注意点
*これは絵板[6431] 『式の夏休み~キャンプ~』の動画部分を勝手にSS化したものです。
*大胆不敵にも二度目となるネタの無断使用です。平にご容赦を。
*書いてる人は妖々夢の八雲藍・紫に会った事がないダメシューターなのでいろいろとご容赦ください。
凶兆の黒猫、橙が遊びに出かけて3日目。ようやく彼女は主人待つ家へと戻ってきた。
橙が泊りがけで出かける事は珍しくない。外にいる友人と一緒だったり、猫の村に泊まったり。
「藍様ただいま~」
「どうしたんだ橙!?」
だから藍――橙の主人――が驚いたのは、そのせいではない。もちろん橙が朝帰りをしたせいでもない。
ならば何故なのかと言うと、それは彼女の姿のせいだった。
「式が落ちているじゃないか。しかも化け猫姿だなんて・・・。何があったんだ!?」
「えっと、ちょっと水洗いされちゃったんです」
橙はとても水に弱い。式が付いていた場合はそれが離れてしまうし、付いていなければ普通に苦手。
故に、それを聞いた藍が酷く焦ったのは仕方のない事なのだ。
「だ、大丈夫なのか!?」
「はい。もうしゃべれるくらいには回復しました」
それは逆に言えば人に化ける程の力はまだ戻っていないという事でもある。橙の実体は化け猫だが、基本的に普段から人に化けて生活しているのだ。
「藍様、お願いしてもいいですか?」
「あぁ、すまない。すぐに元に戻してやるからな」
そういって藍は懐から何かを取り出す。そして彼女が念じると、橙の姿がいつもの人型へと戻った。
・・・一応言っておくと、服装はいつもと同じ赤い服を着ている。
「で、どうしたんだ?」
「えっと、えへへ」
笑ってごまかす橙に、「しょうがないな」と言って苦笑する藍。橙には甘い彼女は、特に追及もせずにその会話を打ち切った。
どうせドジを踏んで湖に落ちたか、弾幕ごっこをしていて落とされたかのどちらかだろう。そう考えた藍は朝餉の準備を再開する為に台所へと向った。
「あ、そうだ」
自分の部屋へ向っていた橙が何かを思い出したようにそう呟いて振り返る。
そしてとてとてと藍の前まで駆けてくると、上目遣い――身長差の為で自然とそうなった――でこう尋ねた。
「藍さまー。皆が夏休みって言ってますよ。藍さまは夏休みしないんですか?」
橙の言葉を受け、藍の頭脳は2つの思考を同時に平行処理し始める。
あぁ、橙は相変わらず可愛いな。夏休みはこの前紫様に却下されたばかりだったな。
「橙・・・私には夏休みなんて・・・」
「私・・・藍さまと夏休み・・・夏の思い出つくりたいんです!」
橙の上目遣い+瞳うるうる攻撃。藍に3000のダメージ。追加効果で藍は状態異常『混乱』にかかった。
ここでダメだと言ったら橙はどうするだろう・・・。夏と言えば海、橙の水着姿もさぞ可愛いんだろうな。開放的な季節だし。と言うか、思い出ってまさか。
「ちぇ・・・橙と(2人で)一夏の思い出・・・!?」
藍の心の中では、両天秤がぐらぐらと揺れていた。
右皿には水着姿の橙。左皿には布団。藍は悩んだ。
そういえば紫様は休むなって命令を直接出しておられないし、私の願いが却下された時も私は何のお願いだか言ってない。紫様は寝ている。そして私の行動はある程度私の裁量で動いて構わない事になっている。弾幕ごっこや戦闘以外。特に家の事に関しては。
「橙、準備しなさい。キャンプに行くぞ」
言い訳という名の重りが右皿に乗せられ、あっさりと傾く両天秤。あぁ、左皿に乗っていた布団から紫がすごい勢いで飛び出してお星様に
「キャンプですか?」
「家族の夏休みはキャンプなんだよ、橙」
そうと決まれば、と藍は数日分の食事と、献立表、更にはどうやって食べるかの詳細を図解つきで作り始めた。
「わーい。あの、藍様。何を持っていけば、って、わわ。何してるんですか?」
「ん? 私がお休みの間、紫様のお食事がないと大変だろ?」
「あ、そうですよね。さすが藍様」
感心している橙。しかし実際には彼女の行動は褒められた物ではない。何故なら準備しているのは紫が隙間釣りで手に入れてきた『カップ麺』や『インスタント食品』と呼ばれる物なのだ。
橙との夏休みに対する情熱が、普段真面目な藍に手抜き仕事、と言うか半分以上仕事を放棄させ、更には命令違反ぎりぎりの行動をさせているのだ。もちろんぎりぎりアウトである。
「よし、出来た。橙、テントとビニールシートを準備してくれ」
「はい。藍様!」
うきうきと準備を続ける式の式。主人の事を完全に忘れて準備に没頭する隙間妖怪の式。
こうして式と式だけによる式の為の式の夏休みが幕を開けた。
のかもしれない。
*これは絵板[6431] 『式の夏休み~キャンプ~』の動画部分を勝手にSS化したものです。
*大胆不敵にも二度目となるネタの無断使用です。平にご容赦を。
*書いてる人は妖々夢の八雲藍・紫に会った事がないダメシューターなのでいろいろとご容赦ください。
凶兆の黒猫、橙が遊びに出かけて3日目。ようやく彼女は主人待つ家へと戻ってきた。
橙が泊りがけで出かける事は珍しくない。外にいる友人と一緒だったり、猫の村に泊まったり。
「藍様ただいま~」
「どうしたんだ橙!?」
だから藍――橙の主人――が驚いたのは、そのせいではない。もちろん橙が朝帰りをしたせいでもない。
ならば何故なのかと言うと、それは彼女の姿のせいだった。
「式が落ちているじゃないか。しかも化け猫姿だなんて・・・。何があったんだ!?」
「えっと、ちょっと水洗いされちゃったんです」
橙はとても水に弱い。式が付いていた場合はそれが離れてしまうし、付いていなければ普通に苦手。
故に、それを聞いた藍が酷く焦ったのは仕方のない事なのだ。
「だ、大丈夫なのか!?」
「はい。もうしゃべれるくらいには回復しました」
それは逆に言えば人に化ける程の力はまだ戻っていないという事でもある。橙の実体は化け猫だが、基本的に普段から人に化けて生活しているのだ。
「藍様、お願いしてもいいですか?」
「あぁ、すまない。すぐに元に戻してやるからな」
そういって藍は懐から何かを取り出す。そして彼女が念じると、橙の姿がいつもの人型へと戻った。
・・・一応言っておくと、服装はいつもと同じ赤い服を着ている。
「で、どうしたんだ?」
「えっと、えへへ」
笑ってごまかす橙に、「しょうがないな」と言って苦笑する藍。橙には甘い彼女は、特に追及もせずにその会話を打ち切った。
どうせドジを踏んで湖に落ちたか、弾幕ごっこをしていて落とされたかのどちらかだろう。そう考えた藍は朝餉の準備を再開する為に台所へと向った。
「あ、そうだ」
自分の部屋へ向っていた橙が何かを思い出したようにそう呟いて振り返る。
そしてとてとてと藍の前まで駆けてくると、上目遣い――身長差の為で自然とそうなった――でこう尋ねた。
「藍さまー。皆が夏休みって言ってますよ。藍さまは夏休みしないんですか?」
橙の言葉を受け、藍の頭脳は2つの思考を同時に平行処理し始める。
あぁ、橙は相変わらず可愛いな。夏休みはこの前紫様に却下されたばかりだったな。
「橙・・・私には夏休みなんて・・・」
「私・・・藍さまと夏休み・・・夏の思い出つくりたいんです!」
橙の上目遣い+瞳うるうる攻撃。藍に3000のダメージ。追加効果で藍は状態異常『混乱』にかかった。
ここでダメだと言ったら橙はどうするだろう・・・。夏と言えば海、橙の水着姿もさぞ可愛いんだろうな。開放的な季節だし。と言うか、思い出ってまさか。
「ちぇ・・・橙と(2人で)一夏の思い出・・・!?」
藍の心の中では、両天秤がぐらぐらと揺れていた。
右皿には水着姿の橙。左皿には布団。藍は悩んだ。
そういえば紫様は休むなって命令を直接出しておられないし、私の願いが却下された時も私は何のお願いだか言ってない。紫様は寝ている。そして私の行動はある程度私の裁量で動いて構わない事になっている。弾幕ごっこや戦闘以外。特に家の事に関しては。
「橙、準備しなさい。キャンプに行くぞ」
言い訳という名の重りが右皿に乗せられ、あっさりと傾く両天秤。あぁ、左皿に乗っていた布団から紫がすごい勢いで飛び出してお星様に
「キャンプですか?」
「家族の夏休みはキャンプなんだよ、橙」
そうと決まれば、と藍は数日分の食事と、献立表、更にはどうやって食べるかの詳細を図解つきで作り始めた。
「わーい。あの、藍様。何を持っていけば、って、わわ。何してるんですか?」
「ん? 私がお休みの間、紫様のお食事がないと大変だろ?」
「あ、そうですよね。さすが藍様」
感心している橙。しかし実際には彼女の行動は褒められた物ではない。何故なら準備しているのは紫が隙間釣りで手に入れてきた『カップ麺』や『インスタント食品』と呼ばれる物なのだ。
橙との夏休みに対する情熱が、普段真面目な藍に手抜き仕事、と言うか半分以上仕事を放棄させ、更には命令違反ぎりぎりの行動をさせているのだ。もちろんぎりぎりアウトである。
「よし、出来た。橙、テントとビニールシートを準備してくれ」
「はい。藍様!」
うきうきと準備を続ける式の式。主人の事を完全に忘れて準備に没頭する隙間妖怪の式。
こうして式と式だけによる式の為の式の夏休みが幕を開けた。
のかもしれない。
さあさあ、絵にせよSSにせよ続きを楽しみにしています。
両作者さんともがんばってください。
しかも動画の方までチェックしてもらってるしw
EKIさん、あささん、続き楽しみに待ってます。頑張って下さい。
>続きを楽しみに
期待に沿えるようにがんばりたいと思います。
>動画チェック
動画まで楽しいというEKIさんがすごいのですよ! 続編も期待してますね。
>タイトル
いつもそれなりに悩んでつけているのでの褒めてもらえて嬉しいです。ありがとうございます。