「レミィ、貴女の妹だけど。」
紅い魔の館にて、館の主とその親友である魔女がお茶を楽しんでいた時だった。
魔女がふと何かを思い出したかのように、親友である紅い悪魔に語りかける。
「今の内に情操教育をするべきね。」
「・・・・・・・・・また? 」
そんな魔女の語りかけに、悪魔は何かを思い出したのか眉を顰める。
悪魔の脳裏には過去何度も行われた情操教育という名の弾幕勝負が映し出されていた。
「何を心配しているのか分かるけど、今回は大丈夫よ。」
「偉く自信ありそうだけど本当に大丈夫? 前みたいに私が
『綺麗に真っ二つになりました! コレで私はレミリアとスカーレット! 』
なんて落ちで終わらせるのは嫌だからね。フランも全然笑ってくれなかったし。」
「アレは少し最先端過ぎたのよ。その証拠に、傍で見ていた私は笑い倒れて一週間寝込んだ訳だから。」
「・・・・・・そうか、ちょっとトレンディ過ぎたのか。」
そんな二人の会話に心の中だけで突っ込みを入れる完全で瀟洒な従者は、二人の冷めた紅茶を下げて暖かい紅茶を時を止めながら入れていた。
紅茶を入れ終わると何事も無かったかのように己の主の後ろに控えるメイド長、まさにメイド長。
「それに今回はこれよ。」
「・・・・また、本じゃない。」
魔女が取り出したのは一冊の本だった、普段彼女が読む本と比べると余りにも薄かったが。
そんな不満を言う悪魔に、魔女は本を広げて悪魔に見せる。
「何か、えらく文字が少ないけど。」
「絵本と呼ばれる、本の内容を文字ではなく絵で理解するように書かれた物よ。」
「それで? 」
「貴方達姉妹は、文字が多い本を渡すと途中で癇癪を起こして暴れだすから私が態々この絵本を探してきたの。」
「パチェが簡単な事をわざと分かりにくいように回りまわって書いてる面白くない本を渡すからね。」
魔女が若干恨めしそうに親友を見詰めるも、悪魔は澄ました顔で肩をすくめる。
だがメイド長は己の主人が流す一筋の汗を見逃さなかった、勿論時を止めて魔女が気づく前に舌で舐め拭いた。
「この味は、嘘をついている味です。」
止まった時の中で満足そうに呟く、そして何事も無かったかのように己の主の後ろに控えるメイド長。
当然会話に意識を向けている悪魔は気がつかない、魔女は親友の後ろで満足した笑顔のメイドを見て何をしたのか理解するが勿論教えない。
世の中には知らない方が良い事は確かにあるのだ。
「で、その絵本とやらをフランに見せるの? 」
「まさか。」
魔女は本を持ったまま器用に肩をすくめ、何時取り出したのか紙で出来た冊子を悪魔に渡す。
受け取った悪魔が冊子を見ると、其処には『天使と三匹の悪魔 -台本-』と書かれていた。
「台本? 」
「大人しく読むはずが無いなら、騒がしくやって貰うまでって事。」
『天使と三匹の悪魔』
昔々、ある所に三匹の悪魔がいました。
悪魔は仲良く一緒に住んでいたが、一番年上の悪魔がそろそろ自立をするべきだと考えました。
その考えを聞いた二匹の悪魔も、其れは良い考えだと思い自立することにしました。
不公平を無くすべく今まで住んでいた家はそのままにして、三匹の悪魔はそれぞれ自立の道を歩むのでした。
しかしそんな悪魔達の元へ、なんと天使がやってきたのでした。
「それじゃあ、はじめましょうか。」
「私が一番年上の悪魔だろう。」
「次の悪魔は私で良いよね! 」
「それじゃあ、私が一番年下の悪魔ですね。」
「天使、ねぇ。」
紅魔館の地下深く、館の主の妹が暮らす部屋に、悪魔と魔女と連れて来られた門番とメイド長が集まっていた。
普段は誰も来ない自分の部屋に大勢来たので、悪魔の妹は嬉しそうに興奮している。
メイド長は渡された天使と言う配役と台本の内容から己のするべき事を理解する、ちょっと鼻血が垂れていたが残念ながら誰も気がつかない。
「悪魔役の三人は其処に入って。」
そう言って魔女が指示する場所には、小さな家をぶった斬ったかのような『 壁が無くて中が見える家 』があった。
「あははは、変な家ー! 」
「ほらほら、二人とも速く来なさい。」
「うわー、扉の部分とか凄く凝ってますね。」
ワイワイと騒がしくもヤンワリとした雰囲気に魔女は台本を片手に頷く、掴みは上々。
三人が家に入ったのを確認し水晶球に手をかざす、すると水晶球から日常を思い起こさせる長閑な音楽が流れた。
三人は驚いたがすぐに理解し、物語を始める。
『仲が良い事は悪い事では無いが、自分の力で自立する事も生きていく上で大切な事だろう。』
『そうね、何時までも一緒にいられるとは限らないし。メイリンもそう思うよね? 』
『えぇ、勿論ですよフランドール様。』
『違うでしょ? フランお姉さま、でしょう? 』
『へ? 』
『は? 』
『今の私は、貴女の姉なの。ほら、言って。』
『え、えっと。フランお姉様? 』
『ふふ。メイリン、帽子の星が傾いていてよ? 』
『え? え? 』
「カーーットォ! 」
魔女の鋭い声と音楽の停止が、演劇を一時的に中止させる。
勿論絶好調だった悪魔の妹は不満そうだ、だが門番は安堵の溜息を付いていた。
悪魔は自分の妹が行った行動に混乱していて、魔女は何も台本の内容まで壊す事は無いだろうと嘆いていた
「フランドール、アドリブも良いけどちゃんと台本の内容を進めなさいよ。」
「はーい! 」
悪魔の妹は止められた事に不満を持ったが、自分の行ったアドリブが注意されなかったので元気に返事をした。
「良い返事ね。それと門番も混乱してないでちゃんとアドリブに合わせなさい。」
「そんな、無茶言わないでくださいよ。」
悪魔の妹が行った予想外の出来事に少し動揺している門番、魔女の注意に肩を落す。
「無茶でも良いからとにかく合わせなさい。それじゃあ其の部分はもう良いから、次の家を出る所から始めましょう。」
「・・・・・・・・・・・。」
「レミィ? 」
「あ、いや。何でも無いわ。家を出るところね。」
音楽が再び流れ始める。
『自立する事の大切さが分かってもらった所で、早速この家を出ようか。』
『そうね。それじゃあメイリン、行きましょう。』
『はい、フランお姉、様? ・・・・・何で手を繋ぐのでしょうか? 』
『何言ってるのよメイリン。一緒に自立する為に決まってるじゃない。』
『一緒に、自立? 』
『フラン! ちょっと待ちなさい! 』
『あら、レミリアお姉様。何かしら? 』
『何で私とではなく美鈴となの!? 』
『突っ込む所は其処ですか!? 』
『お姉様は自立するんでしょ? それなら一緒にいちゃいけないのよ』
『貴女も自立するんでしょ!? 』
『勿論よ。でもレミリアお姉様は今の年齢まで自立しなかったのに、年下の私達が今から自立するなんて不公平でしょ? 』
『うぬぅ!? ・・・・・そうなの? 』
『だから私達はお姉様と同じ年齢になるまで二人で自立するの。』
『ぐ・・・・・・・そ ( おのれ美鈴! 私の可愛いフランを独り占めする気か!? 場合によっては貴様の運命を操作する準備完了! ) うか。』
『フ、フランお姉様!? やはり ( ちょ、本気ですか!? 落ち着いてくださいって単なる劇ですよ!? ) 自立と言うからには一人立ちという意味も兼ねましてやはり一人の方が良いと思います! 』
『んー、それもそうね。それじゃ、一人で自立しましょうか。』
『そうしましょう! 』
「カットォー! 」
魔女が鋭い声で演劇を止める、しかし先程と違い今度は物語が進んだので満足そうだ。
悪魔は妹から見えない位置で門番の尻に向かってパンチしていた、左の高速ジャブだが当たっても音が出ないよう浸透する中々に高等技術を使っている。
尻を殴られている門番は己の主が撃つ打撃を気で防いでいた、後ろだから見えない上に高速の打撃なので至難の技だが今は何とか防いでいる。
「今のは良かったわ、フランドール。物語の矛盾を冷静に突きながら内容を進めていたアドリブは天才的ね、名役者よ。」
「えへへー。」
褒めて伸ばすのが情操教育の基本、魔女はそう思いながらも実際に少し感心していた。
今までは姉の言葉に対して冷静に反論する事など無かったのだ、深く狂気に飲み込まれている時は反論と言うより抵抗であったし。
そしてやはり今になってこの劇を行う事は間違っていないと確信する、私の勘は間違っていなかったと。
「門番は、ちょっと焦り過ぎだしレミィと目で会話し過ぎね。」
「うぅ、すみません。」
呼び止められて門番が止まれば、後ろから打撃を入れていた悪魔が勢いのまま尻に顔をぶつけて挟まれた。
尻に、顔を挟まれた。
すぐさま離れたものの、悪魔は一瞬だったが確かに感じた未知の柔らかさに戦慄していた。
「三人とも、次はそっちに行って。」
そういって魔女が指示したのは、草の束と木の束と石の束の置いてある場所だった。
台本に載っていた自分の役で使う束の前にそれぞれが立つ。
「それでは、私の出番ですね。」
そう言って現れたのは、どこから調達したのか白い羽を背負ったメイド長だった。
服装がメイド服のままなので違和感が凄い、だが不幸にもこの場でそれを言い出す者は居なかった。
「まずは一番年上の悪魔からね。」
「・・・・・・・ん、私だな。」
「お嬢様、よろしくお願いします。」
魔女の言葉で平静に戻った悪魔が台本の内容を思い出しながら草の束を掴む。
音楽が始まった。
『自立するとは言ったものだけど、家を建てるのは面倒だな。まぁ今日はこの草で適当に日を防げれば良いか、明日は何処かの家を貰えば良いだけだし。』
『悪魔、其処に居るのは悪魔ですね? 』
『うわ、何でこんな所に天使がいるのよ? 』
『悪魔は退治しなければなりません。大人しくその家から出てきなさい。』
『誰が出るか。』
『仕方ありませんね。すぅー・・・・・・・・・っふん! 』
『ひゃぁ!? 鼻血混じりの鼻息で家が!? 普通に凄っ!? 』
『悪魔を退治ー! 』
『何で抱きつこうとする!? それ絶対退治じゃないから! 咲夜! 真面目にしなさい! 』
『くっくっくっ! 悪魔の言葉などに耳を傾ける事は無いと知れ! 』
『ひぃ!? や、止め! 舐めるな撫でるな吸うな抱きつくなー! 』
『ぐふっ!? ナ、ナイスパンチ。だが私は天使として諦めない! 』
『・・・・・・・・良し、その心意気に免じて半殺しで許してやろう。』
「カットカットカットォー! 」
魔女は進まない内容と台本無視して弾幕ごっこをはじめようとする悪魔と其の従者に向かって、停止の声と一緒に魔法をぶちかました。
半分本気になり始めていた悪魔は魔法によって水を差され、文字通り水に突き刺されて正気に戻る。
其の従者は気がつけば瀟洒な様子で何事も無かったかのように魔女の傍に控えていた、基本的にこういう自分以外の者がやる要領の良い対応は嫌いなので魔女は手に持った本でメイド長に地獄突きを遂行。
悪魔の眼から見ても霞んで見える魔女の突きは見事メイド長に突き刺さったが、当たったはずのメイド長はすぐさま姿が消えて涙目で門番の後ろに立っていた。
やはり痛かったらしい、悪魔は己の従者さえ捕らえうる魔女の放った業の技に戦慄した。
「まぁ、其処のメイドは少しやりすぎな気もするけど基本的には良いとして。」
「良いの!? 」
「レミィ、貴女スペルカードなんて出して何をする気だったのよ? これは弾幕ごっこじゃなくて演劇なの、自重なさい。」
「あんな事されたら出るわよスペルカードの一つや二つ! 寧ろ爪で斬り裂いたりしなかっただけ我慢したのよ!? 」
「じゃ、次ね。」
「・・・・・・この劇が終わったら再教育だっ! 」
悪魔の怒りとやるせなさに溢れた嘆きの言葉を意図的に無視して、魔女は次の物語へ進むよう促す。
悪魔の妹はそんな姉の姿を面白そうに笑いながら見ていた、方法は何であれ悪魔は目的を達成したのだ。
そんな悪魔の妹を見て門番は『笑われる事と笑わす事は違うんだけどなぁ』と考えていたが声には出さなかった、言ったら言ったで『笑え! 』なんて無茶苦茶な事を言い出す己の主である故に。
メイド長は後で己の主を言いくるめる言葉を何通りか考えながら舞台に立つ、喉元が少し紅くなっていた。
舞台にそびえる少し不恰好な木で出来た家を見て魔女は満足そうに頷く、作る事の大切さと壊す事の簡単さを知りなさい。
先程までより、聴けばほんの少しだけ急いだ印象を受ける音楽が流れる。
『フラン! フラン! この扉を開けてちょうだい! 』
『どうしたのお姉さま? そんなに急いで。』
『良いから開けて! 天使が来たのよ! 』
『あらお姉さま、それなら尚更開ける事などできないわ。だって天使が来るんですもの。』
『見捨てるの!? 貴女を愛するたった一人の姉を見捨てると言うの!? 』
『自立したからには仕方が無い事だと思うけど。』
『 (フランお姉様、ちょっと可哀想じゃないですか? 入れてあげましょう。) 』
『・・・・・美鈴? 其処に美鈴がいるんだな!? 』
『幻聴ですわお姉さま、さぁどうぞ。』
『・・・・・・確かに居ないけどあいつも後で一緒に再教育だっ! 』
『そんな事より、天使が来たみたいだけど。』
『天使です、先程この家に悪魔が逃げ込んできませんでしたか? 』
『確かに逃げ込んできたわね。』
『フランー!? 』
『引渡して頂けないでしょうか? 』
『別に良いけど。』
『フ、フランー!? 』
『もう、お姉さまったら。冗談に決まってるじゃない。」
『うぅ、そうよね。フランがわたしをみすてるなんてありえない、ありえないよね。』
『どっせーいっ! れみりゃさまー! わっしょーいっ! ふりゃんさまー! 』
『あぁ!? 私が ( メイリンと ) 頑張って作った木の家が! 壊れないよう魔法もかけたのに! 』
『ノン、悪魔のかけた魔法など天使の持つ愛の前では無力なのです。貴女も悪魔ですね、諦めて私の愛で退治されないさい。』
『むぅー・・・・いいもん! メイリンの家に行くから! べぇーっだ! 』
『あ、待って! フラン、待って! 私を置いてかないでぇ! 』
「カット! 」
魔女は静止の声を上げて満足げに頷いた、いつの間にか黒と白の縞々が入った『カンッ! 』と言う音を出す不思議なものを持っている。
悪魔は妹の腰に離してたまるものかと抱きつきながら引き摺られていた、妹はちょっと鬱陶しそうな感じで姉を引き摺りながら壊れた木の家を見ていた。
メイド長は木の家を壊すときにちょっと気合を入れすぎたのか血を流していた、それを門番が治療しているがメイド長の鼻血は中々に止まってくれない。
「さぁ、とうとう最後よ。」
魔女の言葉に、それぞれが想いを胸に舞台に立つ。
テンポの速い急がせる音楽が流れ、物語は佳境を迎える。
― 末の悪魔が石で作った家の中で寛いでいた時の事です。
『メイリン! 開けてメイリン! 』
『美鈴! 開けなさい! 』
『はいはい、今開けますよー。』
― 年上の悪魔達があげる切羽詰った声に、末の悪魔は扉を開きました。
『二人とも、どうしたんですか? 』
『天使が来たの! それで家を壊したの! 』
『あぁ、それは大変でしたね。』
― 事情を聞いた心優しい末の悪魔は、天使に追われる年上の悪魔達を匿う事にしました。
『天使です。悪魔を迎えに来ました。』
『来たわ! 』
『どうするの!? 』
『大丈夫ですよ。』
― 天使が追いかけて来た中、末の悪魔は天使を説得しようと試みます。
『天使さん、私達は悪魔ですが何も悪い事をしてません。それでも退治しようとしますか? 』
『勿論です。私の愛で退治します。』
『天使さん。この家は石で出来ていてとても硬いです。それでも退治しますか? 』
『無論です。私の愛の前では石など紙も当然、だっしゃー! 』
― 説得を聞かない天使が末の悪魔が作った家に、年上の悪魔達が作った家を壊したように壊そうとしましたが壊れませんでした。
『ちょ、罅!? 罅入りましたよ!? 咲夜さん! 何で本気出してるんですか!? 』
『私は天使ですからー! 愛ゆえに! 石如きに私の愛は止められないのよ! 』
― 天使がいくらやっても、壊れませんでした。
『仕方がありません! 私が気でなんとか防いでいるうちにお嬢様とフランドール様は魔法でなんとかしてください! 』
『任せてっ! あとフランお姉さまと呼びなさい! 』
『あんまり魔法は得意じゃないんだけど、この際文句は言ってられないわね! 』
『貴女中々やるわね! それじゃぁあ私と貴女、どっちの愛が強いか勝負よ! 』
『強くなった!? で、できる限り早くお願いします! この調子で行くと長くは持ちそうに無いですから! 』
― 様々な方法で天使はその堅い家を壊そうとしたり、中に入り込もうとしましたが失敗しました。
『ふぅ、これで大丈夫かな? 』
『これで破られたら破られたらで凄いわね。』
『た、助かりました~。』
― 天使は何をしても無理だったので、寂しそうに背中を丸めて帰って行きます。
『ちょっと可哀想ね。 ( 棒読み )』
『はぁ、此処までされると微妙だな。』
『えっと、コレを使いましょう! 』
― そんな寂しそうな天使を見て、悪魔達は天使を家に
『何コレ? 幻符? 』
『ちょっとアレンジされてるわね。どんな効果なのよ? 』
『確か、使われた本人が今一番恐ろしいと思う幻覚を映し出す効果があったはずです。弾幕ごっこで使えないので持ってるだけですけど。』
『ふーん、いいんじゃない? 』
― 家に入れて
『 幻符【 恐想怖葛 】』
【 咲夜! 私の成長した姿を見なさい! これぞ不夜城マッチョ! 】
『!? mcぱむくnm/;ラcrmir/aヴァrmcるv。んvランcr。vn。。!?』
『うわ、凄い混乱してるね。』
『・・・・・・・・何でこんなのを一番恐れるんだか。』
『これで今日一日は大丈夫なはずです。でも外に置いておくのも可哀想なので、家に入れてあげましょう。』
『貴女の家よ、好きになさい。』
― 家に入れてあげました。感動した天使はもう二度と悪魔を退治しないと誓い、悪魔達と仲良く暮らしました。
・めでたしめでたし
「リテイク」
・めでたしめでたし
紅い魔の館にて、館の主とその親友である魔女がお茶を楽しんでいた時だった。
魔女がふと何かを思い出したかのように、親友である紅い悪魔に語りかける。
「今の内に情操教育をするべきね。」
「・・・・・・・・・また? 」
そんな魔女の語りかけに、悪魔は何かを思い出したのか眉を顰める。
悪魔の脳裏には過去何度も行われた情操教育という名の弾幕勝負が映し出されていた。
「何を心配しているのか分かるけど、今回は大丈夫よ。」
「偉く自信ありそうだけど本当に大丈夫? 前みたいに私が
『綺麗に真っ二つになりました! コレで私はレミリアとスカーレット! 』
なんて落ちで終わらせるのは嫌だからね。フランも全然笑ってくれなかったし。」
「アレは少し最先端過ぎたのよ。その証拠に、傍で見ていた私は笑い倒れて一週間寝込んだ訳だから。」
「・・・・・・そうか、ちょっとトレンディ過ぎたのか。」
そんな二人の会話に心の中だけで突っ込みを入れる完全で瀟洒な従者は、二人の冷めた紅茶を下げて暖かい紅茶を時を止めながら入れていた。
紅茶を入れ終わると何事も無かったかのように己の主の後ろに控えるメイド長、まさにメイド長。
「それに今回はこれよ。」
「・・・・また、本じゃない。」
魔女が取り出したのは一冊の本だった、普段彼女が読む本と比べると余りにも薄かったが。
そんな不満を言う悪魔に、魔女は本を広げて悪魔に見せる。
「何か、えらく文字が少ないけど。」
「絵本と呼ばれる、本の内容を文字ではなく絵で理解するように書かれた物よ。」
「それで? 」
「貴方達姉妹は、文字が多い本を渡すと途中で癇癪を起こして暴れだすから私が態々この絵本を探してきたの。」
「パチェが簡単な事をわざと分かりにくいように回りまわって書いてる面白くない本を渡すからね。」
魔女が若干恨めしそうに親友を見詰めるも、悪魔は澄ました顔で肩をすくめる。
だがメイド長は己の主人が流す一筋の汗を見逃さなかった、勿論時を止めて魔女が気づく前に舌で舐め拭いた。
「この味は、嘘をついている味です。」
止まった時の中で満足そうに呟く、そして何事も無かったかのように己の主の後ろに控えるメイド長。
当然会話に意識を向けている悪魔は気がつかない、魔女は親友の後ろで満足した笑顔のメイドを見て何をしたのか理解するが勿論教えない。
世の中には知らない方が良い事は確かにあるのだ。
「で、その絵本とやらをフランに見せるの? 」
「まさか。」
魔女は本を持ったまま器用に肩をすくめ、何時取り出したのか紙で出来た冊子を悪魔に渡す。
受け取った悪魔が冊子を見ると、其処には『天使と三匹の悪魔 -台本-』と書かれていた。
「台本? 」
「大人しく読むはずが無いなら、騒がしくやって貰うまでって事。」
『天使と三匹の悪魔』
昔々、ある所に三匹の悪魔がいました。
悪魔は仲良く一緒に住んでいたが、一番年上の悪魔がそろそろ自立をするべきだと考えました。
その考えを聞いた二匹の悪魔も、其れは良い考えだと思い自立することにしました。
不公平を無くすべく今まで住んでいた家はそのままにして、三匹の悪魔はそれぞれ自立の道を歩むのでした。
しかしそんな悪魔達の元へ、なんと天使がやってきたのでした。
「それじゃあ、はじめましょうか。」
「私が一番年上の悪魔だろう。」
「次の悪魔は私で良いよね! 」
「それじゃあ、私が一番年下の悪魔ですね。」
「天使、ねぇ。」
紅魔館の地下深く、館の主の妹が暮らす部屋に、悪魔と魔女と連れて来られた門番とメイド長が集まっていた。
普段は誰も来ない自分の部屋に大勢来たので、悪魔の妹は嬉しそうに興奮している。
メイド長は渡された天使と言う配役と台本の内容から己のするべき事を理解する、ちょっと鼻血が垂れていたが残念ながら誰も気がつかない。
「悪魔役の三人は其処に入って。」
そう言って魔女が指示する場所には、小さな家をぶった斬ったかのような『 壁が無くて中が見える家 』があった。
「あははは、変な家ー! 」
「ほらほら、二人とも速く来なさい。」
「うわー、扉の部分とか凄く凝ってますね。」
ワイワイと騒がしくもヤンワリとした雰囲気に魔女は台本を片手に頷く、掴みは上々。
三人が家に入ったのを確認し水晶球に手をかざす、すると水晶球から日常を思い起こさせる長閑な音楽が流れた。
三人は驚いたがすぐに理解し、物語を始める。
『仲が良い事は悪い事では無いが、自分の力で自立する事も生きていく上で大切な事だろう。』
『そうね、何時までも一緒にいられるとは限らないし。メイリンもそう思うよね? 』
『えぇ、勿論ですよフランドール様。』
『違うでしょ? フランお姉さま、でしょう? 』
『へ? 』
『は? 』
『今の私は、貴女の姉なの。ほら、言って。』
『え、えっと。フランお姉様? 』
『ふふ。メイリン、帽子の星が傾いていてよ? 』
『え? え? 』
「カーーットォ! 」
魔女の鋭い声と音楽の停止が、演劇を一時的に中止させる。
勿論絶好調だった悪魔の妹は不満そうだ、だが門番は安堵の溜息を付いていた。
悪魔は自分の妹が行った行動に混乱していて、魔女は何も台本の内容まで壊す事は無いだろうと嘆いていた
「フランドール、アドリブも良いけどちゃんと台本の内容を進めなさいよ。」
「はーい! 」
悪魔の妹は止められた事に不満を持ったが、自分の行ったアドリブが注意されなかったので元気に返事をした。
「良い返事ね。それと門番も混乱してないでちゃんとアドリブに合わせなさい。」
「そんな、無茶言わないでくださいよ。」
悪魔の妹が行った予想外の出来事に少し動揺している門番、魔女の注意に肩を落す。
「無茶でも良いからとにかく合わせなさい。それじゃあ其の部分はもう良いから、次の家を出る所から始めましょう。」
「・・・・・・・・・・・。」
「レミィ? 」
「あ、いや。何でも無いわ。家を出るところね。」
音楽が再び流れ始める。
『自立する事の大切さが分かってもらった所で、早速この家を出ようか。』
『そうね。それじゃあメイリン、行きましょう。』
『はい、フランお姉、様? ・・・・・何で手を繋ぐのでしょうか? 』
『何言ってるのよメイリン。一緒に自立する為に決まってるじゃない。』
『一緒に、自立? 』
『フラン! ちょっと待ちなさい! 』
『あら、レミリアお姉様。何かしら? 』
『何で私とではなく美鈴となの!? 』
『突っ込む所は其処ですか!? 』
『お姉様は自立するんでしょ? それなら一緒にいちゃいけないのよ』
『貴女も自立するんでしょ!? 』
『勿論よ。でもレミリアお姉様は今の年齢まで自立しなかったのに、年下の私達が今から自立するなんて不公平でしょ? 』
『うぬぅ!? ・・・・・そうなの? 』
『だから私達はお姉様と同じ年齢になるまで二人で自立するの。』
『ぐ・・・・・・・そ ( おのれ美鈴! 私の可愛いフランを独り占めする気か!? 場合によっては貴様の運命を操作する準備完了! ) うか。』
『フ、フランお姉様!? やはり ( ちょ、本気ですか!? 落ち着いてくださいって単なる劇ですよ!? ) 自立と言うからには一人立ちという意味も兼ねましてやはり一人の方が良いと思います! 』
『んー、それもそうね。それじゃ、一人で自立しましょうか。』
『そうしましょう! 』
「カットォー! 」
魔女が鋭い声で演劇を止める、しかし先程と違い今度は物語が進んだので満足そうだ。
悪魔は妹から見えない位置で門番の尻に向かってパンチしていた、左の高速ジャブだが当たっても音が出ないよう浸透する中々に高等技術を使っている。
尻を殴られている門番は己の主が撃つ打撃を気で防いでいた、後ろだから見えない上に高速の打撃なので至難の技だが今は何とか防いでいる。
「今のは良かったわ、フランドール。物語の矛盾を冷静に突きながら内容を進めていたアドリブは天才的ね、名役者よ。」
「えへへー。」
褒めて伸ばすのが情操教育の基本、魔女はそう思いながらも実際に少し感心していた。
今までは姉の言葉に対して冷静に反論する事など無かったのだ、深く狂気に飲み込まれている時は反論と言うより抵抗であったし。
そしてやはり今になってこの劇を行う事は間違っていないと確信する、私の勘は間違っていなかったと。
「門番は、ちょっと焦り過ぎだしレミィと目で会話し過ぎね。」
「うぅ、すみません。」
呼び止められて門番が止まれば、後ろから打撃を入れていた悪魔が勢いのまま尻に顔をぶつけて挟まれた。
尻に、顔を挟まれた。
すぐさま離れたものの、悪魔は一瞬だったが確かに感じた未知の柔らかさに戦慄していた。
「三人とも、次はそっちに行って。」
そういって魔女が指示したのは、草の束と木の束と石の束の置いてある場所だった。
台本に載っていた自分の役で使う束の前にそれぞれが立つ。
「それでは、私の出番ですね。」
そう言って現れたのは、どこから調達したのか白い羽を背負ったメイド長だった。
服装がメイド服のままなので違和感が凄い、だが不幸にもこの場でそれを言い出す者は居なかった。
「まずは一番年上の悪魔からね。」
「・・・・・・・ん、私だな。」
「お嬢様、よろしくお願いします。」
魔女の言葉で平静に戻った悪魔が台本の内容を思い出しながら草の束を掴む。
音楽が始まった。
『自立するとは言ったものだけど、家を建てるのは面倒だな。まぁ今日はこの草で適当に日を防げれば良いか、明日は何処かの家を貰えば良いだけだし。』
『悪魔、其処に居るのは悪魔ですね? 』
『うわ、何でこんな所に天使がいるのよ? 』
『悪魔は退治しなければなりません。大人しくその家から出てきなさい。』
『誰が出るか。』
『仕方ありませんね。すぅー・・・・・・・・・っふん! 』
『ひゃぁ!? 鼻血混じりの鼻息で家が!? 普通に凄っ!? 』
『悪魔を退治ー! 』
『何で抱きつこうとする!? それ絶対退治じゃないから! 咲夜! 真面目にしなさい! 』
『くっくっくっ! 悪魔の言葉などに耳を傾ける事は無いと知れ! 』
『ひぃ!? や、止め! 舐めるな撫でるな吸うな抱きつくなー! 』
『ぐふっ!? ナ、ナイスパンチ。だが私は天使として諦めない! 』
『・・・・・・・・良し、その心意気に免じて半殺しで許してやろう。』
「カットカットカットォー! 」
魔女は進まない内容と台本無視して弾幕ごっこをはじめようとする悪魔と其の従者に向かって、停止の声と一緒に魔法をぶちかました。
半分本気になり始めていた悪魔は魔法によって水を差され、文字通り水に突き刺されて正気に戻る。
其の従者は気がつけば瀟洒な様子で何事も無かったかのように魔女の傍に控えていた、基本的にこういう自分以外の者がやる要領の良い対応は嫌いなので魔女は手に持った本でメイド長に地獄突きを遂行。
悪魔の眼から見ても霞んで見える魔女の突きは見事メイド長に突き刺さったが、当たったはずのメイド長はすぐさま姿が消えて涙目で門番の後ろに立っていた。
やはり痛かったらしい、悪魔は己の従者さえ捕らえうる魔女の放った業の技に戦慄した。
「まぁ、其処のメイドは少しやりすぎな気もするけど基本的には良いとして。」
「良いの!? 」
「レミィ、貴女スペルカードなんて出して何をする気だったのよ? これは弾幕ごっこじゃなくて演劇なの、自重なさい。」
「あんな事されたら出るわよスペルカードの一つや二つ! 寧ろ爪で斬り裂いたりしなかっただけ我慢したのよ!? 」
「じゃ、次ね。」
「・・・・・・この劇が終わったら再教育だっ! 」
悪魔の怒りとやるせなさに溢れた嘆きの言葉を意図的に無視して、魔女は次の物語へ進むよう促す。
悪魔の妹はそんな姉の姿を面白そうに笑いながら見ていた、方法は何であれ悪魔は目的を達成したのだ。
そんな悪魔の妹を見て門番は『笑われる事と笑わす事は違うんだけどなぁ』と考えていたが声には出さなかった、言ったら言ったで『笑え! 』なんて無茶苦茶な事を言い出す己の主である故に。
メイド長は後で己の主を言いくるめる言葉を何通りか考えながら舞台に立つ、喉元が少し紅くなっていた。
舞台にそびえる少し不恰好な木で出来た家を見て魔女は満足そうに頷く、作る事の大切さと壊す事の簡単さを知りなさい。
先程までより、聴けばほんの少しだけ急いだ印象を受ける音楽が流れる。
『フラン! フラン! この扉を開けてちょうだい! 』
『どうしたのお姉さま? そんなに急いで。』
『良いから開けて! 天使が来たのよ! 』
『あらお姉さま、それなら尚更開ける事などできないわ。だって天使が来るんですもの。』
『見捨てるの!? 貴女を愛するたった一人の姉を見捨てると言うの!? 』
『自立したからには仕方が無い事だと思うけど。』
『 (フランお姉様、ちょっと可哀想じゃないですか? 入れてあげましょう。) 』
『・・・・・美鈴? 其処に美鈴がいるんだな!? 』
『幻聴ですわお姉さま、さぁどうぞ。』
『・・・・・・確かに居ないけどあいつも後で一緒に再教育だっ! 』
『そんな事より、天使が来たみたいだけど。』
『天使です、先程この家に悪魔が逃げ込んできませんでしたか? 』
『確かに逃げ込んできたわね。』
『フランー!? 』
『引渡して頂けないでしょうか? 』
『別に良いけど。』
『フ、フランー!? 』
『もう、お姉さまったら。冗談に決まってるじゃない。」
『うぅ、そうよね。フランがわたしをみすてるなんてありえない、ありえないよね。』
『どっせーいっ! れみりゃさまー! わっしょーいっ! ふりゃんさまー! 』
『あぁ!? 私が ( メイリンと ) 頑張って作った木の家が! 壊れないよう魔法もかけたのに! 』
『ノン、悪魔のかけた魔法など天使の持つ愛の前では無力なのです。貴女も悪魔ですね、諦めて私の愛で退治されないさい。』
『むぅー・・・・いいもん! メイリンの家に行くから! べぇーっだ! 』
『あ、待って! フラン、待って! 私を置いてかないでぇ! 』
「カット! 」
魔女は静止の声を上げて満足げに頷いた、いつの間にか黒と白の縞々が入った『カンッ! 』と言う音を出す不思議なものを持っている。
悪魔は妹の腰に離してたまるものかと抱きつきながら引き摺られていた、妹はちょっと鬱陶しそうな感じで姉を引き摺りながら壊れた木の家を見ていた。
メイド長は木の家を壊すときにちょっと気合を入れすぎたのか血を流していた、それを門番が治療しているがメイド長の鼻血は中々に止まってくれない。
「さぁ、とうとう最後よ。」
魔女の言葉に、それぞれが想いを胸に舞台に立つ。
テンポの速い急がせる音楽が流れ、物語は佳境を迎える。
― 末の悪魔が石で作った家の中で寛いでいた時の事です。
『メイリン! 開けてメイリン! 』
『美鈴! 開けなさい! 』
『はいはい、今開けますよー。』
― 年上の悪魔達があげる切羽詰った声に、末の悪魔は扉を開きました。
『二人とも、どうしたんですか? 』
『天使が来たの! それで家を壊したの! 』
『あぁ、それは大変でしたね。』
― 事情を聞いた心優しい末の悪魔は、天使に追われる年上の悪魔達を匿う事にしました。
『天使です。悪魔を迎えに来ました。』
『来たわ! 』
『どうするの!? 』
『大丈夫ですよ。』
― 天使が追いかけて来た中、末の悪魔は天使を説得しようと試みます。
『天使さん、私達は悪魔ですが何も悪い事をしてません。それでも退治しようとしますか? 』
『勿論です。私の愛で退治します。』
『天使さん。この家は石で出来ていてとても硬いです。それでも退治しますか? 』
『無論です。私の愛の前では石など紙も当然、だっしゃー! 』
― 説得を聞かない天使が末の悪魔が作った家に、年上の悪魔達が作った家を壊したように壊そうとしましたが壊れませんでした。
『ちょ、罅!? 罅入りましたよ!? 咲夜さん! 何で本気出してるんですか!? 』
『私は天使ですからー! 愛ゆえに! 石如きに私の愛は止められないのよ! 』
― 天使がいくらやっても、壊れませんでした。
『仕方がありません! 私が気でなんとか防いでいるうちにお嬢様とフランドール様は魔法でなんとかしてください! 』
『任せてっ! あとフランお姉さまと呼びなさい! 』
『あんまり魔法は得意じゃないんだけど、この際文句は言ってられないわね! 』
『貴女中々やるわね! それじゃぁあ私と貴女、どっちの愛が強いか勝負よ! 』
『強くなった!? で、できる限り早くお願いします! この調子で行くと長くは持ちそうに無いですから! 』
― 様々な方法で天使はその堅い家を壊そうとしたり、中に入り込もうとしましたが失敗しました。
『ふぅ、これで大丈夫かな? 』
『これで破られたら破られたらで凄いわね。』
『た、助かりました~。』
― 天使は何をしても無理だったので、寂しそうに背中を丸めて帰って行きます。
『ちょっと可哀想ね。 ( 棒読み )』
『はぁ、此処までされると微妙だな。』
『えっと、コレを使いましょう! 』
― そんな寂しそうな天使を見て、悪魔達は天使を家に
『何コレ? 幻符? 』
『ちょっとアレンジされてるわね。どんな効果なのよ? 』
『確か、使われた本人が今一番恐ろしいと思う幻覚を映し出す効果があったはずです。弾幕ごっこで使えないので持ってるだけですけど。』
『ふーん、いいんじゃない? 』
― 家に入れて
『 幻符【 恐想怖葛 】』
【 咲夜! 私の成長した姿を見なさい! これぞ不夜城マッチョ! 】
『!? mcぱむくnm/;ラcrmir/aヴァrmcるv。んvランcr。vn。。!?』
『うわ、凄い混乱してるね。』
『・・・・・・・・何でこんなのを一番恐れるんだか。』
『これで今日一日は大丈夫なはずです。でも外に置いておくのも可哀想なので、家に入れてあげましょう。』
『貴女の家よ、好きになさい。』
― 家に入れてあげました。感動した天使はもう二度と悪魔を退治しないと誓い、悪魔達と仲良く暮らしました。
・めでたしめでたし
「リテイク」
・めでたしめでたし
っつーか不夜城マッチョてwwwww
ヒィィィィ! 俺にも見えるよ!!!1
しかし咲夜さん、何なんですが貴女の鼻血は
なんか黒いものを感じるけど。
しかし、周囲がおかしな奴らばっかりでレミリアは戦慄させられてばっかりですな。
紅しまくりシューターの俺にはらくs…ら・・・
ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!
さりげなく中国は乳だけでなく尻も素晴らしいと描写されているのに!
…レミリアさまが目覚めそうで怖いなw。