今日はクリスマス。街はイルミネーションでキラキラと輝き、
恋人たちは愛する人と共に過ごす。そんな日らしい。
魔界神である神綺様が治め、信仰もその殆どを神綺様が集めているはずの
この魔界でもなぜかここ数年クリスマスは行われていた。
魔界にクリスマスがある理由は、神綺様が夢子さんに
「イベントがなくて寂しいの、何とかしてよ夢子ちゃぁぁぁん」
と泣きついただとか、
いたずらが過ぎる神綺様に困った夢子さんが
「悪い子にしてるとサンタクロースにプレゼントもらえませんよ?」
と脅しをかけるために普及させたとかいう噂がまことしやかに流れている。
……どちらも嘘とは思えなくて困る。
まあそんなことは置いといて。ここ、魔界にもクリスマスはやってきた。
私は相棒であるマイのためのプレゼントの包装をしていた。
包み紙で包み、リボンをかける。
……少しいびつになってしまったけど心は込めたからきっと許してくれるだろう。
私が不器用なの知ってるし。それに、プレゼントはもう一個あるのだ。きっと大丈夫。
もう一度プレゼントに不具合が無いかを確かめてゆっくりと立ち上がる。
部屋のドアを開けて、階段をかけおりる。
頑張って選んだプレゼントを早くマイに受け取って欲しくて、ついつい歩みは早くなる。
リビングのドアを開けるとマイが――いない。部屋にはツリーと安楽椅子があるだけ。
暖炉の薪のぱちぱちという音が虚しく響く。
まだ部屋なのかもしれない。早く渡したかったのになぁ。
がっかりしながら部屋を横切り暖炉に向かう。
暖炉の火を眺めながらしばらく待っていると、ようやくマイが現れた。
ぐいっとプレゼントを差し出しマイに手渡す。
「これ、ちょっといびつになっちゃったけど……プレゼント!」
「……ありがと、ユキ。開けても、いい?」
こくりと頷く。マイの反応が気になって、目が離せない。
マイが包み紙をあけた。出てきたペンダントを見てマイが笑う。
「マイに似合うかなって思ったんだけど……どう?」
「かわいい……ありがと、ユキ」
「それとね……」
「……?」
もうひとつのプレゼントを渡すためにマイに歩み寄る。胸がドキドキと脈動する。
「もうひとつ、大事なプレゼント。メリー・クリスマス」
マイの唇に私の唇を重ねる。キスのプレゼント。顔が赤くなるのを感じる。
「ふふ、メリー・クリスマス、ユキ……」
マイはゆっくりと微笑んでくれた。
「それじゃあ私もおかえし……」
そういうと、マイはいきなり抱きしめてきた。とっさのことに頭が働かない。
唇が、奪われた。私がしたのよりもずっと長く。
頭がとろけそうになる。世界に私たちしか居ないような気がした。
長い長い、素敵なキスだった。
「もういちど、メリー・クリスマス、ユキ……」
「……うん。メリー・クリスマス、マイ」
恋人たちは愛する人と共に過ごす。そんな日らしい。
魔界神である神綺様が治め、信仰もその殆どを神綺様が集めているはずの
この魔界でもなぜかここ数年クリスマスは行われていた。
魔界にクリスマスがある理由は、神綺様が夢子さんに
「イベントがなくて寂しいの、何とかしてよ夢子ちゃぁぁぁん」
と泣きついただとか、
いたずらが過ぎる神綺様に困った夢子さんが
「悪い子にしてるとサンタクロースにプレゼントもらえませんよ?」
と脅しをかけるために普及させたとかいう噂がまことしやかに流れている。
……どちらも嘘とは思えなくて困る。
まあそんなことは置いといて。ここ、魔界にもクリスマスはやってきた。
私は相棒であるマイのためのプレゼントの包装をしていた。
包み紙で包み、リボンをかける。
……少しいびつになってしまったけど心は込めたからきっと許してくれるだろう。
私が不器用なの知ってるし。それに、プレゼントはもう一個あるのだ。きっと大丈夫。
もう一度プレゼントに不具合が無いかを確かめてゆっくりと立ち上がる。
部屋のドアを開けて、階段をかけおりる。
頑張って選んだプレゼントを早くマイに受け取って欲しくて、ついつい歩みは早くなる。
リビングのドアを開けるとマイが――いない。部屋にはツリーと安楽椅子があるだけ。
暖炉の薪のぱちぱちという音が虚しく響く。
まだ部屋なのかもしれない。早く渡したかったのになぁ。
がっかりしながら部屋を横切り暖炉に向かう。
暖炉の火を眺めながらしばらく待っていると、ようやくマイが現れた。
ぐいっとプレゼントを差し出しマイに手渡す。
「これ、ちょっといびつになっちゃったけど……プレゼント!」
「……ありがと、ユキ。開けても、いい?」
こくりと頷く。マイの反応が気になって、目が離せない。
マイが包み紙をあけた。出てきたペンダントを見てマイが笑う。
「マイに似合うかなって思ったんだけど……どう?」
「かわいい……ありがと、ユキ」
「それとね……」
「……?」
もうひとつのプレゼントを渡すためにマイに歩み寄る。胸がドキドキと脈動する。
「もうひとつ、大事なプレゼント。メリー・クリスマス」
マイの唇に私の唇を重ねる。キスのプレゼント。顔が赤くなるのを感じる。
「ふふ、メリー・クリスマス、ユキ……」
マイはゆっくりと微笑んでくれた。
「それじゃあ私もおかえし……」
そういうと、マイはいきなり抱きしめてきた。とっさのことに頭が働かない。
唇が、奪われた。私がしたのよりもずっと長く。
頭がとろけそうになる。世界に私たちしか居ないような気がした。
長い長い、素敵なキスだった。
「もういちど、メリー・クリスマス、ユキ……」
「……うん。メリー・クリスマス、マイ」
それは兎も角ニヤニヤが止まりませんでした