私が霊夢と付き合うようになってから、私の生活は一変した。
少しでも一緒に居られるように私はできるだけ霊夢の傍にいた。
霊夢は困ったような、いや、あれはきっと照れている顔をしていた。
「照れ屋さんね」
「…悪い?」
「いいえ? 私は嬉しいわ。霊夢の新たな一面を知れて」
「…そう、なんだ」
霊夢は恥ずかしいのか、俯いてしまった。
ああ、私はもっと顔を見ていたいのに残念だわ。
「霊夢、こっち向いてよ」
「…やだ」
「どうして?」
「……恥ずかしいから」
正解だった。
耳まで赤くして必死に私からの視線に耐えていた。
そんな姿が本当に可愛くて、私は霊夢を抱き寄せた。
「ちょ、アリス!?」
「なぁに?」
「なにしてるのよ!」
「霊夢を抱きしめてる」
「そんなの見りゃ分かるわよ! なんでそんなことしてんのよ!?」
吠える霊夢を宥めながら私はさらに霊夢を強く抱きしめた。
そしたらずいぶんと大人しくなった。
観念したのだろう。
「霊夢が可愛いからつい、ね」
「…なにそれ」
「私に抱きしめられるのは嫌かしら?」
「誰もそんなこと言ってないでしょ!」
「ならいいじゃない」
霊夢はそれからまた黙った。
今度は首まで赤くなって、本当に可愛いなぁ。
「ねぇ、アリス?」
しばらく黙ったままだった霊夢が口を開いた。
私はまたなんか怒られるのかな、とか思いながらも霊夢の話を聞いた。
「私ね、こんな性格だから、その…いつも素直じゃないけど」
「…れい、む?」
「アリスのこと、ちゃんと……好き、だからっ」
「ッ!?」
こんな不意打ち、いったいどこで覚えてきたのかしらね。
正直こんな形で霊夢の新たな一面をまた知ることになろうとは思わなかった。
「あの、…アリス?」
どうやら私が何も言わない様子に不安になってきたのか、霊夢はおずおずとこちらを向いてきた。
あ、ダメだ。
今こっち向かれたらヤバい。
「~~~ッ!?」
時既に遅し。
霊夢はこちらを向いて赤い顔をさらに赤くした。
なぜってそれは……、私もかなり頬が熱い、つまり霊夢並みに赤いということだ。
「霊夢、反則よ」
「な、なんの話よ!?」
「普通このタイミングで言う?」
「だ、だって…」
これは霊夢に一本取られた。
でも、ここから私の攻撃だ。
少しでも心を落ち着かせて、顔の赤らみが消えるのを待つ。
「…ふぅ」
「アリス?」
よし、準備OK。
あとは霊夢の思考が完全にシャットダウンするであろう言葉を浴びせるだけだ。
「霊夢、よく聞いてちょうだい」
「…なに?」
霊夢はキョトンとした顔で聞く態勢になった。
私はそれを見てニヤリとしながら霊夢の耳元まで自らの口を近づけた。
「愛してるわ霊夢。もう食べちゃいたいくらいに」
「…………。」
「だから今夜、…ダメかしら?」
「……ばかっ!」
それでも霊夢は私から離れようとはしなかった。
本当に可愛い。
「…その、優しくしてね?」
「ッ!?」
また新たな一面を垣間見た。
もう今からでも食べたいくらいだ。
いやいや、それはいくらなんでも最低すぎる。
「…アリス?」
「うぁい!? 分かってるわ霊夢。安心してちょうだい!」
「へ? あ、…うん」
私、ちゃんと優しくできるかしら…?
妄想としては、いいんじゃないでしょうか。ただ、小説としては不十分かと。
妄想としては、良かったですよ。大事なことなので(ry
もっと深いところまで見てみたいので、次も楽しみに待ってます。
まったり時間が流れている感じも、恋人同士の間にある独特な空気も。
次回作も楽しみにしています。
続き期待