この話では、霊夢と早苗の間に『早織(さおり)』という女の子が生まれております。
詳しくは ジェネリック作品集55、『コウノトリでもキャベツ畑でもなく、神様に頼る。』をご覧下さい。
ポカポカとした陽気の中で、何をするのでもなく縁側に腰掛けた私は娘を腕に抱きながら空を見上げていた。
神社など参拝者が来なければ暇なもの……境内の掃除だって午前中に済ましてしまって本当にする事がない。
ならばと早織の面倒を買って出るも我が娘は全く世話を掛けさせる事もなく大人しいものだ。
お淑やか……と言うよりこう……腰が据わってる感じ?
生後間もない乳児に何をと思われるかも知れないけど、そうとしか言えないのだから仕方がない。
以前、赤ちゃんをあやす定番の『いないいないばー』を試した魔理沙が苦笑いしながら言っていたのを今も印象強く残っている。
『……こいつ、くすりともしやがらないな。まるで霊夢を相手にしているみたいだぜ……。なんつうかこう……動じないと言うか妙に落ち着いているというか……。』
可愛くない──なんて言おう物なら問答無用で「夢想天生」をおみまいしてやるつもりだったけど……そこは空気を読んだのか魔理沙は苦笑いに留めていた。
「あんた……もうちょっと愛想良くしなさいよね。」
「……?」
娘の将来を案じ、一応母親らしく忠告してみるも、どうやら肝心の早織は良く分かっていないようだ……って当たり前か。
手が掛からないのは良い事だけど。
また何となく空を見上げる。
早織も倣うように一緒になって空を見上げていた。
「……ん?」
そこへふと、見慣れたシルエットが視界に映った。
お約束の箒に跨ったその少女は真っ直ぐこちらに向かってきている……噂をすればなんとか。
「どうした? 私が恋しくなったか?」
魔理沙からすればまるで待ち構えていたように映ったのだろう。
箒から軽快に飛び降りた彼女は開口一番にそんな事を言い放った。
「そんなわけ無いじゃない。で、何しに来たわけ?」
「だぁ?」
早織も揃えるようにして声を発した。
私は思わず吹き出しそうになったが、どうやら魔理沙にはお気に召さなかったらしく小さく口を尖らせた。
「つれない親子だぜ。お前がそんなんだから娘が無愛想になるんだぜ?」
「うっさい。」
他愛も無い軽口の応酬をへて何時もどおり縁側に腰掛けようとする魔理沙。
そこへ──
「──痛っ……!」
「早苗……!?」
──聞こえたのは確かに早苗の悲鳴だった。
大きな物音こそしなかったが、きっと早苗の身に何か有ったに違いない……!
「魔理沙……! 早織をお願い!」
「ちょっと待て! 今し方来たばかりの客人に出すのがお茶じゃなくて赤ん坊とはどういう了見だ──って聞いちゃいねぇ……。」
魔理沙の腕に無理やり娘を押し付けて、私はすぐさま身を翻した。
不平を漏らす魔理沙だったが、もちろん聞く耳なんて持ってなどやらない。
……そもそも魔理沙だから安心して預けられのだから。
そこんところ察しなさいよね。
頭の中でそんな事を思いつつも、身体は真っ直ぐ早苗の元へ急いでいた。
ガラッ!
「早苗! 無事なの!?」
早足で廊下を通り抜けた私は勢いを殺さず早苗の居る部屋の襖を開けた。
「ふぇ?」
驚いたのは早苗の方だった。
目をパチパチとさせて突然現れた私を見上げている──良かった、見たところ外傷はないようね……うん?
ほっと安堵したのも束の間、すぐに早苗が悲鳴をあげた理由に気が付いた。
「指……刺したのね?」
「……分かっちゃいます?」
早苗は膝の上に私の服をのせており、手の届く距離には裁縫箱が置かれている。
更には涙目になって指をくわえていればもう一目瞭然と言えわざるをおえない。
「全く……人騒がせね。」
つい憎まれ口を叩いてしまうのは何時もの癖で……本当は凄く心配したなんて素直に言えもしない私。
だけどそんな私を理解してくれているのが早苗という少女な訳で。
「ご心配をお掛けしました。」そう言ってはにかんだ笑みを浮かべる早苗を見て漸く私は胸をなで下ろした。
と言っても実際に早苗の怪我が治った訳ではない。
つかつかと私は未だに指を咥える早苗のすぐ側まで歩み寄り、彼女の目の高さに合わせるようにして腰を下ろした。
「どうして胡座なんですか? もっと女の子らしく座ればいいのに……。」
本当に早苗は一々どうでも良い事に突っ込んでくる。
ほっときなさいよ、まったく。
「生憎座り方はこれと正座ぐらいしか知らないのよ。そんな事より……見せなさいよ、ほら。」
何をなんて言わなくても分かるだろう。
だけど早苗は理解出来ないとばかりに整った眉を寄せて見せた。
「その……結構深く刺しちゃって……。」
言ったらすぐまた指を口に運ぶ早苗。
「だったら余計に見せなさいよ。」
「で、でも……。」
私を心配させたくないのは分かるけど……怪我したアンタを放っておける程私はクールじゃないのよ。
じれったいのが嫌いな性分である私は、遠慮がちな早苗に構わず手を伸ばした。
「良いから見せなさいって。」
「きゃ!……っもう。霊夢さんは何時も強引なんですから……。」
怪我している方の手を早苗の言うとおりちょっと強引に引っ張った。
そうして漸く姿を現した彼女の指は彼女自身の唾液に濡れてしまっている。
そして小さな傷穴から綺麗な鮮血がチロチロと流れていて……見ててなんかちょっと卑猥ね。
「れ、霊夢さん! そんなにましまじと見つめないで下さいっ……!」
早苗の声にはっとなって顔をあげると、彼女は頬を朱色に染めてそっぽを向いていた。
ひょっとしたら同じような事を考えていたのかもしれない。それがどうやら相当恥ずかしかったようだ。
「それで霊夢さん……? 絆創膏か何かお持ちなんですか?」
「あ。」
「……無いんですね? それじゃあ何も変わらないじゃないですか……。」
どうしてだろう……心なしか早苗の反応が冷たい……。
私はただ心配で何かしてあげたかっただけなのに……。
冷めた視線をよこす早苗に、これではいけないと私は慌てて思考を巡らせる。
ええい! こうなったら!
ぱくっ
「…………え?」
「ほぉれでどお?(これでどう?)」
考えた結果、私に出来る事は早苗の指をくわえるという事だった。
これに驚いた早苗は目を丸くしたかと思ったら、すぐに顔から蒸気を立てて俯かせた。
加えて言うなら手で触れたら火傷しそうな程に早苗の顔は赤い。
「…………霊夢さん? 今ご自分が何をされてるか理解出来てますか……?」
俯いたまま絞り出された早苗の言葉を聞かずとも、状況は重々理解している。
今の自分が如何に愚かで随分と恥ずかしい真似をしていると言う事も……ただ引き返せないだけなのだ。
ここまできたら私の唾液で血を止めてみせる……!
早苗の問い掛けには応えず、代わりに私は舌を使って早苗の指を口内で舐めました。
「ひゃう……!」
舌を動かした途端、甲高い声で早苗が鳴いた。
背中から上半身を仰け反らせた早苗は顔を天井に向けたまま小さく震えている……これは刺激が強過ぎたかしら。
試しに今度は優しく吸い付くように口を動かす。
「ひゃあ……!」
じっと耐えるようにして固く閉じられていた早苗の目蓋が、今度はたまらず見開かれた。
そのまま瞳は虚ろに変わり、はあはあと熱い吐息を繰り返す早苗──これは……イケる!
早苗の反応に気をよくした私は彼女の指を更に責め立てる事にした。
くちゅくちゅくちゅ……。
わざと音を立ててやると早苗はまた恥ずかしいのを堪えようとイヤイヤと首を振る。
それでも舐め続けていると次第に快楽に流されるようにして声は艶めかしくなっていき、開ききってしまった瞳孔も今ではとろけたものに変わっていった。
「あぁん……霊夢さぁ~ん……。」
恥ずかしさも、指の痛みさえも忘れてしまったかのような早苗の甘い吐息に思わず私は顔がにやけるのを止められなかった。
「随分と甘い声で鳴くじゃない?」
可愛さの余り、つい意地悪を言いたくなった私は、一度早苗の指を口から離した。
しかし早苗は既に私の言葉なんて耳に入ってないようで解放された指を切なげな瞳で見詰めるばかりだった。
「霊夢さん……私……もう……。」
それどころか、何かをねだるような視線を寄越す早苗。
もちろんここまでヒートアップしておいて何もしないワケが無い。
ふふふ……失態をセイコウ(隠語じゃないよ?)に繋げるなんてさすが私!
早苗の期待に応えるために彼女の両肩を私はそっと掴んだ。
「良いわ……たっぷり可愛がってあげる……。」
「良いわけないだろう。」
「「!?」」
二人だけだった筈の空間に突然割り込んできた第三者の声に私は驚いてそちらへ振り返った。
するとそこには早織を抱きかかえた魔理沙がジト目になってこっちを見据えていた。
「ま、魔理沙……どうして此処に?」
動揺しない筈がない……今まさにヤっちゃう手前だったのだ。
驚くなというのが無理というもの……。
しかしどうやら魔理沙は追撃の手を緩めてくれる気は無いようだ。
「どうして、だってさ早織。聞いたか? お母さんたちは大事な大事な一人娘をほっといて二人だけでお楽しみするところだったみたいだぜ? 酷いよな?」
「……だぁ」
肯定とも否定ともとれない曖昧な早織の答えに、だけど私たちがダメージを受けるのには十分で。
「いやぁぁ~!///」
顔を真っ赤にして全力で畳の上に泣き伏せる早苗──放って置いて良いわけ無いのだが、今は魔理沙の暴走を止めるのが優先か……!
「覚えておけよ、早織。これが逢瀬ってやつだ。」
「なっ! なに吹き込んでんのよアンタは!?」
意気込み、魔理沙に突っかかろうとした私を意外にも傍らに居た早苗が引きとめた。
気が付けば早苗は私の手を掴んで放そうとしない。
顔を伏せたまま、表情を窺わせない早苗の真意を掴みきれない私はどうしたのかと首を傾げた。
「早苗……?」
「霊夢さぁん……わたし……もう……もう──」
「…………え?」
もう……って、なに?
もう……我慢できないって?
空いた口が塞がらなかった。確かに散々焦らしたのは私だけど!
だからってアンタこんな時にナニを言って!?
「──お嫁にいけない……。」
「…………は?」
「うわぁぁ~ん!!!」
──いやいや早苗さん? 貴女もう嫁いでるから。しかもバッチリ娘も居るから。
どうやら相当に混乱しているらしい早苗はただだ泣き叫ぶばかり……。
「っ……! ハハハハハハッ!」
そして一人馬鹿笑いする魔理沙。
「アンタは何笑って……! 早苗もいい加減泣き止みなさいっ!」
混沌とした空間の中で早織だけが平然としていた──こんな時まで動じないなんて……やっぱり娘の将来に不安を感じずにはいられない、そんな今日この頃。
………………て言うか私の穏やかな午後を返してよ!
誰に向けて良いかも分からない文句を心の中で叫ぶ私だった。
詳しくは ジェネリック作品集55、『コウノトリでもキャベツ畑でもなく、神様に頼る。』をご覧下さい。
ポカポカとした陽気の中で、何をするのでもなく縁側に腰掛けた私は娘を腕に抱きながら空を見上げていた。
神社など参拝者が来なければ暇なもの……境内の掃除だって午前中に済ましてしまって本当にする事がない。
ならばと早織の面倒を買って出るも我が娘は全く世話を掛けさせる事もなく大人しいものだ。
お淑やか……と言うよりこう……腰が据わってる感じ?
生後間もない乳児に何をと思われるかも知れないけど、そうとしか言えないのだから仕方がない。
以前、赤ちゃんをあやす定番の『いないいないばー』を試した魔理沙が苦笑いしながら言っていたのを今も印象強く残っている。
『……こいつ、くすりともしやがらないな。まるで霊夢を相手にしているみたいだぜ……。なんつうかこう……動じないと言うか妙に落ち着いているというか……。』
可愛くない──なんて言おう物なら問答無用で「夢想天生」をおみまいしてやるつもりだったけど……そこは空気を読んだのか魔理沙は苦笑いに留めていた。
「あんた……もうちょっと愛想良くしなさいよね。」
「……?」
娘の将来を案じ、一応母親らしく忠告してみるも、どうやら肝心の早織は良く分かっていないようだ……って当たり前か。
手が掛からないのは良い事だけど。
また何となく空を見上げる。
早織も倣うように一緒になって空を見上げていた。
「……ん?」
そこへふと、見慣れたシルエットが視界に映った。
お約束の箒に跨ったその少女は真っ直ぐこちらに向かってきている……噂をすればなんとか。
「どうした? 私が恋しくなったか?」
魔理沙からすればまるで待ち構えていたように映ったのだろう。
箒から軽快に飛び降りた彼女は開口一番にそんな事を言い放った。
「そんなわけ無いじゃない。で、何しに来たわけ?」
「だぁ?」
早織も揃えるようにして声を発した。
私は思わず吹き出しそうになったが、どうやら魔理沙にはお気に召さなかったらしく小さく口を尖らせた。
「つれない親子だぜ。お前がそんなんだから娘が無愛想になるんだぜ?」
「うっさい。」
他愛も無い軽口の応酬をへて何時もどおり縁側に腰掛けようとする魔理沙。
そこへ──
「──痛っ……!」
「早苗……!?」
──聞こえたのは確かに早苗の悲鳴だった。
大きな物音こそしなかったが、きっと早苗の身に何か有ったに違いない……!
「魔理沙……! 早織をお願い!」
「ちょっと待て! 今し方来たばかりの客人に出すのがお茶じゃなくて赤ん坊とはどういう了見だ──って聞いちゃいねぇ……。」
魔理沙の腕に無理やり娘を押し付けて、私はすぐさま身を翻した。
不平を漏らす魔理沙だったが、もちろん聞く耳なんて持ってなどやらない。
……そもそも魔理沙だから安心して預けられのだから。
そこんところ察しなさいよね。
頭の中でそんな事を思いつつも、身体は真っ直ぐ早苗の元へ急いでいた。
ガラッ!
「早苗! 無事なの!?」
早足で廊下を通り抜けた私は勢いを殺さず早苗の居る部屋の襖を開けた。
「ふぇ?」
驚いたのは早苗の方だった。
目をパチパチとさせて突然現れた私を見上げている──良かった、見たところ外傷はないようね……うん?
ほっと安堵したのも束の間、すぐに早苗が悲鳴をあげた理由に気が付いた。
「指……刺したのね?」
「……分かっちゃいます?」
早苗は膝の上に私の服をのせており、手の届く距離には裁縫箱が置かれている。
更には涙目になって指をくわえていればもう一目瞭然と言えわざるをおえない。
「全く……人騒がせね。」
つい憎まれ口を叩いてしまうのは何時もの癖で……本当は凄く心配したなんて素直に言えもしない私。
だけどそんな私を理解してくれているのが早苗という少女な訳で。
「ご心配をお掛けしました。」そう言ってはにかんだ笑みを浮かべる早苗を見て漸く私は胸をなで下ろした。
と言っても実際に早苗の怪我が治った訳ではない。
つかつかと私は未だに指を咥える早苗のすぐ側まで歩み寄り、彼女の目の高さに合わせるようにして腰を下ろした。
「どうして胡座なんですか? もっと女の子らしく座ればいいのに……。」
本当に早苗は一々どうでも良い事に突っ込んでくる。
ほっときなさいよ、まったく。
「生憎座り方はこれと正座ぐらいしか知らないのよ。そんな事より……見せなさいよ、ほら。」
何をなんて言わなくても分かるだろう。
だけど早苗は理解出来ないとばかりに整った眉を寄せて見せた。
「その……結構深く刺しちゃって……。」
言ったらすぐまた指を口に運ぶ早苗。
「だったら余計に見せなさいよ。」
「で、でも……。」
私を心配させたくないのは分かるけど……怪我したアンタを放っておける程私はクールじゃないのよ。
じれったいのが嫌いな性分である私は、遠慮がちな早苗に構わず手を伸ばした。
「良いから見せなさいって。」
「きゃ!……っもう。霊夢さんは何時も強引なんですから……。」
怪我している方の手を早苗の言うとおりちょっと強引に引っ張った。
そうして漸く姿を現した彼女の指は彼女自身の唾液に濡れてしまっている。
そして小さな傷穴から綺麗な鮮血がチロチロと流れていて……見ててなんかちょっと卑猥ね。
「れ、霊夢さん! そんなにましまじと見つめないで下さいっ……!」
早苗の声にはっとなって顔をあげると、彼女は頬を朱色に染めてそっぽを向いていた。
ひょっとしたら同じような事を考えていたのかもしれない。それがどうやら相当恥ずかしかったようだ。
「それで霊夢さん……? 絆創膏か何かお持ちなんですか?」
「あ。」
「……無いんですね? それじゃあ何も変わらないじゃないですか……。」
どうしてだろう……心なしか早苗の反応が冷たい……。
私はただ心配で何かしてあげたかっただけなのに……。
冷めた視線をよこす早苗に、これではいけないと私は慌てて思考を巡らせる。
ええい! こうなったら!
ぱくっ
「…………え?」
「ほぉれでどお?(これでどう?)」
考えた結果、私に出来る事は早苗の指をくわえるという事だった。
これに驚いた早苗は目を丸くしたかと思ったら、すぐに顔から蒸気を立てて俯かせた。
加えて言うなら手で触れたら火傷しそうな程に早苗の顔は赤い。
「…………霊夢さん? 今ご自分が何をされてるか理解出来てますか……?」
俯いたまま絞り出された早苗の言葉を聞かずとも、状況は重々理解している。
今の自分が如何に愚かで随分と恥ずかしい真似をしていると言う事も……ただ引き返せないだけなのだ。
ここまできたら私の唾液で血を止めてみせる……!
早苗の問い掛けには応えず、代わりに私は舌を使って早苗の指を口内で舐めました。
「ひゃう……!」
舌を動かした途端、甲高い声で早苗が鳴いた。
背中から上半身を仰け反らせた早苗は顔を天井に向けたまま小さく震えている……これは刺激が強過ぎたかしら。
試しに今度は優しく吸い付くように口を動かす。
「ひゃあ……!」
じっと耐えるようにして固く閉じられていた早苗の目蓋が、今度はたまらず見開かれた。
そのまま瞳は虚ろに変わり、はあはあと熱い吐息を繰り返す早苗──これは……イケる!
早苗の反応に気をよくした私は彼女の指を更に責め立てる事にした。
くちゅくちゅくちゅ……。
わざと音を立ててやると早苗はまた恥ずかしいのを堪えようとイヤイヤと首を振る。
それでも舐め続けていると次第に快楽に流されるようにして声は艶めかしくなっていき、開ききってしまった瞳孔も今ではとろけたものに変わっていった。
「あぁん……霊夢さぁ~ん……。」
恥ずかしさも、指の痛みさえも忘れてしまったかのような早苗の甘い吐息に思わず私は顔がにやけるのを止められなかった。
「随分と甘い声で鳴くじゃない?」
可愛さの余り、つい意地悪を言いたくなった私は、一度早苗の指を口から離した。
しかし早苗は既に私の言葉なんて耳に入ってないようで解放された指を切なげな瞳で見詰めるばかりだった。
「霊夢さん……私……もう……。」
それどころか、何かをねだるような視線を寄越す早苗。
もちろんここまでヒートアップしておいて何もしないワケが無い。
ふふふ……失態をセイコウ(隠語じゃないよ?)に繋げるなんてさすが私!
早苗の期待に応えるために彼女の両肩を私はそっと掴んだ。
「良いわ……たっぷり可愛がってあげる……。」
「良いわけないだろう。」
「「!?」」
二人だけだった筈の空間に突然割り込んできた第三者の声に私は驚いてそちらへ振り返った。
するとそこには早織を抱きかかえた魔理沙がジト目になってこっちを見据えていた。
「ま、魔理沙……どうして此処に?」
動揺しない筈がない……今まさにヤっちゃう手前だったのだ。
驚くなというのが無理というもの……。
しかしどうやら魔理沙は追撃の手を緩めてくれる気は無いようだ。
「どうして、だってさ早織。聞いたか? お母さんたちは大事な大事な一人娘をほっといて二人だけでお楽しみするところだったみたいだぜ? 酷いよな?」
「……だぁ」
肯定とも否定ともとれない曖昧な早織の答えに、だけど私たちがダメージを受けるのには十分で。
「いやぁぁ~!///」
顔を真っ赤にして全力で畳の上に泣き伏せる早苗──放って置いて良いわけ無いのだが、今は魔理沙の暴走を止めるのが優先か……!
「覚えておけよ、早織。これが逢瀬ってやつだ。」
「なっ! なに吹き込んでんのよアンタは!?」
意気込み、魔理沙に突っかかろうとした私を意外にも傍らに居た早苗が引きとめた。
気が付けば早苗は私の手を掴んで放そうとしない。
顔を伏せたまま、表情を窺わせない早苗の真意を掴みきれない私はどうしたのかと首を傾げた。
「早苗……?」
「霊夢さぁん……わたし……もう……もう──」
「…………え?」
もう……って、なに?
もう……我慢できないって?
空いた口が塞がらなかった。確かに散々焦らしたのは私だけど!
だからってアンタこんな時にナニを言って!?
「──お嫁にいけない……。」
「…………は?」
「うわぁぁ~ん!!!」
──いやいや早苗さん? 貴女もう嫁いでるから。しかもバッチリ娘も居るから。
どうやら相当に混乱しているらしい早苗はただだ泣き叫ぶばかり……。
「っ……! ハハハハハハッ!」
そして一人馬鹿笑いする魔理沙。
「アンタは何笑って……! 早苗もいい加減泣き止みなさいっ!」
混沌とした空間の中で早織だけが平然としていた──こんな時まで動じないなんて……やっぱり娘の将来に不安を感じずにはいられない、そんな今日この頃。
………………て言うか私の穏やかな午後を返してよ!
誰に向けて良いかも分からない文句を心の中で叫ぶ私だった。
後書き読んでホワイ?と素で言葉に出してしまった…また一人居なくなってしまうのか…
また此処で会える日を祈ってます!ありがとう御座いました
ひとまずお疲れ様でした。そして今まで押し付けがましいことばかりしていて申し訳ありませんでした。毎週土曜日にそそわを開くのが楽しみでした。本当にありがとうございました。
今まで楽しい作品をありがとうございました。
機会があれば、また。
歓迎します。
お疲れさまでした。
居なくなってしまうのは寂しいですが、また会えることを楽しみにしています。
お疲れ様でした。それでは。
ありがとう御座いました。
そして、お疲れさまでした。
今更ですがお礼を言わせてもらいます。ありがとうございました。また、いつか…