Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

眠れる場所

2010/11/29 18:33:32
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百合成分含みます レミリアと美鈴の過去捏造 レミリアの回想話
前に書いた「抱き締めていたい日」「特別な花をあなたに」の続きになりますが単体でも読めると思います



美鈴から冬バラをもらう約束をした日からの幾日か過ぎた。
今日も美鈴は庭園で花の手入れをしている。
門番兼庭師のようなものなので一日門の前に立っているわけではなく、
業務の半分は庭園にいることが多い。
門にいない間は門番担当の妖精が巡回していて、
美鈴が対応しなければいけない来客が来たときには妖精が呼びにいく、
というシステムになっているようだ。

見ると、美鈴は一つのバラの木に囲いをして覆いをしている。
アレが私にくれると言っていた冬バラなのかな?
ふとあの時の会話が思い出されて顔が熱くなる、
あの時から一応両思いでいいのだろうか?
直接好きとか言っていないけれど…
まさか美鈴とこうなるとは思ってもみなかった。
付き合いは長く気の置けない仲ではあったが。
昔、美鈴と親しくなった時を思い出すと不思議でならない。
もう400年は前になるのか

まだ私が東欧に住んでいた頃、先代である父に

『スカーレット家の次期当主となる者として見聞を広めて来い』

との言葉とともに館を出されたのだ。
そのとき、父が従者としてつけてくれたのが美鈴だった。
美鈴は年も近くあまり堅苦しくない性格で、
しかも世間慣れしていたのでついて来てくれてありがたかった。
館で生きてきた私には外での生き方などまるで判らないからだ。
しかも当時は魔女狩りなどの異端審問が盛り上がっている最中だったし、
吸血鬼は昼間はまるで無力に近いので、単独ではとても生きられない。
だから昼間、眠っている間に身を守ってくれる美鈴の存在は欠かせないものだった。

昼間に移動しないといけない時は外套を深く被った私を背負ってくれたし、
襲ってきた異端狩りなどからも守ってくれた。
最初の頃は真面目に従者をしていた美鈴だが、直に少しいい加減でお人好しな面が出てきて、
いつの間にか従者兼悪友のようになっていた。


館に帰った後も二人でちょくちょく遊び歩き、それはずっと続くと思っていた。
しかし、魔が権勢を誇った時代が終わり近代化が進むにつれ臣下の数は減っていった。
そんな時だった。
私と美鈴が不在の時、生き残りをはかった勢力によって父が倒された。
急遽当主を継がなくてはいけなくなった私は不安でいっぱいだった。
少ない手勢でどうやって生き残ればいいのか、父のように隙をつかれて命を落とすかもい知れない、
そうしたら妹はどうなるのか。

私は眠れなくなっていた…
そんな私を見て美鈴は

「大丈夫ですよ、私が守りますから。」
「美鈴」
「私がお嬢様の眠りを守って見せますから」

そうして私を包むように抱きしめた。

「大丈夫ですから」
「め、いりん…」

不思議と安心した、一緒に旅をしていた時のように美鈴が守ってくれるから
眠れるんだ、そう考えているうちに眠りに落ちていった。

目が覚めたとき、美鈴が笑顔で迎えてくれがその身体は満身創痍だった。
私が眠っている間に仕掛けられて反対勢力の攻撃を美鈴と他の従者達が退けてくれたのだ。
美鈴ほどではないけれど他の皆も負傷していた。

「大丈夫だったでしょう? あんな奴らにお嬢様の眠りを邪魔させたりしませんよ
しっかり休んで力を戻して、今度はこちらから仕掛けてやりましょうよ」

もともと吸血鬼並みに回復力のある美鈴だが痛々しい傷はまだ残っている、
そんな顔でも笑顔が眩しくて、頼もしかった。
私はもっと美鈴を、他の従者達を信頼すればいいのだ、一人不安になることはないんだ。
その後、私達は残った者を集めて態勢を整えた。
美鈴はいつの間にか相手の本拠地と攻撃ポイントを見つけてきていた。
夜は吸血鬼の時間だ、その夜のうちに私達は敵を殲滅することができた。

思えばあの時から私の美鈴に対する気持ちに変化が出てきたんだと思う。
ただその後はあまりに慌しくそれをじっくり考える暇が無かった。
何とかこの世界での生き残りも模索しているときにパチュリーが加わり、
噂で東洋の島国で自分達のような現代社会に忘れ去られたものが行き着く場所があると聞き、
大掛かりな引越しを始めたからだ。
パチュリーの魔法と私の運命操作で館ごと移動するという強硬手段、
こうしないと地下の妹を連れて行くのは難しかった。
たどり着いた幻想郷はこちらを滅ぼそうとする勢力は無く(小競り合いはあるが)
ようやく息をつくことが出来たと感じた。

そのせいか、幻想郷にやって来るまで私の眠りを守ってくれていた美鈴は
最近ちょっと緩んでしまったようだ。
私が昼間に起きているからという事もあるからだろう。
だが此処にたどり着くまでは余裕がまったく無かったからこれも良いのかもしれない。
それに昼間の美鈴の行動もよく観察できるし。
そうだ、この後美鈴がバラの手入れを終えたら部屋に呼んで、昼寝でもしよう。
この前に抱き枕にされた仕返しに今度は私が美鈴を抱き枕にしてやろう、
数日前の告白の後だから気恥ずかしい気もするが、今は無性に一緒に眠りたい気分だから。
思いついてイッキに書いてました(仕事の合間に)
めーレミだと友達関係からの恋人関係で書いていますが、もちろん他の設定も大好きです。
いい加減ちっさいめーさく書かねば…

誤字修正と、一部手直ししました。


1さん>両方平行して書いていきたいですね、めーレミは勢いで書いているので筆すすみやすくてw

投げ槍さん>めーレミ万歳、ちっさいめーさく頑張ります!誤字報告ありがとうございます

奇声を発する程度の能力さん>信頼し安心できる、そんな関係のめーレミだといいなと思って書いてますw

H.N.さん>一緒に馬鹿なことをしたり助け合ったり、そんな主従関係です

5さん>本当に増えましたねー、めーレミはもっと増えるべきですね。
誤字報告ありがとうございます、仕事中に書いているのがいけないのでしょうね。

6さん>もっと流行るべきです!

7さん>美鈴は、仲間や家族、大切な人の身を守る時に強さを発揮すると思う。
それ以外は緩んでいるけどねw

8さん>逆に考えると、美鈴が平和ボケして緩んでいる限り世界は平和なのですw
虎姫
コメント



1.名前が無い程度の能力削除
良いめーレミでした。
小さいシリーズも良いけど、こっちの話も読んでいたいですね。
2.投げ槍削除
ナイスめーレミ!
ちっさいめーさくも楽しみに待ってます!

>夜は吸血鬼に時間だ、
吸血鬼『の』時間だ、と思われます
3.奇声を発する程度の能力削除
やっぱこの二人の絆は深いね
4.H.N.削除
こんなかんじの関係は大好きです!!

とてもおろしろかったです
5.名前が無い程度の能力削除
仕事早いですね!
最近マジでめーレミ増えたなぁ。もっと増えたらさらに嬉しいです

>顔の熱くなる→顔が >つけてくれたのがが美鈴だった
6.名前が無い程度の能力削除
もっと流行れ!!
7.名前が無い程度の能力削除
これはいい
めーりんは実は強い子だもんレミイは安心して守られなさい
緩んでるメーリンも可愛いけどね!
8.名前が無い程度の能力削除
ヤバい、美鈴がイケメンすぎる

これが美鈴の本来の姿なんだと思う
彼女は悪くない、平和すぎる世界が悪いんだ(笑)