Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

魔理沙だってオンナノコ

2006/08/03 19:52:51
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「おーい、香霖って、えぇぇぇ!?」

 迷いの森に響く少女の絶叫。そして事件は幕を開けた。











 魔理沙が香霖堂のドアを勢い良く開けると、そこには香霖とてゐの姿があった。
 それだけならば問題はない。ならば何が問題なのかと言うと、それは

「何してんだお前等!」

 椅子に座る香霖と、その膝の上で香霖に抱きついているてゐ。しかもてゐは首に腕を回してやたらぴったりとくっついている。
 なんというか、決定的瞬間?

「あぁ、魔理沙。また来たのかい」
「魔理沙、こんちはー」
「あぁ、うん。こんにちは。って、そうじゃねぇ!」

 言葉尻を荒げる魔理沙を見て、2人は不思議そうな顔をした。
 しかし次の瞬間には2人共何事もなかったかのように会話を再開する。魔理沙からは耳元で囁きあっている風にしか見えないのだが。

「ねぇ、お願い。ちょっとでいいから。ね?」
「何と言われ様とも断固拒否させて貰うよ」
「えぇ~。店長さんのいけず~」
「って、まてまて。お前等何の話をしてるんだ!?」

 凄まじい勢いで焦りながら、とりあえずてゐをひっぺがす魔理沙。

ガチャ

「あらあら。お邪魔だったかしら?」
「永琳様~助けて~。魔理沙に襲われるぅ」
「って、ちょっと待てぇ!」

 現在、魔理沙はてゐの後ろから手を回して持ち上げている。
 視点を変えてみよう。永琳が店に入ると、そこには後ろからてゐに抱きつく魔理沙の姿があった。そして抱きつかれているてゐは自分に助けを求めている。

「それは、大変ね」

 全然大変そうじゃない永琳。普通に考えればすぐにでも助け出すべき状況なのだが、そうしない事がてゐの普段の行動を物語っている。
 ちなみに開放された香霖は既に本を読み始めている。

「魔理沙」
「な、なんだよ」
「襲うのは本人の許可を取ってからの方がいいと思うの」
「襲ってないわ!」

 大声をだし、はぁはぁと息を荒げる魔理沙。その拍子に力が抜けてしまい、てゐを捕まえている手が緩んで逃亡を許してしまう。
 もちろん、開放されたてゐは

「て・ん・ちょ・う・さん♪」

 香霖膝の上。
 しかも先程よりも更に甘ったるい声を出し、香霖の胸に頬をすりすりとしている。

「あぁ、もう。本くらいゆっくり読ませてくれないかな?」
「てゐのお願い聞いてくれたら読ませてア・ゲ・ル」
「だからお前はぁ!!」

 そしてまた魔理沙によってひっぺがされるてゐ。

「・・・ねぇ、魔理沙」
「・・・なんだよ?」
「私、兔と人間のカップルって言うのはどうかと思うの」
「何のことだぁ!!」
「それにほら。そこは譲歩したとしても、せめて相手は異性がいいかなぁって思うの。私は」
「だから何のことだ!」
「あらあら」

 息を荒げながらもてゐを後ろから抱きしめ続ける魔理沙。
 それは傍から見ると、すごく妖しい。

「永琳、お前も何とか言ってやってくれ」

 てゐよりは常識が通じると踏んだのか、単にそこまで考える余裕がなかったのか。魔理沙はどう考えても間違っている人物に助けを求めた。
 それが更なる悲劇を呼ぶとも気づかず。

「そうね・・・魔理沙、てゐは諦めてもらえないかしら?」
「そーじゃなくてだな」
「アリスさんとかパチュリーさんとか、貴方には他にもいろいろと居るでしょう?」
「いや、ちょっと待て。それは激しく誤解だ。私にはそんな気はない!」
「いいのよ、ごまかさなくても。好物がどこぞの巫女と言う貴方だもの。全てわかってるから安心して」
「いやまて、それは言葉の綾と言うか・・・」
「そんな事で貴方を差別したり、白い目で見たりしないから。ねぇ、てゐ?」
「もちろんです、永琳様」
「だから待てえぇぇ」

 更なる敵を増やした魔理沙。
 しかし魔理沙は挫けなかった。何故なら目の前にもう一人縋る相手がいたのだから。

「なぁ、香霖。お前も何か言ってくれ」
「あ、ん・・・そうだね」

 本を読んでいた香霖が顔を挙げ、魔理沙の方をじぃっと見つめる。
 その時、魔理沙の顔が心なしか赤くなっていたのは、息切れのせいか、もしくは照れからか。

「僕も同性愛者だからといって友人を止めたりしないから安心してくれ」
「だから違うんだぁぁ!」

 四面楚歌。3人しかいないけど、魔理沙は四面楚歌だった。
 しかも1人は確実に確信犯である事間違いなし。

「ほら、魔理沙。そんな訳だから手を放して」
「ダメだ。放したらお前、香霖とこ行くだろ?」
「え、嫉妬? やだ、照れちゃう」
「いや、違うぞ? 違うからな?」
「お願い魔理沙。てゐは諦めてあげて」
「だから違うんだ!」
「違うなら手を放せばいいじゃないか。僕はそのままの方が助かるけど」
「あぁ、もう。どうしろってんだー」

 ちなみに魔理沙が断固として放さない理由には香霖に対する淡い、まだ恋心とは言えないレベルの想いがあるせいなのだが、双方ともそれに気づく事はない。
 あぁ、悲しいかな鈍感コンビ。

「あの~、魔理沙。そろそろ本気で放してくれないかな? っていうかせめてもう少し力を抜いて――痛い、痛いって!」
「ふふふふふふふ」
「わ、魔理沙が壊れた。永琳様助けて!」
「あらあら」
「微笑んでないで助けてくださいよ! えーりんえーりんたすけてえーりん!」
「ふふふ。そうよね。そうだよね。てゐが動けなくなれば一件落着なのよね」
「あの~、魔理沙さん。何か不穏な台詞が耳元から聞えた気がしちゃったりするんですが?」
「てゐ、ピンチね。眠らされて攫われてお嫁にいけない体にされちゃうわよ」
「ふっふっふ。ナンとでも言え。てゐ、さらばだ」
「あの、本気で・・・うぐぇ」
「・・・本当に落とすとは。魔理沙、僕も無理やり襲うのはよくないと思うよ?」
「黙れ。ふふふ・・・もういっそ鍋にでもして食うか?」
「食べるだなんてそんな。てゐ、あなたの貞操すら守れそうにない私を許してね」
「魔理沙、そこまで堕ちるとは・・・」

ぷちん

 魔理沙の理性が限界を越えました。魔力増大中。八卦炉の出力は95%で安定。
 いけますっ。

「全部ぶっとんじまえぇぇ!」

 それが香霖堂消失事件の全貌だった。
香霖を殴りたい人募集
あさ
コメント



1.名無し妖怪削除
適度にダメかもw
2.名無し妖怪削除
膝に乗って色仕掛けしてくるてゐに激しく萌えた
3.あさ削除
適度どころかかなりダメそーな予感がしてます。
そしててゐはいろんな意味で誰かを貶める姿が一番輝いてると思うんです。
まぁ、結局何が言いたいのかと言うと、感想ありがとうございました。
4.名無し妖怪削除
>香霖を殴りたい人募集
ノシ
5.名無し妖怪削除
まりさかわいい!
6.名前が無い程度の能力削除
こーりんww
えぇとバズーカどこだったかな……