※この作品は創想話作品集123「純情乙女マガンちゃん」の流れを含んだユウゲンマガンが出演します。ユウゲンマガンのイメージを崩したくない方はご注意ください。
「……心の準備は出来ました?」
魔界の中心街付近にある一軒家にて、大きな翼を持った堕天使、サリエルが何やら紙を持って言う。
「……オッケー、いつでもこい!」
蝙蝠のような羽をばたばたさせ、エリスは言う。
「わ、私も……大丈夫です」
血走った眼をバックにし、マガンは小さく頷いた。
「では……」
サリエルは手に持った紙を机の上に表にして置く。
紙には1からの数字と、その横に名前、そして投票数と書かれてこちらにも数字が書かれている。
「博麗、十六夜、風見……こんな上位はあたし達には関係ないね。えーっと、エリスエリス……」
エリスは上の方は適当に流し、下の方を見進める。
「あ、あっ!わ、私あった……」
「えっ!?何位だった?」
「えっと……ひ、104位……」
「その上にあたしある!やったー!103位!」
「あ、あうぅ~……前回は勝ってたのに……」
ぴょんぴょんと跳ねて喜ぶエリスの横でマガンは唸っていたが、その顔は嬉しそうだった。
「二人とも仲良く並んでますね。私だけ疎外感です」
その様子を見て、サリエルは微笑んだ。
「さ、サリエル様は何位だったの……?」
「私ですか?90位です」
「ならいいじゃん!文句言わないでよ!」
「む~……ちょっと気を使って損しました……」
エリスとマガンは二人でサリエルを怨むような目で見る。
「まぁ、私は一応ラスボスなんだから、良いじゃないですか。二桁でも」
「で、でも……コンガラさんは101位じゃ……」
最後まで言い終える前に、マガンはサリエルに口を塞がれる。
「マガン、それ絶対本人の前で言っちゃ駄目ですよ?コンガラさん凄く気にしてるんですから」
「あとさ、キクリっち、今回もやっぱり順位低いよね。128位中118……」
「言っちゃ駄目です!エリス、めっ!」
空いてる方の手で、サリエルはエリスの口も塞ぐ。
「まぁ、五十歩百歩ですからね?私達なんか……」
「「「はぁ……」」」
サリエルの手から開放された二人はサリエルと同時に溜め息を付く。
「出番が……欲しいですぅ……」
「もはや私は成人向け同人誌でも文句言わないよ。旧作中の登場人物はすべて18歳以上です!(ちゆりを除く)」
「エリス駄目ですよ。あんまりえっちぃのは」
「う~ん……なら、百合?」
エリスはマガンの肩を掴むと、面と向かわせる。
「え、エリス、どうしたの?」
「実は私……ずっと前からマガンの事が……」
「え、え、えぇ!?だ、駄目だよぉ!……わ、私はそんな……」
「エーリースー、あんまりマガンをいじめちゃ駄目です」
サリエルに頭を小突かれ、エリスはあははと笑った。
「マガンは私のものです」
「あれぇ!?そういう感じですか?」
「え?え?な、何の話……?」
困惑するマガンをよそに、二人はマガン争奪戦を行うのだった。
「……ユキ、肩揉んで」
「はいは~い」
「……ユキ、お腹空いた」
「すぐ何か作るよ」
「……ユキ、脱いで」
「ちょ、ちょっとだけだよ……?」
「……ユキ、裸エプロン」
「ど、どう?……似合う?」
「……ユキ、おっぱい揉ませて」
「や、優しく……してね?」
「……何やってるの?」
「……あ、夢子姉さん」
「あ!あ、あのね、これは……その……」
ユキとマイの部屋に入って早々、夢子は頭を抱えたくなる。何故かユキはほとんど衣服を見に付けておらず、マイの言いなりになっていて、なんと言うか……目を逸らしたくなるぐらい可哀想だ。
「……ユキが人気投票で私に負けたから、今日一日私の言うこと何でも聞くの」
「約束だからね~……こんなことになるとは思わなかったけど」
「それは……難儀ね」
夢子は何か嫌な事を思い出したように顔をこわばらせると、部屋から立ち去ろうとする。
「……ちなみに夢子姉さんも約束したけど、忘れてないよね?」
しっかりとスカートを掴み、逃がさんとするマイ。
「…………わ、私は仕事があるから」
「……なら仕事中、語尾は『にゃん☆』で」
「え?ちょ、それは……」
「ちなみにやってたかどうか後でメイド達に聞いて確認するから」
「夢子姉さん、諦めが肝心だよ……」
エプロン一枚のユキが同類を哀れむような目で見る。
「…………」
「夢子さん、ちょっといいですか?」
「何、どうかした……にゃん☆」
「……どうしたんですか?」
「別に、なにもしてない、にゃん☆……」
「ゆ、夢子さん、顔真っ赤ですよ?それに涙目……」
「き、気にしないでにゃん☆……それより何の用事にゃん☆……」
「ルイズ姉、人気って何なんだろうね……?」
「さぁ……不確かで曖昧で……儚くて残酷なだけかもね」
パンデモニウムの中庭、サラとルイズは長椅子に腰掛け、青い空を見ていた。
「私さ……自分が人気ある方だとは思ってないんだけど……いつになったら毛玉に勝てるのかな……?」
「私もよ。サラ、私達二票差だものね。……他のみんなが人気になっても、私はずっと貴方と一緒よ」
「ありがとうルイズ姉……。今日も空は綺麗だね」
「そうね、サラ……」
「どうしようどうしよう……」
「お、アリス、頭抱えてどうした?」
アリスの家に勝手に入った魔理沙は、頭を抱えてぶつぶつと呟くアリスに声を掛ける。
「人気投票が……大変なの」
「大変ってお前……7位だろ?良い方じゃないか」
「良い方だから大変なのよ……」
「どういうことだ?」
勝手に机に出ていたお茶をすすりながら魔理沙は聞く。
「姉さん達にボコボコにされる……せめて二桁ならまだ助かりそうだったのに……」
「……それは、難儀だな」
「どうしようどうしよう……」
「ん?まてよ……私ももしかして魅魔様に何かしらは……」
尚もぶつぶつ呟くアリスの隣で魔理沙は何かを考えているようだ。
「あの人、前回この時期に顔出してきたしな……。しかも今回自分の順位が下がってるから不機嫌だろうな……」
「どうしようどうしよう……」
「前回は酔った勢いでうちを半壊していったし、今回は全壊なんてこともな……。めんどくせぇ……」
「どうしようどうしよう……」
「お前、師匠に向かってめんどくせぇとはなんだい?」
「うわぁ!魅魔様!?」
「しばらく見ないうちにまた態度が悪くなったね。ちょっと来な、再教育してやろうかねぇ」
突然現れた悪霊に魔理沙は襟首を掴まれる。
「ちょっ!魅魔様、また酒飲んできただろ!?離せっ!う、うわあああああ!」
「どうしようどうしよう……」
「う~ん……」
パンデモニウム屋根上にて、サイドテールを風になびかせた魔界神、神綺はのんびりと伸びをした。
「魔界は今日も平和ねぇ……」
住民達があれこれと騒いでる間、神は一人お昼寝タイムに突入するのだった。
「……心の準備は出来ました?」
魔界の中心街付近にある一軒家にて、大きな翼を持った堕天使、サリエルが何やら紙を持って言う。
「……オッケー、いつでもこい!」
蝙蝠のような羽をばたばたさせ、エリスは言う。
「わ、私も……大丈夫です」
血走った眼をバックにし、マガンは小さく頷いた。
「では……」
サリエルは手に持った紙を机の上に表にして置く。
紙には1からの数字と、その横に名前、そして投票数と書かれてこちらにも数字が書かれている。
「博麗、十六夜、風見……こんな上位はあたし達には関係ないね。えーっと、エリスエリス……」
エリスは上の方は適当に流し、下の方を見進める。
「あ、あっ!わ、私あった……」
「えっ!?何位だった?」
「えっと……ひ、104位……」
「その上にあたしある!やったー!103位!」
「あ、あうぅ~……前回は勝ってたのに……」
ぴょんぴょんと跳ねて喜ぶエリスの横でマガンは唸っていたが、その顔は嬉しそうだった。
「二人とも仲良く並んでますね。私だけ疎外感です」
その様子を見て、サリエルは微笑んだ。
「さ、サリエル様は何位だったの……?」
「私ですか?90位です」
「ならいいじゃん!文句言わないでよ!」
「む~……ちょっと気を使って損しました……」
エリスとマガンは二人でサリエルを怨むような目で見る。
「まぁ、私は一応ラスボスなんだから、良いじゃないですか。二桁でも」
「で、でも……コンガラさんは101位じゃ……」
最後まで言い終える前に、マガンはサリエルに口を塞がれる。
「マガン、それ絶対本人の前で言っちゃ駄目ですよ?コンガラさん凄く気にしてるんですから」
「あとさ、キクリっち、今回もやっぱり順位低いよね。128位中118……」
「言っちゃ駄目です!エリス、めっ!」
空いてる方の手で、サリエルはエリスの口も塞ぐ。
「まぁ、五十歩百歩ですからね?私達なんか……」
「「「はぁ……」」」
サリエルの手から開放された二人はサリエルと同時に溜め息を付く。
「出番が……欲しいですぅ……」
「もはや私は成人向け同人誌でも文句言わないよ。旧作中の登場人物はすべて18歳以上です!(ちゆりを除く)」
「エリス駄目ですよ。あんまりえっちぃのは」
「う~ん……なら、百合?」
エリスはマガンの肩を掴むと、面と向かわせる。
「え、エリス、どうしたの?」
「実は私……ずっと前からマガンの事が……」
「え、え、えぇ!?だ、駄目だよぉ!……わ、私はそんな……」
「エーリースー、あんまりマガンをいじめちゃ駄目です」
サリエルに頭を小突かれ、エリスはあははと笑った。
「マガンは私のものです」
「あれぇ!?そういう感じですか?」
「え?え?な、何の話……?」
困惑するマガンをよそに、二人はマガン争奪戦を行うのだった。
「……ユキ、肩揉んで」
「はいは~い」
「……ユキ、お腹空いた」
「すぐ何か作るよ」
「……ユキ、脱いで」
「ちょ、ちょっとだけだよ……?」
「……ユキ、裸エプロン」
「ど、どう?……似合う?」
「……ユキ、おっぱい揉ませて」
「や、優しく……してね?」
「……何やってるの?」
「……あ、夢子姉さん」
「あ!あ、あのね、これは……その……」
ユキとマイの部屋に入って早々、夢子は頭を抱えたくなる。何故かユキはほとんど衣服を見に付けておらず、マイの言いなりになっていて、なんと言うか……目を逸らしたくなるぐらい可哀想だ。
「……ユキが人気投票で私に負けたから、今日一日私の言うこと何でも聞くの」
「約束だからね~……こんなことになるとは思わなかったけど」
「それは……難儀ね」
夢子は何か嫌な事を思い出したように顔をこわばらせると、部屋から立ち去ろうとする。
「……ちなみに夢子姉さんも約束したけど、忘れてないよね?」
しっかりとスカートを掴み、逃がさんとするマイ。
「…………わ、私は仕事があるから」
「……なら仕事中、語尾は『にゃん☆』で」
「え?ちょ、それは……」
「ちなみにやってたかどうか後でメイド達に聞いて確認するから」
「夢子姉さん、諦めが肝心だよ……」
エプロン一枚のユキが同類を哀れむような目で見る。
「…………」
「夢子さん、ちょっといいですか?」
「何、どうかした……にゃん☆」
「……どうしたんですか?」
「別に、なにもしてない、にゃん☆……」
「ゆ、夢子さん、顔真っ赤ですよ?それに涙目……」
「き、気にしないでにゃん☆……それより何の用事にゃん☆……」
「ルイズ姉、人気って何なんだろうね……?」
「さぁ……不確かで曖昧で……儚くて残酷なだけかもね」
パンデモニウムの中庭、サラとルイズは長椅子に腰掛け、青い空を見ていた。
「私さ……自分が人気ある方だとは思ってないんだけど……いつになったら毛玉に勝てるのかな……?」
「私もよ。サラ、私達二票差だものね。……他のみんなが人気になっても、私はずっと貴方と一緒よ」
「ありがとうルイズ姉……。今日も空は綺麗だね」
「そうね、サラ……」
「どうしようどうしよう……」
「お、アリス、頭抱えてどうした?」
アリスの家に勝手に入った魔理沙は、頭を抱えてぶつぶつと呟くアリスに声を掛ける。
「人気投票が……大変なの」
「大変ってお前……7位だろ?良い方じゃないか」
「良い方だから大変なのよ……」
「どういうことだ?」
勝手に机に出ていたお茶をすすりながら魔理沙は聞く。
「姉さん達にボコボコにされる……せめて二桁ならまだ助かりそうだったのに……」
「……それは、難儀だな」
「どうしようどうしよう……」
「ん?まてよ……私ももしかして魅魔様に何かしらは……」
尚もぶつぶつ呟くアリスの隣で魔理沙は何かを考えているようだ。
「あの人、前回この時期に顔出してきたしな……。しかも今回自分の順位が下がってるから不機嫌だろうな……」
「どうしようどうしよう……」
「前回は酔った勢いでうちを半壊していったし、今回は全壊なんてこともな……。めんどくせぇ……」
「どうしようどうしよう……」
「お前、師匠に向かってめんどくせぇとはなんだい?」
「うわぁ!魅魔様!?」
「しばらく見ないうちにまた態度が悪くなったね。ちょっと来な、再教育してやろうかねぇ」
突然現れた悪霊に魔理沙は襟首を掴まれる。
「ちょっ!魅魔様、また酒飲んできただろ!?離せっ!う、うわあああああ!」
「どうしようどうしよう……」
「う~ん……」
パンデモニウム屋根上にて、サイドテールを風になびかせた魔界神、神綺はのんびりと伸びをした。
「魔界は今日も平和ねぇ……」
住民達があれこれと騒いでる間、神は一人お昼寝タイムに突入するのだった。