Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

彼女は何に酔っていた?

2010/10/19 21:47:32
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 ※咲霊前提であります。

 On what did she get drunk?
 
 彼女は何に酔っていた?

――酒?自分?それとも従者?――
 


 「ぅ……」
 
 目を覚ましたとき、見慣れない天井が目に入った。
 次に神社の布団とは違う西洋風のベッド。
  
 ………どこ?

 とりあえず体を起こそうと手をベッドの上に置いて、……

 「…んっ………」

 ………置いて?

 伸ばした手はベッドではなく、ふにゅ、と柔らかいものにあたる。
 その感触に驚いた私は咄嗟に腕を逸らす。

 あ、ヤバイ。私倒れる。

 そんなことを思うが体は動かず、そのままその彼女に覆いかぶさるような形になる。
 どうやら起きた様子はない。私の下ですやすやと眠っている。
 「…ふぅ」
 寝起きの頭も少し冴えてきた所で昨日の振り返り。現状の説明を脳内で探す。
 
 ―――昨日………ねぇ……

 昨日、自称「楽園の素敵な巫女」こと博麗霊夢は紅魔館に来ていた。 
 レミリアと話をし、フランと遊び、ご飯を食べ、気付けば夜遅く(おい、吸血鬼)。
 帰るのも面倒だし泊まっていけば?
 というレミリアの提案で泊まることになり…泊まって………
 
 ―…思い出した。
  
 私は独り赤面し、独り心の中で慌てふためいた。

 
 昨日・・・・・

 
 「まいった……」
 紅魔館に泊まることになり、部屋を借りたのはいいが酔って頭がぼーとして場所がわからない。
 
 ワイン飲みすぎたか…日本酒なら強いのに…

 そんなことを考えている内にもうどこでも良くなってきた。 
 だから私は一番近くの部屋の扉を開け、部屋の中に入った。
 「ここは……」
 テーブルやベッド等といったものしかない殺風景な部屋。
 こんな部屋、紅魔館には一つしかない。 
 ここはメイド長、十六夜咲夜の部屋だ。
 不思議と意識の薄い頭でも理解することができた。

 ということは。

 
 今ベッドで寝ているのはあの咲夜だ。
 
 
 「ははぁ………♪」
 そう分かった瞬間、霊夢の口端がニヤリと上がる。
 
 ――普段弄られてる分、ここできっちり返してやる。 
 
 そう決意するや否や、咲夜の顔が見える位置に移動する。
 いつもの澄ました顔とは違う、とても朗らかな寝顔だった。
 
 そっ、と綺麗な銀髪に指を通す。

 一度も引っかかることなく髪の中を指は通り抜けていった。
 それをもう一度掬い、優しくキスをする。 
 甘い香りが私の鼻を擽る。 
 
 髪の毛を堪能した所で、次は手。
 その手は水仕事をしているとは思えないぐらい滑らかだった。
 アリスには及ばないがその次ぐらいに美しいと思う。
 指と指を絡ませ、手を繋ぐ。いわゆる恋人つなぎだ。
 こちらが手を掴むとそれに続いてゆっくり握り返してくれた。
 
 
 ――あぁもう!!可愛いな!!こいつは!!!!


 手は繋いだまま足をバタバタさせて笑いと色んな衝動をこらえる。

 「……ん……ぅ……」

 ピタッ、と動きをとめ、顔を覗き込む。
 どうやら寝言のようだった。
 あぶないあぶない、と私は一気に落ち着きを取り戻す。
 
 片手は繋いでくれているので離さず、もう一方の手で頬を突く。
 
 ぷにぷに。
 
 お、意外と柔らかい。
 
 ぷにぷにぷにぷに。
 
 私はそれをとても気に入った。
 「……♪」
だから、こんなことを思いついた。
 思いたったが吉日、とでも言わんばかりに顔を近づける。

 そして、

 「はむっ…」 

 私は、その触り心地が物凄く気持ちよい頬を唇ではさんだ。 

 「はむ……うむうむ……」
 
 そして少し動かす。
 
 「ん……ふっ………」
 
 咲夜は寝たままくすぐったそうに体を少しひねる。
 そのときの仕草がなんというか…ものすごく可愛かったのだ。
 浮かんだ無邪気で純粋な笑み、寝ているから本能に素直なのだろうか。
 
 ―――っっっ!!!!!!!

 巫女服の袖を引っ張りぱたぱたと動かし、必死に自制する。

 ――落ち着け!!私!!!大丈夫!!大丈夫…!!!

 頬から唇を離し、もう一度咲夜の顔を見る。 
 「………」

 何この可愛い生き物。

 ふらり、と体が揺れる。
 それは色んな限界を示すサインであったのだ。
 「……ぅむぅ……」 
 ぽすっ、と咲夜の横に寝転がる。
 
 すると当然横を向くと咲夜の顔があるわけで、
 
 その顔は未だに微笑が浮かんでいるわけで、
 
 それはもうとても可愛いわけで。

 もう抑えることもできないわけで。 

 「んむっ………」
 「んんぅ…………」
 
 私は咲夜の唇にキスをした。

 もちろん私が満足するまで。

 唇を離すと不思議なぐらい強烈な眠気がやってきた。
 私は無意識に咲夜に抱きつきそのまま眠りについた。


 そして、今に至る。

 
 「…うぁぁ………」
 昨日のことを思い出しなおさら赤面する。
 というか…
 「あんなにされたのに起きないのねぇ……」
 意外と鈍感なのかしら? 
 昨日と同じように頬を軽く撫でてみる。
 
 「…ん…………んぅ………?」
 
 今だけは自分の勘も働かなかったのだろうか?
 
 そう本気で思った。
 「……れい、む……?」
 
 寝起きの顔も可愛いなぁ
 
 思わず頬が緩む。
 いやいやいや、そんなこと思う前にすることがあるだろう。 

 え、と、

 何をすればよかったっけ……???
 
 最早軽いパニック状態。
 
 「ん…くぁっ……ふぅ……」
 
 体を伸ばし次第に目が覚めていく咲夜。 
  
 「…これは、ふぁ…、一体どうひう状況で…?」
 
 まだ寝ぼけているような顔の咲夜とどうごまかすか必死に試行錯誤中の霊夢。
 
 「えっ…とねぇ…これは、そのぉ…お酒の勢い?」 
 
 この言い訳はないだろう、私よ!!
 その、えーと、とあたふたする私。
 
 すると突然、コンコンと扉をノックする音。
 「すいませんメイド長。今日のシフトなんです、が……」
 妖精メイド一瞬で硬直。 
 そりゃそうだ。
 誰だってこの状況を端からみたら私が咲夜を押し倒しているように見える。
 「し、失礼しました!!」
 バタン、と無情にも勢いよく扉が閉められる。 
 「……………………………」
 
 ああ、終わった。もう色んな意味で。
 
 「……あの霊夢。とりあえず起きたいから退いてくれない?」
 
 「あ、う、うん。ごめん」
 とりあえず私は咲夜の上から離れ、横に座る。
 
 「で、あれはどういうことなのかしら?」
 
 ギクリ、と体が飛び跳ねる。
 同時に背筋を冷たい汗が伝う。
 「……そのぉ……」 
 「怒らないから素直に言ってみなさい。」 
 
 パジャマ姿でそんな上目遣いに聞かないでくれ。
 
 「酔ってて…部屋が分からなくなって、それで入った部屋に咲夜が居て……その…」
 
 「その?」
 
 こいつは私を殺す気なのか?
 
 そんなことを思いながらもう半ばやけで叫んでみる。
 
 「あまりにも寝顔が可愛すぎたから色々普段の仕返しをしてたの!!
  言っとくけど私は悪くないから!!あんたが可愛すぎるのが悪いのよ!!」
  
 そうだ。もう咲夜が悪い。
 
 「霊夢…」
 「そうよ!あんたが悪いのよ!」
 「ふふっ…霊夢顔赤いわよ」 
 「これもあんたのせいよ!」
 
 ああ、顔から火が出るほど恥ずかしい。
 火照った頬にピタッと、手が添えられる。 
 その手は少しひんやりしていて、気持ちよかった。 
 「そういうのは起きてるときに言えばいくらでも甘えさせてあげるのに。」
 「……ばか」
 私は咲夜に正面から抱きつく。
 咲夜の手が私の頭を撫でる。
 体から伝わる体温と手から伝わるぬくもりが心地よかった。
 「あったかい………」
 「それは光栄ね。ってまた寝るの?」
 「……そーする……」  
 「起きたばかりなのに、すごいわねぇ。」
 この温かさには勝てない。と私の本能が告げる。
 「おふぁすみ…」
 「おやすみなさい。霊夢」
 
 閉じていく瞼の中、額に柔らかい物があたったのが見えた。 
甘いんですかね?よくわからない作品に……

満足いただけたら良いなぁ………
LAW
コメント



1.奇声を発する程度の能力削除
甘い甘い良い咲霊でした!
2.名前が無い程度の能力削除
素晴らしい咲霊有難うございます。十分甘々ですよ!
3.名前が無い程度の能力削除
いいぞ、もっとやれ!
4.名前が無い程度の能力削除
大満足です!
5.拡散ポンプ削除
従者に一票。
十分に甘いですよ。にやにや。
6.名前が無い程度の能力削除
まだまだイケるはずよ
7.伏狗削除
大変甘くて美味しい咲霊でした。
ご馳走様です。
8.名前が無い程度の能力削除
GJです!!
9.名前が無い程度の能力削除
ご馳走さまです