Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

私の好きな君が好きな私

2010/12/07 19:40:03
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「なあ、アリス。シフォンケーキって好きか?」

しんしんと雪の降る景色を窓の外に臨む家の中。
唐突に訊ねてきたのは、向かいに座っていた魔理沙だった。
アリスと呼ばれた少女は編み物の手を止めて、伏せていた顔をゆっくりと上げた。

「まあ、好きと言えば好きね」

「じゃあシチューは?」

「じっくり煮込んだものは好きだわ」

目の前の白黒魔法使いは行儀悪くもテーブルに両肘をついていた。
アリスはもう見慣れてしまっているらしく、それを咎めることもなく彼女の話に耳を傾けている。

「トマトケチャップは?」

「料理によく使うわね」

樹木のすっとした匂いが消えないテーブルに、向かい合って座っている魔法使いたち。
似たような色だが少し違う髪を持つ二人は、とりとめのない会話をさらに繰り返していく。

「犬派?猫派?」

「どちらかというと猫」

「どの季節が好きだ?」

「うーん、冬かしら」

いつまでも続いていくかに思えた問答。
それを止めたのは、アリスのため息交じりの一言だった。

「ねえ、魔理沙。こんなこと訊いてどうするのよ?」

「ん?あ、ああ、ええと……その……」

急に質問を浴びせられ動揺したのか、困った顔でしどろもどろになる魔理沙。
目はくるくると泳ぎ、時折アリスの方を見ては何かを訴えかけるように潤む。
しかし、アリスはその様子をただじっと見守っているだけで、何もしてこない。
助け舟の期待できない状況に陥って、魔理沙はようやく観念し口を開いた。

「好きな人の好きなものくらい、知っておきたい……なんて思ってさ」

咽喉の奥から声を絞り出すように弱々しく語る魔理沙。
頬っぺたが淡く紅色になっているのは、暖炉が焚かれているからだけではないだろう。

「何かと思えばそんなこと?」

「な、そんなことってなんだよ。これでも私は真剣なんだぞ」

何やらぶつぶつと言い訳をしている魔理沙を尻目に、アリスは楽しそうに微笑むと、ちょいちょいと彼女を手招きした。

「そう。それじゃあいいこと教えてあげるから、耳貸しなさい」

「いいことって、何だ……?」

「私が一番好きなもののこと」

そう言ってアリスは、恐る恐る近づいてくる魔理沙の耳に、体温の低い己の手をあてがった。
くすぐったそうに少し身じろぎした魔理沙だったが、すぐに意識を耳朶に集中させる。

「――」

小さく、本当に魔理沙にだけしか聞こえない声量で、アリスはそっと言葉を発した。
それを聞いた魔理沙の顔は、火が付いたように一瞬にして真っ赤に染まってしまった。

「お、おまえ、そんなこと耳元で言うなよ!」

「あら、ごめんなさい」

反省の色もないしたり顔で謝ってくるアリスに、魔理沙は不満げに低く唸って顔を逸らした。
オレンジがかった黄色い瞳の先に、白銀の世界が映る。
窓の外の雪はまだ降り止んでいないようだった。

「……なあ、アリス」

「ん?」

「雪が止むまで……ここにいても、いいか?」

未だ赤いままの魔理沙の申し出に、一瞬目をぱちくりさせるアリス。
だが彼女はすぐに笑顔を取り戻すと、優しい声でそれに応えた。

「もちろんよ」



結局、雪が止んだのは、次の日の朝になってからだった。
『マリアリを書いていたと思ったらいつのまにかアリマリになっていた』
な…何を言ってるのかわからねーと思うが(ry
乙女チックな魔理沙もいいと思えてきた今日この頃。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
いっちょうめ
コメント



1.名前が無い程度の能力削除
乙女チック魔理沙は神!
2.奇声を発する程度の能力削除
マリアリもアリマリもどっちも良いよ!!
3.名前が無い程度の能力削除
すばらしい、すばらしい マリアリとアリマリは幸せにしてくれる
4.名前が無い程度の能力削除
すばらしいマリアリマリ
ごちそうさまでした
5.名前が無い程度の能力削除
顔がにやけました。うへへ
6.名前が無い程度の能力削除
このにやにやを糧に今日も生きるぜw
7.名前が無い程度の能力削除
胸が熱くなるな
8.名前が無い程度の能力削除
乙女チック魔理沙いいね。
アリスもかわいいなぁ。
9.名前が無い程度の能力削除
にやにやしすぎてやばいw