霊と言えども暖かく

朝起きると、隣には生涯を共にすると誓った伴侶がいた。
幸せそうに眠る彼女の頬に触れてみると、冬の朝の空気のように冷たい。

『…自分は、そう言うものですから』

と顔を赤らめ言った彼女の顔が思い浮かぶ。
成る程、彼女の実家である冥界は確かに涼しい。
私は少しの間彼女の横顔を見つめる。
白く透き通り艶の失われていない肌、もう数十年生きているとは思えないほど彼女は美しい。
反対に、我が手を見つめる。
ふふふ、どうにも厳めしい、不格好な手だ。
生まれて以来、主の下で戦いを続けてきた。

『貴方の手は働き者の手です、この地上で最も尊い手です』

そんなことを思っていると彼女の声がまたもや聞えてくる。
しかし彼女だって生まれて戦ってきた身、だがここまで違うのは私の得意分野が拳だった事だ、この拳で未来を切り開いた。
主を救わんとする他の者のように、私は誇りを持って戦う。
悪あればこれを叩き、不義あればこれを砕かんとす。
それこそ、私の生きてきた道なのだ。

「…あ、おはようございます」

と申し訳なさそうに彼女が起きて来た。
私よりも遅くに起きてしまったことを恥じているように、顔を赤らめて。

「良く、眠れましたか？」

「その…申し訳ありません」

気にすることは無い、別段私は関白宣言などしているわけではない。
伴侶が遅くに起きたからと言って、責める気などさらさら無い。

「…やはり、貴方は心の優しいお方です」

微笑む彼女を見て、そうか、と頷き彼女の頬をひと撫でする。

「貴方の頬は相変わらず冷たい」

「私は、そう言うものですから」

そう言って頬を赤らめる彼女を見て私は思った。
世に神がいたとすれば。
私はその神とやらに、この、美しき女性を伴侶に出来た事を、感謝せねばなるまい。
しかしこの時間を楽しみ続けるわけにはいかない、私にも彼女にも、果たすべき役目がある。

「…お気をつけて、無事を祈っております」

「貴方も、体に気をつけて」

そう言って、私たちは主たちが用意してくれた住処から別々の方向へと向け歩きだした。
今日も、私は主を守るために死力を尽くそう、そしてまた彼女の元へ帰ろう。
そう決意して、私はこの青く大きな空へ飛び出した。

一輪「雲山、お嫁さんには優しくしてる？」
ぬえ「今日もラブラブしてきたのー？」
村紗「毎晩ハッスルハッスル？」
ナズ「ははは、夫婦仲が良いのは良い事だな！」
星「お嫁さんを大切にしてくださいね」
聖「そうですよ、雲山」
雲山「…ｳﾝｻﾞｰﾝ///」


妖夢「半霊、雲山さんは優しいですか？」
半霊「……（ｺｸﾘ）」


どうも、投げ槍でした。
雲山×半霊…アリかな。