グダグダです、短いです。たぶん百合?
よければお付き合いください。
それは人妖問わずに引きずり込む魔境である。
ひとたび片足だけでも踏み込めば最後、抜け出そうという気さえ奪い去る。
恐ろしいのは、それを幸せとともに受け入れてしまうことだ。
精神さえ支配する、その魔境は…
『炬燵』である。
「あー、これは危険だわ、本気で動きたくない」
西洋風の豪奢な部屋に不似合いな和風の炬燵。
その中に下半身をすっぽり入れて、炬燵の天板に顎を乗せて完全にだらけ切っている、
紅い悪魔ことレミリア・スカーレット。
「霊夢がこれから離れないのもわかるわね」
炬燵に入ってみかんを頬張るという、吸血鬼らしからぬ姿だった。
まったりとレミリアが自室で炬燵を満喫していると、コンコンと軽いノックの音が部屋に響いた。
『お嬢様、失礼して宜しいですか?』
「いいわよ」
ドアが開き、花の生けられた花瓶を抱えて美鈴が入ってきた。
「寒椿が綺麗に咲いたのでお持ちしましたよ…と、何やらやけに一角だけ和風な空間が出来ていますね?」
「霊夢が何でこれに固執するのか試してみようと思ったら、凄く気持ちいいのね」
「じゃあここに、この寒椿添えたら和風情緒が増しますね」
そういって炬燵の近くに花瓶を置くと、益々この一角だけ和風度が増した。
「一角だけっていうのも妙ですけどね」
「細かい事はいいのよ」
「はいはい。じゃあ私も入れてくださいな」
了解の言葉も聞かないうちに、すばやく炬燵に足を滑り込ませた。
「うわー、暖かいですねー」
「いきなり入って来ないでよ、暖かさが逃げ…冷たっ!」
「お嬢様の足温かいですねー」
「あなたの足が冷たすぎるのよ!」
美鈴の足を自分の足を使って押しのけようとする。
「庭の手入れをしていたらすっかり冷えてしまって」
「気で温度調整してるんじゃ無いの?」
「元気の無い木があってそちらに気をあげていたら、自分の方を忘れてました」
「あーあ、本当に馬鹿ね。変なところで抜けてるんだから」
「いやぁ、お恥ずかしい」
美鈴は困ったような笑みを浮かべ頬を掻いた。
「ちょっと、手出しなさい」
「へっ?はいどうぞ」
差し出した右手を触ると冷たさは足以上だ。
「うわ、手はさらに冷たいわね」
「お嬢様、手も温いですねー」
「炬燵で温まっているもの。その手は中に突っ込んで温めておきなさい」
「ありゃ、お嬢様が手で温めてくれるというシチュエーションは?」
「そ、そんな恥ずかしいことしないわよ!」
「残念」
とりあえず、手を炬燵に入れて温める。
「あー、このじんわりとした暖かさ、堪りませんね」
「そうね。 みかん食べる?」
「食べますー」
「…何口あけてるの?」
「あーんとしてたら食べさせてくれるかと」
「喰らえ、みかんの皮目潰し!」
「目がー目がー!」
皮の汁を飛ばされた。
「ううっ、酷いですー」
「馬鹿なこと言うからよ、ほら」
「へっ?」
目の前に差し出されている一粒のみかん。
「食べさせて欲しかったんでしょ?」
「いや、まあ…本当にしてくれるとは///」
「食べないなら私が食べるわよ」
「食べます!」
ぱくりと食い付いた
「指まで食うなー!」
「すいませーん、でも美味しゅうございましたー!」
―ドアの前―
「さて、どうしましょう」
「咲夜ー何してるの?」
「レミリアお嬢様にお茶をお持ちしたのですが…」
「私はお姉様にコタツっていうのを見せてもらおうと思ったの」
「そうですか、でも今は空気を読んで中に入るのはよしましょう」
「空気?」
「はい。それに『人の恋路を邪魔すると、半獣にハリケーンミキサーを喰らう』と言いますし」
「何それ」
「私も意味は良くわかりません。さあ妹様、パチュリー様達の所でお茶にしましょう」
「えーコタツはー」
「それなら、図書館でも設置してますよ。おかげでパチュリー様が益々動かなくなっていますが。
さあ、ケーキも用意しますから参りましょう」
「うん、じゃあ行くー」
ドアの向こうの声は騒がしく続いていた。
炬燵何処に仕舞っちゃったっけ…
帰ってきて良かった。
家は全員がその魔力に取り付かれ、気が付いたら昨年は6月ぐらいまで出していました。
そんな事を思い出させる、炬燵で食べる砂糖醤油をつけた餅の様に甘い作品でした。
あったかいですね!
フランなら食らったところで返り討ちにしそうなんですが!
美鈴の骨が折れたときに、慧音のツノを加工して骨にするんですね。勝手に。
閑話休題、めーレミはもっと流行ってほしいですな。
布教活動歓迎しますぞ!
面白かったです。GJ
え? みかん?
いえいえ、めーレミの事ですよ。