メリーが蓮子の家に遊びに来ていた。
エピソード1 準備
「蓮子、駄目よ!!それ以上したら、溢れちゃうわ!」
「メリー、少し騒がしいわ。窓を開けてるんだから、外の人に聞こえたらどうするのよ。わたしの日々の経験からなら、もう少しいけるから大丈夫よ」
「だから、駄目だって!!それに、服に飛んで汚れちゃうわ」
「わたしは、構わないわ」
「私は、構うのよ!!」
「洗濯機貸すから、洗えばいい」
「ここで、脱げと!?」
「問題ないでしょ?」
「大ありよ!!」
「んもう、メリーは我侭ね」
「そういう問題!?……って、あ~ぁ。溢れちゃったじゃない。服には掛からなかったけど、どうするのよ?下の方まで垂れてるし」
「ティッシュで拭けばいいじゃない。ティッシュ取って、メリー」
「はいはい」
「ありがとう、メリー」
エピソード2 我慢
「蓮子ぉ~、もういいでしょう?」
「駄目よ。メリー、まだ手を付けちゃ」
「もう、4分もこの状態で放置じゃない。中がぐちゃぐちゃになっちゃうわ」
「それはそれで良いじゃない」
「良くないわ。限界なのよ」
「もう、わかったわよ。そんな風におねだりされたら、わたしもおかしくなりそう」
「えっ!?いいの?」
「えぇ」
エピソード3 真実
ズルズル……ズル
「ねぇ、蓮子…」
ジュルジュル……ジュル
「なぁに、メリー」
「このカップ麺、伸びてるわ。」
「そりゃ、お湯を注いで3分のところをメリーは4分、わたしは5分わざと放置したんだもの」
「蓮子の変な趣味は理解できないわ」
「あら、どの辺が?」
「まず、お湯を注ぐとき!」
「うん」
「やかんを徐々に上に持っていかないっ!!カフェオレ淹れている訳じゃないのよ!」
「えぇ、いいじゃない」
「よくない!!お湯が飛び散ってたじゃない!あと、器ギリギリまでお湯を入れない!!」
「あのギリギリ感が堪らないのよ。どうして、解らないの?メリー」
ジュルジュル…
「あのね、蓮子。その行為によって、お湯を溢して絨毯濡らすなら理解したくないわ」
ズルズル…
「やっぱり、私は3分ジャストがベストよ」
「メリー、邪道ね。スープを全て吸わせた麺を啜る。それが、蓮子クオリティ!!」
「蓮子にとって邪道でも、一般的視点から見れば私の方が普通よ」
「普通なんてつまらないわ。イレギュラーがあるから面白いのよ」
「言ってることが意味不明よ」
コクコク……コクン
「ご馳走様でした。ねぇ、蓮子」
ズズズズ……ゴクン
「何、メリー。あー、おいしかった」
「これから、どうする?」
「そうねぇ。メリーはどうしたい?」
「質問を質問で返さないで、困るから」
「あははは……そうねぇ、倶楽部活動したいって気分でもないしね」
「あら、珍しいわね。明日は、季節先取りの雪かしら?」
「偶にはそんな日もあるのよ。ふわぁ~」
「あら蓮子、大きな欠伸ね。不細工だったわよ。今の顔、写真に撮って保存したかった……ふわぁ」
「あら、メリー。顔が、不細工だわ」
「今のが?それとも、常に?返答次第では、処刑よ蓮子」
「ごめんなさい、メリー様。どうかお怒りを静めて、その手に握られている木刀をお収め下さい」
「わかればいいのよ。それにしても、この木刀も然り蓮子の部屋はいろんなモノがあるわね。まるで巣窟……いや、魔窟ね」
「いや~、それほどでもぉ!」
「いや、褒めてないし」
エピソード4 一緒
「あぁ、本当に眠たくなってきたぁ」
「なら、寝れば?さっきから、目が虚ろになってきてるわよ。私退くから、ちゃんとベッドで寝なさい」
「う~っ、だって、メリーがいるしぃ」
「気にしないで。帰るから。ほら手出して、ベッドまで連れて行ってあげるから」
ぎゅっ
「そ~だ~、一緒に寝よぉ。メリー」
「蓮子、とうとう壊れたわね」
「だぃじょ~ぶ、つめればぁ~、ふぅたりはいるからぁ~」
「そういう問題じゃな……ちょ、蓮子、危ない!」
ドスン
「……すぅ~、すぅ~……」
「……もう、どうして私が押し倒されなくちゃいけないのよ。当事者は、夢の世界に旅立ってるし」
「……んっ、メリー……」
「…………」
「……だぁいすき……ずっと……いっしょ…よ……」
「……はぁ~、蓮子。あなたは、ワザとやっているのかしら?寝顔でそんな事言うのは、反則よ?……ふふふ、起きているあなたには、恥ずかしくて絶対言わないけどね。私も蓮子のこと……いいや、まだ言わない……ふわぁ~、私も寝よ」
その部屋からは二人の寝息しか聞こえなくなった。
そういえば俺は子供の頃3分のところを1分しか待たずに食う趣味があったなー。今は健康考えてカップ麺自体食わないけど
あとがきメリー、超可愛い。