Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

秋晴れの下、二人で連れ立って

2010/10/05 18:37:36
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僕は大柄のリュックサックを背負いながら天子に話しかけた

「それじゃ行こうか、天子」

「うん」

店の入り口に『本日は休ませて頂きます』と書いた看板をぶら下げ僕らは歩き出した


さわやかな秋晴れ、まさに行楽日和だ

「風が気持ち良いね、霖之助」

「そうだね、寒くもなく暑くもなく、最高の天気だ」

天子の言葉に相槌を打ちつつ歩を進める


僕らが目的地に着いた頃には既に正午を回っていた

「…霖之助、お腹減った」

「待っててくれすぐに食事の用意をするから、天子は敷物を敷いて置いてくれ」

「う~い」

そう言って僕はリュックからバーナーとコッヘルを取り出し昼食の準備に取りかかった
まずはお湯を沸かしスープを作り始める

「敷いたよ~」

「あぁそれじゃ出来るまでゆっくりしててくれ」

「早くしてね~」

「善処するよ」

天子に急かされ僕は沸騰したお湯にウェイパーを溶き入れ、分葱を入れる

「出来たよ」

「待ってました!」

僕は二つのスープカップにスープを注ぎ分け天子はバスケットからサンドイッチを取り出した

「頂きます!」

元気の良い声が秋の青空に響き、食事が始まった

「スープ美味しいね」

「我ながら良くできてると思うよ」

そう言いながら僕はサンドイッチを囓る、ゆで卵を潰してマヨネーズで和えただけの簡単な具だったがとても素朴で美味である

「…美味しい?」

僕がサンドイッチを食べているのを見て天子が不安げな表情を見せている
口に入っているサンドイッチを飲み込むと僕は問いかけた

「君が作ったのか?」

「…うん」

それだけ言うと天子は黙り込んでしまった

「美味しいよ」

「え?」

「美味しいって、言ったんだ」

「本当に?」

「あぁとても美味しいよ」

「…ありがとう」


昼食が終わり後かたづけも終わりただぼーっとしていると天子が欠伸をした

「…眠いのか?」

「ちょっとね」

そう言って天子は目を擦りながら僕の膝に頭を置いてきた、所謂『膝枕』である

「あ、丁度良い高さ」

「ちょっ、何するんだ」

「ちょっとだけ眠らせてよ」

「え?待ってく…」

僕が抗議の言葉を並べ立てる前に天子は眠りについてしまった

「…やれやれ」

安らかな表情をして眠っている天子を見つめる
さらさらの髪に張りのある肌

「…こんな姿を烏天狗に見られたらどうしよう」

自分で言って笑えない事を呟きつつ天子の寝顔を見つめ続ける

「…眠くなってきたな」

すやすやと寝息を立てる天子を見ていると僕も眠くなってしまう
若干、いや相当眠りづらいが、少しうとうとするくらいなら許されるだろう、そう思って僕は静かに目を閉じた


肌寒い空気を浴びながら僕は目が覚めた、どうやら本格的に眠ってしまったようだ

「…おはよ、お茶飲む?」

緑色の液体で満たされたカップを差し出してきたのは天子だった

「おはようって時間じゃないね、ありがとう」

「確かにね、そうだ、これ見てよ」

天子が差し出してきたのは赤いシクラメンだった

「シクラメンじゃないか、こんな花何処で?」

「あっちに綺麗なお花畑があったから、一本貰って来ちゃった」

そう言って天子は帽子を脱いでシクラメンを髪にさした

「ねぇ、似合う?」

「似合ってるよ、でも君には赤いシクラメンよりも白いシクラメンが似合うと思うよ」

「え?どういう事?」

僕の呟きに天子が反応した

「ん?気にしないでくれ」

「教えてよ~、気になるなぁ」

「またいつかね、そういえば…」

僕は空を見上げ言った

「早く帰らなければ、もうすぐ日没だ」

「良いじゃん、ここに泊まろうよ」

「へ?」

「ここに泊まろうって言ったのよ」

天子はにっこりと笑って言葉を繋げた

「天幕持ってきてるんでしょ?」

「…何で知ってるんだ?」

「見たから」

余りにもあっさりと言われたため僕は返す言葉がなかった

「ねぇ良いでしょ?ここに一晩泊まろうよ」

「一張りしかないぞ?それに狭いぞ」

「大丈夫、私も張るの手伝うからさ」

そう言って天子は僕のリュックを漁り始めた

「…しょうがないな、分かったよ」

それが僕の返答だった


協力して数分、僕らは簡素な天幕を張り終えた

「…結構暗くなってきたね」

「うん、それに寒くなってきた、入った方が良いだろう」

「そうだね」

そう言って僕らは狭い天幕へと入り込んだ


やはり天幕は二人ではギリギリ、と言うか完全に狭すぎた

「…やっぱり狭くないか?天子」

「狭いけどさ、嫌じゃないな、こういうの」

「どういう事だい?」

「…人の、霖之助の温もりが感じられるからさ」

暗くなったせいで天子の表情は分からなかったが、暗くて良かった、きっと今僕は顔中真っ赤にしているだろう

「そうか、ありがとう」

僕はそう呟き天子を優しく抱きしめた

「えっ?ちょっと?」

「こうさせてほしい、ダメかな?」

「…ダメじゃない」

消え入りそうな声でそう呟いた天子に僕はもう一度言った

「そうか、ありがとう」
朝、肌寒い空気の中私は目を覚ました
「…ん、霖之助」
「起きたか、おはよう天子」
天幕から彼が笑顔で声を掛けてきた
「おはよう」
「朝ご飯出来てるよ、食べたら天幕を撤収させて帰ろう」
「うん」
私は天幕から這い出て秋の朝の新鮮な空気を吸い込んだ


昼頃、天子を見送ってから僕は店へと戻った
「…よぉ香霖、天子とのピクニックはどうだった?」
店先には魔理沙がいてピクニックもといキャンプの事を聞いてきた
「キャンプになってしまったが、とても良かったよ」
「そうかそうか、私も案を出して良かったぜ、じゃあな」
「もう帰るのか?」
「あぁ寄るところがあるのでな、じゃあな」
魔理沙はそう言って青空へと飛んでいった


人里離れた所にある茶屋、そこに竜宮の使いが訪れていた
「…時間通り、でしょうか?同志マリサノフ」
「まさに時間通りだぜ、良く来てくれた同志イクシコフ」
両名は固く握手を結んだ後、店内へ入り今後の計画について話し始めた
「…今回の『ドキドキ!二人っきりのキャンプ作戦』は上手くいきましたね、同志マリサノフ」
「あぁ、これも同志イクシコフの尽力の賜だぜ」
「いえいえ、同志マリサノフの人脈があってこその計画でした、ありがとう」
「礼を言うのはこっちだぜ」
「ところで次の計画ですが…」
そう言って衣玖はテーブルに紙を広げた
「今度は温泉に行って貰う、と言うのはどうでしょう」
「良いアイディアだぜ、同志、温泉だったら地底にもコネがある、行けるぜ」
「本当ですか?」
「魔女に二言は無いんだ、ぜ」
魔理沙は白く輝く歯を見せサムズアップをした
「うふふふふふ」
「ぬははははは」
二人は笑みを浮かべ運ばれてきた善哉に舌鼓を打った


どうも、久しぶりに天霖を書きたくなってやってしまった投げ槍です
…三つ目の後書きは流石にやりすぎたでは済まされないかもね
投げ槍
コメント



1.削除
てんこの日だもの、予想はしていたさ。

>…三つ目の後書きは流石にやりすぎたでは済まされないかもね
えぇ、済みませんね。
温泉とか聞かされたら続きが気になって仕方ない。
書いてもらいましょうか、同士ナゲヤノフよ。
2.奇声を発する程度の能力削除
後書きの三つ目が凄く気になるのぜ
3.名前が無い程度の能力削除
なんでロシア人風なんだコードネームww
ぜひ書いてもらいますよ同士ェ……
4.けやっきー削除
淡々と交わされる爽やかな雰囲気、良かったです。
三つ目まだかな、まだかな…