秋の涼しい午後、今日も博麗神社に客が訪れていた
「…邪魔するわよ、霊夢」
「邪魔だという自覚があるのね、幽香」
そう、花が大好きな妖怪、風見幽香である
「何しに来たの?」
「あら何しに来たとはご挨拶ね、せっかくお土産持ってきてあげたのに」
「あら嬉しい!お茶でも飲んでく?」
「えらい掌の返しっぷりね、いつも通りで安心したわ」
そう言って幽香は私にバスケットを寄越した
「あら、蜜柑じゃない」
「えぇ初物よ」
「早速頂いて良いかしら」
「良いわ、その為に持ってきたのよ」
そう言うと幽香は私の隣に腰を下ろした
蜜柑を食べ進めていると幽香が唐突に質問をしてきた
「…初物を食べると七十五日長生きするって言う話は知ってる?霊夢」
「あぁ、その季節の始めに収穫された果物や野菜を食べるとうんたらかんたらって奴でしょ?」
私は更に蜜柑を剥きながら幽香に言った
「そうね、でも実は違うのよ」
「どういう事?」
私は剥いている途中で手を止め幽香に問うた
「その昔死刑執行人が死刑囚に『何か最後に食べたいものは無いか?』と聞いたところ死刑囚はその季節には出回っていない食べ物を選んだの」
「ふーん」
「旬の物ではないからね、その季節にならなければ出回らないわ、だからその時までは生き延びれるって訳」
「それで七十五日ってこと?」
「そう」
そう言って私は蜜柑の白い部分を取り除きながら言った
「結構物騒なのね、私が昔聞いた話は季節の初めの物には他の物にはない生気があってそれを取り入れることによって寿命が延びるって聞いたけど」
「そうね、今はそっちの意味で取られているわね、時代によって言葉の意味も変わっていく物よ」
「で、幽香は前者と後者、どっちの説明が好み?」
「後者に決まってるじゃない」
「どうして?」
幽香は少しだけ悩む振りをして私に言った
「…それはね、どうせ寿命が延びて貴女と居られる時間が永くなるなら物騒な由来よりも、もう少しロマンチックな由来の方が素敵でしょ?」
微笑みながら幽香はそう言って蜜柑を剥いた
「そんな事言って恥ずかしくないの?」
私は幽香に向き直って問い質した
「恥ずかしいわけ無いじゃない、本当の事だもの、これからずっと貴女と一緒にいられたら私は幸せよ」
「…バカじゃないの?」
「バカで結構よ、貴女の前ではね」
そう言って幽香は私に顔を近づけてきた
「な、何するのよ、この…」
私が抗議の言葉を言い切る前に私の唇に柔らかい何かが重なり柑橘類独特の爽やかな香りが漂い、私の顔面に血液が集中したのが分かった
「霊夢、顔真っ赤」
それが顔を離した幽香の第一声だった
「…邪魔するわよ、霊夢」
「邪魔だという自覚があるのね、幽香」
そう、花が大好きな妖怪、風見幽香である
「何しに来たの?」
「あら何しに来たとはご挨拶ね、せっかくお土産持ってきてあげたのに」
「あら嬉しい!お茶でも飲んでく?」
「えらい掌の返しっぷりね、いつも通りで安心したわ」
そう言って幽香は私にバスケットを寄越した
「あら、蜜柑じゃない」
「えぇ初物よ」
「早速頂いて良いかしら」
「良いわ、その為に持ってきたのよ」
そう言うと幽香は私の隣に腰を下ろした
蜜柑を食べ進めていると幽香が唐突に質問をしてきた
「…初物を食べると七十五日長生きするって言う話は知ってる?霊夢」
「あぁ、その季節の始めに収穫された果物や野菜を食べるとうんたらかんたらって奴でしょ?」
私は更に蜜柑を剥きながら幽香に言った
「そうね、でも実は違うのよ」
「どういう事?」
私は剥いている途中で手を止め幽香に問うた
「その昔死刑執行人が死刑囚に『何か最後に食べたいものは無いか?』と聞いたところ死刑囚はその季節には出回っていない食べ物を選んだの」
「ふーん」
「旬の物ではないからね、その季節にならなければ出回らないわ、だからその時までは生き延びれるって訳」
「それで七十五日ってこと?」
「そう」
そう言って私は蜜柑の白い部分を取り除きながら言った
「結構物騒なのね、私が昔聞いた話は季節の初めの物には他の物にはない生気があってそれを取り入れることによって寿命が延びるって聞いたけど」
「そうね、今はそっちの意味で取られているわね、時代によって言葉の意味も変わっていく物よ」
「で、幽香は前者と後者、どっちの説明が好み?」
「後者に決まってるじゃない」
「どうして?」
幽香は少しだけ悩む振りをして私に言った
「…それはね、どうせ寿命が延びて貴女と居られる時間が永くなるなら物騒な由来よりも、もう少しロマンチックな由来の方が素敵でしょ?」
微笑みながら幽香はそう言って蜜柑を剥いた
「そんな事言って恥ずかしくないの?」
私は幽香に向き直って問い質した
「恥ずかしいわけ無いじゃない、本当の事だもの、これからずっと貴女と一緒にいられたら私は幸せよ」
「…バカじゃないの?」
「バカで結構よ、貴女の前ではね」
そう言って幽香は私に顔を近づけてきた
「な、何するのよ、この…」
私が抗議の言葉を言い切る前に私の唇に柔らかい何かが重なり柑橘類独特の爽やかな香りが漂い、私の顔面に血液が集中したのが分かった
「霊夢、顔真っ赤」
それが顔を離した幽香の第一声だった
まぁそんな事はどうでもいいとして、霊夢可愛いですね!
まぁそんな事はどうでもいいとして霊夢可愛い…
霊夢可愛すぎて悶絶する
蜜柑はそんなに食べれんばい…
やたらと甘いんだが。
…いやいや、この立ち位置は幽香が一番似合います。