「おはようございます!幽香さん」
「あら、おはようリグル」
今日も今日とて、自身の花畑の手入れをしている幽香の元にリグルからの元気一杯のあいさつが聞こえてきた。
「もう秋も近いって言うのに、今年は残暑が厳しいですね」
「そうね。手入れが一段落したら冷たい物でも飲みましょ」
「わかりました。それじゃ、私はあっちの方の水遣りをしてきますね」
そう言ってリグルは地面を軽く蹴り、ふわっと飛んで行った。
そんなリグルを見て幽香は笑みを浮かべ「今日はどんなことを話そうかしら」と休憩時のことを考えながら自身の作業へと戻って行った。
自身の作業が終わってから数十分。幽香はキンキンに冷えた麦茶を用意してリグルの帰りを待っていた。いつもより少し帰りの遅いリグルに少しの不安を抱いたが、手入れというのは季節によって違うことをしなければいけないし、この広い花畑の害虫駆除(駆除と言ってもリグルの能力で退いてもらうのだが)は全てリグルに任せている。しかも今年は残暑が厳しいので蟲も大量に発生している。時間が掛かってしまってもおかしくないと幽香は思った。
思ったのだが―――
「・・・・・・遅すぎるわ」
すでにリグルを待ち始めてから一時間ぐらいになる。だが、一向にリグルが来る気配はない。キンキンに冷えていたはずの麦茶はもう生温くなってしまい、麦茶の入ったコップには水滴がたくさん付着している。
「まさかこの残暑で倒れてる・・・なんてことは無いわね。・・・・・・もう仕方ないわね」
「ご、ごめんなさい!幽香さん!」
いい加減待つのも疲れてきたので、様子を見に行こうと席を立とうとした刹那。慌てた様子でリグルが帰ってきた。
幽香は元気そうなリグルの姿を見て少しホッとした表情になったが、すぐにイジワルそうな表情を作った。
「あら、随分と遅いご帰還ねリグル」
「はぁ、はぁ、す・・・すみません」
「キンキンに冷えていた麦茶も生温くなっちゃったわよ」
「本当に・・・すみませんでした」
「まったく・・・あなたとのお喋りできる時間が少なくなっちゃったじゃない(ボソボソ)」
「ふぇ・・・な、なんか言いましたか?」
「い、言ってないわよ!」
そう言って幽香はぷい!と横を向いてしまう。しかし、耳まで赤くしている幽香を見てリグルはつい笑ってしまった。
「な、なによぉ!リグルのくせに!」
「い、いはいでふ!いはいでふ!」
照れ隠しに幽香はリグルの柔っこい頬をビヨーン!と抓って、限界まで引っ張ると頬から指を離した。
バチン!とリグルの頬が痛々しい音を立てる。
真っ赤になった頬をリグルは涙目で擦りながら、幽香を「うぅ~」と見詰める。
「とにかく!さっさと席に座りなさい!」
「えっとその前に幽香さん。ちょっと渡したい物があるんですが」
そう言って、リグルは赤い色をした一輪の花を幽香に見せた。
「幽香さん。幽香さんはこの花って知ってますか?」
「ええ、知ってるわよ。色待宵草(いろまつよいぐさ)でしょ」
「そうです。ではこの花の花言葉って知ってますか?」
「う~ん・・・・・・。ごめんなさい。ちょっと忘れちゃったわ」
「そ、そうですか。実はこの花を探しているうちに結構時間が掛かっちゃって遅れてしまったんですが、本でこの花の花言葉を知ってどうしても幽香さんに渡したくて。それで、この花の花言葉なんですけど・・・・・・」
リグルは顔を赤くしてモジモジしながら「う~ん」とか「え~と」とか言っている。
そんなリグルに幽香が声を掛けようとした時。リグルは意を決した表情を幽香に向ける。
「幽香さん、この花言葉は―――」
リグルから花言葉を聞いた瞬間。幽香は本日二度目の赤面をして両手で顔を覆って俯いてしまった。そして幽香はリグルに向かって「・・・ばか」と弱弱しく抗議したという。
「あら、おはようリグル」
今日も今日とて、自身の花畑の手入れをしている幽香の元にリグルからの元気一杯のあいさつが聞こえてきた。
「もう秋も近いって言うのに、今年は残暑が厳しいですね」
「そうね。手入れが一段落したら冷たい物でも飲みましょ」
「わかりました。それじゃ、私はあっちの方の水遣りをしてきますね」
そう言ってリグルは地面を軽く蹴り、ふわっと飛んで行った。
そんなリグルを見て幽香は笑みを浮かべ「今日はどんなことを話そうかしら」と休憩時のことを考えながら自身の作業へと戻って行った。
自身の作業が終わってから数十分。幽香はキンキンに冷えた麦茶を用意してリグルの帰りを待っていた。いつもより少し帰りの遅いリグルに少しの不安を抱いたが、手入れというのは季節によって違うことをしなければいけないし、この広い花畑の害虫駆除(駆除と言ってもリグルの能力で退いてもらうのだが)は全てリグルに任せている。しかも今年は残暑が厳しいので蟲も大量に発生している。時間が掛かってしまってもおかしくないと幽香は思った。
思ったのだが―――
「・・・・・・遅すぎるわ」
すでにリグルを待ち始めてから一時間ぐらいになる。だが、一向にリグルが来る気配はない。キンキンに冷えていたはずの麦茶はもう生温くなってしまい、麦茶の入ったコップには水滴がたくさん付着している。
「まさかこの残暑で倒れてる・・・なんてことは無いわね。・・・・・・もう仕方ないわね」
「ご、ごめんなさい!幽香さん!」
いい加減待つのも疲れてきたので、様子を見に行こうと席を立とうとした刹那。慌てた様子でリグルが帰ってきた。
幽香は元気そうなリグルの姿を見て少しホッとした表情になったが、すぐにイジワルそうな表情を作った。
「あら、随分と遅いご帰還ねリグル」
「はぁ、はぁ、す・・・すみません」
「キンキンに冷えていた麦茶も生温くなっちゃったわよ」
「本当に・・・すみませんでした」
「まったく・・・あなたとのお喋りできる時間が少なくなっちゃったじゃない(ボソボソ)」
「ふぇ・・・な、なんか言いましたか?」
「い、言ってないわよ!」
そう言って幽香はぷい!と横を向いてしまう。しかし、耳まで赤くしている幽香を見てリグルはつい笑ってしまった。
「な、なによぉ!リグルのくせに!」
「い、いはいでふ!いはいでふ!」
照れ隠しに幽香はリグルの柔っこい頬をビヨーン!と抓って、限界まで引っ張ると頬から指を離した。
バチン!とリグルの頬が痛々しい音を立てる。
真っ赤になった頬をリグルは涙目で擦りながら、幽香を「うぅ~」と見詰める。
「とにかく!さっさと席に座りなさい!」
「えっとその前に幽香さん。ちょっと渡したい物があるんですが」
そう言って、リグルは赤い色をした一輪の花を幽香に見せた。
「幽香さん。幽香さんはこの花って知ってますか?」
「ええ、知ってるわよ。色待宵草(いろまつよいぐさ)でしょ」
「そうです。ではこの花の花言葉って知ってますか?」
「う~ん・・・・・・。ごめんなさい。ちょっと忘れちゃったわ」
「そ、そうですか。実はこの花を探しているうちに結構時間が掛かっちゃって遅れてしまったんですが、本でこの花の花言葉を知ってどうしても幽香さんに渡したくて。それで、この花の花言葉なんですけど・・・・・・」
リグルは顔を赤くしてモジモジしながら「う~ん」とか「え~と」とか言っている。
そんなリグルに幽香が声を掛けようとした時。リグルは意を決した表情を幽香に向ける。
「幽香さん、この花言葉は―――」
リグルから花言葉を聞いた瞬間。幽香は本日二度目の赤面をして両手で顔を覆って俯いてしまった。そして幽香はリグルに向かって「・・・ばか」と弱弱しく抗議したという。
赤面するゆうかりん可愛いよ!
何とまぁ可愛げのある…良かったです。