「あー、やっぱ猫はいいわあ。ほれほれ」
「にゃーん」
「今度はこっち。ほーれほれ」
「にゃにゃーん」
今日ものほほん平和な博麗神社。そして、猫と戯れながら恍惚とした表情を浮かべている彼女がこの神社の主、博麗霊夢である。異変では容赦なしな鬼巫女も、平時は年相応の普通?な少女なのだ。
「ほれ、ここがええのんか」
「にゃーん」
「はあ、仕事をさぼって何をやっているかと思えば、こんな所にいたのですか。お燐」
「!!」
「あら」
「『こんな所に珍しい』ですか。私はお燐を探していたらたまたまここに来ただけです。『・・・一々心を読むな』ですか。すみません、性分なもので」
眠そうな目をした彼女は古明地さとり。地霊殿の主であり、人の心を読む事が出来る地底で最も忌み嫌われるさとり妖怪である。
お燐と呼ばれた猫は、さとりのペットである火焔猫燐。今は猫の姿をしているが、人型になり言語を解す妖怪である。
「『霊夢とのじゃれあいが楽しくて長居してしまった』ですか、全く。ほら、さっさと帰って仕事の続きをしてもらいますよ」
「にゃ、にゃーん」
「ちょっと待ちなさいよ」
「『お茶ぐらい飲んで行きなさい』ですか。生憎私は忙し・・・、心の中で無言の圧力を掛けないで下さい・・・・・、分かりました、少しだけお付き合いしましょう」
「んじゃ、そこに座って待ってなさい」
「はい」
「にゃーん」
「『偶然とはいえ、さとり様が地上の者と交流する機会が出来て良かった』ですか。たまたまですよ、これ一回きりです」
「にゃーん」
「『さとり様も素直じゃない』ですか。余計なお世話です」
「お待たせ」
「ありがとうございます」
ふー、ふー
「・・・・・」
「・・・そうですよ、私は猫舌です。悪いですか?」
「いや、えっと」
「何ですか・・・・・い、意外と可愛い!?な、何を考えているのですか、あなちゃは!?」
「いや、あんたってただ無愛想なだけかと思ったら、猫舌とか今も噛んだりとか意外と可愛らしい所もあるんだなって」
「!!!」
「あら、赤くなった。まさかこういうのに耐性ないの?弄りがいあるわねあんた」
「か、帰りますよお燐!」
「ふにゃー」
「あ、ちょっと・・・・・やっべちょう可愛い」
・・・・・
ここは地霊殿。さとりが主人を務め、こいし、お燐、お空の三人が住む、旧地獄跡を管理するための屋敷である。
「さ、さとり様?どうしたんですかいきなり逃げだすなんて。もしかして照れ、「う、うるさいですよ!貴女はさっさと仕事に戻りなさい!」
「は、はいい」
バタン
全く、何なんだ彼女は。この私をか、かわいいだなんて。不意打ちにも程がある
――意外と可愛いのね、あんた――
あんな事、初めて言われた気がする
「可愛い・・・・・えへへ」
はっ、何を考えているんだ私は。仕事に戻ろう。でも・・・・・
「また、会えるかな」
「ふむ、さとり様のあの反応。脈ありか」
「うにゅ、お燐。仕事さぼって何やってたのさー」
「ああ、ごめんよお空。霊夢と遊ぶのが楽しくてつい」
今お空と呼ばれたのは霊鳥路空。彼女もまた、さとりのペットでありお燐の親友でもある。鳥頭だなんだと言われるが、やるときはやるタイプだ。
「いいなあ、私も霊夢と遊びたい」
「ふむ・・・・・お空。ちょっと協力してくれないかい?あんたは霊夢と遊べて、さとり様は地上の人ら(主に霊夢)と交流できる一石二鳥の策さ」
「うにゅ?よく分かんないけど、霊夢と遊べるならやるー」
「よしきた」
色々と可愛すぎてもう何かヤバいじゃないか。
初なのに続く?全然構いません。続きにも期待!
がんばれ、超がんばれ。
応援しています。
普段は携帯からは面倒だからコメントしないのをついコメントしてしまうぐらい超期待
そうかそうか。霊夢はさとりのようなタイプが好みという訳でw
さとりとかあと天子辺りは不意打ちに弱そうだな
もう、この先のさとりが気になって気になって。
続き、待ってます!