今日も抱え落ちをした。
当たると分かっていたのに、ボム……スペルカード(以下スペカ)を発動できなかった。
ちゃんと最後の一枚を構えていたのに。
私は馬鹿だ。
青色の丸い小さな玉が、顔面に食い込んでから、そのことに気がついた。
構えていたスペカがただの紙切れになってしまう。
この世界に……顔面セーフなんてルールは無いのだ。
当たればもう、ピチュるしかないのだから。
それでも、やっぱり言ってしまう。
悔しさと絶望と怒りを、無駄と分かっていても叫んでしまうのだ。
そう、それは私が幻想少女であるがゆえの……宿命。
「今ボムりましたー! 絶対ボムったもん! 食らいボムですー審判ちゃんと仕事してください!」
「アウトー」
< ~幻想少女物語~一を抱える弾幕勢 >
ボム。それはスペルカードバトルにおいて、とても重要な意味を持つ。
効果は……いいからボムれ。四の五の言わずボムれ。そうしたら分かる。
さて、ここでの問題はボムの効果についてではない。
問題なのは、ボムったかどうかの判定についてだ。
多くの幻想少女が、ボムの判定について不満を持っているというのは周知の事実である。
そこで私は、スペルカードルールの改善を要求する。
その内容は以下のとおりである。
1.ピチュっても残ったボムは引き継ぐ。正確にはボム数が初期化されたのち、残った分を追加する。
2.当たってダメな位置は心臓あたりだけ。顔面セーフは常識です!
3.後ろをずっと付いてくる審判(空飛ぶ亀)の目がえっちすぎるので、審判を交代してください。
4.私だけボム無限
5.ピチュるとパチュリーって似てますよね? だからピチュったらオートでパチュリンピック発動してください。
以上が今回の改善に際する要望でピチューン!
「阿呆ねあんた」
「いきなり何するんですか!」
紅白の巫女、(私なんだけど)が放った針が頭に刺さる。
再度言うが、幻想郷に顔面セーフなんて無いのだ。
刺された場所を擦りながら涙目になっているのは翠の巫女、東風谷 早苗である。
守矢 早苗って言った奴表へ出ろ。早苗を泣かす奴は私が許さな……許早苗(キリッ!
私がポーズ決めていると、早苗がブツブツと文句を言っていた。
「右手の角度が5度違う」
「細かいわねあんた。でもそんなところが好き」
「私も霊夢さんの事好きですよ。でも私の言うことをなんでも聞いてくれる霊夢さんはもっと好きです」
「分かった脱げばいいのね。サラシのみ着衣でいいのね?」
「生えてないエロスの時代は終わりました。今やロリ巨乳が常識ですよ」
「失礼ね、ちゃんと生えてるわよ」
「どこにですか?」
「わk「おーけーストップひ○り君」」
「見る?」
「霊夢さん。誰のとは言いませんが、幻想をぶち壊したら叩かれますよ?」
「誰によ」
「世界に」
「……一本だけ長いのがあってさー、寝る前にそれを引っ張るのが私の最近の趣味な「早苗ターナリティ!!」みぎゃう!」
――説明しよう。早苗ターナリティとは。
――はふり棒(あの白いびらびらした奴)で顔面を野球のボールのごとく打っ叩く一撃必殺の技である。
――早苗の上腕二等筋の力だけでは精々2kg程度の衝撃しかないが、その時にゆれるおっぱいの振動がその力を増幅させ、インパクト時にはなんと、2トンもの衝撃が相手の顔面を襲うのだ!
――さらにそれだけでは終わらない。
――霊夢の様な
――説明終わり。
「今のが弾幕バトルじゃなかったら、霊夢さん死んでましたよ?」
「ぐおお……どう見ても弾幕バトルじゃなく、リアルド○ポンだしこれ」
この奇麗な霊夢様の顔に傷が残ったらどうするんだこのスカポンタン。
その時は責任取らせようと誓う霊夢でした。
「ドカ○ンとは懐かしいですね。今度やりませんか?」
「友情が破壊されるから嫌。変わりにリアル人生ゲームをしましょう。あんた車の訳ね」
「穴という穴に色々と刺されそうなので遠慮しておきます。18歳未満的な意味で」
「チッ」
「そんな事よりボムですよボム」
腕を振りまわし、上下左右に揺れる早苗。
もうおっぱい=早苗でいいんじゃないかな?
むしろ幻想郷での常識(キリッ
あぁボムってそういうことだったのね。私一つ賢くなったわ。
左が「ボ」で右が「ム」ね。
使ったらしぼんじゃうのかしら?
そうか……よし。
「早苗喜びなさい。貴女の要望は通ったわ」
「本当ですか!? さすが霊夢さん愛してます!」
「ふふん。でも採用はボムの引き継ぎと審判の交代だけよ。さらにボムは二個。これだけは譲れないわ」
「あの、顔面セーフは?」
「鼻に当たって悶える早苗の姿を妄想したら、萌死にそうになったから却下」
「それなら仕方がないですね。私も霊夢さんの悶える姿を妄想し早苗クスティンクション!」
ピチューン
――説明しよう。早苗クスティンクションとは
――空中から相手を踏みつける嫌らしい技である。
――時々足を滑らして、相手の頭に尻もちを付くことがある。
――むしろその方が痛い。
――説明終わり。
「今のが弾幕バトルじゃなかったら、霊夢さん首の骨折れてましたよ?」
「ぐおお……だからこれ弾幕バトルじゃないし。てか降りろ」
「ところで顔面セーフは?」
「だから却下」
「霊夢さんは顔に蛙がくっつくと、どんな反応をしてくれるかなぁ♪」
「喜びなさい早苗。今から顔面はセーフよ。当たり判定は体の一部だけ」
「わぁい♪ 霊夢さん愛してる~」
霊夢は早苗に抱きつかれながら悟った。
「大人になるって悲しいことなのね」
幻想歴○○年
大きなボムを持つ弾幕少女勢と楽園の巫女との間に戦争が勃発。
早苗、慧音、紅美鈴が筆頭の巨乳勢、いや元巨乳勢。
迎え撃つは、霊夢、妹紅、咲夜が筆頭の、まだ夢をあきらめない勢。
はたして決着がつくのはいつの日か。
個人的にはついてほしくないけど! byはたて
ほかにも細々とあるけど割愛します
なんか早苗さんは肉弾戦が強い傾向があるなぁ……なんでだろ?
抱え落ちの話から始まる、少女たちの成長劇もいいかも
>2しゃま
誤字情報感謝です!
肉弾戦の原因は、星で出てくるあのポーズのせいじゃないですかね……
絶対に許早苗!