とある冬の紅魔館、朝
「お嬢様、朝ですよ~」
「すぅ…すぅ…」
「もう…、レミリアったらまた寝坊?仕方ないわね…」
二人がお互いに相手のことが好きだと伝えたあの日の夜からもう三年が経つが未だにレミリアの寝坊癖が結局抜けていなかった。
「レミリア、レミリア」
咲夜がレミリアの名前を呼びながら体を揺するがやはり起きる気配がない。むしろ(ry
「すぅ…うにぃ…すぅ」
「…襲っていい?なにこの可愛すぎる幼女」
「すぅ…うん…」
「仕方ないわね…。仕方ないわよね?…レミリア」
そう言って咲夜はレミリアの頬に軽く触れるくらいのキスをした。
「すぅ…うん?」
そしてレミリアが目を覚ますがすぐに固まってしまう、そして咲夜と視線がばっちり合う。
「…そして時は動き出す」
「うなぁぁぁぁぁ!?」
叫び声をあげながらレミリアが飛び起きた。もちろん顔は館の色+。
「近い近い!ちょ、離れて!!」
「むー…」
少し残念そうに咲夜が離れる。
「も、もしかして、した?」
「何を、ですか?」
「そ、その…、キ、キス…」
「ええ、しましたよ?」
「うにゅぅぅぅぅ…」
そのままベッドにうずくまって枕に顔をうずめて隠してしまう。あら、可愛い。でも嫌じゃないってことは二人とも分かっている。
「ほら、起きて下さい。早くしないと…」
そう言って時を止めてレミリアをお姫様だっこした状態で能力を解除する。
「襲っちゃいますよ?」
「え?…うああ!!?離して!降ろして!」
「だーめ、それにレミリアは小さいし軽いし可愛いから絶対に私から逃げれないわよ?」
「ちょ!さりげなく何言ってるのよ!!」
レミリアは顔を赤くしたまま体を捻ったりして逃げようとするが、全て咲夜が瀟洒に力をうまく逃がし離さない。
「ちょ、遅れちゃうから!」
「大丈夫ですよ、なんたって私は…」
次の瞬間、レミリアは床の上に立たされ、服がいつもの服に変わっていた。
「お嬢様の完全で瀟洒なメイドですよ?」
「…うん、分かってる。私の大切な人」
「お嬢様、リアルに襲っていいですか?」
「…前言撤回しようかしら」
「冗談………ですよ?……………タブン」
「ちょっと待てメイド」
「アハハ…、冗談ですから安心して下さい」
咲夜が少し味が悪そうに笑う。
「でも…優しくしてくれるなら、いいよ?」
レミリアが頬を赤く染めて俯きながら呟く。
「お嬢様?」
「ぁ…ううん、何でも無い。朝食を用意してくれる?」
「あ、はい。承知いたしました」
そう言って咲夜は時を止めて移動した。
厨房
レミリアの朝ご飯を作っている咲夜の顔はとても赤くなっている。
「ずるいわよ…、あんな顔であんな事を言われたらどうしていいか分からないじゃない」
実は先程のレミリアの呟きを一語一句を逃さずに聞いていた。
「キスとかだってこれでも結構恥ずかしいのにそれ以上はどうしていいか分からないよ…」
そう言いながらもどんどん料理が出来ていく。
「あ、そうだ。今日は…」
レミリア自室
「お待たせしました」
「ありがとう、咲夜」
そう言って咲夜はテーブルの上に料理を並べていく。どれもまだ美味しそうに熱を放っている。三年前では出来なかった芸当の一つである。
「…うん、今日も美味しいわね」
「ありがとうございます、お嬢様」
「そういえば今日の仕事は何だったかしら?」
「ありません」
「え?」
「忘れたんですか?今日は記念日ですよ?」
「えっと…あ、ホントだ、すっかり忘れてた」
「しっかりして下さいよ…」
「ゴメンね、咲夜」
「で、今日はどうするんです?」
そう言って自分の分の紅茶を口にする。
「ん―――…咲夜、私とでーと、する?」
「…はい?」
「だから、でーと」
「デート?」
「うん」
「アイタタタ、ちょっと船頭沈めてきます」
「なんで!?」
「何?死ねと?幸せが理性を突きぬけfly away、体中にみなぎる『忠誠心』状態ですけど何か?」
「何か?って言われても…」
「まあ冗談はこれくらいにして…デートですか…」
「うん、嫌?」
「嫌じゃないんですけど…何処に行こうかと」
「あ、それなら大丈夫。前から咲夜と一緒に行きたい場所があったからそこに行こう?」
「閻魔さまにちょっとケンカ売りに逝ってきます」
「だから何で!?」
数十分後
さて、レミリアが
「それじゃあ着替えてくるね」
と言ったので手伝おうとしたら
「一人で出来るからいい、咲夜もメイド服じゃなくて私服に着替え来たら?時間止めるの禁止ね」
と言われてしまったので時間を止めずに数少ない私服に着替えてレミリアを待っている。
ちなみに今の私の恰好は茶色のブーツに黒のニーソックス、薄い水色のジーンズのミニスカート、ベージュのセーター、その上に白色のコートを着て灰色のマフラーに黒の手袋、帽子を被って出来上がり。
にしてもレミリアが来ない…。
―――そう言えばヘルシング教授によると吸血鬼は日光じゃ死にません、せいぜい魔力が使えなくなる程度です。
他にも流水が大丈夫だったり(渡れないだけ、飛んだり橋があれば別。ちなみに人が流水は境界だと考えたためそれが影響して渡れない。家に入る際も始めて入る時は住人の許可が必要なのも境界が影響?)
あと元素操って風や雨、その他の自然の力を使えるそうです(紅霧もその応用?)
他にも――
「お待たせ」
「…おおぅ」
いつものピンクのドレスではなく咲夜と同じく茶色のブーツに黒のニーソックス、それとベージュのショートパンツに赤色のセーターの上から白色のジャンパーに赤のマフラー(咲夜製)、そして色のモコモコ耳当てを着けてのご登場。咲夜がレミリアにプレゼントしたネックレスも忘れずに首から下げている。
「どう、かな…、霊夢と一緒に選んだんだけど…変じゃないかな…」
ちなみに霊夢は勘で選んでました。
「GJ、良く似合ってるわ」
「はう…」
「レミリア、右手」
「?」
言われて右手を上げると咲夜が手を掴んだ。
「さ、咲夜!?」
指の間に指を挟みこんで握る恋人繋ぎ。
「それじゃ行きますか」
「…うん」
こうして咲夜とレミリアは紅魔館を出発した。
「起きろ、美鈴」
「痛い!!」
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「咲夜、コレどう?」
「こちらの方がいいのではないでしょうか?」
「これは如何ですか?メイド長さん」
「あら、それもいいわね」
今、レミリアと私は人里の大通りで開かれている出張香霖堂のカウンターに置かれている商品を見ているところです、主にフラン様へのぬいぐるみなどのおもちゃと珍しいもの。
「うーん、それじゃあこれとこれを貰うわ、咲夜は何かいる?」
「それじゃあ、これを。店主さん、お会計をお願いします」
「お目が高いですね、それではお会計○○○○円になります」
「それでは、これで」
「――はい、丁度頂きました。ありがとうございました、またのご利用をお待ちしております」
「…そう言えば店主さん、口調や態度が商人らしくなりましたね」
「…嫁が『商人なんだからお客の対応ぐらいちゃんとしろ!!』とのことで」
そう言って霖之助が朱鷺子の頭をなでる。
「ふむ」
「…でも知識を披露する時はいつも通りに戻っちゃうんですよ、この人」
「聞いてくれる人は居るんですね」
「ああ、河童とか教授と名乗る人とかね」
「なるほど、それでは行くところがあるんでこれで」
「はい、またお願いします」
「それでは」
「すいませーん、『首が360°水平に回るCV若本のフクロウに怒られる』セットください」
「何そのメニュー!!?」
「レミリアには…『樹海の中で何故か正座をさせられ自分の目前には方位磁針(CV千葉)が仁王立ちしており何故か怒られている』セットで」
「だから何そのメニュー!!?怒られてばっかりじゃん!!!」
「他だと…『やたらイケメンで紳士に着飾った猫にグラス一杯に入ったマタタビを差し出され首を少し傾けウインクされ「君の瞳に、マタタビ」的な事を50種類くらい言われる』セットは?」
「もういいよ…それで」
咲夜から手渡された「それ」はクレープだった。
生地はもっちり、クリームはふんわりしていてトッピングがとても面白い組み合わせでとても美味しい。
ただ…
ただ一つ欠点を上げるとすれば…
そのクレープが量が半端ない事だけだ。軽くレミリアの上半身が隠れてしまうくらいある。
「げふ…」
「食べ終わるの早!!!」
「レミリア、ここは?」
「洋服店よ」
「え?」
「咲夜は殆ど私服持って無いでしょ?だから私が選んであげようかと思って」
レミリアの顔がいつもよりここぞとばかりに強気な顔に…。
「いや、別に、大丈夫ですから!」
「いいからいいから…」
「ちょ!」
そして私は1時間の間レミリアの着せ替え人形と化した。
「ひどい…あんまりだわ…」
「はいはい、嘘泣きはいいから。次行くわよ」
「次?」
「ええ、今日は月が沈むまで遊び尽くすわ!!咲夜!ほら早く!!!」
「…ふふ、はいはい。お手柔らかに」
ちょっと食べてみたいかもw
相変わらず突っ走ってますね。
後霖さんはいつの間にとっきゅんと結婚したんですか。いや別に悪い訳ないですよ?むしろご馳走さまでした。
というか教授って岡崎さんですかそうなんですか
これからも頑張って下さい。
短い商品名だ、もっと長くできませんか?と言うのは本気ですが
良い物読ませて頂きました、頑張って下さい
奇声を発する程度の能力 様
え!!?
唯 様
とっきゅんは霖さんの嫁!!
夢霖も大好きだけどね!!
てか霖之助カップリングは大好きだ!!!
3 様
私にとってはまだまだですけどね…もっと上を目指す!!
投げ槍 様
ありがとうございます。
おおぅ…想像できる…