまったんだよ・・・!?」
「ついでに薬も貰っちゃったしね。ほらこれ、超強力媚y」
「そおぉぉぉぉぉおおぉい!!!」
瞬間、光の速さで霊夢の手にある薬を奪い取り、力の限りブン投げた。球速(?)160キロ。超高校生級である。
「ちょっとあんた!!何してくれちゃってんのよ!!」
「うるせぇ!黙れ!こんなモンもらってんじゃねぇよ!というか何でこんなモン作ってんだアイツは!?」
「ああ、それね。月の兎に使うらしいわよ。」
その言葉を聞いた途端、魔理沙は膝をつき天を仰いだ。天井が見えただけだけど。
「神は死んだ」
「早苗のとこの二人は元気よ?」
「畜生・・・一体どうなっちまってるんだ幻想郷は・・・紫・・・早くこの巫女を何とかしてくれよ・・・」
涙を流しながら魔理沙は、この幻想郷の管理者ともいえるバb・・・妖怪に助けを請う。
「残念ながら、今紫は春眠中よ」
「寝すぎだろ!?仕事しろよあのババァ!」
役に立たねぇな!と憤慨しながら魔理沙は、今頃布団の中でぬくぬくと惰眠を貪っているであろうスキマ妖怪を思い浮かべた。
何か、更に腹立ってきたな、と思いながらも少しだけ冷静さを取り戻せたらしい。先ほどより幾分か落ち着いた調子で霊夢に語りかける。
「いいか、よく聞け霊夢。お前は年頃の女の子だ。いわば乙女だ。そんなヤツがそんな不純なことを考えちゃダメだ。もうかなり年食ってる永琳とかなら私も何も言わんけどな。お前はまだまだうら若き10代の女の子なん──」
「あ、早苗~いらっしゃ~い」
「おいコラ!聞けよ私の話を・・・って早苗!?バカ逃げ・・・」
ここで先ほどの霊夢の妄想の対象である、東風谷早苗の登場である。話に夢中になりすぎて早苗の存在に気付かなかった魔理沙は、急いで逃走を促すが既に時遅し、霊夢に口を塞がれ、阻止される。無念。
「えっと、こんにちは。霊夢さん、魔理沙さん。今日は暖かいですね」
「そうね。早苗が来てくれたおかげで私の心はポカポカよ」
お前は何を言っているんだ、と突っ込もうとした魔理沙であったが口を塞がれているため、出来なかった。
口を塞がれ、ジタバタともがいている魔理沙を見て早苗は首を傾げる。霊夢欲情メーターただいま32%。
「あの、霊夢さん。どうして魔理沙さんの口を塞いでるんですか?」
「魔理沙の新しい研究で『無呼吸健康法』ってあるらしくてね。それの手伝いよ」
と、まるで呼吸をするようにすらすらと嘘を吐く霊夢。その言葉を聞いてさらに抵抗のボリュームを上げる魔理沙。
「あの・・・魔理沙さん、本当に大丈夫なんですか?なんだか抵抗してるみたいに見えますし、顔色も悪くなってますよ?真っ青じゃないですか」
神、神がご降臨なさった。魔理沙はそう思った。早苗さんマジ神。現人神ですけどー。
「いや、これは逆に健康になっているからよ。ほら動きのキレが良くなってるでしょ。あと、顔色なんてガミラス人に比べりゃ可愛いもんよ」
「そうですか・・・魔理沙さん、研究頑張ってくださいね・・・あ、霊夢さん台所借りますね~、お昼ご飯まだですよね?」
「うん、うどんがあるからそれ茹でて~。あと食後に早苗が食べたいわ」
何言ってるんですか、と早苗は奥に引っ込んでいく。薄れゆく意識の中で、魔理沙は思った。神なんていなかった。いたのはド天然だった。それが霧雨魔理沙の、最期の思考だった・・・。
霧雨魔理沙、死亡確認。
「いやいや死んでねぇよ!?殺すな勝手に!」
よく解からない突っ込みを入れながらガバッ!っと起き上がる魔理沙。途端ちょっと目がくらむ。
急に起き上がるものではないな、と思いながら、後ろを振り向くと、
「ちょ、ちょっと・・・霊夢さん、止めてください・・・」
「い~じゃない、減るもんじゃないし~」
「お、お料理の最中ですから・・・あぶな・・・ひゃうん!あ、そこは・・・!」
「おや、何か硬いものが指先に当たったわよ~?何が当たったのかしら?ねぇ、早苗分かる?」
盛りのついた犬のように発情している巫女みたいなヤツが、うどんを茹でている早苗にセクハラしていた。どうやら魔理沙の意識が飛んでいたのはほんの少しの間だけだったらしい。
それを確認した瞬間、魔理沙はダッシュした。発情巫女を止めるために。
「お前は何やってるんだよ!?危ないだろ、料理中に変な事すんな!」
「料理なんかに私の愛は止められないわ!早苗~」
「ほら来い!向こうで座ってるぞ!悪かったな早苗!安心してうどん作ってくれ!」
魔理沙に首根っこを掴まれ、ズルズルと引きずられていく霊夢。さ~な~え~、とまるで子供のように駄々をこねる霊夢を見て魔理沙は思った。こんなヤツに博麗大結界を任せて大丈夫なのか、と。
それからすぐに出来たうどんを食べ、「食後のデザート」とほざいて早苗に不埒な行為を働こうとした霊夢が魔理沙にひっぱ叩かれたのだった。
午後2時を回った頃、縁側で三人並んでお茶をすすっていると、突然魔理沙がそういえば、と口を開いた。
「なぁ、早苗。お前、今日は何しに来たんだ?」
「そりゃあんた、早苗は私に会うために──」
「うるせぇ、しゃべんな。おまえにゃ聞いてない。で、何でだ?ただこのバカに飯作りに来たって訳じゃないだろ?」
霊夢の戯言をピシャリ、と断ち切り魔理沙は早苗に問いかける。ブーブー言ってる霊夢は無視する。
「いえ、半分はそうなんですけど・・・今日は分社のお掃除をしようと思ってきたんです」
「へぇ、お前は真面目だな。このダメ巫女にお前の爪の垢でも煎じて飲ま・・・いや、こいつなら喜んで飲むな、確実に」
げんなりしながら魔理沙は溜息をつく。すぐ横で「当たり前じゃない!」とほざく巫女にボディブローを打ち込もうとしたがかわされた。何で無駄にスペックが高いのか、この変態は。
その様子を見て、早苗はクスクスと笑っていた。それに魔理沙は「笑い事じゃないぜ」とぼやいた。
「あ、ごめんなさい・・・でも、なんだか羨ましいなぁ・・・って」
その言葉に魔理沙は驚いたような表情を浮かべる。一体何が羨ましいのか解からない、といった風だった。
「羨ましいって・・・早苗、大丈夫か?」
「?ええ、身体の方は問題ないですけど・・・どうしたんですか?」
「そういう事じゃなくてだな・・・まぁいいや。私とこのバカのやりとりを見て、どこを羨ましいと思ったんだ?」
「遠慮のいらないといいますか・・・そういう関係といいますか?それが羨ましいなって思って」
人にボディブローを放つような関係になりたいのだろうか?ちょっと想像してみた。早苗が物凄い勢いで霊夢にボディをかましているところを。
・・・・・・あんまり見たくは無いな、と思った魔理沙であった。
「私、霊夢さんと知り合ってそんなに経っていませんから。まだ心のどこかで遠慮している部分があるんだなって思うんです」
このバカはお前に対しても遠慮してないと思うぞ、と心の中で突っ込みをいれながら、魔理沙は早苗の言葉を何も言わずに聞いていた。
「外の世界じゃ、そういう感じの人っていませんでしたから。みんな、心のどこかで一線を引いているという感じで・・・」
訥々と語る早苗の姿は、ほんの少し寂しさを感じさせた。
「私は小さい時から風祝として過ごしてきましたから、他の人よりもそういう感じだったんです。だからそんな風に気軽に話せる人がいなくて・・・だからお二人を見て、羨ましいなぁ・・・って」
「・・・・・・・・・そっか」
魔理沙はなるほどね、と相槌を打つ。早苗の話を聞く限り、外の世界での人間関係は少し希薄らしい。しかも早苗は他の人とは違う、風祝という宿命を背負っている。なおさら孤立しやすかったのだろう。
人間は自分とは違う存在を排除しようとするものだ。そうして、自分の世界を守っていく。それは人間の本能だから。
魔理沙はほんの少しだけ、早苗に自分の姿を見た。霧雨家から勘当されたばかりの自分に少し似ているな、とほんの少しだけ思った。
「まっ、そのうち時間が解決してくれるだろ。コイツと長くいりゃ、そんな一線すぐに吹っ飛ぶさ」
そう言って、空を見上げる。そう、時間が解決してくれる。なにせ──
「ちょっと~、なに私を差し置いてシリアスな話してんのよ~。あんたはそういうの似合わないんだからやめなさいよ~。早苗も、そいつと話すのやめて私とちゅっちゅしようよ~」
これである。こいつは空気を読めないのか。よくフィーバーしてる竜宮の使いを見習え、と言いたかった。
「よし、霊夢。ちょっとこれを見てみろ。なんて書いてある?」
そう言って、魔理沙は帽子の中から一枚のプラカードを取り出す。ものすごい達筆で『空気』と書かれている。その文字を見て、霊夢が即答する。
「レイサナ」
「あれ、おかしいな。私の眼には『空気』って書いてあるように見えるんだが」
「眼精疲労でも起こしてんじゃないの?永琳の所に行ったら?」
と、全然心配してなさそうに言う霊夢。ここで魔理沙が「ハイ、ソーデスネー」と言ってどこかに行った途端、どこぞの怪盗の孫の如く早苗にダイブし、ここでは描写できないことをやるだろう、確実に。
「行くべきはお前の方だな、精神的な意味で。教えてくれ霊夢。一体どこをどう読んだらこれが『レイサナ』って読めるんだ?」
霊夢はやれやれ、といった感じで口を開く。
「『空気』っていったら『風』でしょ。『風』といったら『風祝』。『風祝』といったら『早苗』。『早苗』といったら『レイサナ』じゃない。わかった?」
「ああ、よくわかったよ。お前の頭がお花畑って事がな」
「そうよ、私の頭の中では私と早苗がお花畑でキャッキャウフフしてるの。魔理沙って理解力があって助かるわ。胸はないけど」
「くたばれ、今すぐ、ここで。私よりちょっと胸がでかいからって調子に乗りやがって。私だってな、努力してんだよ。牛乳毎日飲んだり、バストアップ体操したりな。見てろよ近い内にお前なんて抜いてやるからな。そしてお前の方見て鼻で笑ってやる。フフン、ペチャパイめ、ってな。覚悟してろよ」
「しかしその努力は無駄に終わるのでした。チャンチャン」
「ケンカか?ケンカ売ってんのか?上等だよ霊夢、やってやるぜ」
そう言って、二人は弾幕を生成し始める。そんな二人に苦笑しながら、「程ほどにしてくださいね~」と言って、早苗は分社の方へ向かう。後ろから聞こえる爆音を耳にしながら、やっぱり羨ましいな、と思う早苗であった。
そろそろお暇しますね、と早苗が言ったのは、日も沈みかけた頃だった。
「あら、もう帰るの?もう少し私とウフフな事しない?」
と、引きとめようとする霊夢と、
「バカ言ってんじゃない。早苗だって自分の神社のことがあるんだろ。帰らせてやれよ」
と、それを諌める物凄くボロボロになった魔理沙。どうやら先ほどのケンカは霊夢の圧勝らしい。
「それもそうね」
と、拍子抜けするほどにあっさり折れた霊夢に魔理沙は心底驚いた顔をした。
「お前・・・霊夢か?さっきのケンカで頭打ったか?」
「あんたの弾幕なんかに当たりゃしないわよ・・・・・・早苗が帰らなきゃいけないなら無理に引き止めるのも悪いじゃない」
そう言う霊夢を見て魔理沙は気味が悪いな、と言わんばかりの顔をしていた。そんな魔理沙を見て早苗は苦笑する。
ただ早苗本人も驚いていた。いつもならしつこいほどに引き止めてくる霊夢が、今日は何か裏があるのでは、と思うくらいあっさり引いたのだ。その事が気になり、早苗は霊夢に問いかける。
「霊夢さん・・・何かあったんですか?」
「うんにゃ何も。何、もしかしてまだ居てくれんの?」
と、いつもと変わらない調子で返してくる。
「だから帰るって言ってんだろ・・・ほら、早苗。帰るぞ」
「え・・・あ・・・はい。それじゃ、霊夢さん。また来ますね」
「ん・・・またね、早苗。いつでも待ってるわ」
そう言って、二人は神社を離れる。
何の気なしに早苗は振り返る。名残惜しい、と自分は思ったのかもしれない。振り返った先、霊夢はちょうど神社へ戻るため後ろを向こうとしていた。
そこで早苗は何かに気付いたのか、何か考えるような顔つきになった。
何事か思いついたのか、早苗は言葉を紡ぐ。
「・・・・・・・・・魔理沙さん」
「ん?どうした早苗?」
「一つ、提案があるんですけど・・・」
二人は少しだけ話をした後、魔理沙は最後に「意外と人使いが荒いな」と苦笑して、飛んでいった。
早苗と魔理沙を見送った後、霊夢は先ほどまでいた縁側に腰を下ろしていた。
手に持った湯飲みに入っている、もう冷めたお茶を飲みながら、ただぼうっ、と陽が落ちるのを眺めている。
突然、カラカラと玄関の戸が開く音が聞こえた。もう陽が落ちようとしているこの時間に人が訪れるのは珍しい事である。宴会の時は別として。
はて、誰だろうと玄関に向かおうと腰を上げたその時、
「霊夢さーん、ごめんくださーい」
と、さっきまで自分と一緒にいた、彼女の声がした。慌てて玄関の方へ向かう。そこにいたのはやはり早苗だった。
「あ、あれ・・・早苗…?」
「こんにちは、霊夢さん。また会いましたね」
いや、もうこんばんはなのかな、と首を傾げる早苗。
「ど、どうして・・・?帰ったんじゃなかったの・・・?」
霊夢は、自分の頭が混乱するのを感じていたが、何とかその疑問を口にする事が出来た。
その疑問を受けて、早苗は眼を泳がせながらしどろもどろでその疑問に答えた。
「えーっとですね・・・・・・そ、そう!あれですよ!神奈子様と諏訪子様が宴会に行っていないから、霊夢さんの所に泊まらせてもらえって言われまして・・・」
「いや、嘘でしょそれ。神社に誰もいないってダメじゃないの?」
「ふぉっ!?あ、ま、間違えました!確か・・・えーと・・・うーんと・・・あ!思い出しました!諏訪子と神奈子様が物凄いケンカしてて家に帰り辛いんです!」
「いや、ケンカ止めてあげなさいよ・・・」
「おふぅ!?えぇぇぇぇええぇとですね・・・・・・!ツ、ツインバスターライフルが神社に直撃してですね!神社が無くなっちゃったのでここに・・・・・・!」
「いや・・・・・・もういいわ・・・・・・」
どれだけ嘘が下手なのだろうかこの子は。最後の言い分はよく解からないけど。
とりあえず分かる事は早苗が家に泊まりたいという事だ。霊夢としてはドンと来い、朝まで寝かさないわよウヘヘな感じであるのだが。
「ま、とりあえず上がって、ご飯にしましょうか。メニューは女体盛ね、早苗の」
「そ、そんなの作れません!」と顔を真っ赤にしながら、二人は台所へ向かっていく。
今夜は楽しくなりそうだな、と思いながら、霊夢は少し微笑んだ。
その後、夕食の準備の際、突然お尻を触ってきたり、「ねぇ、これ着てみない?」といって裸エプロンを勧めてきたり、食後のデザート!といって襲いかかってきた(ちなみに早苗さんは奇跡の力で回避する事に成功した。奇跡ってすげぇ)のは、今回の話であまり重要ではないので割愛させていただく。あと、この時の霊夢欲情メーター47%。
それから、(半ば強引に)二人で風呂に入り、後は寝るだけとなった。二人分の布団を敷き、もう布団に入って「こっちに入りなさい」と言わんばかりに眼をギラギラさせていたのだが、早苗は気付く様子を見せなかった。ザ・ド天然。
「じゃあ、行灯消しますねー」
「うん、いいわよー。あと、東風谷、こっちやこーい」
ふっ、と早苗の吐息で行灯の火が消されるとともに部屋に暗闇が広がった。そして、早苗が布団に入る音が微かに聞こえる。その音が止むと、耳が痛くなるほどの静寂が、部屋を支配した。
しかし、その静寂はすぐに破られた。霊夢が口を開いたからだ。ねぇ、と霊夢は早苗に問いかける。
その声に早苗は顔を霊夢の方へ向ける。しかし霊夢は天井の方を向いていた
「早苗はどうして急に、家に泊まる気になったの?」
早苗は少しだけうーん、と考えてから、答えた。
「霊夢さんと別れた後、私、霊夢さんの方を振り返ったんです」
「それで・・・?」
「その時ちょうど、霊夢さん家に戻ろうとしてたんですけど・・・」
「・・・・・・うん」
「その時、ほんの一瞬だけ。霊夢さんの顔が見えたんです」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「その時見えた霊夢さんの顔が・・・とても、寂しそうに見えたから・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・え?」
そう、あの時後ろを振り返った早苗は見たのだ。
寂しそうで、今にも泣き出しそうな顔をした霊夢を。
そこで気がついた。自分達が帰ってしまったら、霊夢は一人ぼっちなのだと。
自分には家に帰ると迎えてくれる人がいる。しかし、霊夢には迎えてくれる人がいないことに。
そんな寂しい顔をさせたくない、と思った。だから自分は戻る事にした。魔理沙も誘ったが「止めとくよ。私は忙しいしんだ」と断られた。その腹いせに、神奈子への伝言を頼んでから、早苗は霊夢の所へ戻った。
「あの、勘違いだったらごめんなさい・・・もし、気に触ったのなら・・・・・・」
「早苗」
早苗があたふたと何か言っているのを、名前を呼んで口を閉じさせる。それから顔を早苗の方へ向ける。暗闇に眼が慣れてきたのか、早苗の少しだけ申し訳なさそうな顔が眼に映った。
そして一言、「ありがとう」と告げる。早苗はその言葉に笑顔で「どういたしまして」と返した。
「やっぱり私、あんたのこと、好きだわ。愛してる」
「嬉しいです。私も霊夢さんのこと、好きですよ」
そう言って、二人は少しの間クスクス、と静かに笑いあった。
ひとしきり笑った後、霊夢が少しだけ頬を赤くして、「早苗、お願いがあるんだけど」と言った。
それに「何でしょう?」と早苗が返す。
「あの・・・さ。よかったら一緒の布団で寝てくれない?」
その提案に早苗は二つ返事で了承すると、霊夢の布団へと移った。
「霊夢さんの身体、温かいです。今度から泊まりに来たときは、霊夢さんを抱き枕にして寝ちゃいましょうか」
「夏は暑そうだけどね・・・・・・早苗、また泊まりに来てくれるの?」
「ええ、霊夢さんが良ければ」
「うん、いつでも来てね」
「ふふっ、そうします・・・」
「・・・早苗」
「何ですか?」
「・・・・・・抱きしめて」
「・・・はい」
「・・・・・・・・・大好き」
「・・・・・・私も、大好きです」
その言葉を最後に、二人は幸せそうな顔をして、眠りに落ちた。
翌朝、早苗の乱れた寝巻き姿を見て、霊夢欲情メーターが限界を振り切り、霊夢が子供の教育上よろしくない事をしでかしたのだが、それはまた別の機会に。
やっぱレイサナはこうでなくちゃね
後書きの最後の一文に意識がいってしまうw
タマゴアイスもいいですよね
食べきる寸前にミスったら、ね・・・
いえ大好きですもっとやってください。
よかった、楽しんでいただけたようですね。
うん、特に霊夢は入院すべきですねw
>>奇声を発する程度の能力
ですよねー、エロいですよねーw
あのねっとりとした感じがなんとも・・・w
レイサナはちゅっちゅしないとねw
>>3さん
計画通り!
タマゴアイスですか・・・とりあえず、口の端から垂らしてみません?すごくエロいと思うのですが・・・w
>>唯さん
本人にその自覚はなかったという・・・(え
因みに私は、マリアリ派です。
>>5さん
最初の会話部分はノリノリで書いていましたw
たぶんまたやらかすと思います(マテ
>>6さん
『ほう・・・』と聞くと、『経験が生きたな』が思いついてしまう・・・。
>>7さん
煩悩退散させるために命蓮寺に・・・って、ぬえがいるからダメかもしれません・・・。
アリス総受け・・・いやらしく感じるのは私だけですかね?