布団との離別が恋しくなった朝、咲夜は多少の無理を強いてベッドから抜け出し体を伸ばし時計に目をやった瞬間、血の気が引いたのを憶えた
「あ、ヤバイ!」
急いでクローゼットからメイド服を取り出し寝間着へと着替えようとした瞬間、紅毛の妖怪が咲夜のベッドで幸せそうな表情を見せ寝ていたのを見て思いだした
「…そっか、今日は休みか」
そして咲夜は昨日の夜を思いだした
『…明日は貴方も私も休日なのね』
『そうですね、お嬢様に感謝です』
その日の仕事が終わり、咲夜は寝間着姿の美鈴と共に自室にいた
『なんか飲む?美鈴』
『そうですねぇ、ワインなんか貰っちゃいましょうか』
『それじゃ軽くつまめる物でも作りましょうか』
そう言って咲夜は部屋に備えられている簡単な調理台へ足を踏み入れた
『美鈴、何かご所望は?』
『咲夜さんの作ってくれる物なら何でも』
そう言ったやりとりをしながら冷蔵庫からチーズを取り出しスライスしているところに美鈴が珍しそうに咲夜へ尋ねた
『面白い形してますね、何て名前ですか?』
『カチョカバロって言う名前のチーズよ、今日はこれを…』
一旦言葉を切り咲夜はオリーブオイルと塩を取り出し続けた
『…とっても美味しい形でご馳走してあげる』
『楽しみですね』
美鈴の笑顔を背に受けながら咲夜はフライパンにオイルを垂らし火に掛けた
時間を止めればすぐ美鈴に出せるのだが、咲夜はあえてそんなことはせず調理を開始した
やがて十分に熱された事を確認するとスライスしたチーズをフライパンへ静かに寝かせた
『良いにおいですね~』
『そうね』
楽しげな音を立てるフライパンに咲夜と美鈴は釘付けになっていた
『咲夜さん、まだですか?』
『慌てないの、すぐ出来るから』
そう言って数分、咲夜は真っ白なお皿にこんがりと焼き上がったチーズを移し、塩とこしょうを振り掛けた
『軽めのワインが似合いそうですね』
『その通り』
美鈴の意見に賛同しながら咲夜は部屋に置いてあった赤ワインを取り出しラッピングを剥がしコルクを抜いた
『グラスを頂戴』
『あ、すいません』
咲夜は美鈴からグラスを受け取り紅い液体を注いだ
『次は私が』
美鈴はそう言うと咲夜からボトルを受け取り同じように注いだ
『じゃあ明日の休日に』
『明日の休日に』
窓際に作った小さなテーブルの上でグラスは楽しげな音を立て二人のささやか酒宴は始まりを告げた
『…このチーズ美味しいですね』
『そうでしょう?最近里で作り始めたらしいのよ』
『へぇ~』
外側はこんがりとしていて中身はとろりとしたチーズに思わずワインが進み何時しか皿からはチーズが消えボトルからはワインが消え失せ咲夜はすっかり良い気分になっていた
『秋の夜は涼しいわね』
そう言って咲夜が見上げた夜空には満天の星が瞬いていた
『…食器、洗っておきましたよ、咲夜さん』
『あら、ありがとう』
濡れた両手を布巾で拭き取りながらそう言った美鈴に咲夜は礼を述べ、また夜空を見上げた
『それにしても広いですね、空』
『そうね』
そう言いながら美鈴は咲夜の肩へと手を伸ばし呟いた
『体、冷えますよ』
『ありがとう、美鈴』
咲夜は美鈴の肩に頭を置き目を閉じながら呟き、目を閉じた
「…えーっと、それからどうなったんだっけ?」
咲夜は寝間着のまま頭に手を当て唸った、しかし一向に記憶は回復する様子を見せずベッドの脇に置いてある椅子に腰掛けまだ眠っている美鈴を見つめた
「幸せそうな顔しちゃって」
咲夜は僅かに開かれている美鈴の手に自分の手を重ねた瞬間、勢いよくベッドへ引き戻された
「…何するのよ」
しかし未だ夢の世界に滞在している彼女にそんな言葉が通じるわけはなく
「(…まぁ、良いか)」
そう心の中で呟き、美鈴の腕の中で再び自分も夢の世界へ旅立っていった
「あ、ヤバイ!」
急いでクローゼットからメイド服を取り出し寝間着へと着替えようとした瞬間、紅毛の妖怪が咲夜のベッドで幸せそうな表情を見せ寝ていたのを見て思いだした
「…そっか、今日は休みか」
そして咲夜は昨日の夜を思いだした
『…明日は貴方も私も休日なのね』
『そうですね、お嬢様に感謝です』
その日の仕事が終わり、咲夜は寝間着姿の美鈴と共に自室にいた
『なんか飲む?美鈴』
『そうですねぇ、ワインなんか貰っちゃいましょうか』
『それじゃ軽くつまめる物でも作りましょうか』
そう言って咲夜は部屋に備えられている簡単な調理台へ足を踏み入れた
『美鈴、何かご所望は?』
『咲夜さんの作ってくれる物なら何でも』
そう言ったやりとりをしながら冷蔵庫からチーズを取り出しスライスしているところに美鈴が珍しそうに咲夜へ尋ねた
『面白い形してますね、何て名前ですか?』
『カチョカバロって言う名前のチーズよ、今日はこれを…』
一旦言葉を切り咲夜はオリーブオイルと塩を取り出し続けた
『…とっても美味しい形でご馳走してあげる』
『楽しみですね』
美鈴の笑顔を背に受けながら咲夜はフライパンにオイルを垂らし火に掛けた
時間を止めればすぐ美鈴に出せるのだが、咲夜はあえてそんなことはせず調理を開始した
やがて十分に熱された事を確認するとスライスしたチーズをフライパンへ静かに寝かせた
『良いにおいですね~』
『そうね』
楽しげな音を立てるフライパンに咲夜と美鈴は釘付けになっていた
『咲夜さん、まだですか?』
『慌てないの、すぐ出来るから』
そう言って数分、咲夜は真っ白なお皿にこんがりと焼き上がったチーズを移し、塩とこしょうを振り掛けた
『軽めのワインが似合いそうですね』
『その通り』
美鈴の意見に賛同しながら咲夜は部屋に置いてあった赤ワインを取り出しラッピングを剥がしコルクを抜いた
『グラスを頂戴』
『あ、すいません』
咲夜は美鈴からグラスを受け取り紅い液体を注いだ
『次は私が』
美鈴はそう言うと咲夜からボトルを受け取り同じように注いだ
『じゃあ明日の休日に』
『明日の休日に』
窓際に作った小さなテーブルの上でグラスは楽しげな音を立て二人のささやか酒宴は始まりを告げた
『…このチーズ美味しいですね』
『そうでしょう?最近里で作り始めたらしいのよ』
『へぇ~』
外側はこんがりとしていて中身はとろりとしたチーズに思わずワインが進み何時しか皿からはチーズが消えボトルからはワインが消え失せ咲夜はすっかり良い気分になっていた
『秋の夜は涼しいわね』
そう言って咲夜が見上げた夜空には満天の星が瞬いていた
『…食器、洗っておきましたよ、咲夜さん』
『あら、ありがとう』
濡れた両手を布巾で拭き取りながらそう言った美鈴に咲夜は礼を述べ、また夜空を見上げた
『それにしても広いですね、空』
『そうね』
そう言いながら美鈴は咲夜の肩へと手を伸ばし呟いた
『体、冷えますよ』
『ありがとう、美鈴』
咲夜は美鈴の肩に頭を置き目を閉じながら呟き、目を閉じた
「…えーっと、それからどうなったんだっけ?」
咲夜は寝間着のまま頭に手を当て唸った、しかし一向に記憶は回復する様子を見せずベッドの脇に置いてある椅子に腰掛けまだ眠っている美鈴を見つめた
「幸せそうな顔しちゃって」
咲夜は僅かに開かれている美鈴の手に自分の手を重ねた瞬間、勢いよくベッドへ引き戻された
「…何するのよ」
しかし未だ夢の世界に滞在している彼女にそんな言葉が通じるわけはなく
「(…まぁ、良いか)」
そう心の中で呟き、美鈴の腕の中で再び自分も夢の世界へ旅立っていった
いちゃつきやがっていいぞもっとやれ。