Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

それは夢の夢の在る話

2006/07/23 14:19:46
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それは紅魔館の門前で、人形遣いと門番が談笑していた珍しい日
そんな日の夕方の事だった

「それで私は大丈夫だって言ったら、お母さんの頭の上から『たくましいなw』なんて聞こえたのよ」

「頭の上? 」

「えぇ。それが気になって見ると、一括りにしてある髪が突然スポンッと抜けて飛んでったの! 」

「髪の毛が!? 」

人形遣いが其の時の驚きを表現するかのように、普段と違い手振り身振り人形振りで説明する
その大げさな説明に一喜一憂する門番、素直な反応に人形遣いの説明にも熱が入った

「髪の毛が! しかも飛んでいく途中で変に太い足を生やして『たくましいなw』とか言って走って逃げるし! 」

「凄い髪の毛ですね! 」

「最初はお母さんの悪戯かと思ったけど、お母さんも凄く驚いていて!」

「それはなんとも夢のある話だな」

「・・・・・・・・・・え? 」

「・・・・・・・・・・お? 」


声が聞こえた
人形遣いが昔の事を思い出し門番が人形遣いの話に感心していた中に、聞き覚えの無い声が聞こえたのだ
当然会話も止まる、まるで怖い怪談を聞いた半霊の庭師のように二人の顔から血の気が引いていた

「・・・・・・・どっちから? 」

「・・・・・・・貴女でしょ? 」

門番の顔が青くなり、人形遣いが恐る恐るといった風に門番の頭上を見上げる
其処には帽子と、それについている太陽の光を受けて光り輝く星の飾りがあった




「いや、こっちなんだがな」 ボインッボインッ

門番の胸が持ち主の意思に反して激しく動いて喋った

「うわ!? うわぁ!? 」

「動いて喋って動いてるぅー!? 」

人形遣いが恐れるかのように門番から距離をとり人形達が己の主を守るかのように立ちふさがる、門番は混乱していた

「おっとすまない、驚かせたようだな」  バインッボインッ

そんな二人の行動をよそに、門番の胸が激しく自己主張しながら紳士的に謝る
人形遣いは逃げ出した、しかし回り込まれた

「ま、待って! こんな訳の分からない状態で私だけ置いていかれても困るから! 」

「離して! こんなの私だって知らないわよ! それに今日の晩御飯はシチューだから早く帰って煮込まないと! 」

逃がすまいと立ちふさがる門番に、人形遣いは咄嗟に思いついた用事を述べて帰ろうするが帰してもらえない

「コトコト煮込まないと! 」

当然ながら門番はそんな理由で帰さない、せめてこれを何とかして行けと言いたいのか背中から抱きついて胸を押し付ける

「少し窮屈であるな」 ムギュッムギュッ

「あ、当たってる! 当たってるから! 」

「当ててるんですよ! 」

押し付けられた胸が狭苦しそうにもがくが、それは人形遣いに大きな胸の柔らかさを伝えたに過ぎなかった
そんな状況に埒が明かないと判断した門番は、捕まえていた人形遣いの向きを素早く反転させて抱き上げるかのように胸を押し付けた

「胸に胸があたってるわ! そんなに強く抱きしめないで! 」

「えいっ! うつれ! このっ! 乗りうつれ! 」

「私にうつす気なの!? 」

ちなみにこの行動、門番は心の底から本気である
人形遣いは喋るそれがうつる可能性に恐怖しながら、門番の髪からかすかに香るお日様の匂いに走馬灯の如く母を思い出していた
連想的に母の髪の毛を思い出し更なる恐怖が襲うが、自分とは違って鍛えている腕と大きな胸に抱きしめられる感触が気持ち良くて動けない
人形遣いの人形達はその光景に両手で恥ずかしそうに眼を覆う、しかし手のスキマからばっちり見てるのはお約束か

「うつれと言うが、残念ながらこの大きさでは私を受け入れるだけの容量が足りんな」ムギュムギュ

その声を聞いて、門番が鬱った
鬱って手の力が抜けたのか、人形遣いが相手との背丈の違いから少し落下して途中の突起物に顔を挟まれる

「君も物好きだな」  ボインッパフンッ バインッパフンッ


紅魔館門前にて、人形遣いの鼻血が七色の綺麗な虹を描いた
虹を描いたこれは幻想郷にて二人目の快挙であり、人形遣いの名が歴史に刻まれて歴史をつかさどる半獣が数日苦しむ事になったのは別の話






「で、私にどうしろと? 」

「何か知っていたら教えて頂けないかと」

出血多量気味の人形遣いは人形達に運ばれて家に帰宅、今頃は人形達が頑張って美味しいシチューを作っていることだろう
そして残された門番は職務放棄である事にナイフが飛んで来ないかを恐れつつ、紅魔館の知識人たる魔女の元へとやってきていた

「全ての物に神が宿る、神道における八百万の神と呼ばれる存在を知っているかな? 」  ボインップルルン

「はい解決」

「神様!? 」

即効で解決した、と言うか魔女は何もしていない

「あぁ、名前は『やわらかいなw』で良いんじゃない? 」

「やわらかいなw」   ボヨヨンッ

「胸に変な名前までつけられた! 」

それに満足したのか、魔女は本を読むことを再開する
全然門番的に解決していない混乱から門番が本を読む魔女の顔に胸を押し付けた、本を読んでいた魔女は避けれない

「私が聞きたいのは、これが元に戻るかですよ!? 」

「むぐ・・・・・むぎゅー!? 」

「また、無意味に多くの血が流れる事になるな」   ムギュンムギュン


動かない ( で欲しい ) 大図書館、その暖かい胸に抱かれて

憤死

ダイイングメッセージは血文字で『やわらかいw』であり、第一発見者は図書館の司書を勤める小さな悪魔であった
司書はそのダイイングメッセージから
『やわらかいw』 → 『や ら いw』 → 『やらいでゅ』である事を解読し、その迷推理振りを発揮
秘伝のコンブを使って事件を解決に導いたがあまり意味は無い、使用したコンブは関係者一同で美味しく頂きました
この司書も意外と胸は大きかったが、残念ながら喋らなかったそうだ





「ふーん、面白そうだから当分その儘でいろ」

「酷っ!? 」

「・・・・・・お嬢様」

「ふむ、薄情な主がいたものだな」  ボインッボインッ

魔女が使えないと分かった門番は、最後の手段と己の主人に泣きついた
だが泣きついた相手は紅い悪魔、部下の泣き言を面白いとばっさり斬り捨て直すなと命令する
流石に見かねた悪魔の従者が、喋るたびに蠢く胸へと殺意を向けながら眼を爛々と紅く明滅させていた
胸はその殺意を受け流すかのように無限軌道(∞)を行っているが、更なる殺意を芽生えさせるに過ぎないのであった

「胸に神が宿る、ねぇ。どう見ても妖怪だけど、何で胸が? 」

「うぅ、分かりません。私が聞きたいくらいですよ」

「其処のメイドがきっちりと、一日一揉み一舐め一吸い一拝みを欠かさず繰り返したおかげだろうな」  バッヨエーン

聞けば応える『やわらかいなw』は紅魔館の知識胸、そんな運命を悪魔は垣間見る
悪魔の従者は唇をとがらして瀟洒にそっぽを向いた、口笛が鳴らずに息吹の音が虚しく部屋に木霊する

「咲夜さーん!? 」

「胸参拝は毎日行う事が基本なのよ」

「いわば私は君達の子か。母と呼んでも良いかな? 」  ブルッブロンッ

「こんな子は嫌ー!? 」

「咲夜、認知してあげれば? 」

「責任は取ります」


次の日、紅魔館の門番とメイド長のによる出来ちゃった婚が行われたそうな
来週は
『子供の性別どっちかな? 』 『硬くなに胸』 『すれ違い交差する愛』
の三本でお送りするかな
楽しみに待つように、それではな
ボインッボインッ
根っこ
コメント



1.名無し削除
バロスwwwwww
2.煌庫削除
何か新しい神がー!?
3.名無し妖怪削除
やわらかいなwwwww
4.名無し妖怪削除
やわらかいなwwwwww
5.偽皇帝削除
いやちょっと待て。
「バッヨエーン」って、ぷよ?
6.名前が無い程度の名前削除
やわらかいなwの声が若本ボイスで再生されるから困る