「もう! 全然見つからないじゃない!」
もはや夕日も沈みかけようとしている刻限、霊夢は神社の周辺の鬱蒼とした林を不機嫌そうに歩いていた。
「骨折り損もいいとこだわまったく……でも、里の人間からそこらへんの妖怪まで見たことあるっていうのに、なんで気配の気の時も感じられ「おはよう~霊夢~」って邪魔」
何の前触れもなく目の前の空間から逆さまに滑り落ちてきた紫に、霊夢は特別驚く様子もなくその顔に大幣を押し付けた。
「いやんくすぐったい」
「なにがいやんよ。瞬間移動するのは悪いとはいわないからせめて自然に遭遇するようにしてよね、気持ち悪い」
「んもう今日は一段と辛辣ねぇ。こんな人気のない辺境の夕暮れにのこのこ出歩いているようじゃ神隠しされても仕方ないわよ。いろんな意味で食べられちゃう」
「おあいにく様。今日の私はちゃんと針もお札も陰陽玉も備えてるから、返り討ちにするのも逃げるのもお手の物よ。そもそもここ神社から離れてないからそんな危険でもないし」
演劇のお化けの役のように両腕をだらしなく持ち上げて脅かそうとする紫に対して、霊夢はふんと鼻を鳴らして見得を切る。
確かに真っ当に祈装した霊夢には、紫とて迂闊に手を出すのは得策ではない。同時にそれはこの上もなく心配する甲斐がないことを意味していた。
むしろ周到に準備してこのような夕暮れまでがんばっている霊夢の目的の方が重要だった。
「あらまぁ、随分と気合いはいっているわね。何を探しているのかしら」
「……あんたに尋ねると正解半分不正解半分というか、当てに出来る期待値ってモノがいつも信用ならないから頼る気にならないのよね」
「随分ないいようね。今日は寝起きがよくて調子がいいから、尋ねごとの一つくらいまともに聞いてあげるわよ」
「それも信用ならないんだけど……まぁいいや。あんたってさ、『つちのこ』って知らない?」
渋りつつも、霊夢は今日一日中探しても見つからなかったその奇怪な噂の正体を紫に打ち明けた。
ここ数週間、幻想郷の各所で今までに見たこともないような、どの図鑑にも載っていないような未確認生物が目撃されているというのだ。目撃証言は細かい差異はあるものの、幅広い証言者層にあってその生き物に関する大まかな情報は一致しており、かつ特定の情報発生源が存在するようには思えないほど散逸的に自然発生していったため、あちらこちらでその未知の生物に対する噂がまことしやかに流布していったのである。
曰く、その生物は外見は蛇に近い。
曰く、しかしそいつの胴体は蛇と言うにはあまりにも膨らんでおり、瓶を飲み込んだような円筒形に近い胴体であるらしい。
曰く、蛇のようでありながら地を這わず、体をまっすぐ直立させて移動する。
曰く、時に人間の背丈以上の高さにも飛び上がる、らしい。
そして、いつのまにやらその未知の生命体は『つちのこ』と呼ばれるようになったのだった。
「……という話なんだけどね。最初は獲物を飲み込んだ直後の蛇の見間違いなんじゃないかって思ったんだけど、蛇って消化が終わるまでほとんど動いたりしないわよね。とてもすばしっこくてぴょんぴょん飛び跳ねることもあるそうだし、いったいなんなのかしら」
「へぇ、寝てる間に世間は随分盛り上がってたのねぇ」
「里の方じゃマタギさん達が中心になって捜索隊が組まれてたりしてるそうよ。天狗達も我先にと躍起になって飛び回ってるわ。みんな結構暇を持て余してるのね」
「それは貴方もでしょうに。でもつちのこねぇ。ふぅむ……まさか“既に”幻想郷にきていたとはねぇ」
「“既に”?」
「いいわ、ちょっと待ってなさい。今捕まえるから」
といって紫はおもむろにスキマを開き、そこに右手を突っ込んだ。
特段大きな動きを見せずに、数秒して手を引き抜くと……
「こ、これよ! まさしく噂通りの!」
「ええそうよ、これこそが間違いなく新入りのつちのこくんよ」
声が裏返るほど霊夢は叫んだ。手袋をした紫の手が掴んでいたのは、霊夢が噂で聞いていた情報そのままの姿形であった。
頭は蛇だが、首?から下はまさに瓶を飲み込んだようにずんぐりとふくれあがり、尾の手前まで太い。それでいて自分を捕まえている紫の手をふりほどこうと懸命にその体を激しく震わせている様は、蛇らしからぬ活力に満ちあふれていた。確かに、これだけ元気に動いていれば人間を飛び越えるほどジャンプをしても不思議ではなさそうだった。
霊夢は初めて見る存在に純粋な驚嘆を隠しきれないようで、声をうわずらせながら紫に詰め寄った。
「ホントに見たことないわ。新入りとかっていってたけど、もしかしてこの蛇もどきも外の世界からきたっていうの?」
「おそらくは。外の世界の一部の地域ではね、このつちのこは珍獣扱いで見つけることが出来たら懸賞金がもらえるほど人気者だったのよ。最も私の知る限り、生きたこれを捕まえた人間は居なかったけどね。今でも大まじめに探している人はいるんでしょうけど、幻想郷にきたって事は相当人々の記憶の隅に追いやられたって証かしら」
「へぇ~~~。んでもなんだってこんなに変わった生き物なのに、すぐ見つけられなかったんだろう。私の勘また鈍ったのかしら?」
首をかしげる霊夢には目もくれず、未だつちのこは懸命に逃れようともがいていた。相当気が立っているようで、シューシューという威嚇音をひっきりなしに発している。しかし紫は全くそれを意に介さず、霊夢に答えた。
「昼間は巣穴にこもって夜に活動するっていうのがまず一つ。二つ目は、臆病な性格とずんぐりした体からは想像も付かないすばしっこさ。そしてもう一つは……これはちょっと長い話になるかしら」
「なに?出来れば手短にして欲しいんだけど」
「そうしたいのは山々だけど、言葉を整理してたらこれは貴方に話しておくべき事だって気づいたわ。花の時よりは素直に聞いて欲しいわね」
「あーはいはい、んじゃあ聞いてあげるから神社に戻りましょ。かけずり回ってへとへとだから」
そうして神社に戻った二人は、お茶を入れながら話し始めた。暴れまくるつちのこはうるさいのでスキマに放り込まれた。
「まず貴方の勘が働かなかったのはある意味当然。あの子は幻想郷が結界に閉ざされた後に外の世界に生まれ、つい最近まで実在する“かもしれない”とされていた、いわば新しい妖怪なの。まぁ、別段神通力があったり弾幕が張れる訳じゃないから、UMAといった方が据わりがいいわ」
「新しい……? まるで、妖怪にも新種が生まれることがあるとでもいいたいわけ? おかしいじゃない。妖怪自体がもう外では忘れられた存在なのではないの?」
「それはね、ただ『私たち』が忘れ去られただけ。覚えておきなさい霊夢。私たち幻想郷の妖怪は確かに外の世界では既にいないことになっている。でも……」
「でも?」
「どんなに人間が妖を過去のモノにしていったとしても、必ず人間自身が妖怪を生み出し続けるのよ」
「……え?」
「外の世界は社会の仕組みが複雑になっていく課程で都市伝説というものを内包していった。都市伝説というのは、いつの間にやら人々の間に浸透している根拠のないあやふやなうわさ話とでも認識するといいわ。でもそういう下地こそが妖怪が生まれる最適の要因なの。都市伝説は怪談と織り混ざって広まることが多い。それと人々の煽られた恐怖が結びつけば、妖怪のできあがりよ」
「でもさ、それじゃあ幻想郷にいる妖怪達はどっからきたっていうの? あんたが言ってんのはつちのことかの話でしょ?」
「確かに、今現在の幻想郷の住人と外の世界で生まれ続けている妖怪はその成り立ちに結構な違いはある。でも根幹は同じなの。なぜなら、妖怪は人の心の闇、人が人を戒める畏れそのものに他ならないから」
そこでようやく、紫は出された緑茶をずずずとすすった。
「都市伝説って言うのもね、確かに私たちと身近にある伝承や言い伝えとは形態や意義は異なるけど、人々の間で語り継がれるという点では親戚のようなもの。大きな違いがあるとすれば、私たちを生み出した伝承が人間の自然に対する畏敬といったわかりやすく切実なものであるのに対して、都市伝説はとてもあやふやで、それが善いものなのか悪しきものなんかもわからないのよ。まぁ、結局都市伝説は怪談が主だから、大概は恐ろしいものになるけどね」
紫が再び茶を口に含むのを見計らい、霊夢は再び問うた。
「ねぇ、それだと妖怪は人間の後に生まれたって事になるわ。だとすると、人間が生まれる前には妖怪はいなかった……あれ、あれ?」
それは、幻想郷の住人にとっては宇宙の果てを想うより想像しがたい事かもしれない。
「ぶっちゃけた話、その問いに答えることは誰も出来ないと思うわ。人間は60年前の歴史さえ語り継ぐのに難儀するし、妖怪には今も昔もさして区別する必要がない。妖怪ははじめからいたのか、人によって生み出されたのか――卵が先か鶏が先かという議論と一緒よ。わかるのは、人間は人間であり続ける限り妖怪を生み出しうるということ。それと、妖怪は人間がいなければ生きてはいけないということだけ」
「奇妙な話よね――自分を脅かすものを自分たちで生み出しているなんて。人間は妖怪がいなくなったって生きていけるのに」
「いいえ、人間だって妖怪がいなければ人間でなくなってしまうかもしれないのよ。言ったでしょう、人間は人間であり続ける限り妖怪を生むと。妖怪が生まれなくなったとき、人はどうなってしまうのかしら――」
「何も畏れなくなってしまう、とか?」
「そうなると既に生まれ落ちている妖怪も餓死ね。ああ怖い怖い、妖怪の恐怖から何が生まれてくるのでしょう」
「うーん、それは色々と勘弁だなぁ」
それからも出涸らしのお茶を1リットル近く飲み干すまで、二人の話は続いた。
そうこうしているうちに、太陽は星のカーテンを掛け布団にしていた。既に寝ているかもしれない風見幽香の布団もきっと星くず模様。
「ああ、気が付けば何も夕飯の準備してないしー。水分ばっか取ってたせいでお腹減ってても食欲がわかないわ――」
早めに明かりをつけていたので、霊夢は光量の減少で時間の経過を把握できなかった。満天の星空に頭を抱える。
「あら、それじゃ食欲のわく動物性タンパク質でもごちそうしましょうか」
「え!? ほんと!? 何肉!?」
動物性タンパク質と聞いて霊夢が黙っているはずがない。骨を目の前に差し出された犬の如く霊夢は目をきらきら輝かせた。ちゃっかり星空から転写してきたらしい。
「“これから”あちらこちらで見かけるかもしれないから、食材に困った時に覚えておくといいわ」
そういって開いたスキマから紫が取り出したのは――
「これはきっと天狗も知らない耳寄り情報。つちのこの肉っておいしいのよ、霊夢」
ビチビチ懲りもなくのたうつつちのこを手にした紫は、次の瞬間巫女サマーの助力でもって天井に穴を開けた。もちろん霊夢はその次の瞬間に己の脊椎反射に後悔することとなる。
「ホントだ――全然臭みがなくておいしい――」
紫特製つちのこ肉の湯引きは稀少なワサビ醤油も手伝って、感動的なまでの美味を霊夢の舌にもたらした。
「羅生門はあの図書館に置かれているかしら」
湯引きを主役にしたささやかな晩餐には当然のように紫も同席していた。まるまる一匹分を調理したので、二人で食べ切るには丁度いいくらいの量がちゃぶ台の中央に鎮座している。
「ワニって知っているかしら? 蛇の遠い遠い親戚なんだけど、それも鶏肉のような感じで普通に食べれるのだそうよ。まぁ揚げ物でも煮物でも十分行けると思うわよ。ああでも毒には注意なさいな」
「なーるほど、これは上手く捕まえられれば食糧難にならなくて済むわ。というか、蛇を食べるなんて発想はなかったなぁ」
「つちのこの肉が特別おいしいのよ。他の蛇は素人にはお勧めできないってね――いや、あの門番や鳥さんなら平然と食べていそうだけど、それも生でこう皮をビーッ「文々。新聞緊急号外ですよぉぉぉお!!」
突如茶の間に台風がなだれ込んできた。ちゃぶ台が盛大にウルトラCを決め、なけなしの食卓は刹那の無重力体験の後畳という第二の器にひれ伏し、その中でもみそ汁に至っては鬼畜さ全開で霊夢の体にぶちまけられて性的な意味を通り越して悲惨な末路をたどった。
「アッー!? あつっ夕飯があつっ!?」
「れ、霊夢大丈夫? 早く風呂場で水浴びてきなさい、ただれるわよ」
「そんなことより号外ですよ号外! 水浴びなんて湖で出来るんですから急がないと」
「……話が見えないのだけれど」
のたうち回りながら風呂場へ駆け出す霊夢、布巾を霊夢に差し出しながら怪訝な顔で文を見る紫、ばっさばっさと羽根をまき散らして急かす文。こう書き表してみると実に意味不明である。
「話がわかるようにその号外とやらをくれないかしら?」
「実は今し方入手した情報なんでとても新聞を発行している暇はなかったんですが、ともかく号外です!」
「……写真も撮ってないのかしら。本当に無能な新聞記者ね」
紫はこの烏天狗の情報処理能力を真空管計算機以下であると結論した。いや、それはそれで体育館いっぱいに機材を積み込んで操作に専念していた技術者が浮かばれないか。
「……ってああ貴方はいつぞやの動物虐待妖怪! しまった罠だ逃げよう!」
「逃げようと聞いて逃がすお馬鹿さんではないわよ私は」
言葉通り、紫は一瞬でスキマを展開し文を拘束した。というより人の夕食をSATUGAIしたような輩をただのさばらせるほど紫は慈悲深くはないので、騒ぎ立てていた時点で結界を張っていたのだが。
「さてこのまま私の式にして橙に新スペルとして又貸ししてやってもよいのだけれど、その前に冷静に号外とやらについて話しなさいな」
「ひー! そんな目にあったら天狗の末代恥さらしじゃないですかー! わかりました! わかりましたよ! き、聞いて驚かないでくださいね!」
とりあえず逃げるのは無駄な努力と悟った文は、危なげな手つきで懐から文花帖を取り出して一枚の写真を紫に押し付けた。
「なんだ、写真撮ってたんじゃない――これは」
「ほんとにもーついさっき紅魔館の湖で撮影したんですよ! 光源が蛍のリーダーの光だけだったんで暗いですがちゃんと撮れてるはずです!」
「うううう――しばらく熱い風呂が痛いわ――あー天狗! あんたとうとう自分から事件を起こして新聞作るつもりになったのね! いくらあんたが山の民の一員だからってもう許さないんだから!」
そこで風呂場に待避していた霊夢が寝間着に着替えて戻ってきた。ただし手には大幣が握られており、殺意が滲み出ていた。
「まぁまぁ霊夢。後で適当に天狗の長老にでもあることないこと吹き込んで新聞に晒してもらいましょう。それよりこの写真を見てご覧なさい」
「何よ――なに、これ?」
渡された写真には、ぎりぎり水上であることがわかる黒塗りの空間に、あからさまに不自然に浮かぶ奇っ怪な輪郭が浮かび上がっていた。よく見れば、傘の部分がないシメジのような円筒形のものが水面に付きだしている。
「数日前から湖を根城にしてる妖精達が、見たこともない化け物が湖にいるという話で騒いでいたのでとりあえずネタもなかったので密着取材していたらこの目でしかと見たんですよ! 謎の巨大生物を! これは立派な証拠写真です!」
「うーん……流木が奇跡的バランス感覚で立ち上がったとかそういうのではないわよね、いくらなんでも」
「もうちょっとまともな考察はできないのかしら? それにしても、今日は新参者と縁があるわねぇ」
「あ! その顔はなんか知っている顔ですね。む、いやでも貴方なんかどうせ嘘と妄言しか吐かないし参考にならないいやいやでも万に一つ真実が含まれているかもいやいやいやいやいや――!?」
文の姿がスキマの中に消える。断末魔がひとしきり響き終えると、訪れた静寂に溜息が漏れた。
「まったくやかましい事ね。頭を冷やしてもらいたいわ。ということで湖のど真ん中に落としておきました」
「それはいーんだけどさ、紫、新参者って――」
「まさか世界的な有名どころもきてるなんてね。最近は特別に結界を緩めた覚えはないんだけれど」
そう言いつつ、紫は霊夢に手渡した写真を眺めた。
「もしかしてこれもあんたが言ってた新しい妖怪?」
「どちらかというと無間の底にいるような太古の生き残りなのかもしれないけど、そういったのは大概三途の川の管轄だし、紅魔館の湖に出たというならばたぶんそうね」
写真に写った謎の巨大生物とやらは、様々な想念の絡み合いにより生まれた一つの幻想だった。
「なんにせよ、確かにこれは号外作る意義はあるわね。早速見に行きましょう霊夢」
「私も行くの?」
「どうせあの天狗はここにくるまであちこち言いふらしたんでしょうし、今頃湖は百鬼夜行でしょうね。巨大生物を肴に宴会してても不思議じゃないわ。夕飯はだめになっちゃったしおこぼれにあずかりにいきましょ」
「その着眼点もまたたいしたものね――ま、確かにお酒でも飲まなきゃやってらんない気分だわ」
茶の間の惨状を見なかったことにしたい霊夢は紫の提案に賛成した。
同意を得て気をよくした紫は、すぐさま湖直通のスキマを開く。
「ねぇ霊夢」
「何よ」
スキマを通ろうとする霊夢に、紫は声をかける。
「これからもきっと幻想郷には色々なものが流れてくるわ。それが善いものか悪いものか、私達はその都度見極めなければいけない。その事を覚えておいて」
「んー……私は誰かに迷惑をかけるようなやつでなければ、それでいいと思うけどね。主に私の仕事を増やさない範囲で」
「貴方らしいわね」
「そんなもんでしょ、私に限らず」
そこで言葉を切り、霊夢は一足先に湖へと飛び越えていった。
その後に続く紫は、誰ともなしにつぶやく。誰にも聞かれない、でも誰もがどこかで聞いている、そんな戯れ言。
「幻想郷は全てを受け入れる、それはそれは愉快なことですわ」
もはや夕日も沈みかけようとしている刻限、霊夢は神社の周辺の鬱蒼とした林を不機嫌そうに歩いていた。
「骨折り損もいいとこだわまったく……でも、里の人間からそこらへんの妖怪まで見たことあるっていうのに、なんで気配の気の時も感じられ「おはよう~霊夢~」って邪魔」
何の前触れもなく目の前の空間から逆さまに滑り落ちてきた紫に、霊夢は特別驚く様子もなくその顔に大幣を押し付けた。
「いやんくすぐったい」
「なにがいやんよ。瞬間移動するのは悪いとはいわないからせめて自然に遭遇するようにしてよね、気持ち悪い」
「んもう今日は一段と辛辣ねぇ。こんな人気のない辺境の夕暮れにのこのこ出歩いているようじゃ神隠しされても仕方ないわよ。いろんな意味で食べられちゃう」
「おあいにく様。今日の私はちゃんと針もお札も陰陽玉も備えてるから、返り討ちにするのも逃げるのもお手の物よ。そもそもここ神社から離れてないからそんな危険でもないし」
演劇のお化けの役のように両腕をだらしなく持ち上げて脅かそうとする紫に対して、霊夢はふんと鼻を鳴らして見得を切る。
確かに真っ当に祈装した霊夢には、紫とて迂闊に手を出すのは得策ではない。同時にそれはこの上もなく心配する甲斐がないことを意味していた。
むしろ周到に準備してこのような夕暮れまでがんばっている霊夢の目的の方が重要だった。
「あらまぁ、随分と気合いはいっているわね。何を探しているのかしら」
「……あんたに尋ねると正解半分不正解半分というか、当てに出来る期待値ってモノがいつも信用ならないから頼る気にならないのよね」
「随分ないいようね。今日は寝起きがよくて調子がいいから、尋ねごとの一つくらいまともに聞いてあげるわよ」
「それも信用ならないんだけど……まぁいいや。あんたってさ、『つちのこ』って知らない?」
渋りつつも、霊夢は今日一日中探しても見つからなかったその奇怪な噂の正体を紫に打ち明けた。
ここ数週間、幻想郷の各所で今までに見たこともないような、どの図鑑にも載っていないような未確認生物が目撃されているというのだ。目撃証言は細かい差異はあるものの、幅広い証言者層にあってその生き物に関する大まかな情報は一致しており、かつ特定の情報発生源が存在するようには思えないほど散逸的に自然発生していったため、あちらこちらでその未知の生物に対する噂がまことしやかに流布していったのである。
曰く、その生物は外見は蛇に近い。
曰く、しかしそいつの胴体は蛇と言うにはあまりにも膨らんでおり、瓶を飲み込んだような円筒形に近い胴体であるらしい。
曰く、蛇のようでありながら地を這わず、体をまっすぐ直立させて移動する。
曰く、時に人間の背丈以上の高さにも飛び上がる、らしい。
そして、いつのまにやらその未知の生命体は『つちのこ』と呼ばれるようになったのだった。
「……という話なんだけどね。最初は獲物を飲み込んだ直後の蛇の見間違いなんじゃないかって思ったんだけど、蛇って消化が終わるまでほとんど動いたりしないわよね。とてもすばしっこくてぴょんぴょん飛び跳ねることもあるそうだし、いったいなんなのかしら」
「へぇ、寝てる間に世間は随分盛り上がってたのねぇ」
「里の方じゃマタギさん達が中心になって捜索隊が組まれてたりしてるそうよ。天狗達も我先にと躍起になって飛び回ってるわ。みんな結構暇を持て余してるのね」
「それは貴方もでしょうに。でもつちのこねぇ。ふぅむ……まさか“既に”幻想郷にきていたとはねぇ」
「“既に”?」
「いいわ、ちょっと待ってなさい。今捕まえるから」
といって紫はおもむろにスキマを開き、そこに右手を突っ込んだ。
特段大きな動きを見せずに、数秒して手を引き抜くと……
「こ、これよ! まさしく噂通りの!」
「ええそうよ、これこそが間違いなく新入りのつちのこくんよ」
声が裏返るほど霊夢は叫んだ。手袋をした紫の手が掴んでいたのは、霊夢が噂で聞いていた情報そのままの姿形であった。
頭は蛇だが、首?から下はまさに瓶を飲み込んだようにずんぐりとふくれあがり、尾の手前まで太い。それでいて自分を捕まえている紫の手をふりほどこうと懸命にその体を激しく震わせている様は、蛇らしからぬ活力に満ちあふれていた。確かに、これだけ元気に動いていれば人間を飛び越えるほどジャンプをしても不思議ではなさそうだった。
霊夢は初めて見る存在に純粋な驚嘆を隠しきれないようで、声をうわずらせながら紫に詰め寄った。
「ホントに見たことないわ。新入りとかっていってたけど、もしかしてこの蛇もどきも外の世界からきたっていうの?」
「おそらくは。外の世界の一部の地域ではね、このつちのこは珍獣扱いで見つけることが出来たら懸賞金がもらえるほど人気者だったのよ。最も私の知る限り、生きたこれを捕まえた人間は居なかったけどね。今でも大まじめに探している人はいるんでしょうけど、幻想郷にきたって事は相当人々の記憶の隅に追いやられたって証かしら」
「へぇ~~~。んでもなんだってこんなに変わった生き物なのに、すぐ見つけられなかったんだろう。私の勘また鈍ったのかしら?」
首をかしげる霊夢には目もくれず、未だつちのこは懸命に逃れようともがいていた。相当気が立っているようで、シューシューという威嚇音をひっきりなしに発している。しかし紫は全くそれを意に介さず、霊夢に答えた。
「昼間は巣穴にこもって夜に活動するっていうのがまず一つ。二つ目は、臆病な性格とずんぐりした体からは想像も付かないすばしっこさ。そしてもう一つは……これはちょっと長い話になるかしら」
「なに?出来れば手短にして欲しいんだけど」
「そうしたいのは山々だけど、言葉を整理してたらこれは貴方に話しておくべき事だって気づいたわ。花の時よりは素直に聞いて欲しいわね」
「あーはいはい、んじゃあ聞いてあげるから神社に戻りましょ。かけずり回ってへとへとだから」
そうして神社に戻った二人は、お茶を入れながら話し始めた。暴れまくるつちのこはうるさいのでスキマに放り込まれた。
「まず貴方の勘が働かなかったのはある意味当然。あの子は幻想郷が結界に閉ざされた後に外の世界に生まれ、つい最近まで実在する“かもしれない”とされていた、いわば新しい妖怪なの。まぁ、別段神通力があったり弾幕が張れる訳じゃないから、UMAといった方が据わりがいいわ」
「新しい……? まるで、妖怪にも新種が生まれることがあるとでもいいたいわけ? おかしいじゃない。妖怪自体がもう外では忘れられた存在なのではないの?」
「それはね、ただ『私たち』が忘れ去られただけ。覚えておきなさい霊夢。私たち幻想郷の妖怪は確かに外の世界では既にいないことになっている。でも……」
「でも?」
「どんなに人間が妖を過去のモノにしていったとしても、必ず人間自身が妖怪を生み出し続けるのよ」
「……え?」
「外の世界は社会の仕組みが複雑になっていく課程で都市伝説というものを内包していった。都市伝説というのは、いつの間にやら人々の間に浸透している根拠のないあやふやなうわさ話とでも認識するといいわ。でもそういう下地こそが妖怪が生まれる最適の要因なの。都市伝説は怪談と織り混ざって広まることが多い。それと人々の煽られた恐怖が結びつけば、妖怪のできあがりよ」
「でもさ、それじゃあ幻想郷にいる妖怪達はどっからきたっていうの? あんたが言ってんのはつちのことかの話でしょ?」
「確かに、今現在の幻想郷の住人と外の世界で生まれ続けている妖怪はその成り立ちに結構な違いはある。でも根幹は同じなの。なぜなら、妖怪は人の心の闇、人が人を戒める畏れそのものに他ならないから」
そこでようやく、紫は出された緑茶をずずずとすすった。
「都市伝説って言うのもね、確かに私たちと身近にある伝承や言い伝えとは形態や意義は異なるけど、人々の間で語り継がれるという点では親戚のようなもの。大きな違いがあるとすれば、私たちを生み出した伝承が人間の自然に対する畏敬といったわかりやすく切実なものであるのに対して、都市伝説はとてもあやふやで、それが善いものなのか悪しきものなんかもわからないのよ。まぁ、結局都市伝説は怪談が主だから、大概は恐ろしいものになるけどね」
紫が再び茶を口に含むのを見計らい、霊夢は再び問うた。
「ねぇ、それだと妖怪は人間の後に生まれたって事になるわ。だとすると、人間が生まれる前には妖怪はいなかった……あれ、あれ?」
それは、幻想郷の住人にとっては宇宙の果てを想うより想像しがたい事かもしれない。
「ぶっちゃけた話、その問いに答えることは誰も出来ないと思うわ。人間は60年前の歴史さえ語り継ぐのに難儀するし、妖怪には今も昔もさして区別する必要がない。妖怪ははじめからいたのか、人によって生み出されたのか――卵が先か鶏が先かという議論と一緒よ。わかるのは、人間は人間であり続ける限り妖怪を生み出しうるということ。それと、妖怪は人間がいなければ生きてはいけないということだけ」
「奇妙な話よね――自分を脅かすものを自分たちで生み出しているなんて。人間は妖怪がいなくなったって生きていけるのに」
「いいえ、人間だって妖怪がいなければ人間でなくなってしまうかもしれないのよ。言ったでしょう、人間は人間であり続ける限り妖怪を生むと。妖怪が生まれなくなったとき、人はどうなってしまうのかしら――」
「何も畏れなくなってしまう、とか?」
「そうなると既に生まれ落ちている妖怪も餓死ね。ああ怖い怖い、妖怪の恐怖から何が生まれてくるのでしょう」
「うーん、それは色々と勘弁だなぁ」
それからも出涸らしのお茶を1リットル近く飲み干すまで、二人の話は続いた。
そうこうしているうちに、太陽は星のカーテンを掛け布団にしていた。既に寝ているかもしれない風見幽香の布団もきっと星くず模様。
「ああ、気が付けば何も夕飯の準備してないしー。水分ばっか取ってたせいでお腹減ってても食欲がわかないわ――」
早めに明かりをつけていたので、霊夢は光量の減少で時間の経過を把握できなかった。満天の星空に頭を抱える。
「あら、それじゃ食欲のわく動物性タンパク質でもごちそうしましょうか」
「え!? ほんと!? 何肉!?」
動物性タンパク質と聞いて霊夢が黙っているはずがない。骨を目の前に差し出された犬の如く霊夢は目をきらきら輝かせた。ちゃっかり星空から転写してきたらしい。
「“これから”あちらこちらで見かけるかもしれないから、食材に困った時に覚えておくといいわ」
そういって開いたスキマから紫が取り出したのは――
「これはきっと天狗も知らない耳寄り情報。つちのこの肉っておいしいのよ、霊夢」
ビチビチ懲りもなくのたうつつちのこを手にした紫は、次の瞬間巫女サマーの助力でもって天井に穴を開けた。もちろん霊夢はその次の瞬間に己の脊椎反射に後悔することとなる。
「ホントだ――全然臭みがなくておいしい――」
紫特製つちのこ肉の湯引きは稀少なワサビ醤油も手伝って、感動的なまでの美味を霊夢の舌にもたらした。
「羅生門はあの図書館に置かれているかしら」
湯引きを主役にしたささやかな晩餐には当然のように紫も同席していた。まるまる一匹分を調理したので、二人で食べ切るには丁度いいくらいの量がちゃぶ台の中央に鎮座している。
「ワニって知っているかしら? 蛇の遠い遠い親戚なんだけど、それも鶏肉のような感じで普通に食べれるのだそうよ。まぁ揚げ物でも煮物でも十分行けると思うわよ。ああでも毒には注意なさいな」
「なーるほど、これは上手く捕まえられれば食糧難にならなくて済むわ。というか、蛇を食べるなんて発想はなかったなぁ」
「つちのこの肉が特別おいしいのよ。他の蛇は素人にはお勧めできないってね――いや、あの門番や鳥さんなら平然と食べていそうだけど、それも生でこう皮をビーッ「文々。新聞緊急号外ですよぉぉぉお!!」
突如茶の間に台風がなだれ込んできた。ちゃぶ台が盛大にウルトラCを決め、なけなしの食卓は刹那の無重力体験の後畳という第二の器にひれ伏し、その中でもみそ汁に至っては鬼畜さ全開で霊夢の体にぶちまけられて性的な意味を通り越して悲惨な末路をたどった。
「アッー!? あつっ夕飯があつっ!?」
「れ、霊夢大丈夫? 早く風呂場で水浴びてきなさい、ただれるわよ」
「そんなことより号外ですよ号外! 水浴びなんて湖で出来るんですから急がないと」
「……話が見えないのだけれど」
のたうち回りながら風呂場へ駆け出す霊夢、布巾を霊夢に差し出しながら怪訝な顔で文を見る紫、ばっさばっさと羽根をまき散らして急かす文。こう書き表してみると実に意味不明である。
「話がわかるようにその号外とやらをくれないかしら?」
「実は今し方入手した情報なんでとても新聞を発行している暇はなかったんですが、ともかく号外です!」
「……写真も撮ってないのかしら。本当に無能な新聞記者ね」
紫はこの烏天狗の情報処理能力を真空管計算機以下であると結論した。いや、それはそれで体育館いっぱいに機材を積み込んで操作に専念していた技術者が浮かばれないか。
「……ってああ貴方はいつぞやの動物虐待妖怪! しまった罠だ逃げよう!」
「逃げようと聞いて逃がすお馬鹿さんではないわよ私は」
言葉通り、紫は一瞬でスキマを展開し文を拘束した。というより人の夕食をSATUGAIしたような輩をただのさばらせるほど紫は慈悲深くはないので、騒ぎ立てていた時点で結界を張っていたのだが。
「さてこのまま私の式にして橙に新スペルとして又貸ししてやってもよいのだけれど、その前に冷静に号外とやらについて話しなさいな」
「ひー! そんな目にあったら天狗の末代恥さらしじゃないですかー! わかりました! わかりましたよ! き、聞いて驚かないでくださいね!」
とりあえず逃げるのは無駄な努力と悟った文は、危なげな手つきで懐から文花帖を取り出して一枚の写真を紫に押し付けた。
「なんだ、写真撮ってたんじゃない――これは」
「ほんとにもーついさっき紅魔館の湖で撮影したんですよ! 光源が蛍のリーダーの光だけだったんで暗いですがちゃんと撮れてるはずです!」
「うううう――しばらく熱い風呂が痛いわ――あー天狗! あんたとうとう自分から事件を起こして新聞作るつもりになったのね! いくらあんたが山の民の一員だからってもう許さないんだから!」
そこで風呂場に待避していた霊夢が寝間着に着替えて戻ってきた。ただし手には大幣が握られており、殺意が滲み出ていた。
「まぁまぁ霊夢。後で適当に天狗の長老にでもあることないこと吹き込んで新聞に晒してもらいましょう。それよりこの写真を見てご覧なさい」
「何よ――なに、これ?」
渡された写真には、ぎりぎり水上であることがわかる黒塗りの空間に、あからさまに不自然に浮かぶ奇っ怪な輪郭が浮かび上がっていた。よく見れば、傘の部分がないシメジのような円筒形のものが水面に付きだしている。
「数日前から湖を根城にしてる妖精達が、見たこともない化け物が湖にいるという話で騒いでいたのでとりあえずネタもなかったので密着取材していたらこの目でしかと見たんですよ! 謎の巨大生物を! これは立派な証拠写真です!」
「うーん……流木が奇跡的バランス感覚で立ち上がったとかそういうのではないわよね、いくらなんでも」
「もうちょっとまともな考察はできないのかしら? それにしても、今日は新参者と縁があるわねぇ」
「あ! その顔はなんか知っている顔ですね。む、いやでも貴方なんかどうせ嘘と妄言しか吐かないし参考にならないいやいやでも万に一つ真実が含まれているかもいやいやいやいやいや――!?」
文の姿がスキマの中に消える。断末魔がひとしきり響き終えると、訪れた静寂に溜息が漏れた。
「まったくやかましい事ね。頭を冷やしてもらいたいわ。ということで湖のど真ん中に落としておきました」
「それはいーんだけどさ、紫、新参者って――」
「まさか世界的な有名どころもきてるなんてね。最近は特別に結界を緩めた覚えはないんだけれど」
そう言いつつ、紫は霊夢に手渡した写真を眺めた。
「もしかしてこれもあんたが言ってた新しい妖怪?」
「どちらかというと無間の底にいるような太古の生き残りなのかもしれないけど、そういったのは大概三途の川の管轄だし、紅魔館の湖に出たというならばたぶんそうね」
写真に写った謎の巨大生物とやらは、様々な想念の絡み合いにより生まれた一つの幻想だった。
「なんにせよ、確かにこれは号外作る意義はあるわね。早速見に行きましょう霊夢」
「私も行くの?」
「どうせあの天狗はここにくるまであちこち言いふらしたんでしょうし、今頃湖は百鬼夜行でしょうね。巨大生物を肴に宴会してても不思議じゃないわ。夕飯はだめになっちゃったしおこぼれにあずかりにいきましょ」
「その着眼点もまたたいしたものね――ま、確かにお酒でも飲まなきゃやってらんない気分だわ」
茶の間の惨状を見なかったことにしたい霊夢は紫の提案に賛成した。
同意を得て気をよくした紫は、すぐさま湖直通のスキマを開く。
「ねぇ霊夢」
「何よ」
スキマを通ろうとする霊夢に、紫は声をかける。
「これからもきっと幻想郷には色々なものが流れてくるわ。それが善いものか悪いものか、私達はその都度見極めなければいけない。その事を覚えておいて」
「んー……私は誰かに迷惑をかけるようなやつでなければ、それでいいと思うけどね。主に私の仕事を増やさない範囲で」
「貴方らしいわね」
「そんなもんでしょ、私に限らず」
そこで言葉を切り、霊夢は一足先に湖へと飛び越えていった。
その後に続く紫は、誰ともなしにつぶやく。誰にも聞かれない、でも誰もがどこかで聞いている、そんな戯れ言。
「幻想郷は全てを受け入れる、それはそれは愉快なことですわ」
こーいう話大好きですよー!
薀蓄も、実に「幻想郷」っぽくて面白かったですよー。
最後はネッシーでしょうか。
しかしつちのこと言い、ネッシーと言い、作品には出ておりませんでしたがスカイフィッシュやチュパカブラ……最近はテレビなんかめっきり聞かなくなりましたね。
良き幻想郷でした。
スラスラと読める内容、GJでした!
下水道でいっぱい狩って売りさばいた記憶があります(笑)
でも食べると下手な回復アイテムよりもよっぽど効く上に手に入りやすいという、理想的な食材でした。
確か上等とか特上とか、肉にランクがあったような記憶も。
ところで、蛇も実は結構おいしいらしいです。
直接食べた経験はないのですが、鰻というかアナゴというか、そんな感じと聞きます。
蛇は丸焼きでしたがまあ鰻っぽかったですね。
経験上。
そう言えば何とかサークルも(人為的ながら)発生していたようですし。
幻想郷ではどうだろうと思ったり
ところで文、
…かんずめ?