※注意!
この作品は作品集82『フラワーマスターのバレンタイン』の続きになります。
そしてこの作品は世紀末並に暴走した深夜脳の影響でgdgdです。
それでもいいと言う方は↓よりどうぞ。
警告はしました。中傷の類は無しの方向でお願いします。
弥生に入り、幻想郷に春が訪れる。
桜は芽吹き、蝶が舞い、数多くの花々が咲き乱れる。
春告精が春を告げに飛び回り、幻想郷は本格的な桜の季節になっていた。
そしてそんな日が続き、二週間程が経った頃。
私、風見幽香は部屋の中をうろうろしていた。
特に意味は無い。ただ、何となく落ち着かないのだ。
「……どうしよ」
遂にこの日がきてしまった。
そんな事を思いながら、壁に掛けられたカレンダーに目を向ける。
「ホワイトデー……」
三月十四日、ホワイトデー。
バレンタインに贈り物をされた男子が、贈り物をくれた女子へお返しを渡す日である。
「……うぅ」
一月前、つまりバレンタインデーの日に私は贈り物をしている。
それは今日お返しがくるという事になる。なるのだが……
「どうしよう……ホントに」
呟きながら、ベッドに顔をぽすんと埋める。
……私は贈り物をした時、送った相手に一つ言った事がある。
『ホワイトデーに欲しい物がある』……と。
そして、その時に言った物。
それは『左手の薬指に似合う指輪』。
「ふわぁ……っ」
思い出すだけで顔が赤くなる。我が事ながら随分と思い切った行動をとったものだと、今になって思う。
聡明な彼の事だ、その意味は分かるだろう。
その言葉の意味が、プロポーズである事ぐらいは。
そしてその上で、彼はそれを了承してくれた。
「つまり……よ」
つまり。
私は今日、彼にプロポーズされるのだ。
「あぅう……」
想像するだけで顔が赤くなる。
分からないなら、知らないのなら。
今日彼の所へ行くのがどれ程楽な事だろう。
「……でも、こんな事考えてもしょうがないわね」
もう自分はその言葉を口にしてしまった。それはあの半獣でなければ変え様の無い過去。
「うん……行かなきゃ。彼にも失礼よ」
そんな事を呟き、ベッドから顔をあげる。
「何時も通り、何時も通りでいいのよ……頑張れ、私」
気恥ずかしさで赤い顔を抑えそんな事を呟きながら、私は静かに家を出た。
***
弥生に入り、幻想郷に春が訪れる。
桜は芽吹き、蝶が舞い、数多くの花々が咲き乱れる。
春告精が春を告げに飛び回り、幻想郷は本格的な桜の季節になっていた。
そしてそんな日が続き、二週間程が経った頃。
特別何があるという訳でもなく、僕は何時もの様に店番という名の読書に耽っていた。
「フム……中々興味深い」
呟きながら、本の中身を一冊また一冊と吟味していく。外の世界の教科書と呼ばれる指南書の類らしいそれは、中々に知識欲をそそられる内容だ。
慧音辺りが喜びそうな物だとは思いつつ、頁をまた一枚ぱらりと捲る。
一冊読み終わり、これらは非売品行きだな、等と思っていた時だった。
――カランカラッ。
扉の鈴が控えめに来客を告げた。
「ごきげんよう、霖之助」
「いらっしゃ……って、君か。久しぶりだね」
「え、えぇ……そうね」
やって来たのは幽香。香霖堂の常連であり、日傘の修理や肥料の購入等、ちゃんと金を払う上客でもある。
「今日はどういった用事だい?」
「ぇ……べ、別に? ただの暇潰しよ」
「そうかい。まぁ、ゆっくりしていくといい」
「え、えぇ……」
言いながら、幽香は勘定台近くの椅子に腰掛けた。
「……ねぇ、霖之助」
「うん?」
「最後に私が来たのって、丁度一月前よね?」
「……あぁ、そうだったな」
「その日は確かバレンタインデーで、私は貴方にチョコをあげたわよね?」
「あぁ」
「……で、今日は一月後のホワイトデーだから、貴方は私に渡す物があるんじゃないの?」
「ん? あぁ、ある事にはあるが……って」
思わず、手元の本から顔を上げた。
「……今日は暇潰しと聞いていたんだがね」
「違いは無いわよ。……別に、今日がホワイトデーだったから、お返しを貰いに来てあげただけよ」
そう言う幽香の顔は、薔薇の様に真っ赤だった。
「……まぁいいか。僕としても渡しに行く手間が省けた」
「……その言い方は無いと思うわ」
その言葉に何故かと思いながらも、後ろの棚から幽香へのお返しの品を手に取る。
「幽香」
「……な、何?」
「ホワイトデーのお返しだよ」
言って、幽香に箱を手渡す。
「ぇ、えぇ。有難う」
言いながら、幽香はそっと箱を開けた。
「……?」
箱を開けた幽香の表情に表れた感情は、『疑問』だろうか。
「……ねぇ、ちょっと」
「うん?」
「これ……何?」
「何って……見ての通り、マシュマロだが」
ホワイトデーにはマシュマロやキャンディ等のお返しが一般的だとの事なので、外の世界から流れ着いた材料とレシピ本を頼りに、足りない物は幻想郷の物で応用して作った物だ。
味見もしたが、十分人に出して誇れる出来であると自負している。
これなら、幽香から貰ったチョコレートには十分匹敵するだろう。
「外の本物に比べれば劣るんだろうが……味は保障するよ」
「………………」
「……幽香?」
「……何でよ」
「?」
「何で……何でよっ!?」
そう言うと、幽香は立ち上がり僕の胸倉を掴んできた。
「ゆ、幽香!?」
「何で? ねぇ、何でよ! 貴方、あの時分かったって言ってくれたじゃない!」
「……それは」
「何よ! 一人で勝手に告白されるって思い込んで! 今日どんな顔して貴方に会えばいいか悩んで! 私が馬鹿みたいじゃない!」
「……幽香」
疑問から激怒の色に塗り替えられた幽香の目には、うっすらと涙が浮かんでいた。
「ねぇ……何で? 私は、本気なのよ? 本気で、貴方が好きなのよ……」
そう言って、幽香は僕の胸元に顔を埋めて、背中に手を回す。
殴られると思っていたのもあり、色々な意味で少し驚いた。
「分かったって言ってくれたじゃない……あれは嘘だったの? ねぇ……」
呟きながら、幽香は腕に力を込める。
「幽、香……」
予想外の事に多少狼狽しながら、僕は幽香の肩に手を置いた。
「あの言葉は嘘じゃあないよ」
「ッ……じゃあ、何で……!」
「いや……まぁ」
言うべきかどうか躊躇ったが、僕は言葉を口にした。
「こういう物は、ホワイトデーのお返しなんかで気軽に渡す物ではないだろう?」
「ぇ……?」
「結婚というのは人生においても重要な事だからね」
「……!」
「渡すならしっかりと吟味した上で君に渡したいというのもあった」
「え、じ、じゃあ……」
「あぁ。……だから、今度二人で選ぼう。君の意見も聞きたいしね」
僕がそう言うと、幽香は一瞬きょとんとしていたが、やがて再び僕の胸に顔を埋めた。
「……馬鹿、馬鹿ぁ……! 霖之助の、馬鹿……!」
そう言いながら、幽香は腕に力を込め、僕を抱きしめる。
「……やれやれ」
馬鹿、と言われるのも今回は仕方が無いだろう。
自分の勝手で彼女を怒らせてしまったのだ。当然の結果だと思う。
そんな事を考えながら、僕は幽香の背中に手を回した。
「……霖之助」
「……何だい」
「幸せにしなかったら……許さないわよ」
僕の腕の中で、幽香がそんな事を言ってきた。
「許さない……ね。具体的には何をされるのやら」
独り言のつもりでそう呟くと、幽香はそれに答えた。
「貴方が、幸せにしてくれなかったら……」
そして僕の胸に顔を押し付け、消え入りそうな小さな声で僕に呟いた。
「……私が、貴方を幸せにしてあげるわ。貴方の幸せが私の幸せだもの」
リアルに悶えてゴロゴロしてしまったうわぁぁ!
作者の深夜脳に乾杯
遅刻なんて気にする気もない
だって、こんな作品が読めたのだから!
ゆうかりん可愛いですバッキャロー!
甘いな、うん甘いわ
だがそれは良い事だ!!
なんかコーヒー飲んでるのに口の中が甘ったるいです。乙女ゆうかりん可愛いよ。
ゆうかりんがこんなにも可愛いなんて……って甘いッ!
いいぞ、もっとやってくださゴパァッ!(砂糖を吐く音
>>1 様
悶える程の糖分は入れていなかった筈なのですが……そんなに甘かったですかw
>>2 様
そう言って頂けると嬉しいです!
>>3 様
ラ……カン……羅漢……?
ぼくらの魔法戦士が大魔法の前に使う困った時のアレですか?
>>4 様
ゆうかりんは可愛いですよね!
>>投げ槍 様
そんなにですかw
>>6 様
別に伝説でも何でもないですよっ!w
>>奇声を発する程度の能力 様
甘いのが多いのは良い事ですよね!
>>8 様
そう言って頂けると嬉しいです!
>>俺式 様
そんなに甘かったですか!?
乙女なゆうかりんを最初に考えた人は天才だと思うんです。
>>おぅ 様
髪を振り乱してっ!? そこまでですか!?
>>日間賀千尋 様
残念! 結婚式は2008年の春に終わっています。 とか書けないから言ってみる。
>>12 様
佐藤の山……リアル鬼ごっこか何かですか?w
>>たおふこ 様
深夜脳は夜中寝ないで書き続ければ自然と出来上がりますよw
>>淡色 様
もっとですか……って大丈夫ですかぁー!?
読んでくれた全ての方に感謝!