何処から鳴ってる鐘なのか 気にしたことは一度もない 「魔理沙、帰りますよ」「はい、お母様」
誰そ彼時は血の色仄か 気にかけたことすら一度もない 「霊夢、帰ろう」「分かったぁ」
―――ほら、帰るよ
姉が優しく私を誘う 握った姉の左手が暖かい
―――はい、姉さん
森の奥底へと導かれる 明かり灯った我が家は冷たい
家族で囲む食卓 「今ならまだ……」
義母の嬌声彩る晩餐 「あら? 本人が言いと言ってるんですから。決心が鈍っちゃうわよねぇ」
姉は何故か箸が止まる 「そのかわり約束してください。妹には何もしないと」
無邪気な私は食べ続けた「ええもちろん」「……約束す
「私たちの家は霊夢ちゃんの家みたいに神社じゃなかったし、魔理沙ちゃんの家みたいに魔法という不思議な力をもってる一家でもなかった。けどそんなこととは関係なく一緒に遊んだ。そんな彼女らを『人間の友達』と呼べたのではないだろうか」
祭に響く笛の音が 騒ぐ人らを包み込む
悲しいまでに艷やかで 自然と心が高ぶる
夜空に咲く鮮やか花火も 一人で見ると寂しい
――姉さんはどこにいっちゃたのかな せっかく綺麗な着物を着ていたのに
ケラケラと笑う母の顔は 同じ人間には見えなかった
虚ろな瞳を携えた父よ どうして私に謝るのですか?
「それから私たちは人里へと引っ越した。まもなくして父が臥せ死んだ。私は知っています。父親に少しずつ毒を盛っていた事を。嗚呼――あんな母親なんて」
殺してやる殺してやる 殺してやる殺してやる 殺してやる殺してやる 殺してやる殺してやる
幾度思ったことか 殺「大丈夫?」←先生
殺してやる殺してやる 殺してやる殺してやる 殺してやる殺してやる 殺してやる殺してやる
思っただけでできない 殺「あなた……辛いことあるなら私に相談しなさいよ」←巫女
殺してやる殺してやる 殺してやる殺してやる 殺してやる殺してやる 殺してやる殺してやる
綴るも哀れな私は 殺「何か困ってるなら言えよ? 全力で助けるからさ」←魔法使い
殺してやる殺してやる 殺してやる殺してやる 殺してやる殺してやる 殺してやる殺してやる
憎しみだけが全てです 殺「だったら手を貸してあげる♪」←†
殺してやる殺してやる 殺してやる殺してやる 殺してやる殺してやる 殺してやる殺してやる
「①境界の妖怪に供物を捧げるための祭であること
②姉は祭りのことを『蟲毒』と名称していたこと
③贄は、数人の簪を差して二ヶ月しない女子であること
④一昨年は私たちの家が『当番』であったこと
⑤『当番』になった一家には莫大な財産が入る」
気がつけば 見知らぬ彼岸に佇んでいた
金色の川で 魚と戯れ石を積み上げる
鈍色の石は 雄雄しくと聳え続ける
嗚呼 向こう岸で誰が私の名を呼ぶの 「Wreglleet」 って
駆け寄ろうとした私に 貴女はまだ来てはいけないと止めた
「どうしてなのですか」
問う声は震えてて
やるべきことがあるのでしょう
解答は玲瓏で
御行きなさい――私は貴女の味方なのだから
姉の手はかさかさしていて まるで虫の触覚みたい
あたりは血の色一色 蟲蟲で鎧袖一触
どうして私は泣いてるの?
私は母を殺したんだ 姉さんの力を借りて
姉さんとの約束 私は蟲毒の虫の一つになります
甘い言葉が私に告げた
約束は叶えたよ……さぁ私と一つになりましょう
その声は姉とよく似ているけど 少し違っていて怖かった
「それからの事はよく覚えてない。だって私は夜光虫だもの。虫頭ですから蟲無視」
今宵は月が見えないなー 宵闇が迷う悠久の時間
私の領土(なわばり)に侵入者 視界に入れれば思考が狂いだす
砂金を振り撒く髪色が 私をひどくざわめかせる
どこで出会ったのかなんて 当の昔に抜け落ちてる
記憶の欠片の残響が 私に止めてと命令する だが遅すぎた
嗚呼 貴女は私には眩しすぎる
誰そ彼時は血の色仄か 気にかけたことすら一度もない 「霊夢、帰ろう」「分かったぁ」
―――ほら、帰るよ
姉が優しく私を誘う 握った姉の左手が暖かい
―――はい、姉さん
森の奥底へと導かれる 明かり灯った我が家は冷たい
家族で囲む食卓 「今ならまだ……」
義母の嬌声彩る晩餐 「あら? 本人が言いと言ってるんですから。決心が鈍っちゃうわよねぇ」
姉は何故か箸が止まる 「そのかわり約束してください。妹には何もしないと」
無邪気な私は食べ続けた「ええもちろん」「……約束す
「私たちの家は霊夢ちゃんの家みたいに神社じゃなかったし、魔理沙ちゃんの家みたいに魔法という不思議な力をもってる一家でもなかった。けどそんなこととは関係なく一緒に遊んだ。そんな彼女らを『人間の友達』と呼べたのではないだろうか」
祭に響く笛の音が 騒ぐ人らを包み込む
悲しいまでに艷やかで 自然と心が高ぶる
夜空に咲く鮮やか花火も 一人で見ると寂しい
――姉さんはどこにいっちゃたのかな せっかく綺麗な着物を着ていたのに
ケラケラと笑う母の顔は 同じ人間には見えなかった
虚ろな瞳を携えた父よ どうして私に謝るのですか?
「それから私たちは人里へと引っ越した。まもなくして父が臥せ死んだ。私は知っています。父親に少しずつ毒を盛っていた事を。嗚呼――あんな母親なんて」
殺してやる殺してやる 殺してやる殺してやる 殺してやる殺してやる 殺してやる殺してやる
幾度思ったことか 殺「大丈夫?」←先生
殺してやる殺してやる 殺してやる殺してやる 殺してやる殺してやる 殺してやる殺してやる
思っただけでできない 殺「あなた……辛いことあるなら私に相談しなさいよ」←巫女
殺してやる殺してやる 殺してやる殺してやる 殺してやる殺してやる 殺してやる殺してやる
綴るも哀れな私は 殺「何か困ってるなら言えよ? 全力で助けるからさ」←魔法使い
殺してやる殺してやる 殺してやる殺してやる 殺してやる殺してやる 殺してやる殺してやる
憎しみだけが全てです 殺「だったら手を貸してあげる♪」←†
殺してやる殺してやる 殺してやる殺してやる 殺してやる殺してやる 殺してやる殺してやる
「①境界の妖怪に供物を捧げるための祭であること
②姉は祭りのことを『蟲毒』と名称していたこと
③贄は、数人の簪を差して二ヶ月しない女子であること
④一昨年は私たちの家が『当番』であったこと
⑤『当番』になった一家には莫大な財産が入る」
気がつけば 見知らぬ彼岸に佇んでいた
金色の川で 魚と戯れ石を積み上げる
鈍色の石は 雄雄しくと聳え続ける
嗚呼 向こう岸で誰が私の名を呼ぶの 「Wreglleet」 って
駆け寄ろうとした私に 貴女はまだ来てはいけないと止めた
「どうしてなのですか」
問う声は震えてて
やるべきことがあるのでしょう
解答は玲瓏で
御行きなさい――私は貴女の味方なのだから
姉の手はかさかさしていて まるで虫の触覚みたい
あたりは血の色一色 蟲蟲で鎧袖一触
どうして私は泣いてるの?
私は母を殺したんだ 姉さんの力を借りて
姉さんとの約束 私は蟲毒の虫の一つになります
甘い言葉が私に告げた
約束は叶えたよ……さぁ私と一つになりましょう
その声は姉とよく似ているけど 少し違っていて怖かった
「それからの事はよく覚えてない。だって私は夜光虫だもの。虫頭ですから蟲無視」
今宵は月が見えないなー 宵闇が迷う悠久の時間
私の領土(なわばり)に侵入者 視界に入れれば思考が狂いだす
砂金を振り撒く髪色が 私をひどくざわめかせる
どこで出会ったのかなんて 当の昔に抜け落ちてる
記憶の欠片の残響が 私に止めてと命令する だが遅すぎた
嗚呼 貴女は私には眩しすぎる