※会話文のみです。あらかじめご了承ください。
「紫様、さっきから何をやっているんですか?」
「ああ、ちょっと『言葉の境界』を弄る実験をしてたのよ」
「はあ……?意味が、よく分かりませんが」
「まあまあ、見てなさいって♪」
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1.星と聖 ~一歩間違えれば犯罪です~
「ちょ、ちょっと!聖!」
「あら、どうしたの?」
「何でこんなところで脱いでるんですか!?」
「だって『ここで履物を脱いでください』って書いてあるじゃない。おかしな星ねえ」
↓
「ちょ、ちょっと!聖!」
「あら、どうしたの?」
「何でこんなところで脱いでるんですか!?」
「だって『ここでは着物を脱いでください』って書いてあるじゃない。おかしな星ねえ」
2.蓮子とメリー ~普通の電話が不審な電話に~
「ふーん、へえ……そうなの」
「……ねえ、さっきから何か見ながら話してるの?」
↓
「ふーん(がぶ)へえ(がぶり)そうなの(がぶがぶ)」
「ねえ、さっきから何噛みながら話してるの!?」
3.神奈子と早苗 ~発明家にとりとお洒落にとり~
「……え!?にとりさん、発明済みの模様って、本当なんですか!?」
「ああ。まったく、どうやったもんだか知らないが、大したもんだよ、あいつも」
「そんな難しいことができるなんて、流石の技術と言ったところでしょうか……」
↓
「……え!?にとりさんは、爪、泉の模様って、本当なんですか!?」
「ああ。まったく、どうやったもんだか知らないが、大したもんだよ、あいつも」
「そんな難しいことができるなんて、流石の技術と言ったところでしょうか……」
4.パチュリーと小悪魔 ~パチュこあ→パチュこが~
「うー、重い。意外と、ずしっとくるのね」
「そりゃあもう、そんなしっかり重ねちゃってますからね。私が代わりますよ」
「嫌よ、私にとっては特別大事な物だもの。最後まで、私が運ぶわ」
「そうですか。でも、明日の朝までには元の場所に戻しておいて下さいね。咲夜さんが『明日は図書館を大掃除する』って張り切ってましたから」
「大丈夫よ。ふふ、朝までじっくりたっぷり楽しんであげるわ♪」
↓
「うー、重い。意外と、ずしっとくるのね」
「そりゃあもう、そんなしっかり傘寝ちゃってますからね。私が代わりますよ」
「嫌よ。私にとっては特別大事な者だもの。最後まで、私が運ぶわ」
「そうですか。でも、明日の朝までには元の場所に戻しておいて下さいね。咲夜さんが『明日は図書館を大掃除する』って張り切ってましたから」
「大丈夫よ。ふふ、朝までじっくりたっぷり楽しんであげるわ♪」
5.霊夢と魔理沙 ~弾幕ごっこが祭事の準備に~
「うーん、あれ?……え、えっと、どうしよう!?」
「あーもう、しっかり周りを見渡せって。そんで、対抗しろ!」
↓
「うーん、あれ?……え、えっと、どうしよう!?」
「あーもう、しっかり周りを見渡せって。そんで、太鼓後ろ!」
6.咲夜とレミリア ~カリスマが減るとき~
「お嬢様、花札に興味があるのですか?」
「ええ。こんなものは子供が持つものだと思っている者も多いようだけど、そんなことはないわ。むしろ、高貴な大人が持っているべきものなのよ。私みたいな、ね」
「はあ、そんなものでしょうか」
↓
「お嬢様は、名札に興味があるのですか?」
「ええ。こんなものは子供が持つものだと思っている者も多いようだけど、そんなことはないわ。むしろ、高貴な大人が持っているべきものなのよ。私みたいな、ね」
「……はあ、そんなものでしょうか」
7.神奈子と魔理沙 ~神様の焼肉~
「……何だい?どうもお前さん、さっきから私のことをじっと見ているようだけど」
「いや、だってさ、神様が食事してるのを見られる機会なんて、この宴会のときくらいしかないだろ?たまにはこういうのを見るのもいいなと思ってさ」
「酔狂な事だねえ。神々の食べるところなんて、幻想郷ならいくらでも見られるだろうに」
↓
「……何だい?どうもお前さん、さっきから私のことをじっと見ているようだけど」
「いや、だってさ、神様が食事してるのを見られる機会なんて、この宴会のときくらいしかないだろ?たまにはこういうのを見るのもいいなと思ってさ」
「酔狂な事だねえ。神がミノ食べるところなんて、幻想郷ならいくらでも見られるだろうに」
8.穣子と静葉 ~有名神?~
「ただいま♪」
「おかえり。どうしたの?」
「町を歩いてたら声かけられてさ。『秋 穣子さんですか?」って!」
「へえ。そんなことがあったの」
↓
「ただいま……」
「おかえり。どうしたの?」
「町を歩いてたら声かけられてさ……『あ、君、のり子さんですか?』って……」
「へえ……そんなことがあったの……」
9.レミリアとパチュリー ~お饅頭戦争~
「すごい迫力ね、パチェ」
「ええ、何も饅頭一つであんなに争わなくてもいいのに。というか、もう二人とも沢山食べたじゃない」
「魔理沙と霊夢の血糖値がすごいことになってるわ」
↓
「すごい迫力ね、パチェ」
「ええ、何も饅頭一つであんなに争わなくてもいいのに。というか、もう二人とも沢山食べたじゃない」
「魔理沙と霊夢の決闘……血が、すごいことになってるわ(じゅるり)」
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「どうだった?藍」
「……何と言うか、すごいですね。殆ど同じ言葉なのに、区切り方一つでこうも違いますか」
「そう。ちょっと言葉の境界というのを弄るだけで、世界というのはここまで変わるのよ。面白いでしょう?」
「ええ。何だか、もっと見てみたくなりました」
ドンドン
「はーい、今出ます。……と、萃香さんでしたか。珍しいですね」
「おーす、ちょっと遊びにね。って、落ち着いてる場合じゃないよ、藍」
「どうされました?」
「お前さんの所の式がな、鎌を振り回してるってちょっとした騒ぎだよ」
「ええ!?」
「何か知らないけど、珍しく興奮してるみたいでさ。それで数人、犠牲になっているそうだ。……主としては、止めてやるべきなんじゃないかい?」
「そ、そんな……紫様、どうしましょう!?」
「……落ち着きなさいな、藍。萃香も、からかわないの。それは『橙が、仲間を振り回してる』だけでしょう」
「あちゃ。流石に、紫には通じないか」
「……へ?」
「言葉の区切り方が違うの。要は、さっきまで見てたのと一緒よ。それに、橙は、何があったにしろ、そんなことのできる子じゃないでしょう。藍、貴女ももう少し冷静な判断が下せないとダメよ」
「ちぇー、一発で見抜かれちゃったか。面白くないの」
「……萃香さん、からかってたんですね?」
「ふふっ、昔からどうにもあんたをからかうと楽しくてねえ。悪かったよ」
「まあ、どっちにしても、あんまり仲間を振り回すのは良いことではないでしょ。藍、ちょっと止めに行ってきて頂戴」
「分かりました。それでは、失礼します。……萃香さん、知らせてくれたのは感謝しますが、今度はからかわないでちゃんと教えてくださいね?」
「ああ、分かってるって。……それで、紫はそんな隙間なんて開いて、また何かの境界でも弄ってたのかい?」
「ええ。言葉の境界を弄る実験をしていてね。折角だし、貴女も少し見ていく?」
「面白そうだね。勿論見ていくさ。……へえ、こりゃ中々……」
おわれ
面白い言葉遊びでした
のり子って誰よ!!
境界を弄った後に、言葉の区切りを意図的に変えていたってことは・・・
ら、藍様逃げて~!
鎌持った橙から逃げて~!
青森生まれのブルースの女王、淡谷のり子さんのことだろきっと。