Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

姉妹人形劇場

2010/11/24 12:53:32
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※東方地霊殿・一部の能力・登場人物を曲解しています。



















『それにしても豪華な屋敷ですね。広大な敷地、可愛らしく上品なステンドグラス。
こう言っては失礼ですけど、なんだかあなたの趣味らしからぬ内装ですね。』

『…知っているでしょう。ペットとこいしの趣味ですよ。』

『あなたは何故、あんなにも沢山のペットを飼っているのですか?』

『…私の役職と能力は御存知でしょう』

『あやや。ペットの必要性として役職が関わっているのは理解できます。
しかし能力ねぇ。あれですか?寂しさを紛らわせる為とでも?』

『…えぇ、そうです。人間・妖怪・怨霊には随分と嫌われているので』

『はっきり言葉にしましょうか。
あなたはペットからの愛情や癒やし等、一切必要無いのでしょう?
勿論、人間も妖怪も怨霊も…私もあなたにとっては価値の無いものですよね』

『…違います』

『最初…幼少期はどんなだったか検討もつきませんが、あなたにも普通の感情があったはずです。
しかし、度重なる罵詈雑言や暴力で随分とねじ曲がりましたね。
特に社会的欲求です。よく生きていけましたね、大した生命力だ』

『…私は妖怪ですので』

『戦闘があまり得意で無い妖怪と聞きましたが…
万物に嫌われるあなたが、何故淘汰されない?殺されない?
そんな派手で巨大な瞳が…格好の的が現在も姉妹揃って無傷だ。
少なくとも巫女や魔女っ子より遥かに強いでしょう』

『…弾幕ごっこが不得手なのです』

『紅魔館や永遠亭ならともかく…理由も無く侵入してきた者を追い返す能力はあったはず。
平和に弾幕で対応しますかねぇ』

『…………』

『…以前の守矢の二柱神が黒幕とされる異変についてですがね。
あなたが巻き込まれてしまった災難な異変で、色々と変わりましたねー。
ほら、地下と地上の交流も以前より随分広まりましたし。
宴会開いたり、こうして私も地霊殿の客間にいちゃったりするし』

『…………』

『でも一番変わったのは、誰なんでしょうね』

『…………』

『妹さんでしょ?
以前から地上を放浪してたものの、昔のトラウマで人間や妖怪を遠巻きに観察するだけ。
瞳も心も硬く閉じたままでした。』

『…………』

『しかし先の異変で姉を倒したと聞いてから、自ら人間に興味を持ちアプローチしたり。
弾幕ごっことはいえ、第三の瞳が多少開こうとしましたね。
今では友達も随分と増えた様で。大進歩ですねぇ』

『…喜ばしい事です』

『むしろあの異変が起きて――良かったのでは?』

『…………』

『人間達に敗れた時も随分とあっさりとしてたらしいですね。
そもそも覚の妖怪が、思考が短絡的なペット達の暴走を全く知らないなんて…ありえますかねぇ』

『…………』

『わざと異変を看過したでしょう?地霊殿の主なら、いくらでも未然に防ぐ手段があったのに』

『…よく喋れる鴉ですね。本当に…。
元々頭の回転が、口と同じ位速い妖怪なのでしょう。ペットにしましょうか』

『…あなたは1000人中999人に嫌われても良いというより、999人に無関心な妖怪でしょうね。
ただ1人の心は除けない――覗けない。あは。上手いでしょ?』

『…私はその様な暴走など、しません。安心しなさい。それに四季様がいます』

『ぜーんぶ、その1人…妹さんの為でしょう?
豪華な地霊殿も
癒やされる必要の無い大量のペットも
受け入れた異変も
こう見ればあなたの行動は一貫性があります。
黒幕は確かに八坂・洩矢の神々。しかし神々を上手く目的に絡みとったのは、あなた』

『…星熊さんも、そろそろ気付きます。早く宴会に戻った方が良いでしょう』

『個人的に暴走されるとマズいランキングあるんですよ。
でも彼女達にはそれぞれ安全装置係がいますからね』

『…お気付きでしょうが、途中から制御されていません。お酒の勢いは防御壁になりませんよ』

『風見さんと良い勝負ですよ、あなた。
いや…地下にいる事と周囲の認識を考慮すれば、やはりあなたの方が危険です』

『…そんな事をしないとわかって、ここに来たのでしょう?』

『妹さんと巫女達が宴会にいる今なら、私は無事でいられますしね。
自警団の前で馬鹿な真似はしないでしょう。
あやや、わかってます。この事は誰にも言いませんよ。危ない、危ない!』

『…拒否します』

『じゃ、そういうわけで宴会に行きましょう。
沈黙の対価として、あなたも交流を持って下さい。
危険なあなたの弱点と安全装置係を増やしたいんですよ。妹さん以外にたくさんね。
あなたの愛情も畏怖も…1人に集中し過ぎています。』

『…ですから、拒否します』

『それに妹さんも寂しがってますよ』

『私がこいしの前で忌み嫌われる訳にはいかないのです。
トラウマを二度と呼び覚まさない為に』

『妹さんはあなたとは異なる意味で、もう充分強いですよ。
あなたが彼女を拒絶しているから、時々本当に寂しそうな表情をするのです。
そういうすれ違いは、もう見たくありません』

『…わかりました。考慮はしておきますから、早く戻りなさい』

『そんな台詞じゃ喋っちゃいますよ。私的な理由で神々や異変を利用した妖怪って。
きっと閻魔様から危険視されちゃいますね。妹さん好みの地霊殿の主を、解任される可能性もありますよ。
…たまには無価値な存在の意見も聞いて下さい』

『…先程否定したではありませんか。とても必要ですよ、あなたは』

『少なくとも、こいしちゃんにとって有益である可能性は捨てきれないからでしょ。
凄まじいシスコン妖怪です。わかりにくい愛情!』

『…………』

『…負けず劣らず妹さんも、かなりあなたに依存してますが。
覚ってそういう妖怪なんですかね。
ま、なにはともあれ拒否権はありませんよ。ひとまず―――』















『そろそろ鴉に意識を返してあげなさい。
それに宴を開いた張本人がいないのは失礼ですよ、早く戻りなさい』

『…………』

『あなたも限界でしょう。鴉が目を覚まそうとしています』

『…………』

『それに―――他ならぬ、あなたの意見です。
今度はちゃんと準備をしてから参加しましょう。
しかし私がいきなり宴会に行くと、色々面倒になる…ですから今は考慮という事です。』

『……本当?』

『えぇ、次回の宴会には参加します』















「あは。絶対だからね、お姉ちゃん!」


                  

        
以上が射命丸文を傀儡とした、ややこしい姉妹の会話でした。
初めまして。
無意識の能力は誰かの意識を操作できるのでは…と過大妄想した高間です。
事前に会話を無意識へ植え付け、更に意識を酒で弱らせて傀儡にしよう…とこいしが頑張ります。
しかし後半、すっかりさとりのペースになってしまいます。
こいしの慣れない演技と心は、射命丸を介してさとりに丸見えでしたから。そんな結末でした。
稚拙な文章をここまで読んで下さり、ありがとうございました。
高間
コメント



1.奇声を発する程度の能力削除
あー成る程!そういう事か
読んでいく内に?になったけど後書きで理解