※サブタイトルに深い意味はありませす。
ある日、上白沢慧音が里を歩いていると小さな嗚咽が聞こえてきました。
どうしたものかと慧音は辺りを見渡します。
どうやら声は草むらの陰から聞こえてくるようです。
「おや、これはこれは」
草を掻き分け、慧音が見つけたのは小さな妖精でした。
この時期は特によく見る、顔なじみの氷精です。
「どうしたんだこんなところで?」
「……あ、あたい」
「ん?」
嗚咽を漏らしながらも、氷精は答えます。
「人狼が上手くなりたい!!」
───────────
「というわけで"汝は人狼なりや?" の講座を始める」
「やたー」
「あれ? 展開早くね?」
黒板の前に立つは皆大好き慧音先生。
勉強机には手を上げて喜ぶチルノと助手の妹紅の姿があった。
「あれ? 私助手なの?」
「妹紅、よく聞いてくれ」
慧音は妹紅の肩をがしっと掴むと、三行で説明しだした。
「
・これを開いてる人が求めているのは人狼の説明
・飛ばした時間は咲夜さんが美味しく頂きました
・結婚しよう
」
「なんか絶対一行で十分な気がするけど了解だあああああああ!!」
「特に三行目が重要」
~人狼とは何か?~
「"汝は人狼なりや?"、略して"人狼"とは、推理ゲームである」
「すいりげぇむ?」
「そうだ、では次にルールの説明をしていくぞ!」
「いやだから早くない?」
「ええい習うより慣れろだ、概念なんぞ白沢にでも食わせてしまえ! あ私だムシャムシャ」
「当店は概念の飲食は禁止しております」
~プレイの目的~
「対人推理ゲームなわけだから、もちろん自分と他人がいる、そして他人は敵と味方に分けられる」
「ほうほう」
「ここで重要なのは、人狼において、【自陣が勝つ】ことが唯一最大の目的だということだ。
結果的にそうなったら過程なんぞ白沢にでも食わせてしまえばいい、あ私だムシャムシャ」
「もう私は突っ込まないからな、では次に、人狼で最もよく遊ばれている、代表的な17人ルールの説明をするよ」
「あ、参考資料を作っといたから使ってくれ」
「…………」
「私の手書きだ、可愛いだろう」
「えー、このように、人狼では基本的に3陣営に分かれてプレイします、プレイヤーはこのうち、どれか一つにランダムで参加することとなるのです。
ちなみに選べません」
「ここでさっきの【自陣が勝つ】の意味が出てくるわけだ。 人狼では、自分の死=負けではない。
自分が死のうが何をしようが、最終的にチームが勝てばそれが自分の勝ちになるんだ」
「しつもーん」
「ん、なんだ?」
「どうやったら勝ちなの?」
「うむ、いい質問だな」
「ここで妹紅先生による補足です」
「え、あ、うん、えーっと……妖狐陣営が勝利条件を満たした場合、村人、人狼陣営は勝てません」
「???」
「つまり、常に勝利者は1陣営のみってこと」
「おー」
「以上、もっこす先生による補足でした」
~ゲームの進行~
「では次に、実際にどうやってゲームやっていくか、だ」
「ねえ、やっぱり進行早くない?」
「なぁに、詳しい所はググればいくらでも出てくるし、いらんだろう」
「ぶっちゃけたな」
「あたいは大丈夫!」
「とりあえず人狼がどういうものか、や、最低限のルールなどを知ってもらうのが目的だからな」
「SSを読むには困らない分には、か」
「そうだ」
「話が進まないからあたいが勝手にゲームの流れを見るよっ!」
「かなり省略してあるが、大体こんなもんだ」
「うう……見慣れない単語が……」
「初日、つまり最初は昼から始まる、じゃあ順番に説明していこうか……もこたん」
「ああ、犠牲者とは、人狼に"噛まれた"村人のこと、詳しくは後で話すけど、とりあえず噛まれたら死ぬということをわかればいいよ」
「噛まれたら死ぬ、かぁ」
「んで次に投票と吊りだけど、人狼ではプレイヤーは最初全員、村人のふりをしている。
そしてお互いどの役職かがわからないんだ。
だから村人達は話し合いをして狼を見つけ出し、多数決によって誰か一人を吊る……殺すわけ」
「あれ? ってことは人狼も狐も村人のふりをしてて、つまり自分たちを殺そうとしてるの?」
「いや、さっき言ったように、プレイヤーはお互い誰が誰だかわからない、そこを利用して人狼や狐は村人同士を殺し合わせる、ってわけ」
「へー」
「この"吊り"と後述する"噛み"、"呪殺"によってプレイヤーはどんどん死んでいき、最終的に勝利条件が満たされるまでこれを繰り返すわけだ」
「よくわかんないけどわかった!」
~役職の説明~
「さっそくだが簡単にまとめたから百聞は一見に如かずだ」
「はい!! 毎度恒例のもこたん先生による補足!!」
「えー……えっと、各職の能力はさっき説明した【各職、能力実行】の時に使用する。
具体的には、占い師、霊能者、狩人、人狼(噛み)の4つの能力が、だね。 人狼と共有者の会話は勝手に発動してます」
「えーっと、能力は絶対使わないとダメ?」
「いい質問だな、答えはYESだ」
「うーん、ややこしいなぁ」
「ま、最初から全部覚える必要はないさ、少しずつ覚えていけばいい」
「というか結構はしょってるしなぁ」
「とりあえずはこれだけだ、専門用語? 知らんなぁ!」
「10分ではこれが限界ってけーねが言ってた!!」
「バイバイ!」
つづくかもしれなくもない可能性もなきにしもあらず
生身の人同士のコミュニケーションによって相手を騙そうとしたり、疑ってみたり信じてみたり、で純粋な頭脳戦だ。
特にネット上では相手は見ず知らずの他人だし、会話しない事にはゲームが進まないし、
時には煽ったり、煽られたりも作戦のうちだったりするし、
あんまり無防備に飛び込むと互いに不愉快な思いをする事もあるので、その辺は過去ログとかきちんと見て雰囲気を知って行った方がいいんじゃないかと。
とはいえ、大抵の人狼プレイヤーは初心者も歓迎してるから、本当に興味あるならちょこっと参加してみるのも楽しいと思うよ。
あ、ぐぐったら猫又とか出てきたけど何?
指定しなきゃいけないのは、占い、狩人、人狼なので。
それにしても慧音先生、絵心まであるのですね。特に狂人w
あとどさくさにまぎれて、3行目何言ってるんですかw
あ、咲夜さんに時間止められて、慧音先生に歴史を食われr