三十分後、プライベートルームにて

「ねむい……」
「飲みすぎ」
「ばかいえーこれしきでー魔理沙さんがー」
「はいはい」
「新年に負けられるかー！　私たちの新年はまだまだこれからだー！」
「勝ち負けじゃないって。寝ちゃっていいわよ」
「馬鹿いえパートツー！　朝まで飲むぜー」
「もうお酒ないわよ」
「もってきて」
「だめ」
「うー」
「わがまま言わないの」
「はいはい。咲夜はわがまま言わないもんなー」
「なにそれ」
「人生楽しいか？」
「ぷっ。ほんと、何を言い出すのよ……」
「人にやさしく、自分にやさしくだぜー」
「閻魔様じゃないんだから」
「ははは。咲夜もそんな顔するんだな」
「どんな顔よ」
「そういう顔だよ」
「……なんか辱しめを受けてる気がするわ」
「たまにはいいじゃん」
「嬉しそうね」
「咲夜はもっとそういう顔していい」
「面白そうね」
「咲夜は面白い」
「つまんないんじゃなかったの？」
「去年のことは水に流したぜ。吸血鬼の館だし」
「さすがにそんなことしたら追い出すわよ」
「幻想郷ジョークだぜ」
「まったく、あんたってやつは……」
「面白いだろ？」
「……ふふふ」
「な、今年も面白くするぜ？」
「あなたが？」
「私がいない宴会なんて盛り上がらないだろ？」
「……別に、全部盛り上げなくてもいいのよ？」
「……まあ、咲夜に出番を譲らなくもない」
「はいはい」
「……ふぁ」
「ほら。いい加減寝ちゃいなさい」
「やだー」
「ほら」
「うー……」
「ね？」
「……ぬくい……」
「うん」
「……」
「……」
「……咲夜」
「うん」
「……」
「……」
「……」
「……はあ」
「……」
「……今年も、よろしくね」