Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

空海水平線

2011/02/22 23:26:56
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「ねぇ一輪。貴女、海を、水平線を見たことはある?」



村紗が唐突に私に尋ねてきた。
幻想郷に『海』と呼ばれる大規模な水辺はない。
よって、私は海やらと水平線を見たことはない。
当然のことだろうに。



「すごいのよ、青は青でも空と海の青は違うの。その二つがね、限りなく近接して溶け合おうとしているの。」



村紗は楽しそうに話す。
初めて見た海と空の水平線のことを思い出しているのだろうか。
そう思う程に、ムラサの口調からは興奮を感じた。
そしてその時、私は一つの答えに辿り着いた。
行き着いてしまった。



村紗は私を好いてくれてはいるだろう。
けれども、愛してはいないのだ。
彼女が愛しているのは、海のある空と二つから生まれる水平線。



苦虫を噛み潰したような顔になりそうになる。
すると、村紗が私の手を取って言った。
それは、優しい手つきと声だった。



「いつか、見に行こうね。」



もう一度、という彼女らしくもない小さな弱々しい言葉を聞いた時、私は下らない嫉妬を地へ吐き捨てた。







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タイトルセンスが来い、な代物です。ほんと、どうにかならなかったのか、これ。まあ、海も空も関係してるし、空海は坊さんの名前だしでいいかな…。朝の電車内で衝動的に書いたものでした。地元の海と朝焼けでの水平線が素晴らしかったんで、昼間のも見たいなぁ、となった結果。あと、前のフランちゃん小話にコメありがとうございます。あとがきに書き忘れてましたが、ちゃんと最後の行には意味があるんですよ。深くはないのですが。今回も少しだけ遊んでみました。たぶん、自分以外には通じないだろうなぁ、と思います←
ではでは、読了感謝です。

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コメント



1.名前が無い程度の能力削除
詩のようですね。
綺麗な水面を見たような読後感。
2.名前が無い程度の能力削除
限界まで削り取った短さがすごい。