Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

今と昔

2010/11/14 16:59:23
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◇◇◇


 ――バンッ! カラァンッ
 
「こーりーん! 遊びに来たぜ!」

「魔理沙、子供一人で此処まで来るのは危ないと何度言ったら……」

「だいじょうぶだ! 私に怖いものなんてないからな!」

「やれやれ、妖怪は君を食べるんだよ?」

「こーりんも妖怪だろ?」

「半分だけだよ」

「じゃあもう半分はあれか、本か!」

「どんな存在だ」

「はんほんはんようだ!」

「半人半妖だよ。何なんだ半本半妖って」

「まぁそんな事は神棚にでも置いておこうぜ」

「罰が当たるよ」

「こーりん、遊べ!」

「今は営業中なんだがね」

「別にいいだろー? 客なんか一人もいないんだしさ!」

「……否定は、出来ないな」

「こんなところにお店をたてるからだぜ」

「君は分かっていないね。これは人と妖怪どちらも来れるようにと考えた結果であって……」

「あー、そーいう話はいいぜ。つまんない」

「……やれやれ」

「あー! こら、本を読むな! あいてしろ!」

「全く……」





***





「なぁこーりん、何か面白いものないのか?」

「僕の話が面白くないなら、此処に君の欲求を満足させられる物は存在しないよ」

「むぅー、長いし難しいぜ。もっと簡単にしゃべれよ」

「フム……『君』『面白い』『此処』『無い』」

「もっとわかりにくいぜ」

「そうかい」

「うん」

「……ところで、だ」

「ん?」

「何故君は当たり前のように僕の膝に座ってるんだい?」

「いまさら何言ってるんだぜ? こーりん」

「うん?」

「こーりんの膝は私のとくとーせきだぜ♪」

「やれやれ、君は僕を何だと思って……」

「外に出ないもやしやろう」

「よし、君の分の茶菓子は僕が貰うよ」

「あー! ずるいぜこーりん!」

「もやしなんだろう? ならしっかり食べないとね」

「あ! しかも大福かよ!」

「あぁ、君の好物だね」

「うぅ~~~……」

「……御免御免、嘘だから泣かないでくれ」

「ぐすっ……こーりんのバカ」

「はいはい」





***





「……うん、美味い」

「こーりん、飯まだかー?」

「はいはい、もう少し待ってくれ」

「お腹へったぜー……」

「はいはい……ほら、どうぞ」

「おー! 美味そうだぜ!」

「それはどうも」

「むぐむぐ、ふまいへ」

「こら、頂きますも言わずに食べ始めるとは何事だい。後飲み込んでから話しなさい」

「っん……いただきますなら言ったぜ? 心の中で」

「ちゃんと声に出して言いなさい。そもそも言葉には言霊と言うものが宿っていてだね」

「むぐむぐ」

「聞けこら」

「やだぜ。聞いたら飯がさめるからな」

「全く……」

「ほら、早く食べないとこーりんの分も食べちゃうぞー?」

「あぁはいはい……」





「んむんむ……うまいぜ。やっぱりこーりんの飯はうまいな! 母さんよりうまいぜ!」

「それは重畳……と、魔理沙」

「む?」

「箸の持ち方を間違えているよ」

「食べれれば別にいいぜ」

「よくない。ほら、こうやって……」

「むぅー……こ、こうか?」

「あぁ。よくできたね」

 ポン。ナデナデ……

「えへへ……」





***





「あ! なぁこーりん」

「ん?」

「これ見てくれ!」

「これは……?」

「きれいな石だろ? 川のしげみで見つけたんだぜ」

「ほぅ……」

「なぁこーりん。それ、おたからか!?」

「……正直、微妙だね」

「びみょう?」

「あぁ、この石は……月から落ちてきた物だ」

「月から!?」

「あぁ。だが、それを除けば普通の石と大差無い。そしてこれが月から来た石だと見抜くのはほぼ不可能だ」

「えーっと、つまり……むむむ……」

「つまり、これはただの石だよ」

「ちぇー、なんだ。つまんないな」

「まぁ、そんなものだよ」

「じゃあいいや。それはこーりんにやるぜ」

「いいのかい?」

「ただの石なんだろ? そんなのいらないぜ」

「そうかい」

「うん」

「……これは非売品行きだな」

「ん、なんか言ったか?」

「いや、何も」





***





「こーりんこーりん」

「うん?」

「今日の晩飯なんだ?」

「今日は……焼き魚だよ」

「魚か!? やったぜ!」

「こら、飛び回るな」

「ちぇー」

「すぐに出来るから、大人しく待ってなさい」

「分かったぜ!」



「ほら、焼けたよ」

「おぉー! うまそうだぜ!」

「熱いから気をつけて食べるんだよ」

「んむ……っん! 熱いけどうまいぜ」

「火傷しないようにね」

「そんなヘマをする魔理沙様じゃないぜ」

「どうだか……」

「んむ、あふい……」

「それ、見たことか」

「はふはふ……れもふまいへ」

「飲み込んでから話なさいと昼も言っただろう」

「むぐむぐ」

「だから聞けと」

「飯がさめるぜ。昼も言ったぜ?」

「……やれやれ」


「……む、こーりん」

「ん?」

「それ、酒か?」

「ん?……あぁ、そうだよ」

「ちょっとよこせ!」

「君には早いよ」

「むぅー、ちょっと。ちょっとだけだぜ!」

「……仕方ないな……ほら」

「さんきゅーだぜ。んっ……んっ……んっ……ぷはぁ」

「どうだい?」

「からいぜ……」

「だろうね」

「舌がひりひりするのぜ……」

「ほら、水飲んで落ち着くといい」

「んむんむ……ぷはぁ。ちょっとだけマシになったぜ」

「そうかい」

「こんなのがうまいのか?」

「あぁ、美味しいよ」

「わかんないぜ」

「そのうち分かるよ」





***





「こーりんこーりん! 見てみろよ!」

「縁側で騒いで……どうしたんだい?」

「ほら、あれ!」

「ほう……中々に綺麗な星空だ」

「だろ!?」

「魔理沙は星が好きだな……っと」

「おう! だってきらきら光ってて、まほーみたいできれーだぜ!」

「そうか……って、だから何故僕の胡座の上に座るんだ」

「気持ちいいからだぜ」

「全く……これじゃあ動けないじゃないか」

「動くひつようは無いぜ」

「そうか」

「そーだぜ」






「あ、流れ星だぜ!」

「ほう、流星群の時期でもないのに珍しいな」

「りゅーせーぐん?」

「あぁ。大量の流れ星の事だよ」

「流れ星が、いっぱいふるのか!?」

「あぁ。時期が来たら教えてあげるよ」

「やったー! 楽しみだぜ!」

「胡座の上ではしゃがないでくれ、腕が顎にィッ!?」

「あぁっ、すまんこーりん!」

「い、いや……次から気をつけてくれ」





***





「なぁこーりん」

「うん?」

「こーりんは、半分妖怪なんだろ?」

「そうだね」

「人より、いっぱい生きるんだろ?」

「妖怪に比べれば短いけどね」

「ふーん……じゃあ、そのあいだずっと道具か?」

「うん?……あぁ。多分そうだろうね。僕は食事も睡眠も必要ないから」

「でも、そんなんじゃ体こわすぜ?」

「その時はその時さ」

「だめだ!」

「何故だい?」

「こーりんが倒れたらいやなんだぜ!」

「そうかい」

「そうだぜ! だから……」

「だから?」

「私がこーりんのおよめさんになってやるぜ!」

「ほう?」

「そんで、道具ばっかのこーりんを一生ささえてやる」

「でも、僕より魔理沙の方が早く死ぬが?」

「う……なら、こーりんとずっと一緒に生きれるようになってやるぜ!」

「僕と一緒というと……半人の類や、魔法使いの事かい?」

「まほーつかい! いいなそれ、私にぴったりだ!」

「そうか。なら、魔理沙は家を継がないで魔法使いになるんだね?」

「おう! こーりんと一緒になるんだから、店なんてつがないぜ!」

「親父さんは反対しそうだけどね」

「だいじょーぶだ。もし無理だって言われたら家出てってやる」

「やれやれ……」

「だからこーりん」

「?」

「いつかぜったいまほーつかいになって、こーりんをささえてやる。だからこーりんはずっと待ってるんだぞ!」

「期待しないで待ってるよ」

「こら! きたいしろ! すっごくきたいしろ!」

「はいはい……期待して待ってるよ、魔理沙」

 ポン、ナデナデ……

「えへへ……」





***





「さて、星も十分見たし今日はもう寝ようか……って、魔理沙?」

「んむ……くぅ……」

「……やれやれ、眠ってしまったか」

「くぅ……くぅ……」

「ほら、魔理沙。こんな所で寝たら風引くぞ?」

「くぅ……くぅ……」

「……起きる気配は無し……か」

「くぅ……くぅ……」

「やれやれ…………よ……っと」

「むぅ……くぅ……」

「っとと……随分と大きくなって……」

「こぉ……りん……」

「ん?」

「くぅ……くぅ……」

「……寝言か」

「らい……ふき……らぜ……」

「やれやれ……眠ってなお良く喋る子だ」





「さて……と」

「くぅ……くぅ……」

「魔理沙をこっち側に……っと。これでいいな」

「くぅ……くぅ……」

「全く……可愛い寝顔だ」

「くぅ……くぅ……」

「お休み……魔理沙」

 ポン、ナデナデ……

「くぅ…………むふふ~……」

「嬉しそうに笑って……何の夢を見ているのやら」





***





「んっ……くぁ……朝か」

「くぅ……くぅ……」

「取り敢えず……ん?」

「くぅ……くぅ……」

「ハァ……魔理沙……」

「くぅ……くぅ……」

「魔理沙、全身で抱きつかないでくれ。動けないだろう」

「くぅ……くぅ……」

「全く……何時まで寝るつもりなんだ」

「くぅ……くぅ……」

「ほら魔理沙、朝だよ」

「んむ……くぁ……」

「起きたか」

「ふぁ……おふぁよぅ、こーりん……」

「起きたなら放してくれないか。動けない」

「……いやらぜ?」

「どうしてだい」

「……こーりんが気持ちいいのぜ」

「僕は抱き枕じゃないんだがね」

「お日様の香りがするのぜ…………」

「……魔理沙?」

「…………くぅ」

「やれやれ……困った子だ」

「くぅ……くぅ……」

「…………ハァ」





***





◇◇◇


「…………ハァ」

「ん、どーした香霖? 何か嫌な事でもあったのか? お、この煎餅貰うぜ」

「……いや、君は昔に比べて可愛げが無くなったなぁと思ってね」

「む、なんだそれ。じゃあ今の私は可愛くないってのか?(バリボリ)」

「いや、可愛いよ」

「――はえっ(ポロッ)」

「ただ僕が言ってるのは昔に比べて……魔理沙?」

「な、な、な……」

「魔理沙、どうかしたのかい?」

「な、ななな何なのぜ!?」

「顔が真っ赤じゃないか。熱でもあるのかい?」

「な、なな何でもないのぜ! き、今日はもう帰るぜ! じ、じゃあな香霖!!」

 ――バンッ! カラァンッ

「……???」
どうも、唯です。

『可愛いよって言って魔理沙を赤面させる霖之助』という神通力を天狗Bから受信したので、息抜きに書かせてもらいました。

短い+粗い+gdgd と三拍子揃った作品でしたが、如何でしたでしょうか。

今回も誤字脱字その他ありましたらご報告下さい。
最後に、ここまで読んで頂き有難う御座いました!

http://yuixyui.blog130.fc2.com/
コメント



1.名前が無い程度の能力削除
いいじゃないですか

こんな話は大好きです
2.奇声を発する程度の能力削除
自然と頬がにやけたw
3.投げ槍削除
…最後に頬の筋肉が崩壊してにやけっぱなしじゃないか!どうしてくれる!(褒め言葉
4.名前が無い程度の能力削除
天狗B、GJ!!
にやにやがとまりませんよ!!まったく!
5.削除
コメントを貰えると嬉しいですねっ。次も頑張ろうって気持ちになります。
返信ですよ~。

>>1 様
偶にはいいかなーと思って、こんな感じに書き上げましたw

>>奇声を発する程度の能力 様
にやけましたか! 良かったぁ……

>>投げ槍 様
ど、どうしてくれるかと言われましてもですね……もっと、書くとか?

>>4 様
天狗達は今日も元気ですw

読んでくれた全ての方に感謝!