「風が吹けば桶屋が儲かるって言うじゃない」
「いきなりねレミィ」
「いいのよ悪魔だし」
「プリン・ア・ラ・モードね」
「『ヒーローは神出鬼没! どこから現れるかわかるようではヒーローとは言えない。それは悪魔にも言えることだ』の略だったわね。いつ聞いてもいい言葉だわ」
「ねえ。私が読書をやめない理由をわかってもらえるでしょう」
「ところで、パッチュンプリンの生産販売計画はどうなってるの」
「小悪魔が今、生産ラインと流通ルートの確保に奔走中。それができればすぐにでも幻想郷中に流通するわ」
「これで紅魔館の台所も潤うわね。あ、そういえば私まだ試食してないんだけど」
「やだ、レミィ……恥ずかしい……」
「大丈夫、ここには私たち二人しかいないわ」
「……まだ宵の口よ。みんな起きてる」
「食べたい。今すぐ食べたい」
「……心の準備が」
「よいではないかよいではないか」
「……ダメ。それ以上は……恋人になってから、ね?」
「あはは。私の負けね」
「やーい負けレミィ」
「むか。トサカにきた」
「常日頃あのトサカをぷにぷにと触ってみたいと思う」
「でも実際やってみると大した触り心地じゃなかったりするわよ」
「人生ままならないわね」
「人間じゃないけどね」
「人でなしね」
「ところで風の話だけど」
「どういう風の吹き回し?」
「吹き回すという日本語がイマイチわからない」
「考えるな、感じろ」
「死亡遊戯という響きに胸キュン」
「遊戯といえばDMになった途端に中の人が変わったことが今でも許せない」
「ドン☆」
「バン☆」
「『デーモンの召喚を攻撃表示で召喚!』って二回も言うな」
「さすが悪魔。もっともだわ」
「えっへん」
「何の話だったっけ」
「桶屋だったかしら」
「おっけーね」
「そいつらのせいで『れみりあ うー』が今年も幻想郷流行語大賞を逃した」
「ただ言ってみたかっただけだった。反省はしている」
「うるさいうるさいうるさい。あんたも敵。『うー ぱちゅりー』が今年再燃の予感、って天狗の新聞に書いてあった」
「違うのレミィ」
「言い訳は聞きたくない帰れ赤眼鏡」
「違うの……! あれは来年のレミィブレイクを見据えた露払い!」
「……」
「これで『えーりん』も『くれらっぷ』も『みょん』も駆逐して、『ぱちゅりー』ブームが下火になったときにあなたの時代よ!」
「……」
「策も、あるわ」
「…………どんな?」
「そろそろどっかの音屋さんがやってくれると信じてる」
「他人任せね」
「動かない大図書館だし」
「……えーと」
「風と桶屋の話よね」
「ナイスアシストよパチェ」
「いつまでも親友でいようね」
「とにかく、あれが納得いかない。あんな運命、私は認めない」
「あれはね、風が吹くと砂埃が……」
「知ってる。でも私を舐めないで。運命については定評のある私よ」
「激しく舐めたいけど、とりあえず置いておくわ」
「とにかく、あんなデタラメを許すわけにはいかない」
「……じゃあ、風が吹いて、それが直接的に桶屋の儲けになる例を見せればいいのね」
「見せられるの?」
「私の言うとおりにして」
「わかった」
「とりあえず、これから数日ぱんつをはかないこと」
「なにそれ。……必要なことなのね? いいわよ」
「持つべきはモノ分かりのいい友ね」
「んしょ……はい、これでいいんでしょ」
「ありがとう。このピンクのは競売にかけるわ」
「次はどうすればいいの」
「じゃあ、このハサミで」
「え、なに、ちょ、危ないじゃない」
「じっとしてて、危ないから。……このスカートを、切る」
「え、本当に? ……あー、結構高いんだけどなあこの生地。咲夜が卒倒するわ」
「大丈夫よ」
「なんかわからないけど大した自信ね。……あー、そんなに短く切っちゃうんだー……」
「はい、終わり」
「スースーするわ」
「ナイス太もも」
「それで、どうするの?」
「その格好で普通に生活すればいいわ」
「これで、桶屋が儲かるのを見れるの?」
「インディアン、嘘つかない」
「パチュリーはインドネシアじゃないの」
「いいの、タミル語だし」
「なんかよくわからない」
「ググれ」
(Good End)
流石、頭良いなパチュリー。
さすがは(おそらく)頭脳明晰な二人の会話だ
凡人の俺にはそのすばらしき理論展開は構築不能だぜ
十を聞いてやっと十が理解できました
新商品に「むっきゅんプリン」を提案します、社長。
>パチュリー頭良いな
本当に頭がいいのは、会話とも呼べるか疑わしいアレなやり取りを繰り広げる彼女らというよりは、そこから真実を読み取った読者の皆様なのだと思います。
>2つ並んだパッチュンプリンが食いたいとです。
「パチュリー様は着やせする」と図書館司書が申しておりました。
>新商品に「むっきゅんプリン」を提案します、社長。
「今日からあなたの直接の上司になる小悪魔です、よろしく」と図書館司書が申しておりました。
>俺も「緒方さん…(´・ω・`)」ってなった!
あの声で発せられる、「さあ、闇のゲームを始めようか……」という決めセリフに心動かされたのも今は昔。泣いた。
「『ヒーローは神出鬼没! どこから現れるかわかるようではヒーローとは言えない。それは悪魔にも言えることだ』の略だったわね。いつ聞いてもいい言葉だわ」
この繋がりだけがわからんけど笑ったww