「だ~れだ。」
台所に立つ私のすぐ背後にまで、気配消して近付けるのは流石だと思うけど。
古典的な子供っぽい仕草にその場で思わず私は苦笑してしまった。
そしてその誰かさんの手で視界は真っ暗だけど私の心は妙なくすぐったさを覚えた。
「村紗でしょ?」
間違いようもない。こんなひんやりとした手は他にいないもの。
冷たいけど、とっても優しい。そんな……私の大好きな人の手。
手が冷たい人は心が温かいなんて言うけど、きっとそれは村紗のためにある言葉じゃないかって。
その手に触れられる度に私はそんなことを思ってしまう。
「もう。つまんないな。どうして分かっちゃうの?」
簡単にバレてしまったのが詰まらなかったのか……それとも少しくらい私が乗ってくれると思っていたのか。
どちらにせよ悪いことしたかなって思わなくもないけど、これはこれ。
私のキャラじゃないし、第一触れられたままでは私の平常心が危ぶまれる。
「分かるわよ……一体何年の付き合いだと思っているの?」
貴女だからすぐ分かったなんて恥ずかしくて言えなくて。
拗ねてしまった村紗が椅子に腰掛け足をぶらぶらと揺らすその姿に、やっぱり子供っぽくて私は微笑ましく感じてしまうのだった。
「そう言えばさ。一輪って誰か心に決めた人とかいるの?」
「なっ!? ななななな何を言い出すのよ急に!?」
不意打ちをくらった私は動揺を隠せずに大いに狼狽えた。
からかわれているのかと思いきや、椅子に腰掛けたままこちらを見上げる村紗の瞳には邪気は無く、それどころか潤んですらいる。
うっすらと頬を上気させた村紗に真正面から見つめられて、私はゴクリと喉を鳴らした。
──これは……ひょっとして、チャンスじゃないかしら。
何の意図があってこんな事を聞いてきているのか分からないけど、一世一大のチャンスには変わらないと思う。
もしここで私が思いの丈をぶつけるとしよう。ずっと好きだったと。貴女の事を愛していると。
そう、言ったとする。すると一体どんな答えが返ってくるだろう?
『一輪……実は私も……。』
流石にそれは都合が良すぎるだろうか? だとすると──
『ごめん……私、他に好きな人が居て……だからその……一輪に相談にのって貰おうと思ったんだけど……。』
これは気まずい……それに、切ない。もう少し様子を見てからでも良いだろうか?
「どうなの? 居るの?」
うっ……。期待の籠もった瞳を向けられるとどうにも答えに困ってしまう。
恥ずかしさともどかしさに口を噤んでしまいそうになるが、どうにか気を落ち着かせようと試みる。
こういう時こそ深呼吸よ、深呼吸……! すぅ……はぁ~。
「……あんまり驚かせないでちょうだい。どうして急にそんな事を?」
これだ。これこそ落ち着いた大人の対応というものだろう。
内心ではまだ心臓がバクバク鳴っているが、表面上だけでもどうにか繕う事ができた。
「そんな驚かせるつもりじゃなかったんだけど……私はただ、一輪の事が心配になって……。」
申し訳なさそうに顔を伏せる村紗にどうした事かと私は首を傾げた。
「何か心配されるような事あったかしら私。」
「それだよ……その危機感の無さが問題なんだよ。」
などと言われても、やっぱり私は首を傾げる他無くて。
「……どういう事よ?」
村紗は深く溜め息を付いたかと思うと、険しい顔で私を見上げてきた。
「このままじゃあ一輪、売れ残っちゃうよ?」
うれ──なんだって?
「だからっ! 一輪ってば忙しさにかまけて、探してないでしょう?……その、運命の人ってやつを!」
「う、運命の人?」
「そう。運命の人。」
そんなのとっくの昔に見つけているわよ──なんて流石に言えない。恥ずかしくて。
それにしたってさっきから一体なんなのかしら、心に決めた人だの運命の人だの……。
ひょっとして私の気持ちに気付いた上でおちょくっているのかしら?…………それは無いわね。村紗に限って。
今だってほら……私からの答えを黙って待つあの人懐っこい顔。
まさかその『心に決めた人』が自分自身だなんて夢にも思っていなさそうだもの。
はぁ……全くなんだかなぁ……。
気付いて貰えないのは、それはそれで悔しくて……。
だったらそれとなくアピールしてみても良いかな? なんて思ってみたり。
「……別に無理して探す必要なんてないじゃない? ひょっとしたら身近にいるかもしれないし///」
とても目を合わせられ無くて、視線を泳がせながらしどろもどろにそう答える私。
これはちょっと直球過ぎたかしら。そう思いチラッと横目で村紗を見る。
すると彼女は両目をカッと見開いてこちらを凝視していた。
「一輪!?」
「は、はい!」
大声で名前を呼ばれ、とっさに背筋を伸ばす私に躊躇無く詰め寄ってくる村紗。
無論、何を言われるのかと私の心臓は再びバクバクと鳴っている。
「身内で済ませようなんて駄目っ!」
「なっ……。」
私は愕然とした。身内……身内ときたか。
確かに良く聖が私たちの事を家族と例えるし、私もあながち間違いじゃないと思ってるというか、本当の家族のように大切に想ってもいるし。
というか同じ家族でも夫婦って選択肢もあるじゃない?
「……それじゃあ星とナズーリンは良いの?」
彼女たちの間柄が上司と部下から恋人へランクアップしたのは周知の事実。
身内が駄目と言うのなら、村紗はあの二人の関係をどう思っているのか。
「え? あの二人がどうかした?」
「いや、だからね? 村紗が身内で運命の人(?)を探すなみたいな事言うもんだから、実際付き合ってるあの二人はどうなのかなって……。」
「え……? あの二人、出来てたの?」
まさか気付いて無かったの?
「どうして気付かないかしら……所構わずあんなあからさまにいちゃついてたのに……。」
そりゃあもう羨ましく思ってしまう位に。
あの二人だって確かにはっきりと公言した訳じゃないけど。普通見てれば分かるでしょうに。
「良くそんなんで私の心配なんてしてられたわね……。自分の心配をした方が良いんじゃないかしら?」
まさか村紗の鈍感さがここまでとは……。結局苦労するのは私って事か。
「わ、私の事は良いんだよ! 幽霊だし! 子孫を残す事も出来ないし! 死んじゃったら女の喜びも減った暮れも無いんだから!」
むきになって叫ぶ村紗。顔が真っ赤っかで可愛い──なんて考えてる場合じゃなかった。
今は村紗の発言から彼女の思考を汲み取る事に専念せねば。取りあえず彼女の言い分は理解できた。
このままでは私は結婚できないなんて思われているようだ……失礼しちゃうわね。
しかしそれがどうしてまた村紗に心配される要素と成りうるのか、それがいまいち理解出来ない。
「子孫を残すって貴女、人間じゃないんだから……あっ。」
言いながら、何となく村紗の考えが読めてきた気がする。
「あのね、村紗。私達妖怪の寿命が幾つあると思ってるの? そもそも人間と違って種を残す事に縛られていないって事ね。
一部例外は居るけど、逆に子孫を残せない者たちだっている。だからお嫁に行き遅れる心配なんて無用なのよ。」
村紗なりに気を使ってくれたのだろう。彼女から見ればずっと私が命蓮寺に縛られているように映ってたのかもしれないわね。
そんなこと無いのに……私は私の意思で此処にいる。村紗が気にする事なんて無いのだ。
まあそれに子孫だとか結婚だとかは種族間での価値観の違いだろうから納得は難しいかも……はっ! ちょっと待って!
さっきの発言だと私、一生一人身でも構わないって宣言しちゃったようなものじゃないかしら?
そ、それは不味い……私にだって村紗と添い遂げたいって夢があるんだから……!
「だ、だからって何も探さない訳じゃないのよ? 運命の人? そうよ、妖怪だって感情は有るのだもの!
何も種を残せないからって好きな人と一緒に居たいって気持ちには違いは無いでしょう?
そう! 妖怪だって友達になれるのだから、勿論恋人にだってなれる訳よね?
そもそも雌しべと雄しべが云々かんぬんがお目当てって訳じゃないから、種族どころか同性とだって恋人になれちゃう! ってことでどうかしら?」
……待て、私。これじゃあまるで告白しているみたいじゃない。
私は焦るあまりつい余計な事まで口走ってしまった。
「………………。」
だけど肝心の村紗は視線を下に落として何やら考えてる様子。
え? ひょっとしてさっきの告白紛いの台詞も聞いて無かったの?…………安心したようながっかりしたような……正直複雑。
「そ、それじゃあさ!」
「ん? 何?」
急に村紗はバッと顔を上げたかと思うと、真に迫る勢いで私に問い掛けてきた。
軽く落胆していた事もあって若干怯んでしまったけど、辛うじて私は返事をした。
「ずっと一輪は命蓮寺(ここ)に居てくれるって事? ずっと私たちのお姉ちゃんでいてくれる?」
真剣な眼差しでそっと私を見上げてくれる村紗──なんだかんだ言って私、大切に想われてるみたい。
「ふふっ、何を言い出すかと思えば。そんな事気にしてたの? そうね……手の掛かる妹がいる内は出て行かないから安心なさい。」
恋人になるなんて、それはもう随分と先の話かも知れない。
それにしても……お姉ちゃん、ねぇ……。
「ホント? 良かった……。」
「そこは安心するところじゃないでしょう?」
それでもお姉ちゃんというポジションも今は悪くないと思ってしまう。
「ええぇ~。安心するところだよ。だってこれからもずっと一輪と一緒に居られるって事でしょう?」
「……っ/// バカっ。ちょっとは成長しようという気概を見せなさいよ。」
だってこんなにもドキドキさせてくれるから……それがずっと続くなら。
「ずっと、ね。」
「なんか言った、一輪?」
「何でも。それより暇なら村紗もこっち来て手伝いなさい。」
「は~い。」
暫くはこのままで。
台所に立つ私のすぐ背後にまで、気配消して近付けるのは流石だと思うけど。
古典的な子供っぽい仕草にその場で思わず私は苦笑してしまった。
そしてその誰かさんの手で視界は真っ暗だけど私の心は妙なくすぐったさを覚えた。
「村紗でしょ?」
間違いようもない。こんなひんやりとした手は他にいないもの。
冷たいけど、とっても優しい。そんな……私の大好きな人の手。
手が冷たい人は心が温かいなんて言うけど、きっとそれは村紗のためにある言葉じゃないかって。
その手に触れられる度に私はそんなことを思ってしまう。
「もう。つまんないな。どうして分かっちゃうの?」
簡単にバレてしまったのが詰まらなかったのか……それとも少しくらい私が乗ってくれると思っていたのか。
どちらにせよ悪いことしたかなって思わなくもないけど、これはこれ。
私のキャラじゃないし、第一触れられたままでは私の平常心が危ぶまれる。
「分かるわよ……一体何年の付き合いだと思っているの?」
貴女だからすぐ分かったなんて恥ずかしくて言えなくて。
拗ねてしまった村紗が椅子に腰掛け足をぶらぶらと揺らすその姿に、やっぱり子供っぽくて私は微笑ましく感じてしまうのだった。
「そう言えばさ。一輪って誰か心に決めた人とかいるの?」
「なっ!? ななななな何を言い出すのよ急に!?」
不意打ちをくらった私は動揺を隠せずに大いに狼狽えた。
からかわれているのかと思いきや、椅子に腰掛けたままこちらを見上げる村紗の瞳には邪気は無く、それどころか潤んですらいる。
うっすらと頬を上気させた村紗に真正面から見つめられて、私はゴクリと喉を鳴らした。
──これは……ひょっとして、チャンスじゃないかしら。
何の意図があってこんな事を聞いてきているのか分からないけど、一世一大のチャンスには変わらないと思う。
もしここで私が思いの丈をぶつけるとしよう。ずっと好きだったと。貴女の事を愛していると。
そう、言ったとする。すると一体どんな答えが返ってくるだろう?
『一輪……実は私も……。』
流石にそれは都合が良すぎるだろうか? だとすると──
『ごめん……私、他に好きな人が居て……だからその……一輪に相談にのって貰おうと思ったんだけど……。』
これは気まずい……それに、切ない。もう少し様子を見てからでも良いだろうか?
「どうなの? 居るの?」
うっ……。期待の籠もった瞳を向けられるとどうにも答えに困ってしまう。
恥ずかしさともどかしさに口を噤んでしまいそうになるが、どうにか気を落ち着かせようと試みる。
こういう時こそ深呼吸よ、深呼吸……! すぅ……はぁ~。
「……あんまり驚かせないでちょうだい。どうして急にそんな事を?」
これだ。これこそ落ち着いた大人の対応というものだろう。
内心ではまだ心臓がバクバク鳴っているが、表面上だけでもどうにか繕う事ができた。
「そんな驚かせるつもりじゃなかったんだけど……私はただ、一輪の事が心配になって……。」
申し訳なさそうに顔を伏せる村紗にどうした事かと私は首を傾げた。
「何か心配されるような事あったかしら私。」
「それだよ……その危機感の無さが問題なんだよ。」
などと言われても、やっぱり私は首を傾げる他無くて。
「……どういう事よ?」
村紗は深く溜め息を付いたかと思うと、険しい顔で私を見上げてきた。
「このままじゃあ一輪、売れ残っちゃうよ?」
うれ──なんだって?
「だからっ! 一輪ってば忙しさにかまけて、探してないでしょう?……その、運命の人ってやつを!」
「う、運命の人?」
「そう。運命の人。」
そんなのとっくの昔に見つけているわよ──なんて流石に言えない。恥ずかしくて。
それにしたってさっきから一体なんなのかしら、心に決めた人だの運命の人だの……。
ひょっとして私の気持ちに気付いた上でおちょくっているのかしら?…………それは無いわね。村紗に限って。
今だってほら……私からの答えを黙って待つあの人懐っこい顔。
まさかその『心に決めた人』が自分自身だなんて夢にも思っていなさそうだもの。
はぁ……全くなんだかなぁ……。
気付いて貰えないのは、それはそれで悔しくて……。
だったらそれとなくアピールしてみても良いかな? なんて思ってみたり。
「……別に無理して探す必要なんてないじゃない? ひょっとしたら身近にいるかもしれないし///」
とても目を合わせられ無くて、視線を泳がせながらしどろもどろにそう答える私。
これはちょっと直球過ぎたかしら。そう思いチラッと横目で村紗を見る。
すると彼女は両目をカッと見開いてこちらを凝視していた。
「一輪!?」
「は、はい!」
大声で名前を呼ばれ、とっさに背筋を伸ばす私に躊躇無く詰め寄ってくる村紗。
無論、何を言われるのかと私の心臓は再びバクバクと鳴っている。
「身内で済ませようなんて駄目っ!」
「なっ……。」
私は愕然とした。身内……身内ときたか。
確かに良く聖が私たちの事を家族と例えるし、私もあながち間違いじゃないと思ってるというか、本当の家族のように大切に想ってもいるし。
というか同じ家族でも夫婦って選択肢もあるじゃない?
「……それじゃあ星とナズーリンは良いの?」
彼女たちの間柄が上司と部下から恋人へランクアップしたのは周知の事実。
身内が駄目と言うのなら、村紗はあの二人の関係をどう思っているのか。
「え? あの二人がどうかした?」
「いや、だからね? 村紗が身内で運命の人(?)を探すなみたいな事言うもんだから、実際付き合ってるあの二人はどうなのかなって……。」
「え……? あの二人、出来てたの?」
まさか気付いて無かったの?
「どうして気付かないかしら……所構わずあんなあからさまにいちゃついてたのに……。」
そりゃあもう羨ましく思ってしまう位に。
あの二人だって確かにはっきりと公言した訳じゃないけど。普通見てれば分かるでしょうに。
「良くそんなんで私の心配なんてしてられたわね……。自分の心配をした方が良いんじゃないかしら?」
まさか村紗の鈍感さがここまでとは……。結局苦労するのは私って事か。
「わ、私の事は良いんだよ! 幽霊だし! 子孫を残す事も出来ないし! 死んじゃったら女の喜びも減った暮れも無いんだから!」
むきになって叫ぶ村紗。顔が真っ赤っかで可愛い──なんて考えてる場合じゃなかった。
今は村紗の発言から彼女の思考を汲み取る事に専念せねば。取りあえず彼女の言い分は理解できた。
このままでは私は結婚できないなんて思われているようだ……失礼しちゃうわね。
しかしそれがどうしてまた村紗に心配される要素と成りうるのか、それがいまいち理解出来ない。
「子孫を残すって貴女、人間じゃないんだから……あっ。」
言いながら、何となく村紗の考えが読めてきた気がする。
「あのね、村紗。私達妖怪の寿命が幾つあると思ってるの? そもそも人間と違って種を残す事に縛られていないって事ね。
一部例外は居るけど、逆に子孫を残せない者たちだっている。だからお嫁に行き遅れる心配なんて無用なのよ。」
村紗なりに気を使ってくれたのだろう。彼女から見ればずっと私が命蓮寺に縛られているように映ってたのかもしれないわね。
そんなこと無いのに……私は私の意思で此処にいる。村紗が気にする事なんて無いのだ。
まあそれに子孫だとか結婚だとかは種族間での価値観の違いだろうから納得は難しいかも……はっ! ちょっと待って!
さっきの発言だと私、一生一人身でも構わないって宣言しちゃったようなものじゃないかしら?
そ、それは不味い……私にだって村紗と添い遂げたいって夢があるんだから……!
「だ、だからって何も探さない訳じゃないのよ? 運命の人? そうよ、妖怪だって感情は有るのだもの!
何も種を残せないからって好きな人と一緒に居たいって気持ちには違いは無いでしょう?
そう! 妖怪だって友達になれるのだから、勿論恋人にだってなれる訳よね?
そもそも雌しべと雄しべが云々かんぬんがお目当てって訳じゃないから、種族どころか同性とだって恋人になれちゃう! ってことでどうかしら?」
……待て、私。これじゃあまるで告白しているみたいじゃない。
私は焦るあまりつい余計な事まで口走ってしまった。
「………………。」
だけど肝心の村紗は視線を下に落として何やら考えてる様子。
え? ひょっとしてさっきの告白紛いの台詞も聞いて無かったの?…………安心したようながっかりしたような……正直複雑。
「そ、それじゃあさ!」
「ん? 何?」
急に村紗はバッと顔を上げたかと思うと、真に迫る勢いで私に問い掛けてきた。
軽く落胆していた事もあって若干怯んでしまったけど、辛うじて私は返事をした。
「ずっと一輪は命蓮寺(ここ)に居てくれるって事? ずっと私たちのお姉ちゃんでいてくれる?」
真剣な眼差しでそっと私を見上げてくれる村紗──なんだかんだ言って私、大切に想われてるみたい。
「ふふっ、何を言い出すかと思えば。そんな事気にしてたの? そうね……手の掛かる妹がいる内は出て行かないから安心なさい。」
恋人になるなんて、それはもう随分と先の話かも知れない。
それにしても……お姉ちゃん、ねぇ……。
「ホント? 良かった……。」
「そこは安心するところじゃないでしょう?」
それでもお姉ちゃんというポジションも今は悪くないと思ってしまう。
「ええぇ~。安心するところだよ。だってこれからもずっと一輪と一緒に居られるって事でしょう?」
「……っ/// バカっ。ちょっとは成長しようという気概を見せなさいよ。」
だってこんなにもドキドキさせてくれるから……それがずっと続くなら。
「ずっと、ね。」
「なんか言った、一輪?」
「何でも。それより暇なら村紗もこっち来て手伝いなさい。」
「は~い。」
暫くはこのままで。
後、タグwwwww
お姉ちゃんだっていいじゃない。これからお姉様と呼んでくれるようになれば!
そして売れ残りだからこそ買いたいと思う人もいるわけで。
さて、次は所構わずイチャイチャする寅と鼠ですね。期待してます。
姉妹のようなムラいちもいいですね。
鈍い村紗もかわいいですね