「トリック・オア・トリート」
「はいはい二か月遅れ二か月遅れ」
「もてなせー」
「白黒鼠を?」
「この屋敷の連中は甲斐性がないな」
「美鈴は?」
「妖精どもにソバをふるまっていたあいつのことか?」
「……まったく、もう」
「おっと、私はソバなら済ませてきたからお構いなく」
「はいはい、ミカンあげるから帰りなさい」
「コタツも欲しいな」
「神社へ行きなさい」
「神社は飽きた」
「なにそれ」
「終わコンだぜ。終わったコングラチュレーション」
「……まあ、おめでたいけれど」
「そうだぜ目出度いんだ。私のことを祝え」
「まだ掃除とかあるんだけど」
「咲夜の言うことはいっつもつまんない」
「……ごめん」
「あ、いや、うん、気にするな」
「まだ、仕事が残ってるの」
「……ゲストをもてなすのも仕事だろう?」
「……ならゲストとしてアポイントを取っていらして下さる」
「がっかりだぜ」
「中学生の英語ね」
「ああ中等部だからな。恋愛係は中等部だってな」
「人手なら足りてますわ」
「じゃあ、いいじゃん」
「……もう」
「年が明けるって時にしけた顔してるんじゃないぜ? 祝え祝え」
「祝うわよ、そりゃあ」
「ほれ、甲斐性のない咲夜のために魔理沙サンタさんからプレゼントだぜ?」
「はいはい一週間遅れ一週間遅れ……あら、シャンパン」
「……いいだろ? ニューイヤーの迎え酒だ」
「ふふ。意味が違うじゃない……」
「なぁ、せっかくなんだからさー」
「わかった、わかったってば……」
「じゃあ」
「私の部屋でくつろいでなさい」
「やったっ」
「もう。ふふ……お嬢様にお茶を差し上げてくるから……」
「うん。えへへ……いい年になったぜ」
「いい年になるわ、来年も」
来年もよろしくです~
圧倒的破壊力を秘めた破壊力のじわじわ効いてくる洒落た秀作で
ああ来年も我々にとっていい年になるなとこれからの展望に大いに期待を抱いた