*あらすじ*
イタコ
幻想郷の外れ、霊山。
そう、季節は夏真っ盛り。
だが滝に打たれている私に、暑さを感じる事は出来ない。
此の未曾有とも云える危機の前では、暑さなど瑣末事。
私は上白沢慧音。幻想郷の歴史を司る半獣だ。
普段ならば里の近くに構えてある我が家で歴史の編集作業に忙しいのだが、そうも云っていられない事態が起こった。
イタコである。
先日、我が愛すべき妹紅からスペル製作の相談を受けた。
その際に不覚ではあるのだが、私はイタコの精神攻撃を受けてしまったのだ。
「イタコもいいじゃないか」なんて、嗚呼、不甲斐無い。
だが然し、其れで漸く気付く事が出来た。
奴らは直ぐ其処まで来ている。
此のままではいけない、何らかの対処策を。
―――だがイタコの精神攻撃は強力だ。如何する。
戦うのならば、先ず敵を知らねば。
―――目にはイタコを、歯にはイタコを。
敵を知るには先ず己から。
そうか、イタコになればいいんだ。
思い立ったが吉日、私は里の事を妹紅に任せると博麗神社に向かった。
巫女ならばイタコも知っているだろう、と訊きに行ったはいいが巫女も詳しくは知らないらしい。
霊魂関係なら白玉楼の方がいいんじゃない?と云う助言を元に、一路空の彼方へ。
騒霊三姉妹にイタコの危険性を説き、結界を越えていざ冥界。
庭の手入れをしていた妖夢に主人への取次ぎを願い、案内されるは西行妖が一望出来る縁側。
早速とばかりにイタコについて詳しく訊くが、幽々子殿は可愛らしく小首を傾げ、妖忌なら詳しいんだけどねぇ。との事。
私は礼を言い白玉楼を後にして、歴史を調べる。
――見付けた。
そうしてやってきたのが此の霊山だ。
妖忌殿を探し出し守りたい者が居ると話をすれば、任せろ。と頼もしく胸を叩いてくれた。
其れから野を駆け滝に打たれ禊をし理を説かれ、霊力を身体に魂に満たせていく。
妖忌殿は一週間掛からずに何とかしてやろう、と仰ってくれた。
そうして、本日が修行の最終日。
「良く苦しい修行に此処まで耐えたのぅ」
滝に打たれている私に声が届く筈もないのだが、確かに聞こえた。
ゆっくりと目を開け、妖忌殿の姿を確認する。
私は滝から出ると、ざぶざぶと妖忌殿に向かって歩を進める。
妖忌殿は厳めしい顔を柔和に微笑ませ、満足そうに頷いた。
「私には守らなければならない者がおりますので」
「うむ、其の心構え。其れこそが、じゃ」
私は妖忌殿の前まで進み、其処で足を止める。
「今の御前さんなら霊力も充分、口寄せも神降ろしも可能じゃろうて」
妖忌殿はもう一度、満足そうに頷いた。
確かに私の身体には霊力が満ち溢れている。此れなら、イタコに対抗する事も……否、未だ足りない。
最後の一押し、其れが無ければイタコを倒す事は出来ないだろう。
「さて、儂には御前さんが何と戦うつもりか知らんが、最後に其の霊力を撃ち出す奥義を授けよう」
そんな私に救いの言葉が与えられた。最後の一押し。其の奥義を手に入れれば、私に敵は居ない!
神妙な心持ちで頷いてみせる。私はもう何も恐れない。
「霊力を一点集中させ、放出させる危険な技じゃ。下手をすれば力を使い果たし動けなくなるじゃろう」
成る程、霊力版のマスタースパークと云った処か。確かに其の位強力な攻撃でもなければ、イタコを倒せはしないだろう。
私は深呼吸を一つして、妖忌殿を真っ直ぐに見た。
「……良い表情じゃ。奥義について理解出来た様じゃの」
頷いてみせる。
理。自然の流れ、霊気の流れ、人の流れ、魂の流れ。
其れを説いて貰った私には、理解出来た。
自然を身体の一部とし、霊気を力とし、人の流れを血脈とし、魂を撃ち出す。
全てを連なる流れとすれば、奥義は自ずと発現する。
「流れを掴むが良い。頭から手から足から心へと。霊力を全身に廻らせ、守りたい者を思い浮かべよ」
私は全身に満ちる霊力を廻り廻らせ、妹紅を、里の人々を、幻想郷を思い浮かべ。
「想いを撃ち出すのじゃ。其れは何者にも負けない矛となる!」
私は熱い想いを、心を感じて妖忌殿に感謝をした。
短い間でしたが、貴方は最高の師匠でした。
私に何が出来る訳ではありませんが、せめて此の奥義を感謝の気持ちとします!
そうして私は奥義を、込めた想いを発現しようとして―――――――
「但し奥義は尻から出る」
∧/| ∧、
|ヽ!、ゝ,.r'ニ、ンi
ゝ/ / \
_L...- '-───'-- ..,,_
,.へ ヽ - L = 」 - /
〈 ,.ゝ --─ri⌒ヽr--..,イ
γ´ ,' _/__,.i l |、!_i ト、
i ,'. / ,.-'、..ヽイノ,.-、i / i
| レ イ.( ●), 、(●)イハノ .え
.|. (| | | , ,ノ(,_.)ヽ、, l|.| ?
| /i | l `-=ニ=-',. イl.|.|
| ノ. ||ゝ `--'. ../:i |.|
| ハ_l |.,-!`i ー-=.i´、i | |
i イ_( ヽ.! | ヽ、iイ ン !/'),-、
イタコ
幻想郷の外れ、霊山。
そう、季節は夏真っ盛り。
だが滝に打たれている私に、暑さを感じる事は出来ない。
此の未曾有とも云える危機の前では、暑さなど瑣末事。
私は上白沢慧音。幻想郷の歴史を司る半獣だ。
普段ならば里の近くに構えてある我が家で歴史の編集作業に忙しいのだが、そうも云っていられない事態が起こった。
イタコである。
先日、我が愛すべき妹紅からスペル製作の相談を受けた。
その際に不覚ではあるのだが、私はイタコの精神攻撃を受けてしまったのだ。
「イタコもいいじゃないか」なんて、嗚呼、不甲斐無い。
だが然し、其れで漸く気付く事が出来た。
奴らは直ぐ其処まで来ている。
此のままではいけない、何らかの対処策を。
―――だがイタコの精神攻撃は強力だ。如何する。
戦うのならば、先ず敵を知らねば。
―――目にはイタコを、歯にはイタコを。
敵を知るには先ず己から。
そうか、イタコになればいいんだ。
思い立ったが吉日、私は里の事を妹紅に任せると博麗神社に向かった。
巫女ならばイタコも知っているだろう、と訊きに行ったはいいが巫女も詳しくは知らないらしい。
霊魂関係なら白玉楼の方がいいんじゃない?と云う助言を元に、一路空の彼方へ。
騒霊三姉妹にイタコの危険性を説き、結界を越えていざ冥界。
庭の手入れをしていた妖夢に主人への取次ぎを願い、案内されるは西行妖が一望出来る縁側。
早速とばかりにイタコについて詳しく訊くが、幽々子殿は可愛らしく小首を傾げ、妖忌なら詳しいんだけどねぇ。との事。
私は礼を言い白玉楼を後にして、歴史を調べる。
――見付けた。
そうしてやってきたのが此の霊山だ。
妖忌殿を探し出し守りたい者が居ると話をすれば、任せろ。と頼もしく胸を叩いてくれた。
其れから野を駆け滝に打たれ禊をし理を説かれ、霊力を身体に魂に満たせていく。
妖忌殿は一週間掛からずに何とかしてやろう、と仰ってくれた。
そうして、本日が修行の最終日。
「良く苦しい修行に此処まで耐えたのぅ」
滝に打たれている私に声が届く筈もないのだが、確かに聞こえた。
ゆっくりと目を開け、妖忌殿の姿を確認する。
私は滝から出ると、ざぶざぶと妖忌殿に向かって歩を進める。
妖忌殿は厳めしい顔を柔和に微笑ませ、満足そうに頷いた。
「私には守らなければならない者がおりますので」
「うむ、其の心構え。其れこそが、じゃ」
私は妖忌殿の前まで進み、其処で足を止める。
「今の御前さんなら霊力も充分、口寄せも神降ろしも可能じゃろうて」
妖忌殿はもう一度、満足そうに頷いた。
確かに私の身体には霊力が満ち溢れている。此れなら、イタコに対抗する事も……否、未だ足りない。
最後の一押し、其れが無ければイタコを倒す事は出来ないだろう。
「さて、儂には御前さんが何と戦うつもりか知らんが、最後に其の霊力を撃ち出す奥義を授けよう」
そんな私に救いの言葉が与えられた。最後の一押し。其の奥義を手に入れれば、私に敵は居ない!
神妙な心持ちで頷いてみせる。私はもう何も恐れない。
「霊力を一点集中させ、放出させる危険な技じゃ。下手をすれば力を使い果たし動けなくなるじゃろう」
成る程、霊力版のマスタースパークと云った処か。確かに其の位強力な攻撃でもなければ、イタコを倒せはしないだろう。
私は深呼吸を一つして、妖忌殿を真っ直ぐに見た。
「……良い表情じゃ。奥義について理解出来た様じゃの」
頷いてみせる。
理。自然の流れ、霊気の流れ、人の流れ、魂の流れ。
其れを説いて貰った私には、理解出来た。
自然を身体の一部とし、霊気を力とし、人の流れを血脈とし、魂を撃ち出す。
全てを連なる流れとすれば、奥義は自ずと発現する。
「流れを掴むが良い。頭から手から足から心へと。霊力を全身に廻らせ、守りたい者を思い浮かべよ」
私は全身に満ちる霊力を廻り廻らせ、妹紅を、里の人々を、幻想郷を思い浮かべ。
「想いを撃ち出すのじゃ。其れは何者にも負けない矛となる!」
私は熱い想いを、心を感じて妖忌殿に感謝をした。
短い間でしたが、貴方は最高の師匠でした。
私に何が出来る訳ではありませんが、せめて此の奥義を感謝の気持ちとします!
そうして私は奥義を、込めた想いを発現しようとして―――――――
「但し奥義は尻から出る」
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妖忌の爺さん、あんたなに教えてんですかw
>>イタコの危険性を説かれた騒霊三姉妹の反応が気になる
物凄く困った顔をしたそうな。
>>ちょwww
うはwwwwwwwおkwwwwwwwww
>>ちょwww一週間コースしか選択肢なかったのにその仕打ちwwwww
落ち着け!コレは妖忌爺の罠だ!!
>>グルグルだとォ!?www
最後の絵柄より中盤の柔らかい絵柄の方が好きでした。
>>爺さん、何教えてるんだよと言う前に何故それを先に言わないw
妖忌さんそろそろ忘れっぽくなってきてるから……。
>>霊符「イタコスパーク -ただし奥義は尻から出る-」!
尻符「イタコスパーク」の方がいいカナ。カナ。
そしてやっぱり誰も壊れてない様に見えるのは私がおかしいからか。