最近になって紅美鈴は悩んでいた
( 何故か皆が私を中国と呼ぶ )
今更な悩みかもしれないが悩んでいた
悩みはじめたのは昨日の夜頃、珍しく一人で外出しようとする己の主人に
「ご苦労、中国」
と言われたからだった
言われて一時は労いの言葉をいただけて嬉しいと感じていたのだが、以前はちゃんと名前で呼んでくれていた様な気がして悩み始める
中国と呼ばれる理由には自分でも想像がつく
服装、能力などいかにも中国だと呼ばれても仕方が無いと思うぐらいに中国だ
しかし気がついた、少し前まではからかう様に笑いながら中国と呼ばれていたのに最近は普通に中国と呼ばれている事に
皆が普通に彼女を中国と呼ぶ、そのあまりの自然さは自分の名前がもしかしたら中国に改名されていたのかと思うぐらいだった
普通なら此処で嫌われているとか見下されているとか考えるのだろうが彼女は華人小娘紅美鈴、あ、紹介に華人って入ってるし
( これって、愛称? )
愛称とは本名以外で親しみや愛を込めて呼ぶ呼び名である
いやー愛されちゃってるなーと悩んだ末に照れはじめる様子は意外と可愛い
不幸にも目撃したメイドの一人が『ろざりお』と呼ばれる神具を取り出して彼女の首に巻きつけようとし、それを通りすがりのメイドが見て『ろざりお』を持つメイドに襲い掛かる
「貴様! 隠れキリ○タンか! 」
叫び声を聞いたメイド達の間で緊張が走る
自分がばれたのか、誰が隠れタンなのか
そんなメイド達の中に十新法ドロップと十字架ソバットで激突した二人のメイドから『ろざりお』が飛び込んできた
其れは一人のメイドの前で止まり、其れを見た複数のメイド達が叫ぶ
「「「「「「「「「 踏め! 踏め! 踏み潰せ! 」」」」」」」」」
『ろざりお』を前にしたメイドは覚悟を決める
我が神は我が心の内に在り、隠れタンだった
その覚悟が伝播したのか他の隠れタンも覚悟を決める、我絶対無敵也、何かが違う
「「「「「 我は我が神と共に在り! AMEN! 」」」」」
唱和、既にそれは魔法呪文の其れであり隠れタン達にそれぞれが信じる神の力が宿る
絶対多数による戦力差が覆り各々が己の全てを持って激突する、己の信念を持って激突する
其の日紅魔館にて小規模ながら殲滅戦さながらの激しい宗教戦争が勃発した、それを遠くから見ていた魔女は哂う
「踊れ踊れメイド共、地獄を見せろこの私に」
館の主人とその従者は、寝ていた
そして夕方、隠れタンが実はマ○ア主義だと判明しメイド達が和解した頃だった
和解したメイド達が夕日に向かって友情を叫びながら仕事をすると言う惨事に、メイドを統括するメイド長が溜息をつく
「仕事の効率、速度、成果ともに2割向上。そのかわり煩い」
どうやらメイド達の叫びに煩くて目覚めたらしい、だがちゃんと仕事をしているので文句も言いにくい
しかし目覚めたものは仕方が無いと開き直り紅魔館の門に向かう、自分の仕事は既に終わっていた
己の主人が目覚めるまで門番をからかって時間を潰そうと歩くメイド長、何故かナイフがちらつく
門番である紅美鈴は悩んでいた
愛称で呼ばれているのに相手を愛称で呼ばないのは、良くないのではないかと
( もしかして、私が相手を愛称で呼ばないからずっと愛称で呼ばれてる? )
何故そういう結論に至ったのかは不明だがそう決まったらしい
しかしこの紅美鈴、愛称で誰かを呼んだ事などなかったのだ
なんと呼べばよいのか、そう考えて思いつくのはいつぞやの魔法使い
自分を中国と最初に呼んだのは彼女だった、度々此処に来た時も紅魔館に住む者達を様々な愛称で呼んでいた
明るく友達が多そうな魔女だった、なるほど彼女が言っていた愛称を使えば良いのか
そう確信した紅美鈴の前に、メイド長である十六夜咲夜が現れる
それに気がついた彼女は何時も通り相手を呼ぼうとして魔法使いが言っていた愛称を思い出す
だから彼女は言う、満面の笑顔で
「おはようございます、パッド長」
門番の満面の笑顔に少し見とれていたメイド長の表情が凍る
何時の間にか握り締めていたナイフがギシリと軋む音を鳴らし、心に何かが突き刺さった
満面の笑顔で、悪意の一欠けらも無く、パッド長と彼女は言う
怒りよりも悲しみが勝ったのか、握り締めていたナイフが地面に落ちてモノ哀しい音を鳴らす
メイド長は片手で胸を押さえるように膝をついて蹲る、遠目にはメイド長が門番に土下座をしているようにも見えただろう
「わ!? 大丈夫ですかパッド長!? 」
さらに追撃
心の底から心配しているようで本当に心配しているのだろう、でもパッド長
幻聴か何かだとメイド長は思いながら、ナイフを己の耳に突き刺したくなる衝動を抑える
「パッド長! もしかして病気ですか!? なら速く紫モヤシに見てもらわないと! 」
遠くで誰かが吐血して倒れる音を聞いた気がしたメイド長は、パッド長と己を呼ぶ彼女の心配そうな表情と痛苦しい心に不思議な快感を見出し鼻血を垂らしながら気を失った
「パッド長!? パッド長ー!? 」
メイド長の身体は痙攣を開始した
( 何故か皆が私を中国と呼ぶ )
今更な悩みかもしれないが悩んでいた
悩みはじめたのは昨日の夜頃、珍しく一人で外出しようとする己の主人に
「ご苦労、中国」
と言われたからだった
言われて一時は労いの言葉をいただけて嬉しいと感じていたのだが、以前はちゃんと名前で呼んでくれていた様な気がして悩み始める
中国と呼ばれる理由には自分でも想像がつく
服装、能力などいかにも中国だと呼ばれても仕方が無いと思うぐらいに中国だ
しかし気がついた、少し前まではからかう様に笑いながら中国と呼ばれていたのに最近は普通に中国と呼ばれている事に
皆が普通に彼女を中国と呼ぶ、そのあまりの自然さは自分の名前がもしかしたら中国に改名されていたのかと思うぐらいだった
普通なら此処で嫌われているとか見下されているとか考えるのだろうが彼女は華人小娘紅美鈴、あ、紹介に華人って入ってるし
( これって、愛称? )
愛称とは本名以外で親しみや愛を込めて呼ぶ呼び名である
いやー愛されちゃってるなーと悩んだ末に照れはじめる様子は意外と可愛い
不幸にも目撃したメイドの一人が『ろざりお』と呼ばれる神具を取り出して彼女の首に巻きつけようとし、それを通りすがりのメイドが見て『ろざりお』を持つメイドに襲い掛かる
「貴様! 隠れキリ○タンか! 」
叫び声を聞いたメイド達の間で緊張が走る
自分がばれたのか、誰が隠れタンなのか
そんなメイド達の中に十新法ドロップと十字架ソバットで激突した二人のメイドから『ろざりお』が飛び込んできた
其れは一人のメイドの前で止まり、其れを見た複数のメイド達が叫ぶ
「「「「「「「「「 踏め! 踏め! 踏み潰せ! 」」」」」」」」」
『ろざりお』を前にしたメイドは覚悟を決める
我が神は我が心の内に在り、隠れタンだった
その覚悟が伝播したのか他の隠れタンも覚悟を決める、我絶対無敵也、何かが違う
「「「「「 我は我が神と共に在り! AMEN! 」」」」」
唱和、既にそれは魔法呪文の其れであり隠れタン達にそれぞれが信じる神の力が宿る
絶対多数による戦力差が覆り各々が己の全てを持って激突する、己の信念を持って激突する
其の日紅魔館にて小規模ながら殲滅戦さながらの激しい宗教戦争が勃発した、それを遠くから見ていた魔女は哂う
「踊れ踊れメイド共、地獄を見せろこの私に」
館の主人とその従者は、寝ていた
そして夕方、隠れタンが実はマ○ア主義だと判明しメイド達が和解した頃だった
和解したメイド達が夕日に向かって友情を叫びながら仕事をすると言う惨事に、メイドを統括するメイド長が溜息をつく
「仕事の効率、速度、成果ともに2割向上。そのかわり煩い」
どうやらメイド達の叫びに煩くて目覚めたらしい、だがちゃんと仕事をしているので文句も言いにくい
しかし目覚めたものは仕方が無いと開き直り紅魔館の門に向かう、自分の仕事は既に終わっていた
己の主人が目覚めるまで門番をからかって時間を潰そうと歩くメイド長、何故かナイフがちらつく
門番である紅美鈴は悩んでいた
愛称で呼ばれているのに相手を愛称で呼ばないのは、良くないのではないかと
( もしかして、私が相手を愛称で呼ばないからずっと愛称で呼ばれてる? )
何故そういう結論に至ったのかは不明だがそう決まったらしい
しかしこの紅美鈴、愛称で誰かを呼んだ事などなかったのだ
なんと呼べばよいのか、そう考えて思いつくのはいつぞやの魔法使い
自分を中国と最初に呼んだのは彼女だった、度々此処に来た時も紅魔館に住む者達を様々な愛称で呼んでいた
明るく友達が多そうな魔女だった、なるほど彼女が言っていた愛称を使えば良いのか
そう確信した紅美鈴の前に、メイド長である十六夜咲夜が現れる
それに気がついた彼女は何時も通り相手を呼ぼうとして魔法使いが言っていた愛称を思い出す
だから彼女は言う、満面の笑顔で
「おはようございます、パッド長」
門番の満面の笑顔に少し見とれていたメイド長の表情が凍る
何時の間にか握り締めていたナイフがギシリと軋む音を鳴らし、心に何かが突き刺さった
満面の笑顔で、悪意の一欠けらも無く、パッド長と彼女は言う
怒りよりも悲しみが勝ったのか、握り締めていたナイフが地面に落ちてモノ哀しい音を鳴らす
メイド長は片手で胸を押さえるように膝をついて蹲る、遠目にはメイド長が門番に土下座をしているようにも見えただろう
「わ!? 大丈夫ですかパッド長!? 」
さらに追撃
心の底から心配しているようで本当に心配しているのだろう、でもパッド長
幻聴か何かだとメイド長は思いながら、ナイフを己の耳に突き刺したくなる衝動を抑える
「パッド長! もしかして病気ですか!? なら速く紫モヤシに見てもらわないと! 」
遠くで誰かが吐血して倒れる音を聞いた気がしたメイド長は、パッド長と己を呼ぶ彼女の心配そうな表情と痛苦しい心に不思議な快感を見出し鼻血を垂らしながら気を失った
「パッド長!? パッド長ー!? 」
メイド長の身体は痙攣を開始した
この後どうなったのか知りたいですね。
パッド長って何かパッドの中のパッドって感じが
美鈴は
天然だ
な
それはともかく、ゴチ
なにやってんだお嬢様w
全文の四分の一が本編となんら関係のない展開に惚れた