[注意]
・東方創想話作品集その31に投稿させていただきました「私を生き埋めにして立ち去って」と関連性があります。
・読んでいなくてもそれとなく大丈夫な気がしないでもないような感じに書き上げたような予感はしなくもないような気配は致しますがやっぱり関連しているので読んでいないとわからないのかも。
・ぶっちゃけ読んだほうがいいのかよくないのかよくわかりません。
はいはい、こんばんわ☆
みんなのアイドル、レミリアちゃんよ☆
……ちょっとそこ、何言ってるんだこの年増幼女みたいな目をしないでくれる?
感じちゃうじゃない、あは。
嘘だばか信じるな。
さて、現状から説明しましょうか。
はっきり言うと私は今非常に暗くて狭い空間にいるの。
OH,OH,OH,だが心配無用。何せ私は夜目が利く吸血鬼様だから。
惚れた? 惚れろYO!
まぁ、ぶっちゃけ出れなくなった。
棺桶で寝てたんだけどねー、どうもねー、生き埋めにされちゃったっぽいの私。
兎に角吸血鬼らしく格好よく可愛く棺桶でお休みマイハニー(霊夢)な感じのノリだったから運命視るなんて面倒くさくて。
そして現状閉じ込められた。
あーあーあー、やってらんねー、ぐれるわよ私煙草吸っちゃうわよーお酒飲んじゃうわよー。
あーはいはい500歳500歳。吸っても飲んでも違法じゃない。
れいむのおっぱいすってのんでもいほうじゃない?
え、咲夜の吸ったらって?
あーだめだめあの娘そんなに大きく無いくせに形は妙にいいからそういう事させないし。
って、似たような事を本人の目の前で言ったらそこから3日くらいの記憶がなかったのは気のせいだと思うわ。
吸血鬼で主の私が人間で従者の咲夜にやられるわけないじゃない。
やられないつってんだろダーラズ! 乳も私より小さいしねごめん嘘許して。
さて、とりあえずこの私、レミリア・スカーレットの現状は理解出来たと思うわ。
私は、生き埋めになってる。らしい。
実にシンプルね。
一体外に何があるのかよくわかんないけど兎に角、最強美少女吸血鬼の私の力を持ってしても蓋が開きやしない。
突っ込むなよ、突っ込むんじゃないぞ。美少女だからね。
自分で言う事はとっても大事なの、大事なんだ。
さて、ぶっ叩いて蓋に罅が入ったのだけど、それ以上はビクともしないわ。
この棺桶、普通より三回りくらい大きいのだけど高さが変わらないから意味が無いのよね。
っていうのに寝る時じゃなくてさっき衝撃で跳ね起きて頭打ってから気付いた。
アホ言うなよこら。
布団の方は気持ちいいわー。すずらんのかおりニュービーズー♪ってね。
わかんない人は花王のCMでも思い出しなさい。
あぁ、ごめんなさい、ノイズ、ノイズよ、どちらかと言うと電波を受信した感じだったけれどまぁいいわ。
現在脱出方法を模索中。
外からは霊夢・魔理沙・咲夜の霊力とか魔力とか感じたんだけど、なかなか助け出してくれそうな気配がないわね。
何かマスタースパークっぽい魔力を感知してからこっち、今まで感じた事の無い妙な魔力――別に特別強いわけではないんだけど――を感じてる。
あと運命を視て手繰り寄せたり解いたり結んだり引っ張ったり揉んだり濡らしたりしてみるけど私が脱出出来る運命が見えないのよねー。
作り出せもしない。
って、ん?
今何か聞こえた。
耳に届いたんじゃない……そう、心に届いたの!
私のアレでナニでソレな心に届いたの!
やましくない、やましくないわ超健全!
『霊夢、今すぐ脱げ! 脱ぐんだ』と聞こえたわ。
あぁ、大変……! 霊夢が、脱ぐのね! 今すぐ私をここから出してえええぇぇぇぇえぇっ!!!!!
ひゃっはー! どけい雑魚ども! うららららららら!!!!!!!
………………。
……………………。
…………………………。
ナニコレ。ハイパーマックスモード☆レミリアちゃん(今命名)の力を以ってしてもぶち破れないわ。
……私は一体何の下に埋まってるのよ?
あー、非力ね私、非力。
雑魚どもなんて言ってしまったけど私、あれかしら。
ザ・子供。所詮その程度……って、見た目子供でも吸血鬼様よ私はおい。
……新しい兵器か何かかしら?
まったく咲夜ったら、それともパチュリーかしら?
私に秘密でそんな兵器を開発していたなんてやってくれるわ、驚きよもう。
え、だとしたら私は狙って埋められた?
まさか……紅魔館乗っ取り作戦?
あぁ、ダメ、ダメよレミリア……! あの子たちがそんな事を考えるわけ無いじゃない!!!
綺麗で純真無垢な子供の心を忘れちゃダメ、なんかもう霧とか出したり本気で殺すとか言ってる時点で穢れてるとか思った奴はそこに並べ。
足で苛める、足で。こきこきならすわよコキコキ。
骨だ骨、鳴らすんは骨だエロイ想像すんなよ。
って、あら、何かしらこの魔力は? 小悪魔?
でも変ね、あの娘の魔力はこんなに大きくなかったはず。
悪魔としては今の所下の上クラスのはずなのに、これは私すら超えるんじゃないかしら?
ちっ! 戦闘能力で負けている? 私が!?
……カオスのパイロットちゃうっちゅーねん。
あぁ、空しい、空しいわ。それこそひとりノリツッコミしてしまうくらい空しいわ、畜生。
もう! 本当に外で何が起きてるのかサッパリ。
多分、瓦礫か何かだと思うのだけど……フランかしらね?
全くどいつもこいつも。
助け出してくれるまで待ってもいいのだけれど、やはりそうはいかない。
これがただの悪魔で吸血鬼様なら待ったって全然構わないの。
けどね、私はね。
運命を操る悪魔で吸血鬼様だから、待っていてはいけないの。
そう、運命は自分で掴むもの、変えるもの。愛しいあの娘とフォーエバー!
うふふ、いいわぁ、凄くゾクゾクするわぁ。
ジャンク、ジャンクにしてあげるわぁ。
さぁ、運命! 私にここから脱出する方法を提示しなさい!
びびびびびびびびびび。
きたきたきたぁ!
…………こない。
出してぇー! 私をここから出してぇー!
霊夢ー! 霊夢のー! 霊夢の裸ー!
どごごごごごご。
兎に角我武者羅に蓋を殴り続ける。
開けー! 開くんだー! 開けろー! 壊れちゃえー!
ぱりっ。
? ぱりっ、って何。ぱりっ、って。
例えるならそう、煎餅を噛み砕いたような。
……っていうか例えるまでもなくまさにそれだったんだけど。
あ、ちょ、なんか蓋の罅が大きくなって、あ、れ、なんか崩れてきミギャー!!
うう、あたたた。
あー、私押し潰されちゃったわね割と本格的に。
こりゃもう、瓦礫ねえ、瓦礫。
…………紅魔館崩壊してるもしかして?
え、いや、だって、私地下室で寝てたし。
地下の天井が崩れるという事はそれ即ち1階の床が崩れると言う事に等しくそのまま上まで崩れちゃってるんじゃないの?
うわー、たいへんねー。
……などと、暢気な事を言っている場合ではないわ。
あー、もう、どうしようかしら。
ほとんど身動きがとれないじゃないの。
下なら何とかなりそうな感じだけど、上が絶望的よ。
はっ! はうううううんんん!!!! あはん、あんっ! んくっ!!!
……とか言う声は出さなかったけど、なんかビビビと来たわ。
何やら今のキシリデント……じゃなくてアクシデントで運命が変わったみたい。
ふふ、霊夢の裸体は運命まで変えるのね……私、驚いちゃったぁ。
そう、私はここから出れる。
運命を操る。色々弄る。口で言える範囲から言えない範囲まで。
えろくない。
これで、私はここから出る事が出来るのだ。
たったひとつの方法。
掘る事によって。
あぁ、Caved!!!!じゃないわよ?
私、角とかないし座薬もないし。
うん、やってみたいんだけどね……うん、やってみたいわ。
…………って、やってみたくなんかないわよ!!
何、その期待するような目線は!?
やってみたくなんか、ないんだからぁ。
……穴掘るか。
ザクザクザクザク、ザクザクザクザク、ハイザック。
ザクザクザクザク、ザクザクザクザク、グフ。
ザクザクザクザク、ザクザクザクザク、シャアー!
*
ふぅ。
出てきた、出てきたわー。
お嬢様が土まみれなんてみっともないけど、あのままじゃダメだものねぇ?
お日様よー、夕陽が輝いているみたいだわー。
……………………。
ちょ、おま、焼けちゃう、きえっー!!!
……と、思ったけどここ影じゃない、ラッキー♪
ついてるおんなぁ、もてるおんなぁ、ちちくさ……失礼ね。
あぁ、でもここは影とは言え夕陽の明るさがわかるという事は本当に崩壊してたのね紅魔館。
どーも、魔理沙襲撃の時の門修繕費とは比べ物にならないほどの費用がかかりそうだわ。
でも、大丈夫、何だかんだでお金はあるから。……働け愚民どもめが。
あ、咲夜はっけーん。
霊夢もいるわー。
他にもメイドたちがあんなにたくさん!
うふふ、私ったら罪ねぇ?
怖くて可愛い、吸血鬼さん♪
みんなに恐れられて、でも好かれちゃう吸血鬼さん♪
それはそうと、みんな気付いてないみたいねぇ。
さぁ、なんて声をかけようかしら。
そう、そうね。ベタだけど目隠しして「だぁ~れだ?」なんてどうかしら?
あぁ、いいわ、青春っぽくていいわ。
霊夢にやりたいところだけど、何か疲れてるっぽいから咲夜でいいかしら。
今すぐ飛び出したくはあるけど、出ちゃったら陽が当たるから沈むまで待っていないと。
それまでは必死にあの瓦礫の山から私を助け出そうとする霊夢や咲夜たちの姿を愛でましょう。
「さぁ、みんな」
みんなに呼びかける咲夜の声。
少し意気消沈してたからかしらね?
気合を入れなおそうとするなんて流石、メイド長。
メイドの鑑だわぁ。
「明日からこの紅魔館の当主は妹様よ!!」
Oh?
What?
咲夜にそんな権限あったっけ?
え、咲夜は一体いつの間にそんなお偉くなったのよ。
紅魔館乗っ取り作戦でガチだったの?
あれ、ちょ、なんであなたたち咲夜を止めないの。
むしろ頷いてる?
え、なにこの拍手喝采。
なんでみんな盛り上がってるのよ、ねぇ、ちょ!
待って、なんであなたたちここから引き上げて行くの!?
あれ、私どうされるの、あぁもう!
って、ぎにゃぎにゃぎにゅー! 焼ける! つい飛び出しちゃった!
焼けるって! むしろとける!?
日が沈む頃には、誰もがいなくなって。
えっと……。みんな……。
私を生き埋めにして立ち去って…………しまうの?
・東方創想話作品集その31に投稿させていただきました「私を生き埋めにして立ち去って」と関連性があります。
・読んでいなくてもそれとなく大丈夫な気がしないでもないような感じに書き上げたような予感はしなくもないような気配は致しますがやっぱり関連しているので読んでいないとわからないのかも。
・ぶっちゃけ読んだほうがいいのかよくないのかよくわかりません。
はいはい、こんばんわ☆
みんなのアイドル、レミリアちゃんよ☆
……ちょっとそこ、何言ってるんだこの年増幼女みたいな目をしないでくれる?
感じちゃうじゃない、あは。
嘘だばか信じるな。
さて、現状から説明しましょうか。
はっきり言うと私は今非常に暗くて狭い空間にいるの。
OH,OH,OH,だが心配無用。何せ私は夜目が利く吸血鬼様だから。
惚れた? 惚れろYO!
まぁ、ぶっちゃけ出れなくなった。
棺桶で寝てたんだけどねー、どうもねー、生き埋めにされちゃったっぽいの私。
兎に角吸血鬼らしく格好よく可愛く棺桶でお休みマイハニー(霊夢)な感じのノリだったから運命視るなんて面倒くさくて。
そして現状閉じ込められた。
あーあーあー、やってらんねー、ぐれるわよ私煙草吸っちゃうわよーお酒飲んじゃうわよー。
あーはいはい500歳500歳。吸っても飲んでも違法じゃない。
れいむのおっぱいすってのんでもいほうじゃない?
え、咲夜の吸ったらって?
あーだめだめあの娘そんなに大きく無いくせに形は妙にいいからそういう事させないし。
って、似たような事を本人の目の前で言ったらそこから3日くらいの記憶がなかったのは気のせいだと思うわ。
吸血鬼で主の私が人間で従者の咲夜にやられるわけないじゃない。
やられないつってんだろダーラズ! 乳も私より小さいしねごめん嘘許して。
さて、とりあえずこの私、レミリア・スカーレットの現状は理解出来たと思うわ。
私は、生き埋めになってる。らしい。
実にシンプルね。
一体外に何があるのかよくわかんないけど兎に角、最強美少女吸血鬼の私の力を持ってしても蓋が開きやしない。
突っ込むなよ、突っ込むんじゃないぞ。美少女だからね。
自分で言う事はとっても大事なの、大事なんだ。
さて、ぶっ叩いて蓋に罅が入ったのだけど、それ以上はビクともしないわ。
この棺桶、普通より三回りくらい大きいのだけど高さが変わらないから意味が無いのよね。
っていうのに寝る時じゃなくてさっき衝撃で跳ね起きて頭打ってから気付いた。
アホ言うなよこら。
布団の方は気持ちいいわー。すずらんのかおりニュービーズー♪ってね。
わかんない人は花王のCMでも思い出しなさい。
あぁ、ごめんなさい、ノイズ、ノイズよ、どちらかと言うと電波を受信した感じだったけれどまぁいいわ。
現在脱出方法を模索中。
外からは霊夢・魔理沙・咲夜の霊力とか魔力とか感じたんだけど、なかなか助け出してくれそうな気配がないわね。
何かマスタースパークっぽい魔力を感知してからこっち、今まで感じた事の無い妙な魔力――別に特別強いわけではないんだけど――を感じてる。
あと運命を視て手繰り寄せたり解いたり結んだり引っ張ったり揉んだり濡らしたりしてみるけど私が脱出出来る運命が見えないのよねー。
作り出せもしない。
って、ん?
今何か聞こえた。
耳に届いたんじゃない……そう、心に届いたの!
私のアレでナニでソレな心に届いたの!
やましくない、やましくないわ超健全!
『霊夢、今すぐ脱げ! 脱ぐんだ』と聞こえたわ。
あぁ、大変……! 霊夢が、脱ぐのね! 今すぐ私をここから出してえええぇぇぇぇえぇっ!!!!!
ひゃっはー! どけい雑魚ども! うららららららら!!!!!!!
………………。
……………………。
…………………………。
ナニコレ。ハイパーマックスモード☆レミリアちゃん(今命名)の力を以ってしてもぶち破れないわ。
……私は一体何の下に埋まってるのよ?
あー、非力ね私、非力。
雑魚どもなんて言ってしまったけど私、あれかしら。
ザ・子供。所詮その程度……って、見た目子供でも吸血鬼様よ私はおい。
……新しい兵器か何かかしら?
まったく咲夜ったら、それともパチュリーかしら?
私に秘密でそんな兵器を開発していたなんてやってくれるわ、驚きよもう。
え、だとしたら私は狙って埋められた?
まさか……紅魔館乗っ取り作戦?
あぁ、ダメ、ダメよレミリア……! あの子たちがそんな事を考えるわけ無いじゃない!!!
綺麗で純真無垢な子供の心を忘れちゃダメ、なんかもう霧とか出したり本気で殺すとか言ってる時点で穢れてるとか思った奴はそこに並べ。
足で苛める、足で。こきこきならすわよコキコキ。
骨だ骨、鳴らすんは骨だエロイ想像すんなよ。
って、あら、何かしらこの魔力は? 小悪魔?
でも変ね、あの娘の魔力はこんなに大きくなかったはず。
悪魔としては今の所下の上クラスのはずなのに、これは私すら超えるんじゃないかしら?
ちっ! 戦闘能力で負けている? 私が!?
……カオスのパイロットちゃうっちゅーねん。
あぁ、空しい、空しいわ。それこそひとりノリツッコミしてしまうくらい空しいわ、畜生。
もう! 本当に外で何が起きてるのかサッパリ。
多分、瓦礫か何かだと思うのだけど……フランかしらね?
全くどいつもこいつも。
助け出してくれるまで待ってもいいのだけれど、やはりそうはいかない。
これがただの悪魔で吸血鬼様なら待ったって全然構わないの。
けどね、私はね。
運命を操る悪魔で吸血鬼様だから、待っていてはいけないの。
そう、運命は自分で掴むもの、変えるもの。愛しいあの娘とフォーエバー!
うふふ、いいわぁ、凄くゾクゾクするわぁ。
ジャンク、ジャンクにしてあげるわぁ。
さぁ、運命! 私にここから脱出する方法を提示しなさい!
びびびびびびびびびび。
きたきたきたぁ!
…………こない。
出してぇー! 私をここから出してぇー!
霊夢ー! 霊夢のー! 霊夢の裸ー!
どごごごごごご。
兎に角我武者羅に蓋を殴り続ける。
開けー! 開くんだー! 開けろー! 壊れちゃえー!
ぱりっ。
? ぱりっ、って何。ぱりっ、って。
例えるならそう、煎餅を噛み砕いたような。
……っていうか例えるまでもなくまさにそれだったんだけど。
あ、ちょ、なんか蓋の罅が大きくなって、あ、れ、なんか崩れてきミギャー!!
うう、あたたた。
あー、私押し潰されちゃったわね割と本格的に。
こりゃもう、瓦礫ねえ、瓦礫。
…………紅魔館崩壊してるもしかして?
え、いや、だって、私地下室で寝てたし。
地下の天井が崩れるという事はそれ即ち1階の床が崩れると言う事に等しくそのまま上まで崩れちゃってるんじゃないの?
うわー、たいへんねー。
……などと、暢気な事を言っている場合ではないわ。
あー、もう、どうしようかしら。
ほとんど身動きがとれないじゃないの。
下なら何とかなりそうな感じだけど、上が絶望的よ。
はっ! はうううううんんん!!!! あはん、あんっ! んくっ!!!
……とか言う声は出さなかったけど、なんかビビビと来たわ。
何やら今のキシリデント……じゃなくてアクシデントで運命が変わったみたい。
ふふ、霊夢の裸体は運命まで変えるのね……私、驚いちゃったぁ。
そう、私はここから出れる。
運命を操る。色々弄る。口で言える範囲から言えない範囲まで。
えろくない。
これで、私はここから出る事が出来るのだ。
たったひとつの方法。
掘る事によって。
あぁ、Caved!!!!じゃないわよ?
私、角とかないし座薬もないし。
うん、やってみたいんだけどね……うん、やってみたいわ。
…………って、やってみたくなんかないわよ!!
何、その期待するような目線は!?
やってみたくなんか、ないんだからぁ。
……穴掘るか。
ザクザクザクザク、ザクザクザクザク、ハイザック。
ザクザクザクザク、ザクザクザクザク、グフ。
ザクザクザクザク、ザクザクザクザク、シャアー!
*
ふぅ。
出てきた、出てきたわー。
お嬢様が土まみれなんてみっともないけど、あのままじゃダメだものねぇ?
お日様よー、夕陽が輝いているみたいだわー。
……………………。
ちょ、おま、焼けちゃう、きえっー!!!
……と、思ったけどここ影じゃない、ラッキー♪
ついてるおんなぁ、もてるおんなぁ、ちちくさ……失礼ね。
あぁ、でもここは影とは言え夕陽の明るさがわかるという事は本当に崩壊してたのね紅魔館。
どーも、魔理沙襲撃の時の門修繕費とは比べ物にならないほどの費用がかかりそうだわ。
でも、大丈夫、何だかんだでお金はあるから。……働け愚民どもめが。
あ、咲夜はっけーん。
霊夢もいるわー。
他にもメイドたちがあんなにたくさん!
うふふ、私ったら罪ねぇ?
怖くて可愛い、吸血鬼さん♪
みんなに恐れられて、でも好かれちゃう吸血鬼さん♪
それはそうと、みんな気付いてないみたいねぇ。
さぁ、なんて声をかけようかしら。
そう、そうね。ベタだけど目隠しして「だぁ~れだ?」なんてどうかしら?
あぁ、いいわ、青春っぽくていいわ。
霊夢にやりたいところだけど、何か疲れてるっぽいから咲夜でいいかしら。
今すぐ飛び出したくはあるけど、出ちゃったら陽が当たるから沈むまで待っていないと。
それまでは必死にあの瓦礫の山から私を助け出そうとする霊夢や咲夜たちの姿を愛でましょう。
「さぁ、みんな」
みんなに呼びかける咲夜の声。
少し意気消沈してたからかしらね?
気合を入れなおそうとするなんて流石、メイド長。
メイドの鑑だわぁ。
「明日からこの紅魔館の当主は妹様よ!!」
Oh?
What?
咲夜にそんな権限あったっけ?
え、咲夜は一体いつの間にそんなお偉くなったのよ。
紅魔館乗っ取り作戦でガチだったの?
あれ、ちょ、なんであなたたち咲夜を止めないの。
むしろ頷いてる?
え、なにこの拍手喝采。
なんでみんな盛り上がってるのよ、ねぇ、ちょ!
待って、なんであなたたちここから引き上げて行くの!?
あれ、私どうされるの、あぁもう!
って、ぎにゃぎにゃぎにゅー! 焼ける! つい飛び出しちゃった!
焼けるって! むしろとける!?
日が沈む頃には、誰もがいなくなって。
えっと……。みんな……。
私を生き埋めにして立ち去って…………しまうの?
タイトルで最初にこれ浮かんだ俺はどうすれば…
オクレ兄さん!? オクレ兄さんじゃないか!!
『みりん』とかいう子がいじられ役だったりするんですか!?