射命丸 文
幻想郷で最も速く飛ぶ妖怪、天狗の中でも取り分け快速の翼をもつ新聞記者。
そして記事の正確さはともかく速さとしては幻想郷でも随一である。
彼女は自分の家を持ってはいるが、其処にずっと居るわけでは無い。
自らの気に入った場所を見つけると、其処に入り浸るようになる。
そして彼女の最近のお気に入りは博麗神社。
可愛い巫女さんに綺麗な景色。
新聞を発行すると共に写真も好きな彼女に此処以上に素敵な場所などあまり無い、彼女にとって、此処は楽園だった。
「…文、アンタまた来たの?」
「はい、今日も泊まらせて下さいネ」
何時も通りに神社の縁側まで飛んでいき、強引に泊まり込む。
そして、事件は起きる。
冬の夜は寒く、雪も降り始める。
そんな夜だった。
暗くなった寝室では、寒すぎるという理由で一つの布団で仲良く眠る二人だった。
そして、霊夢は文の耳元で艶っぽく囁く。
「文、貴方布団の中まで幻想郷最速じゃなくて良いのよ」
事実、彼女、射命丸文は基本的に受身である。
ナニにおいて、とまでは語れぬが。