Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

屋台小話其の五

2011/02/19 03:17:40
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――――以下本文。



  幻想郷の地底、地上で忌み嫌われた妖怪達の楽園、旧都。その入り口に最近出来た人間の経営する屋台は、地底の者達にもそこそこ受け入れられ結構な評判である。

「いらっしゃいませー!そちらのテーブルでよろしいですか?これ、一応お品書きです。・・・あ、いつものですね?わかりましたー!」

屋台の店主、頭巾は忙しく屋台の周りと屋台の中を駆け回る

「はい!八つ目の串焼き2本に焼き魚に追加の焼酎です!間違いないですね?ごゆっくりどうぞー!」



「今日は忙しそうだ、カウンターでのんびりお話・・・とも思ってたけど大変そうだねぇ」
 カウンターの席についていたヤマメは、そう隣に呟く。

「今日はなんだか人が多いねー。なんでかな?」
 その隣に腰掛けるキスメは、そう疑問符を浮かべた。

「ん~、昨日休みだったからかもしれないねぇ。しかし今日は賑やかでなんだか楽しい気分になるよ」
 そういいながら、手元の枝豆に手を伸ばす。

「それ気に入ってるねー、美味しい?」

「美味しいよ、ちょっと手がベトベトするけどねぇ。一個食べる?」
 ヤマメは片手でキスメの方に皿を出しながら手元のお手拭で指についた油をふき取る。

「あ!おいしい!すごいなー。こんなのよく思いつくよねー」
 ヤマメの皿から一莢とって食べる。どうやら気に入ったようだ

「あたしらだったら枝豆なんて水で茹でて塩振るだけだもんねぇ」
 そういってまた一莢ひょいととって口元に運ぶ。


「ふぅ」
 頭巾がカウンターに戻ってきて一息ついた。テーブルの客の料理を出し終えたのだろう。

「ははっ、大変そうだねぇ。手伝ってあげようか?」
 ヤマメが頭巾に声をかける。

「わたしも手伝うよー?」
 キスメも続いて声をかけた。

「いえいえ、まだ一人でなんとかなるんでお気遣いなく。」
 そう言ってひらひらと手を振る。疲れた顔はしているが楽しそうだ

「あんちゃん、会計よろしくぅ!今日はちゃんと金で払うぜ~」
 ヤマメの隣に座っていた客がカウンターを立って頭巾に小銭を渡す。

「はい!確かに。えーと・・・これお釣りです~、一応確かめてくださいね。ありがとうございました!」
 頭巾は受け取った小銭と伝票を見て、しっかりとお釣りを渡した。

「ごちそうさん!また来るよ~ぃ。」
 そう言ってひらひらと手を振りながら妖怪は暖簾を潜って出て行った。。

「またよろしくお願いします!」
 頭巾はそう言いながら妖怪の去って行った方へ頭を下げる。

「おーい!兄ちゃん!こっち熱燗4本くらい持って来とくれー!あとさっきの枝豆もー!」
 外のテーブルからまた声がかかった。頭巾は「かしこまりました!」と返事を返し、手早く準備をしていく。

「大変そうなのに楽しそうだねー」
 頭巾が枝豆をさっさとバターと醤油で炒めていた所にキスメが声をかける

「えぇ、皆さん喜んで食べてくださるのでこちらも嬉しいんですよ・・・っと行ってきます」
 頭巾は笑顔で答えながら枝豆を皿に盛り、おぼんに徳利と一緒に乗せて注文があった席の方に歩いていく

「ほんと、よくもまぁあんな楽しそうに仕事するもんだ。」
 ヤマメはお猪口を手元でぶらぶらさせながらどこを見るでもなく少し宙を見る。




 それから少し経って若干外のテーブルが落ち着いてきた頃に

「邪魔するよー!お、隣いいかい?」
 威勢の良い声と一緒に頭に二本角を生やした少し背の低い瓢箪を持った少女が暖簾を潜った。

「ええどうぞ・・・って、あら?萃香さん、久しいですねぇ」
 入ってきた少女、伊吹萃香にヤマメは声をかける。

「おや、土蜘蛛じゃないか。ヤマメだっけな?あんたは変わらないねぇ」
 ひょいっと先程開いた席に座る萃香

「こんばんわー!」
 続いてキスメも声をかける。

「うんにゃっ・・・誰だっけ?」

「あうっひどい!釣瓶落としのキスメだよ!よくヤマメちゃんと一緒にいたんですー!」
 予想外だったのだろう、キスメは少し膨れっツラになる。

「あっはっは!冗談だよ冗談!久しいねぇ」
 萃香は笑いながら瓢箪をぐいっと傾けた。

「いえいえ、萃香さんこそ変わりないみたいで。今は地上であの紅白巫女と住んでるんじゃありませんでしたっけ?」
 ヤマメも自分のお猪口を傾けながら

「そうそう。今日はまぁ、暇だったからね。霊夢も相手してくれないし―おう!頭巾の坊や。久しぶり!」
 とここで頭巾が帰ってきたのでそっちに声をかける

「萃香さん?お久しぶりですねぇ。わざわざこっちに来てくださったんで?」
 頭巾はカウンターの中に入りながら萃香に声をかける。

「あら?知り合い?」
 その様子を見てヤマメがどちらにとなく尋ねる。

「そうだよ。こいつが地上の屋台で働いてた時にちょっとね。」
 萃香がそう答えると

「そうですねぇ、たまに店に来てはお酒に付き合わされてましたからねぇ。仕事中だろうが関係なく」
 頭巾も笑顔でヤマメに答えた。内容からして苦笑いにも思える。

「あれ?もしかしてあんたが酒強いのって・・・」
 ヤマメは頭巾を見ながら言う。

「うんにゃ、こいつは元々さ。まぁ私の酒でちょっとは変わったかも知れないが」
 萃香が首を振った。

「ですねぇ、鬼のお酒を始めて飲んだときは結構大変でしたよ?」

「うー・・・すごいなぁ。鬼さんのお酒なんて飲んだらわたしなんてきっと卒倒しちゃうのに・・・」
 キスメは頭巾の方を見ながら言う。

「あはは、はい萃香さん。お通しです、お酒はいいんで何か食べていってくださいね。」
 そう言って頭巾はコトリときれいに盛られた漬け物を出す。

「そうだねぇ、串焼きを頂こうかね。あとそこのと同じ枝豆。」
 そう言ってヤマメの前に置いてある枝豆の皿を指差す

「あ!わたしも枝豆お願い!」
 キスメが思い出したように言う。

「かしこまりました、少々お待ちください」
 頭巾はまたせっせと準備を始める。

「そうそう、ヤマメさん。キスメさん。実はこの屋台、萃香さんに建ててもらった物なんですよ。」

「へぇー、通りでがんじょうに出来てるわけだねぇ。」
 色々と思い出しながらヤマメは言う。

「そう言われて見ればがんじょうだよね。」
 キスメは屋台をコツコツ叩く。

「ふふん、あたしにかかりゃこんなもんさ」
 少し誇らしげに胸を張る萃香だった。




「しかし、地底は相変わらずだねぇ、毎日こんな感じかい?」
 萃香は外のテーブルの様子を見ながら言う。

「えぇ、大して変わらないですねぇ。あ、でも最近ちょっとだけ宴会が減ったかな?まぁここで毎日宴会みたいな騒ぎしてるからだけれども。」
 ヤマメも外の様子を見ながら言う。

「それでも週に一度以上は必ずやってるじゃないですか。はい、萃香さん。とりあえず枝豆です。キスメさんも」
 頭巾はそう言ってカウンターに枝豆を盛った皿を2つ置く

「ありがとー!」
「おお?いいにおいがするね・・・こりゃあんたが考えたのかい?」
 枝豆を一つ口に放り込んで萃香は尋ねる。

「えぇ、茹でて塩もみするだけだと味気ないなあと思いまして。お手拭も置いてあったでしょう?」

「ん~、うまいねぇ。酒飲みが考える酒のつまみってのは中々のもんだねぇ」
「だねー!クセになりそー」
 キスメも萃香も余り手が汚れるのは気にしていない様子だ。

「ありがとうございます。はい、こっちは串焼きです。」

「ん~、やっぱりこっちも中々だねぇ。」
 萃香は一かじりした串焼きを少しだけぶらぶらさせながら言う

「こっちはまだまだ地上の屋台には敵いませんけどねぇ。」
「おーい!兄ちゃん熱燗なくなりそーだから次ぃ!」
 と、ここで再びテーブル席から声がかかった

「はーい!そろそろだと思って準備してましたよ。・・・っと行ってきますねー」
 そういって頭巾はまた熱燗を持って屋台の外へ歩いて行く。


「地上の屋台の話。パルスィから少し聞いたかしらね。元は上の夜雀の屋台で働いていたんだっけ?」

「そうそう、そんであたしゃその店の常連・・・ってほどじゃないかもしれないが。まぁそこそこ通ってるのさ」

「へぇ・・・美味しいんですか?やっぱり。」
 ヤマメが萃香に尋ねる。


「あぁ、特に八つ目の串焼きと串揚げは堪らないねぇ。頭巾の坊やには悪いがこれに関しちゃまだまだあっちさ」

「そんなにおいしいんだー、食べてみたいね!ヤマメちゃん」

「そうだねぇ。そこまで聞いたら食べてみたくなるってもんだ」

「それなら今度地上に買い出しに行く時案内しますよ?」
 熱燗を出して戻ってきた頭巾が会話に途中参加した。

「おお、それじゃあお願いしようかね!荷物持ちくらいまた手伝ってやろう」

「わたしも手伝うー!」

「ありがとうございます。それじゃあ今度店が休みの時に声を掛けるようにしますね。」

「あっはっは!あんたも忙しいねぇ。お店が休みでもあんたは休めないわけだ・・・おや?」
 萃香が瓢箪を傾けて、外を見た時、何かに気づいた

「おい坊や、あたしにも熱燗を出しとくれ」

「あれ、珍しいですね。萃香さんがお酒を頼むなんて」

「失礼なあたしだって・・・確かにあんまり頼まないけど・・・それよりほら!雪だよ!雪!こんな日は熱燗に限るじゃないか!」
 そう言ってはしゃぐ萃香の様子は見た目の幼さを際立たせる

「雪だー!」
 キスメもそれに気づいてはしゃぎ出す。

「そいやそんな季節だね、私も次は熱燗もらおうかしら」

「さーて熱燗熱燗。・・・あれ?地底なのに雪降るんですねぇ。そいや霊夢達も言ってたっけ」
 頭巾は少し疑問に思ったが、大して気にしてはいない様子だ。

「頭巾の坊やももういいだろう?一緒に飲もうじゃないか!初雪で雪見酒なんて飲まない訳に行かないじゃないか!」
 そう言って頭巾に詰め寄る。

「あいや・・・まだ仕事中・・・」

「いいじゃないか、何か頼まれたらそれからゆっくり作ればいいんだし。」
「いいね!一緒に飲もうよー!」
 ヤマメにキスメも便乗して誘う。

「お?店主が飲むって?」「ギャッハッハッハッハ!いいねぇ!久々に兄ちゃんにお酌してやろうじゃないか!」
 その様子に気づいて外からもがやがや大量に声が飛んでくる。すでに結構出来上がってる様子だ



「・・・まぁ、いいか。」
 諦めたのか、その気になったのかは誰にも察する事は出来なかったが、頭巾は肩を縛っていた紐を取り。腕まくりをしていた着物の袖を元に戻して、屋台の中から椅子を一つ持ち出した。

 冬空の下、とは言っても空などないのだが。小さな小さな・・・それでいて少々賑やかな宴会の始まりであった。
5話目です。前よりちょっと短め・・・かな?
前から思ってたけどキスメが若干空気な気がががが・・・
原作でしゃべってないから喋らせにくいんですよねぇ。個人的に

眠い目を擦りながらの投稿。若干・・・というか結構うまく書けてるか心配だったり

なんていうか、5回も投稿してたら慣れるだろ・・・と思ってた時期が自分にもありました。
毎度の事読み直しで色んなミスに気づく・・・
まだミスとかあったらどうしよう。そんな不安に毎回さらされますね。

それでは、ここまで読んでいただき本当にありがとうございました!それでは
汚3
http://
コメント



1.名前が無い程度の能力削除
酒を酌み交わしたら盟友と呼べる関係が幻想郷にはありますよね……。
実にうらやましい。
2.名前が無い程度の能力削除
頭巾さんみたいに楽しそうに仕事が出来るって素晴らしいですね。
毎回賑やかな情景が目に浮かぶようで大好きです。

ごちそうさまでした。